2018/10/30
Intruder AlertからBgknbのデビューEPがリリース。
ポーランドはワルシャワのIntruder Alertから、東京を拠点にするBgknbのデビューEP『Muenhotoke』がリリースされる。そのサウンドは日本のトラディショナルな音楽からインスパイアされているとのこと。確かに下地に敷かれたトラディショナルな音はループされているが、あくまでも「素材」として扱われ、配置されている。重ねられたキックや、エレクトロニックな他の音は今の音であり、クラブミュージックとして確実に機能するだろう。今回はEPだが、アルバムになるとどのような構成で、どのような内容になるのだろうか。
先行で収録曲『Mononofu モノノフ』が公開。EPにはGrańとB.yhzzのリミックスも収録される。11/9リリース。
Tracklist
Rinne 輪廻
Sosei 蘇生
Mononofu モノノフ
Mononofu モノノフ Grań Remix
Rinne 輪廻 B.yhzz Remix
category:NEWS
tags:Bgknb / Intruder Alert
2018/12/20
Intruder AlertからNujiのシングルがリリース決定。 ポーランドはワルシャワのIntruder Alertから、日本を拠点にするNujiのシングル『En』がリリース決定。Intruder Alertのシングルシリーズの第2弾となる。来年1/9リリース。 Bgknb、Ditchdog、各EPのリリースが続いており、Intruder Alert独自のカラーが確立されつつあるように見える。今後の展開も注目のレーベルであることは間違いない。
2019/03/06
Intruder Alertの10作目のとなる作品からシングルリリース。 ポーランドはワルシャワを拠点にするレーベルIA / Intruder Alertがカタログ10作品目となるリリースを控えている。レーベルの共同設立者B.yhzzの新作EP『Moments Before, Given Trust』がそれになる。 昨年KRYと共に来日したB.yhzz、今作はアルバム『Rejection, Blessing』以来となる新作EPとなる。EPから先行で収録曲「Embodiment Of」が公開。新作『Moments Before, Given Trust』は3/12にリリース。カバーの写真はKRYことLola Banetが手がけている。 以下は昨年リリースしたアルバム『Rejection, Blessing』。
2019/05/07
彼女はチェーンソーの音を「山の叫び」と表現した。 Photo by Lola Banet AstmaはTomek Popakulのソロプロジェクト。先日ポーランドはワルシャワを拠点にするレーベル〈Intruder Alert〉からEP『Mountain Scream』をリリースした。今回は新作『Mountain Scream』のテーマや作品の背景にある物語について教えてもらった。 – どういった経緯で音楽の世界に入られたのでしょうか? Astma – 作曲を始めたのはウッチ市で映画の勉強をしているとき。ウッチは荒々しいと言える脱工業化時代の都市で、すごく独特なシーンがある街だ。そこで (FOQLとして知られている) Justynaと出会って現在まで一緒に活動している。当初、当時関わっていたエフェメリックノイズプロジェクトのためにVJを作っていたんだけれど、徐々に音響の方面に移っていったんだ。僕らはノイズからインダストリアルやエレクトロパンクまで様々な短期プロジェクトに関わり、僕はボーカルや作詞まで担当した。最も長期にわたって関わったのはJarek (RNA2) と一緒にやった即興ユニットのアルバムOsty (Thistles) 。定期的に集まって一晩中延々とジャムセッションをやったものさ。ジャンルとしては「何だこれ?」とでも呼びたいような音楽ジャンル。何回もギグをやったよ。全部即興で、「空いている周波数レンジを狙って弾く闘い」とでも言うようなノイズアプローチでテクノを演奏した。低音域、中音域はもう鳴らされちゃってるから僕は高音をキイキイ鳴らしてソロ部分を演奏したんだ。 この時期に並行してソロプロジェクトASTMAのも作り始めた。ジャンルの境界にとらわれずに音楽に関して僕が興味を抱いていることを結集したプロジェクト。とてもぼんやりとはしているけど確固たるコアをもっている。当時僕はスラッジメタルやドゥームメタルもたくさん聴くようになっていたこともあって、この作品はfruity loopsでドゥームメタルを作ろうという試みでもあったね。エキサイティングなウィッチハウスも一通り経験してインダストリアルテクノに移っていったけれど、ピリピリしたIDMのメロディには常にシンパシーを感じていた。 Photo by Lola Banet Astma – 僕は確立した音楽ジャンルも取り入れてそれを模倣しようとするんだけど、すぐにそこから外れて結局はひどくねじれたバージョンにたどり着く。