2018/11/28
Cuz Me Pain以降、変化したものと、まだ変わらないもの。
Mac Demarcoがデビュー以来、今でも在籍しているレーベルであるCaptured Tracksが設立されたのが2008年。だいたい2008年くらいからUSインディはアーティストやバンドが急増して、隆盛期を迎えたような記憶がある。そして当時の日本にも、海外のインディシーンと同調していたアーティストやシーンが一部存在していた。それはJesse RuinsやThe Beautyを含むCuz Me Pain周辺、京都のHotel Mexico、möscow çlub、Teen Runnings、SUPER VHS、Elen Never Sleepsなどといったバンド/アーティストである。その後、文脈は幾重にも別れていくが、例えば大阪のWallflowerやJuvenile Juvenile、さらにYkiki Beat、DYGL、Cairophenomenons、そしてLSTNGTといったところまで繋がる。もちろん色んな見方はあるが当事者としては、そう捉えている。2009年、2010年頃から我々はレーベル/イベントとしてCuz Me Painを運営し、特に知識がないまま手探りでレコードやカセットを自主制作し始めた。流通も自分達で行った。確か一度ディスクユニオンに手伝ってもらったが、結局その後も自分達でやっていた。自分達の音楽はよく海外メディアには取り上げられていた。ただ日本の音楽業界の大人達には一部を除いてほとんど伝わってなかったようだ。そして月日が経ち、じょじょに音楽性も離れていき、まぁよくある感じでCuz Me Painは自然に終了する。今回はCuz Me Painの中心メンバーだったYYOKKE(White Wear、ex. Faron Square)、ODA(The Beauty、Atlas Young、ex. Faron Square)、YUUKI(ex. AAPS、ex. Faron Square)に、The Beautyのライブでドラムを担当していたKOUTAを合わせた4人の現在のバンドWOOMANにインタビューを行った。当時の彼らを知っている人からすれば、少し意外な展開かもしれないが、WOOMANのシングルとアルバムがKiliKiliVillaからリリースされる。(その話をメインに展開しようと思ったが、気づいたら話が長くなってしまい、最後に取ってつけたようにリリースの話をしている。)今、彼らはどんな考えでもってWOOMANをやっているのか。
YYOKKE – 何からいきましょ。
– そうね。インタビューっぽく最初は結成の…。
ODA – 結成秘話?
– 秘話じゃなくていいよ。経緯から聞かせてください。
YYOKKE – 2014年末にナオヒロさん(Solitude Solutionsファウンダー)のパーティーでライブをやるために、名前を変えてWOOMANになったんだけど、紐解いていくと、その前身がThe Beautyになるわけですね。で、Cuz Me Pain…。てか、これ結構いろいろ説明が必要ですよね、Cuz Me Painの話ってなると。
– WOOMANを語るには、結構前のことから話さないとね。
YYOKKE – 俺はJesse Ruinsからの脱退もあるし。サクマ君(CVN)から「あなたはあなたの音楽をやりなさい」って言われて、「はい。」って言って俺は辞めた(笑)
ODA – 肩叩かれたやつやろ。
YYOKKE – で、その時に空いた時間で練っていたアイデアがWOOMANやった。
– じゃあ肩叩いて結果よかったのかも。
YUUKI – The Beauty終わって、ヨッケはソロのWhite Wearにシフトしたんだっけ。
ODA – まぁWhite Wearからじゃない?流れ的には。
KOUTA – White Wearにオダ君が合流したみたいな感じかな。
ODA – うん、そんなイメージかな、俺は。
YUUKI – White WearにThe Beautyを辞めかけてるオダさんが合流して…。
ODA – 辞めかけてるって(笑)
– The Beautyは現状どういう状態なの?
ODA – 音楽の感じで言うと旅に出ている設定かな。
YUUKI – 音楽の感じで言うと?
