シーンの変遷と「個」の結びつきを投影した夜|AVYSS Circle 2026 NIGHT

渋谷CLUB QUATTRO、WWW/β深夜帯の全出演者23組を紹介

 

 

来年1月23日(金)に開催を控えるAVYSS Circle 2026。この特集では、CLUB QUATTRO SHIBUYA (4F+5F)、WWW、WWWβ、R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOXの全ラインナップについて魅力や見どころを紹介していきます(さらなる追加発表の可能性も)。

 

AVYSS CUP解説、デイタイム紹介記事前編後編に続き第四弾となる当記事では、深夜帯のCLUB QUATTRO SHIBUYA 4F/5F、WWW、WWWβに出演する全23組のバイオグラフィーや遍歴、魅力などを解説。日中のライブイベントだけでなく、ナイトタイムのクラブカルチャーについても設立以来追いかけてきたAVYSSなりの観点から変化球的パーティーを提供。

 

「個」の感覚の連なりから時間をかけて築かれたインディペンデントな音楽活動やムーブメントの一端を、2018年の設立以来一貫して見つめてきたAVYSS。とくに2020年代初頭にかけて発生したパンデミック以降、日本と世界、辺境と中心、リアルとオンラインが同化するような動きは世界中で同時多発的に発生、いまだ定義づけが困難な新潮流を形成していきました。

 

そうした趨勢を捉えるべく、過去最大規模の挑戦として「点在する個性を渋谷の街に集約する」という試みが、今回のAVYSS Circle 2026です。

 

Ticket:https://eplus.jp/avysscircle-2026/

 

Text / Edit:NordOst / 松島広人

 


 

【CLUB QUATTRO SHIBUYA 5F】

 

メインフロアの一角であるCLUB QUATTRO SHIBUYAの5Fには、iVy、SleepInside、Texas 3000が出演。さらには東京を拠点とするエモ~オルタナティブバンド・soccer.の追加出演も発表。新しいインディーロックの形を提示するかのような雰囲気が全体に漂う。なお、同フロアにはさらなる追加アクトの予定も。VJはHigurashi、JACKSON kakiが担当。

 

 

iVy

 

2023年に宅録ユニットとして出発した、Vo/Gtのfuki (現在バンド・cephaloでも活躍中)とVo/Keyのpupuによるオルタナティブ音楽デュオ。SoundCloudへの楽曲投稿にはじまり、2024年7月に1st EP『幽泳プログラム』を発表。2025年6月に1stアルバム『混乱するアパタイト』をリリースし注目を集める。

 

iVyの作風の中核を成すのは、学生時代にpupuがスケッチブックに描き綴っていた架空のキャラクター「iVyちゃん」の存在。シューゲイズやドリームポップ、インディーロックなどのバンドサウンドから出発し、ジャンルレスな感性とともに後ろ暗くも爽やかな世界観を今日も紡いでいる。ガーリーにもファンタジックにも偏らず、独自の道を歩むふたりのライブは必見です。

 

 

soccer.

 

コロナ禍の2020年に結成された首都圏を拠点とするバンド。現在はサポートギターを迎え4人編成で活動中。2022年に音速ばばあとのEP『Split』を発表、2024年に1stアルバム『Seasons Move Forward』を〈ungulates〉よりリリース。2025年9月には2ndアルバム『Internet』を発表。

 

soccer.は「Japan diy screamo :3」を提唱し精力的に活動中。MineralやAmerican Football、penfoldなど、いわゆる“Midwest Emo”とされる90年代~00年代のバンド群や、そうした感性をローカライズした日本のClimb the Mindやいわゆる“激情ハードコア”シーンなどからの影響を原体験に持つ。AVYSSの原点であるインディーをまっすぐに体現してくれることに期待が高まるようなイメージです。

 

 

SleepInside

 

2018年に宅録プロジェクトとしてSoundCloudを起点に始動し、2022年以降よりバンド形態でのライブを開始。現在は4人編成のダウナー・パンクバンドとして活動中。これまでに8枚のアルバムと3枚のEPを発表している。2025年3月には8thアルバム『テレパシーを飛ばしている』をリリース、12月16日には最新作となるEP『星デンキ』を発表。