僕は (ラジオ番組などから切り取られた音声サンプルは別として)ダウンロードされた既成のサンプルを使わないようにしているんだ。パーカッションは全てTASCAMで録音したもの。お気に入りの録音スタジオは、叔父さんが大工仕事をする作業場で、好きなドラムは空っぽの缶。自分のサウンドを合成するようになったのはつい最近のことで、FM合成が好きなんだけど最近まで何年もの間、仕組みなんか知らずに耳に頼ってやっていた。プロフェッショナルなサウンドのクオリティに達したいとは思わないことが多いね。僕が惹かれるのは荒々しい音、歪んだ音、ヒューヒュー鳴るような音だからね。自分を楽曲作成界の完全な野蛮人だと思っている。ビジュアル的には風なのが大好きで、自分の音楽のことをテクノ・アール・ブリュットって呼んでいるんだ。アール・ブリュットのアーティストたちの自身のアートに対する姿勢はいつもとても真摯なものだけれど、彼らの作品はアカデミックな芸術のクオリティには到達しない。彼らの精神にスキルが追い付いていかないんだ。作品は完全なものではないかもしれないけれど、正直でストレートな心の表現になっている。僕の楽曲制作はカメラを持って散歩しているようなものだと思う。特別な効果を狙うわけでもなくブラブラ歩いて、思いがけず注意を引かれるものに出会うんだ。楽曲はワイルドであってほしいと思っている。 – 『Mountain Scream』ついて教えてください。 Astma – 『Mountain Scream』はある奇妙な一日、というか奇妙な場所から始まってゆっくり出来上がっていったんだ。かつて僕は偶然、東京の近くの熱海に来た。海辺の美しい場所だった。丘陵が切り拓かれた広い場所に足を踏み入れた。木が伐採され、土がブルドーザーで掘り返されていたよ。破壊の風景だった。金持ちがマンションを建てようとしている建設現場のようだった。そこに運搬途中のアンティークの彫像が緑色の緩衝シートに包まれたまま立っていた。僕はその写真を撮ったんだけど、それがアルバムカバーの写真になるだろうってすぐに分かった。 さらに歩いていくと興亜観音があった。そこで感じのいい尼僧に会ったんだけれど、僕は日本語が喋れないし、彼女は英語が喋れなかった。でもお茶を飲みながら彼女としばらく過ごしたんだ。後日通訳のできる友達ともう一度訪ねたら、尼僧は建設機械が丘に入って木を切り倒した日の様子を話してくれた。彼女はその時のチェーンソーの音を「山の叫び (マウンテンスクリーム)」って表現したんだ。 僕は故郷の村の周辺の森林破壊を見て心を痛め、文明と環境、自然の一部としての人間の関係に興味を持っていたから、そのイメージと言葉は頭の中にグルグルと残った。強欲、人口増加、消費者のライフスタイル、エレクトロニックミュージックもその一部であるテクノロジーの発展などによって世界中で環境が開発され自然が破壊されている。僕たちは6度目の大絶滅に向かって突き進んでいて、すでに喪の雰囲気が漂っている。まだ希望はあるんだろうか? – ワルシャワのシーンをどう見ていますか? Astma – とてもヴィヴィッドで活気に溢れているよ。行ってみたいイベントが一晩に4つもあることもあるぐらい。小さなグループがいっぱいできていて、クリエイティブな友情が育まれている。僕もワルシャワで起きていることを全部追いきれているわけじゃないから個人的に選んだお勧めでしかないけど、まずevergreen partyのシリーズとレーベル〈Brutaż〉。馬鹿馬鹿しいユーモアセンスでベルリンテクノの伝統的ステレオタイプを打ち破ってる。それからしぶとく生き残っている一連のカセットレーベルがある。僕のデビューアルバムがリリースされた〈Pointless Geometry〉を挙げておこう。これらカセットレーベルはVHSカセットみたいなおかしなものをリリースしている。ガバの熱心なファンたちのグループもある。僕はあまり参加していないんだけどものすごく大きなグループだよ。「Bal u Bożeny」と呼ばれるダンスイベントがあって流行りのダンスのコンペティションが行われている。それから〈Intruder Alert〉。イベントごとにカスタマイズされた刻々と形状が変わるサイバーパンク風の芸術っぽい作品がNeho Tigraによって制作されている。ベストギグの一つはAYYAのDJセットだった。前半では鳥がさえずっているんだけれど、後半オーディエンスにノイズの壁が襲い掛かる。この間、全身を黒いカーテンで包まれたパフォーマーは全く身動きすることなくダンスフロアの真ん中に座ったままで次第に何か奇妙な物体に変わっていく。そんな作品さ。 Photo by Lola Banet <Original> – How did you get into musicmaking? I’d like to hear the history in detail. Astma
出会いからEP『Soul Kiss』に至るまで
more
20年代ネオの高みへ more
18年の歴史を紐解く more