ODA – いや、俺は別に旅しないけどね、音楽の感じで言うと旅に出ている。今ローマあたりにいるかな。
ODA – これインタビュー進まんな。。
YYOKKE – なんかええ感じに言おうとしすぎて空回りしてるから。
ODA – The Beautyから話入ったら長いって。
YUUKI – まぁでもそれきっかけでスタートしたみたいなところあるからね。
YYOKKE – そうね。順を追ってお話しすると、以前Cuz Me Painっていうインディペンデント・レーベルを僕とサクマ君とオダとツッカさん(現TWLVオーナー)、ユウキと一緒に運営していて、そこにJesse Ruins(当時のサクマのメインプロジェクト)やThe Beauty(当時のオダのメインプロジェクト)が所属していて、The BeautyはCrue-L(DJ瀧見憲司氏が主宰するレーベル)からもリリースをしていて、そのThe Beautyのライブを手伝うバンドが今のWOOMANのメンバーって感じかな。で、オダさんが1回、The Beautyのライブはストップさせると言い出して。じゃあオダ以外の3人でなんかやろうかっていう話になって。ちょうどWhite Wearって名前で自分のソロもやってたんで、その曲を合わせようかみたいな感じでスタジオに入ってて。White Wear名義では、コウタとユウキとヨッケの3ピースで2回ほどライブやったかな。それで3人でやってる中で、オダがもうただの酒飲み仲間みたいな感じになってて。そのうちもう全然界隈に顔を出さなくなってしまって。うちらのライブにすらも来ない、なかなかひどい状態で。もうそのうち実家帰るんじゃないかって本当に思ってた。でもある日、武蔵小山で1日現メンバーの4人で飲むことがあって。昼から飲み始めて深夜にかけて7、8軒行って。で、なんか全然よくわかんない焼き鳥屋で、もうこんなに仲いいんだったら一緒にバンドやろうよみたいな話になって。1回スタジオ入ろうってなって入りだしたら、なんかやっぱりバンドって楽しいねってなって、その時にちょうどナオヒロさんからライブやらないかってお誘いしてもらって。
– それで、再びオダが合流したのね。
YYOKKE – 俺は何か4人でやるならWhite Wearって名前でやるのは違うかなと思って。オダが入ったことで名前を一新してやろうよって言って。で、リハ終わりに三茶の飲み屋でバンド名を考えてた時に、オダがトイレに行って帰ってきたら、バンド名はWOMANがいいと思うって言ってきて。1回仮でWOMANにしとくか、と。
YUUKI – 当時は普通のつづりのWOMANだったね。
– あ、そっか。いつ今のWOOになったの?
YYOKKE – それはね、この4人+たまたま路上でバッタリ会ったチャーベさん(LEARNERS/CUBISMO GRAFICO FIVE)と飲んでた時に、我々が女性っていう意味のWOMANを名乗っていいのか?みたいなことを冗談で話していて、チャーベさんと字面的に“O”、1個付けたらかわいくない?みたいな話になって。一応名前の意味付けとしては「WOO」っていうのがアメリカ人男性のスラングで、女の人を口説く時の誘い文句で「WOO」っていうのがあって。女の子を口説こうとしている男たちっていうことで、WOOMAN。当時みんな彼女がいなかったので、いいんじゃないみたいな。だから女性っていう意味で捉えられがちですけど、逆でチャラい感じなんよ。そしてチャーベさん、助言ありがとうございます(笑)
ODA – 人間性はチャラくないけどね。
– 音楽性がチャラい?
ODA – 音楽性もチャラくない。
YYOKKE – 「物事はちょっと見方や角度を変えれば、意味が変わってくるっていうことね。」ここ太字か、見出しにしてください。
ODA – 太すぎる字にしてもらおう。
– WOOMANはWhite WearともThe Beautyとも違う音楽性だけど、その辺はどうやって決めていったの?
YUUKI – それはあれじゃない?Merchandiseじゃない?