 

中心人物である八月のニュースは2025年9月に自主レーベル〈NERVOUS CUBE〉を設立。Sleepinsideに加え、hachigatsu_newsとBeautiful Fulca Docaと別プロジェクトのリリースや流通といった機能を担う。原体験であるゼロ年代の日本のギターロックやドリームポップを投影した作風が特徴で、代表作『SleepInside』(2023)は日本におけるシューゲイズ・リバイバルの新潮流をリードするかのような印象。真にDIYな活動を続けるその活動スタイルは、AVYSSとも強く共鳴するポイントです。

 

 

Texas 3000

 

2019年に〈K/A/T/O MASSACRE〉でJojo (Gt/Vo)と崎山 (Dr)が邂逅し結成。以降、幡ヶ谷FORESTLIMITを起点としたジャンルレスな音楽コミュニティを幅広く行き来しながら、サポートとして関わっていたKirin (Ba)が正式にメンバーとして加入、スリーピース・バンドとなる。2023年4月に1st EP『Dancing On Their Ashes』を、同年11月に1stアルバム『tx3k』を発表し、各所で話題を集める。2025年4月には自主企画のシリーズ・タイトルと同名の2nd EP『Weird Dreams』をリリースし、さらに注目の的となった。

 

作品もさることながら、Texas 3000の最大の魅力はダイナミックで楽しげなライブと、ライブ会場や各所のパーティーで気ままに遊ぶ姿そのものにある。今年待望の初来日を果たしたロンドンの8人組バンド・carolineと同じく、毎回のライブで各楽曲を解体再構築するようなパフォーマンスは必見。今もっとも観て、聴いて楽しいバンドのうちのひとつかと思われます。

 

 


 

【CLUB QUATTRO 4F】

 

本来フロアとしての機能を持たない4Fラウンジエリアには、CVN、E.O.U、imai、in the blue shirt、nano odorine、nerdcamp.com、killwiz、KOCHIKESA、食品まつり a.k.a foodmanが登場。電子音楽とポップスの境界線上に立つ多様なラインナップを迎え、2020年代以降出現したまだ名前のない新たな「インディー」像を投影する。

 

 

CVN

 

AVYSS主宰、Nobuyuki Sakumaによるソロ・プロジェクト。過去にはNites、Cold Nameなどの名義も通過しつつ、2010年頃にUSインディーシーンに触発されたバンド・Jesse Ruinsを結成。DIIV、Mac Demarcoなども所属したレーベル〈Captured Tracks〉より日本人初となるリリースを重ねるなどして活動。2015年頃よりCVN名義を始動し、Giant Clawことキース・ランキンとセス・グラハムによるレーベル〈Orange Milk〉などから複数のリリースを重ねる。

 

2019年作『I​.​C.』ではNTsKi、Le Makeup、LSTNGTを、2024年作『xeno』ではBBBBBBB、DAFTY RORN、π (現:白迦)、RIA、Milkyをそれぞれ客演に迎えるなど、近年の活動にはAVYSSを通して見つめる現代シーンの趨勢も独特の距離感で結びついている。2025年にはJesse Ruinsも再始動。ディレクターとしての一面ももちろん、生粋の音楽家である佐久間さんは今、どういう心境で表現に向き合うのか。オープニング・アクトでGO。

 

 

E.O.U

 

愛知県岡崎市出身、京都・東海拠点、2000年生まれの音楽家。学生時代から岡崎の川やカラオケ、ひかりのラウンジ、名古屋や京都の小箱など、至るところで音と遊んで過ごす。コロナ禍前夜に早くもDJ/トラックメーカーとしての才能を開花させ、2021年にEP『E21』をリリース。同時期に京都の盟友Chanaz、Keiju、Sakama、Vísらとレーベル/コレクティブ〈PAL.Sounds〉を結成。2022年9月にはミックステープ『estream』を発表し、“パワフルな質感のアンビエント”という新機軸を打ち出す。その後国内外でDJ/パフォーマーとして活躍の幅を拡げ、2024年にはレーベル〈halo〉とパーティーシリーズ〈loopな〉を発足。

 

