人工世界との境界で幻想獣は歌う|Erwan Seneがデビューアルバム/書籍『JUnQ』発売

想像上の日常

 

 

バロック的レマナンスと家庭的シュルレアリスムの間にある多声的なミザンセーヌを作り出し、汚染、イディオパシー、SFのテーマを扱う。パリを拠点に活動するErwan Seneがデビューアルバムであり書籍であり、そして展覧会である『JUnQ』をリリース。

 

JUnQ(Journal of Unsolved Questions)は、音楽のスケッチと彫刻の採点を並行する。展覧会、書籍、アルバムリリースを兼ねた『JUnQ』は、人工的なポップスターのアルゴリズム的ニーズと、アーティスト自身のパフォーマンスを結びつける共同言語を提案する。現実と人工世界の境界は、対立と昇華の連続的な連鎖の中で曖昧になり、アナログの進化とデジタルの実験の間のロマンが生まれる。

 

〈PAN〉からリリースされたこの没入型プロジェクトは、Erwan Seneのデビューアルバムであり、彼のアプローチの多面性を象徴している。幻想獣の合唱のように構成されたこのアルバムは、霧に包まれた森の中をアトモスフェリックに彷徨う。音は決してデフォルトの機能として使われるのではなく、彫刻され、歪められ、増幅され、それ自身のハイブリッドとなる。妖しいバンシー(スコットランドに伝わる妖精)、オークのうなり声、木々の間を漂うセイレーンの歌など、しなやかなバイオリン、かすれたチェンバロ、そしてデジタル楽器で再現され、鮮やかな「ジャングル」となる。

 

The JUnQ book

『JUnQ』の各ページは、Erwan Seneのクローネンバーグのような突然変異のネオン構造に飛び込む。「想像上の日常」のミクロな進化に呼応する。コロナパンデミックのメカニズムを応用し、Erwan Seneは感染によってもたらされる閉塞感を呼び起こそうとし、自身の彫刻作品をミクロに抽象化することで封じ込める。ビオトープを敵ではなく味方として捉え、断片的な作品に親近感とプライオリティを持たせる。『JUnQ』は、Marie Mam-Sai BellierとMarine Stephanとのコラボレーションによる活字を採用した。考古学や失われた文明が辿ったグリフを連想させるこの活字は、『JUnQ』の多面的な世界を読み解くための経典となる。

 

 

 

Erwan Sene – JUnQ

Label : PAN

Release date : April 14 2023

Buy / Stream : https://pan.lnk.to/JUnQ

 

Tracklist

01. Zones

02. Lowghost

03. Strangefruit

04. Echo When Talking

05. Smoke

06. Tilt

07. Mirama

08. Siren

09. Block That Kill

10. Black Out Bear

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