YYOKKE – 我々過去にラップトップとかMTRで同期を使ってるバンドをやってたじゃないですか。Jesse Ruinsだったり、The Beautyだったり、Faron Squareだったり。今回は、同期使わないのをやりたいねってなって、ずっとそうなんだけど、やってないことやっていこうぜみたいなのがあって。で、歌ものみたいなのってまだやったことないからやってみようと。とりあえずどういう方向性にいくかってところで参考にMerchandiseの曲をコピーしたり、Royal HeadacheやDMA’Sを参考にしたりとか、俺はそういうのを聴いてて。その辺の感じをやりたいなと思って。当時、Posh IsolationとかLowerとかキテたから、そういうニュアンスを含めた曲を最初作ったんやけど、これがめちゃくちゃ不評で。メンバーもなんかアガらないみたいな。やっぱ自分たちのキャラクターと音楽が合致してなくて、ヒリヒリしたポストパンクとかをそのままやるは全然違うなって思って、そこからもう、オダさんじゃないけど、旅が始まるんですよ。WOOMANの音楽を探る旅が。
– その旅は落ち着いた?
YYOKKE – それがもう2期を終えて次3期に突入しようとしているとこで。1期は、サイケとローファイインディーとシューゲイザーのような、プラスちょっとメロディーのあるものがごっちゃにしたものをやりたいなっていうイメージがあって。その頃にKing Gizzard & The Lizard Wizardとか、Ariel Pinkとか、Toro Y Moiのバンドに傾倒して作ったアルバムとか、そういうのを参考にベースで曲を作って、みんなに聴かせたら、すげえいいってなったから、この感じかなと思ってやりはじめたんだけど、曲が難解という問題が起こって。変拍子だったり、変なコーラス入れたりとか、演奏するのに曲がとにかく難しい。
ODA – 当時は無理矢理に変にしようとしてて、6拍子とか。
YYOKKE – ユニークなものを作ろうとしすぎていたのが第1期。ファーストアルバム『LOST LOVE』の曲なんやけどね。あれはもう計画性を持たずに録れる時に録って作ったみたいな感じ。だから、0みたいな。ファーストではなく言うなれば0期。
ODA – 生まれた時。
YYOKKE – そのアルバムのリリパもやって、一応2016年でそのアルバムの活動は1回終わらせるみたいなのをみんなで話してて、じゃあ次どうしようかっていうところで、演奏面でも楽曲面でも、もっとシンプルにしたほうがいいんじゃないかなと思い出し始めて。難しい曲が果たして良いものなのかっていうとそうではないし、簡単だから良くないっていうことでもないので、そこのバランスを考えて曲作りをしようと。
ODA – ファーストアルバムを作ってる途中にヨッケが新しい曲を作ってきて、それが今までと違う流れの雰囲気だったから。
YYOKKE – そう。それが今度7インチでリリースする『Still Inside』って曲なんやけど。それはFirst HateとかThe Tough Allianceとか、北欧のエレクトロポップの雰囲気やメロディの曲をロックバンドでやるみたいなイメージ。The Mary Onettesとか、ああいうのをやってみたいってムードになってきて。かつ演奏が難しい路線はやめて、めちゃくちゃ簡単なコードで作ってみた。CとGとFで出来ちゃうぐらいのやつ。結果全然First HateでもThe Tough Allianceでも無いのが出来たけどね(笑)
ODA – 本当はそれもファーストに入れたかったっていうぐらいの曲。でも、ファーストアルバムの件はもう動いてるから、とりあえずファースト出してから、みたいなイメージだった。
YUUKI – ヨッケが1人で『Still Inside』の歌入れをスタジオでやってきたんだよね。それを送ってもらって聴いて、いいじゃんってなったんだよね。
KOUTA – ファースト出したあとにもうガラっとセット変えたよね。3カ月ぐらいライブ休んで。
YYOKKE – もう全然違うバンドになったぐらいの感覚で。だから、もう1年2年ぐらい、ファーストアルバムの曲をライブでやってないかな。
ODA – だから0期っていうのも、そういう意味合いが込められているっていうか。今回のサウンドが結構ファーストみたいなイメージは、あるんじゃないかなと。やっとちゃんと他人にWOOMANを伝えるリリースができるっていうか。
YYOKKE – これ何の話やったっけ?
ODA – 一番甘い芋は、安納芋じゃないかっていう。
YYOKKE – そういうの言うと、書き起こす時面倒くせえなってなるからやめてあげて。
ODA – そうですね。すいません。
YYOKKE – だから、結構その都度その都度で、その時聴いてるものを咀嚼して作ってはいるかな。
ODA – 1回休憩入ります。(その場を立ち去る。)
YYOKKE – え、立ち上がるの?