唯一無二の編集感覚で音と向き合い、あらゆる面において真の越境性、究極にジャンルレスなスタイルを確立。そうした自身の足跡にすらとらわれず、今日も自由闊達な音遊びを続けるハイパー・シャーマン。一見すると大舞台での活躍が目立つものの、その真骨頂は場所を選ばない不定形さとパーティー愛にある。E.O.Uなりのラウンジフロアの彩り方に注目したいところ。

 

 

imai

 

2003年に音楽ユニット・group_inouをバンド・uri gagarnのメンバーでもあるcpと結成しデビュー。2016年の同ユニット休止を経てソロ・アーティストとしての活動を活性化させていく。以降中村佳穂や七尾旅人をはじめとした多様な客演陣を迎えつつ、複数のアルバムやEPをリリースし、国内の大小さまざまなフェスやクラブ・イベントなどに多数出演。2023年よりgroup_inouを再始動させた今も、エネルギッシュにソロ活動を続けている。

 

DJセットではなく、ソロ・プロジェクトが本格化して以降も一貫してKORG・ELECTRIBEシリーズを軸に楽曲制作やパフォーマンスを続けている点が特徴。バンドシーンとクラブシーンを長年行き来し続けてきた経験は、今回のAVYSS Circle 2026のようなマキシジャンル・パーティーでこそ真価を発揮するはず。

 

 

in the blue shirt

 

京都在住、1991年生まれの音楽家・ryo arimuraによるソロ・プロジェクト。学生時代よりインターネットを通じた音楽制作を続け、〈Maltine Records〉や〈TREKKIE TRAX〉、〈SECOND ROYAL〉をはじめとするさまざまなインディペンデント・レーベルを拠点に活動。自身もリリースを重ねる傍ら、広告音楽の制作やリミックスワークなども多数手掛ける。近作に2025年10月リリースのEP『Good Faith e.p. Part1』など。2023年より京都精華大学メディア表現学部にて講師を務め、DTMワークショップ〈POTLUCK Lab.〉の開催経験などを活かした講義を展開。

 

近年は「クリエイト・フォー・パーソナリティ(Create-for-Personality/C4P)」概念を提唱し、クオリティや定量的な数値目標ではなく「個人性を取り出すため」の創作への向き合い方を模索し伝えている。数字によるゲームがインディペンデントな領域をも飲み込んだ現在、こうした観点から音楽家として精力的に活動を続ける存在は稀有であるように思える。「個」の重なり合うAVYSS Circleの目指すなにかと、実はとても近い存在なのかもしれない。

 

 

nano odorine

 

幼少期より奏者/リスナーとしてクラシック音楽に親しむ。のちにミニマル・ミュージックやエレクトロニカ、前衛音楽、アンビエントなどを通過しクラブ・カルチャーへ開眼。2023年ごろDJとしての活動を開始。新感覚ディープ・リスニングパーティー〈aventure〉や、クラブ・ミュージックの身体感覚を前景化させたスピンオフ・イベント〈NiB〉を主宰。2025年9月には都内某所のグランドピアノが配置された音楽ホールを舞台に〈aventure vol.3〉を開催した。

 

E.O.U主宰〈loopな〉や京都West Harlemを中心に広がるディープ・クラブシーンなどを行き来するnano odorineは、ミニマル・テクノ~ディープ・ハウスなどに通底する有機性と無機質さを融和させるようなDJスタイルを得意とする。セレクターとしてもクラシック出身というバックボーンを活かし、電子音楽にとどまらないオリジナリティ溢れる手腕を発揮。当フロアのラウンジ的質感にフィットする選曲に期待がかかるところ。

 

 

nerdcamp.com (illequal + Telematic Visions)

 

東京都出身、2002年生まれのDJ/プロデューサー・illequalと2006年生まれのDJ/トラックメーカー・Telematic VisionsによるテクノDJユニット。2022年に〈第四の道〉にて結成、以後国内のさまざまなクラブで不定期的に活躍を続ける。DJのほか、共作リリース作として2023年にlilbesh ramko主催〈もっと!バビフェス〉を機にした同名のコンピレーションへ「radiation (analog anthem mix)」を提供。

