音楽を創造する方法を創造したい|Hyu『Inaudible Works 1994-2008』発表

迷宮作品群を解読するコンピレーション

 

 

90年代から00年代初頭にかけ、竹村延和のChildisc等から作品を発表した大阪出身のクリエイター、ジャンルの拘束から超越してきた謎の音楽家。Hyuの迷宮作品群を解読するコンピレーション作品『Inaudible Works 1994-2008』が〈エム・レコード〉よりリリースされる。

 

 

Hyu(ヒウ)は「エレクトロニカ」という曖昧な言葉で括られてきた世紀末世代の音楽家の一員で、その実体はほとんど謎のままだった。しかし、彼の作品は多くの点で際立っており、微分音のユニークな探求、音楽テクノロジーを人間化する能力、軽快さと遊び心とコンセプチュアルな厳密さを併せもつ独特の創作物は、時間の風雪をものともしない。

 

本コレクション 『Inaudible Works 1994-2008』 は未発表曲と過去にリリースされた諸作の再編集版で構成され、新作とアーカイブの中間のような存在となっている。楽曲は多岐にわたり、微分音ドラムンテクノもどき、人声合成技術の疑似ロボ・ポップ、ヴォイスと発電機のドローン重奏、破砕し分裂したファンク、感覚過多のスイングするサンプルの集合体、サイン波を単子とする構想、常軌を逸した倍音の追求、文学にインスパイアされた無調ピアノ曲、自己言及性の極に生まれたJポップ……と目も眩むユニークな作品がひしめく。すべてが特徴的で知的、その多くに先見の明があり、ジャンルの拘束から超越している。こうしたHyuの音楽は魅力的で楽しいが、それは音楽を創造するだけでなく、音楽を創造する方法も創造したいという欲求に突き動かされている。この願望と探求心は本作のすべてに、そして彼の音楽全体の素晴らしさの中にはっきりと聴き取ることができる。

 

2LP版にははっぴいえんど「風をあつめて」のカヴァーをボーナス収録。本人による楽しく啓発的な解説も必読。装丁は虚木へずが担当。

 

「強烈なエクスペリメント、にもかかわらず堅苦しさとは無縁の自由奔放でキュートな魅力、まるでHyuさんの笑顔のようです。音楽が一人の中の絶え間ない相克と実験から生まれることに改めて気付かせてくれます。」―aus

 

「全国Hyuが世界中の人に聴かれないと困る協会に入っています。」

―suppa micro panchop

 

「Hyuさん、おかえりなさい。

懐かしい未来の音がしたよ。

傑作。待ってた甲斐がありました。」

グーテフォルク/西山豊乃

 

 

アーティスト:Hyu

アルバム題名:インオーディブル・ワークス 1994-2008 (Inaudible Works 1994-2008)

フォーマット:CD / 2LP / Digital

カタログ番号:EM1211CD/DLP/DL

制作発売元:エム・レコード (EM Records)

発売日:2024年2月16日(金)

装丁:虚木へず

解説:Hyu(日本語と英訳版を掲載)

 

2LP版: https://emrecords.shop-pro.jp/?pid=178689112

CD版: https://emrecords.shop-pro.jp/?pid=178689221

 

=2LP版仕様=

+ BioVinyl™ 使用

+ DLカード付き

+ シュリンク封入+ステッカー

=CD版仕様=

+ 12pブックレット封入、帯付

+ 通常ジュエルケース

 

Side A

1. 五度圏のゲーデル、エッシャー、バッハ [2:31]

2. 奇妙な雷竹の舞 [5:42]

3. 茄夢 [4:58]

4. WigWig [4:44]

5. みなれぬものたち [3:22]

 

Side B

1. ぎゃ・ダイナモ・ジェネレータ [17:28]

2. どんな音でも二度繰り返すと音楽に聞こえる [3:34]

 

Side C

1. Robotomy Mam [2:24]

2. 離散とグリッドのインベンション [4:17]

3. 風をあつめて [2:39]

4. 猫屋オドレミ [6:36]

5. 7Upとガラパゴスポップ [4:40]

 

Side D

1. ガムランに憧れて [5:34]

2. 帰ってきたすごいヨッパライ [3:16]

3. 1000万年後の子供たち [6:10]

4. 音の散逸構造 [6:00]

 

=作品出典に関する補足=

未発表曲:A1, B1, B2, C3, C4, C5, D1, D3, D4

新バージョン: A5

それ以外は既発表曲の再編集

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