– 曲作る過程で4人の担当はあるの?
KOUTA – 基本的にはもうヨッケ君が大枠全部作ってきてくれるから、それに対して、基本的には合わせるけれども、ここはこうしたいっていうのをどんどん肉付けしたり減らしたりするっていうのを3人がやってる感じ。
YYOKKE – あんまりベースこう弾いてとか、ドラムこうしてとか指示はしないかな。
KOUTA – デモにある程度具体的に入ってるから、それで共感できたらそのままやるって感じ。
YYOKKE – じゃあ、これをみんなでやって一番ええ形にしてください、みたいな感じでやってて、今のいいね!とか言いながら作っていく。
ODA – ヨッケちゃんもなんかいろいろ、まぁヨッケちゃんって言ったらあれかもしれんけど。みんなそれをまずコピーするわけよ。コピーするけど、やっぱここをもっとこうのがええやんとか言いながら。
KOUTA – あとは、ライブやってくうちにどんどん変わってくっていうのがあって。育っていくっていうと綺麗な言い方だけど、(最初のアレンジから)変わっていったりする。
– 皆さんけっこうキャリア長いじゃないですか。どのぐらい?
YUUKI – 俺、13年ぐらい。
YYOKKE – 13年とかね、15年とかやってるかもね。
– モチベーションはどうコントロールしてる?
YUUKI – 今のメンバーだと集まったら遊べるからね。
YYOKKE – 基本的に友達でやってるから、みんなで飲みに行く感じでスタジオに行くみたいな。そしたら曲できた、みたいなのはあるけど。でも、ひとつは時代が変わって、本当に良ければ良いかなみたいなのはある気がして。キャリアとか年齢とかがそんなに意識されなくなったっていう感覚があって。90年~00年代は27歳でロックスターは死ぬべきとか、30代までに売れてないとバンドはやっちゃいけないとか、そういうよくわからん感覚として、音楽に対する空気が俺はあった気がするんだけど。だから、20代の頃めちゃくちゃ売れたかったし、ぶっちゃけた話ね。売れたいというか、有名にならないとやれないんだと思ってた。でも、10年代以降で、ネットが普及してからは面白い人は面白いんだ!みたいな空気になってきて、うちらのことを面白がってくれる若い子たちとか、歳が10個以上下の20代の子が出てきたっていうか。普通に「いいっすね」とか言ってくれるしね。俺が20代のころは先輩の音楽とか良くても絶対「良い」って言っちゃいけないみたいな空気があったと思うから。ね、あったでしょ?
ODA – 言ったらいけないというか、、、やめとこ。
YYOKKE – なんでやねん。言うてよ、それ。俺だけ悪者やん。
ODA – 言わない。
YYOKKE – だから、そういう観念が昔あったと思うけど、今は無くなってきて、やっぱりかっこいい若い子たちがどんどん出てきてて。ストリーミングで音楽を聴くようになってたくさんある選択肢からチョイスする時代だから、よりこういうバンドがいてもいいなって認識になってる気がする。30代のロックバンドもオモロイやんっていう感覚。それは自分が思ってるだけやからわからんけどね。でも、そういう受け入れられ方はあるのかなとは思う。普段そこまで意識はしていないし、基本姿勢は”勝手にやってる”ってだけやから。あと影響としてカジさんとか、BDBタカさんとか、チャーベさんもそうだし、先輩ミュージシャンがまだまだ現役でやられてるっていうのもあるんだと思うんだけどね。
– 他のみんなは売れたいって思ったりする?
ODA – だいたいリハをしたあとにみんなで飲むんですよ。それがすごく楽しいから、これがずっと続けばいいなっていうのは正直な話ある。
– 売れたいっていうか飲みたい?
ODA – 飲みたい。だから、それが無いとやる意味もあんまり薄いかなと思う。売れたとしても、それができなくなってきたら逆に面白くないし、っていう。
YYOKKE – ちょっと待って。さっきの語弊があるかもしれない。Cuz Me Painの時はぶっちゃけ売れたかった。広がるとこまで広がれ!って意識ではあった。
– そういうことを話したりするの?
YUUKI – 大概、もう夜が更けてきたらそういう話し合い。
YYOKKE – 喧嘩もするしね。
KOUTA – でも、何より続けることにこだわりたいっていうのはあるかな。
YUUKI – 昔と違って、やんなきゃいけない感覚でやってないっていうのはあるかもしれないよね。今は勝手にやってる。
ODA – The Beautyをやってた時は、いいもの作ってちゃんと評価されてっていうことを過剰に意識してた気がするけど、今はあんまりそこは思ってない。どっちかと言うと、こうやって仲間がいて、なんか一緒に共有できるものがあったほうが面白いんじゃないかって。単純に面白いからやってる。
YYOKKE – 音楽に限らず創作を辞める必要ないと思うんよね。生きている限り。なんで辞めるんだろうって。昨日無かったものが今日できて、それがある事で豊かな気持ちになったり、人との出会いがあったり、また何かに繋がるわけじゃないですか。そうやって生活していくってすごく俺は素敵だなって思うし。
ODA – そうやってずっと作り続ける才能もあるわけ。たぶんね。
– オダさんは最近曲作らないの?WOOMANでアイデア持ち込んだりとかは?
ODA – あんまりしないかな。やっぱりヨッケの作ってきた世界観を広げるほうがたぶんいいと思う。どっちかと言うと、やっぱ酒飲んでるほうが楽しかったりする。
YYOKKE – 酒の話しかしてないやん。
ODA – こうやっておしゃべりしてるのは楽しいなって思うし。でも、それをつくってきたのも音楽だからさ。音楽をやってるから、こうやってみんなとおしゃべりできることになってるから。
YYOKKE – もう解散した友達のバンドとかいっぱいいたじゃない。そういう人たちが、今まだ音楽をやってたとしたらどんな曲書いてんのやろとか、俺はすごくそういうのを思うんだよね。例えば、Cuz Me Painやってたあの人たち今何やってるんだろうって、Faron Square、AAPS、Jesse Ruinsのあの人達今何やってんだろうとかなった時に、やってたいんだよね。アクションしていてしかも、今が一番いいやん!って思わせたい。それは結構原動力になってるかな。なんか悲しくない?過去めっちゃ好きやった人が、今なんか飲み腐ってるみたいな…。
ODA – え、わし?わしじゃん。
YUUKI – 今が一番いいって思えなくなったらやめるかな。俺は今一番いいと思ってやってるから。たぶん、やっても、そう思えなくなった人がやめんじゃないかなって思うけど。
ODA – だから、それを越える何かを見つけてるんじゃないかなと思うけどね。それよりもいいものがあるからそっちに行くだけの話で。だって、子どもできたらそっちのほうがええやん、とかなるやん。そういうもんじゃないの。
– ユウキは色んなバンドを経てるけどポジションがどんどん変わってきてるよね。
YUUKI – 今が一番面白いかな。AAPSで途中でベースになって、ベースに対して全然面白くなかった時期もあったけどね。WOOMAN始めて、0期のファーストアルバムで変なリズムでやるところでベースの面白さを見出して、次はシンプルなものでも曲が良ければ全部面白いのかなっていうところに今、着地して続けてる状態かな。
ODA – ただコード弾いてるだけでも、みんなの音がガチッと合った時が一番気持ちよかったりするわけだから。
– みんなの好きな音楽とか、こういう事を反映させたいなとか、良い落としどころを見つけて曲を作っていくのはすごく大変じゃない?
YUUKI – そんなに意見がずれることがなくて、それも続けられている一つの理由なのかもしんないけど。
KOUTA – 結構、曲作りの時期じゃなくても、お互いなんか好きな音楽とか共有し合ったりしてて。曲の原型を持ってきた時に、こういうことがしたいんだろうなって思って、それを前提で考えて、だったらそれに対して自分はこういうのを提案するよ、みたいな感じで話し合ってるから、あんまり意見割れないかも。
YYOKKE – すごくシンプルなものでいいねってなったものって、どっかみんなの心の中に基礎としてあるような音楽だったりするわけで。例えばベタですけどThe Beatlesって無駄が無いじゃない。『Revolver』とかはちょっと違うのかもだけど、もっと初期のころとかは無駄が無くて。ああいうのってなんでいいのかなっていうと、もう単純明解で、良い感じのイントロにAメロあってサビがくる。以上、みたいな。無駄な要素をとにかく削いで良いって思ったデモをメンバーに聞かせたら、みんなもやっぱりいいねってなるんだよね。例えば、俺はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを中学の頃めっちゃ聞いてたのね。ファッションとかカルチャー的にカッコいいなーみたいな感じで。時を経て聴いてみるとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTってすごく無駄が無い曲を演奏するバンドだったんだなぁって、今になってそこの部分をすごく思うしそこが基盤にあったからトータル良かったんだなって。いわゆるロックバンドの有名なのって、みんな無駄が無い曲を書いてると思うしGreen DayだってWeezerだって、The StrokesとかPhoenixとか。そこの憧れみたいなもの、ど真ん中にあるやつをやればみんなそこに向かうというか。「Less is more」じゃないけど、今回は考え方からシンプルに、その上で自分たちがちゃんと自分たちの曲のことを好きだってなって思いながら演奏してるから、それがより伝わるってのはあると思う。曲としては弾き語りでもできるようなことを最近やってるしね。
KOUTA – 最初からここにはたぶん着地できなかったよね。0期のラインがあって、それで見直した結果、着地したから。時間はかかったけど今が一番いいのかなって。
YYOKKE – だから、やっぱMusclesの影響はあるのかなと思って。
ODA – え、あった?
YYOKKE – いや無かったわ(笑)
YUUKI – ヨッケが歌上手くなってきたっていうのもあるという。
– 確かにボリューム上がってきているかも。
YYOKKE – 歌う事に対しては勿論、言葉に対しての意識の変化はあったと思う。ここ数年個人的にはやっぱりDYGLとのコミュニケーションが大きいかなと。彼らとは知り合ってもう5、6年なんだけど、彼らのデザインをやらせてもらうようになって、一緒に行動して、その中で何気ない話をするんよ。どんな感じでいつもやってんの?とか、どういう感覚でやってるの?とかメンバーそれぞれと話す機会があって。2016年の『LOST LOVE』のアルバムを1回終わらせた時にDYGLからデザインの依頼を受けることになって。丁度次どうしようかなって考えてる時で、ある日アッキーと言葉の置き方の話をしていて。響きでかっこいい言葉ってあるよねみたいな。例えば、「時間」っていう表現でも「モーメント」と「タイム」っていうのがあって、このメロディに対してはモーメントよりもタイムって言ったほうが、かっこいいよねみたいな。響きで作るっていうのはいいなって思って、それがヒントになったのはあるかな。あと、結構この1年くらいトラップをめっちゃ聴いていて、フックの部分でみんな言葉遊びとか語呂とか、かっこいい言葉をチョイスしてたりしてて。だから、サビはヒップホップのフックみたいな感覚で作るっていう。英語の歌詞を書いて、多少ニュアンスが変わるけど、響きを優先して書くのは全然いいんじゃないかなと思う。創作だから。そういう気付きがすごくあって。ノイズも一緒かなと思うんよ。轟音ノイズの中にもカッコいい音ってあるじゃない、この音やばいなみたいな。あれと一緒で、やっぱり言葉の一つでも、気持ちのいい響きっていうのがあって。そういうのをちゃんと考えるようにしたのが『Still Inside』以降みたいな感じではあるかな。ええ話出来た気がする。
– なんの話やったっけ。
ODA – 安納芋の話。
– 話を戻すと、DYGLみたいな若い世代から影響はあるのね。
YYOKKE – 他にもCairophenomenons、Yüksen Buyers HouseとかCeremony、Tawings。彼ら彼女らともそういう話をする機会があって、 っていう影響は結構でかいね。
– 今回の7インチシングル『Still Inside』についてだけど。以前リリースした曲だよね。再デビューシングルみたいな感じかな。
YYOKKE – 自己紹介的なことでいくなら『Still Inside』かな、みたいな。
– B面のほうは新曲?個人的にはB面の方が好きかな。さっき話してた普遍性みたいなものを感じる。で、続けてアルバムのリリースがあるわけで、どんなアルバムになったかな?
KOUTA – 今までも変化してきたように、これからも変化していくとは思うけど、今持ってる理想のイメージを形にできた気がするかな。
YUUKI – 今までそれぞれが色々やってきたけど、その根本的な部分が出てるアルバムになったかなと。
ODA – ファーストアルバム聴いた人には別人と思われるくらい、シンプルなアルバムになったと思うし、アルバム聴いて楽しんでくれたら嬉しいです。
YYOKKE – そうね、結成して約3年半でようやく代表作となるアルバムが出来たかな。今はまず色んな人に聴いてもらえたらと思います。
-Live Schedule-
Ceremony presents “iconostasis 4”
日程:2018年12月14日(金)
会場:下北沢THREE
出演:TAWINGS、WOOMAN、NAOYA TAKAKUWA、CEREMONY、RIKU (DJ)
時間:open, start 18:00 / close 22:30
料金:予約 ¥2,000 / 当日 ¥2,500(共にドリンク代別)
問合:下北沢THREE(03-5486-8804) http://www.toos.co.jp/3/3_info.html
category:FEATURE
tags:Cuz Me Pain / KiliKiliVilla / WOOMAN
2018/06/18
イベントスペース+ギャラリー+バー「TWLV」。 2010年前後、東京ではCuz Me Painというインディーのレーベル・コミュニティが存在していた。海外のインディーシーンと同じ方向を向いて、同じ水準の楽曲をレコードやカセットでリリースしていたアーティスト発の東京のレーベルはその当時は他になかったはずだ。とまぁ、、Cuz Me Painの活動や歴史に関しては語ることが多過ぎるので、いずれAVYSS的に良い形でCuz Me Painの企画を行うことにします。今回はCuz Me Pain発足メンバーの1人であるTSKKA(ツッカ)こと塚野目圭輔が、地元札幌でイベントスペース+ギャラリー+バーの「TWLV」をオープンさせたので、お店についてメールインタビューを行った。 – ツッカさん、お久しぶりです。早速ですが、TWLVの立ち上げの流れを教えてください。 塚野目 – 2012年に東京から札幌に戻ってきてからは、仕事しながらバンド・DJをやったりイベントのオーガナイズもしてたんですが、2015年くらいにこういった店舗モデルがあるのを知って、だんだん気になり始めて。 以前からカルチャーに関わる何かで仕事に出来ればっていう気持ちもあったんで、 そこから決心をして事業計画を練りながら、資金を貯めて、物件を探し始めました。 で、3年かけて無事に丁度良い物件も見つかり融資も降りたんで、2ヶ月前の2018年4月にオープン出来ました。 – TWLVって名前はどのような意味があるんですか? 塚野目 – twelveをギュッと縮めた造語です。意味は特になく数字にしたかったので、自分の誕生月(12月)から選んだんですよね。 読み方はトゥエルヴです。 文字に起こした時の並びと、言葉に発した時の語感が気に入って決めました。 – 数年前、東京で自身もアーティストとして、バンドのAAPSやソロで活動していましたが、あの頃を振りかえってみてどうですか?札幌に戻って音楽との向き合い方は変わりました? 塚野目 – あの時は海外から常に新しく刺激的なカルチャーのトレンドが生まれて、それを必死に追いかけながら服やレコードを買ったり、作る曲や自分のスタイルに落とし込んでました。それがとにかく楽しかったと思います。自分が知らないだけかもしれませんが、以前に比べ現在はあまり夢中になるモノが少なくて、レコードも買う頻度は減っていて、spotifyが便利なので、お店のBGMも含め良く使ってます。 – ツッカさんから見た札幌のシーンは率直にどう感じますか? 塚野目 – 日本って海外から流れてきたトレンドをまず東京がキャッチして、それから地方っていう順番でカルチャーやシーンって流れてると思うんですよ。なので前述したように海外が盛り上がってないと、地方も盛り上がるのは難しいのかなって。もちろんネットが発達したこともあるので、自分が札幌で活動していた20代のときより、海外のインディーシーンに影響を受けたバンドやアーティストがたくさんいたりして、面白いと思います。YOU SAID SOMTHING、The Cynical Store、GOTOUとか。TWLVを通じてなにかサポート出来れば嬉しいですね。 – ところで、最近何聴いてるんですか? 塚野目 – Délicieuse Musiqueというフランスのメディアに好きなのが多くてDJやBGM用で掘る時はそこで探したり、あとはDavid Dean Burkhartさんがおすすめする音楽を聴いてますが、曲単位で聴いてる感じで、特定のアーティスト・レーベルが好きっていうのはここしばらくない気がします。それ以外はメジャー・インディー・国内・海外問わず、気になったものをチェックしてます。 – 今後のTWLVはどういった展開をしていきたいですか? 塚野目 – まずはオルタナティブスペースとして、ライブパフォーマンスやアートギャラリー等の機会をどんどん増やしていきたいのと、札幌国際芸術祭も数年に一度開催があるので、それにもなにかお手伝いしたいです。とにかく札幌のカルチャーが少しでも成長出来るように、お役に立てれば嬉しいので、ここでなにかをやりたいと思ってくれる人が増えれば本望です! – ありがとうございます。また遊びに行きますね。
2020/05/20
MVも公開 東京を拠点に活動するロックバンド ”WOOMAN” がニューシングル「Night Dreamer / Cost Of My Dawn」を連続配信リリース。更に、MV「Cost Of My Dawn」が公開。 配信シングルはバンド史上最もポップかつ軽快なストレートチューン「Night Dreamer」、シンセを導入しどっしりとしたリズムで新境地を聴かせる「Cost Of My Dawn」の2曲。また「Cost Of My Dawn」のMVも公開。監督/撮影は柴田和也が担当。アルバムに引き続き、今回もKilikilivillaからのリリースとなる。 link : https://linktr.ee/wooman WOOMAN – “Cost Of My Dawn” Label : Kilikilivilla WOOMAN – “Night Dreamer” Label : Kilikilivilla
2020/06/16
7月31日リリース 東京のロックバンドWOOMANが主催のライブイベント「Destruct Session」からコンピレーション企画が始動する。2020年1月29日のイベント第1回目には次世代の中心にいるバンドが多数出演し、その場に居合わせた人すべてにこれからの未来を想像し、幾つもの希望に溢れた余韻を残す夜となったという。そんな夜の熱量をパッケージしたいという思いがコンピレーション企画に発展した。 東京インディシーン最前線をゆく”Waater”、”The Cabins”、”NEHANN”、”Us”の4組に加え、トラックメイカー”DUPPSY”、ニューカマー”Psychoheads”、映像作家”RGB forever”、そしてWOOMANの8組が参加。収録曲8曲は、ほとんどが新曲(未発表曲)であるとのこと。また、本作はWOOMANの自主レーベル〈Herheads〉と〈Kilikilivilla〉のダブルネームにてリリース。アートワークはWOOMANフロントマンYosuke Tsuchidaが手掛けている。 “様々な局面と向き合いながら、音楽を作り演奏し発表するという事について改めて考えさせられる今、次に向かう為の新たな1つの点として本作をリリースします。そして一刻も早い事態の収束と、本作のリリースパーティーとして「Destruct Session」を安全に開催できる日が訪れる事を願います。” From WOOMAN VA – 「Destruct Tapes #1」 Format : Cassette / サブスク配信 Label : Herheads / Kilikilivilla Price : 1,500yen(+tax) 発売日 : 2020年7月31日(金)発売 収録曲/アーティスト 1. Open Your Eyes / RGB forever 2. Heroes / Waater 3. The Door of Reminiscence / The Cabins 4. Running Out / Psychoheads 5. Concealment / NEHANN 6. Can’t Wait 4 U / Us 7. Those days / DUPPSY 8. Night
受け手の自由に寄り添う作品
more
SoundCloud発、中国ラップスター more
東京・大阪を回るジャパンツアー開催
more