 

nerdcamp.comの魅力は、ともに個人名義で楽曲制作・DJ活動を20年代以降精力的に重ねつつ、時折合流する両者のムードの変容や成長仮定が投影される様にある。時にヴァイナルを交えたプレイを、時にハイエナジーなインターネット電子音楽を、時にはミニマルに、時にはフットワーク~ベース・ミュージックを強く押し出しつつ、そのすべての根底にはillequal、Telematic Visionsそれぞれの「テクノ観」が横たわっている。テクノ・ナード2名の2026年時点における現況報告となるか。

 

 

killwiz

 

パンデミック禍にe5、嚩ᴴᴬᴷᵁとともに旧名義で3人組ユニット・Dr.Anonとして活動をスタート。ユニット解散後、しばしの休止期間を経て、killwizとして2024年にリスタート。SoundCloudや各種ストリーミング・サービスにて複数のシングルリリースを重ね、2025年7月に過去のキャリアを精算すべくEP『Complex Archive』をリリース、同年8月に1st EP『Schizophrenia』を鏡合わせのように発表。

 

デジコア~ハイパーポップ黎明期を通過し多大な支持を獲得するも、解散や闘病生活などを経て復活を果たしたkillwiz。かつてのパートナー・e5ともシングル「I AM HERE (feat. killwiz)」で再合流するなど、再び明るい未来を歩みはじめているようだ。

 

 

 

KOCHIKESA

 

ビートメイカーも兼任するZen Hamada、ラッパーのRarri、グラフィックデザインも得意とするRyunoshin Saikiによる3MC形態のヒップホップ・ユニット。2025年3月に1stアルバム『三』を発表。千葉・東金周辺をフッドとし、日本のリアル・ストリートなヤンキー文化をキッチュにアレンジした世界観が異彩を放つ注目の存在。

 

KOCHIKESAを牽引する存在であるRyunoshin Saikiは〈RAPSTAR 2025〉のサイファーステージに出演し、コミカルながらキレのある独特なリリック、強烈なビジュアル、それらと対照的なラップスキルの高さで爪痕を残した。また、グラフィックデザイナーとしてPlain Jayの2023年作『Frozen 2』のアートワークやWorldwide Skippa「Toyo Katana 置きアンサー」のMV制作なども手掛けている。とにかく独特のポジショニングで動いている。

 

 

食品まつり a.k.a foodman

 

KORG「ELECTRIBE」を手に独自の活躍を続ける日本の音楽家。2012年にレーベル〈Orange Milk〉よりデビューアルバム『Shokuhin』を発表、以降国内外のエクスペリメンタルなシーンから注目を集め、マイペースに活動しつつもイギリスの〈Hyperdub〉や〈UTTU〉といった名門レーベルからもリリースを重ねる。近作にNikki Nairとの共作EP『Nagoya』、ソロEP『Nameraka』など。

 

食品まつりは黎明期の国内ジューク/フットワークシーンから出発し、音数や低域をあえて絞りミニマルへ向かう「ウェイトレス(無重力的)サウンド」の潮流にいち早く反応。その後リリースや活動を重ねるごとに、電子音楽とライブセットの可能性を追求するかのような多種多様なアプローチを先鋭化させ続け、日本はもちろん世界各地でもライブを重ねる。大のサウナ好き、アジフライ好きとしても知られ、自分の中の「ヤバい」と感じ取った物事を即座にモード感として捉えなおすエッジーな感性は、まさに「個性」そのもの。

 

 


 

【WWW】

 

QUARTTOと双璧をなす深夜帯のメインフロアにはDos Monos、JUN INAGAWA、music fm、 釈迦坊主、wagahai is nekoが出演。さらにはスウェーデンより〈Warp〉からのリリース作『Lick The Lens – Pt. 1』が話題を集めたOli XLによる3年ぶり2度目の来日公演も。AVYSSが近年追いかけてきた多種多様なシーンの数々から、強い個性を発揮するアーティストが集う。VJにはnaka renya、O.G.Iを迎える。

 

 

Dos Monos

 

荘子it、TaiTan、没 aka NGSによるヒップホップ・トリオ。2015年、中高の同級生として親交を深めていた3名によって結成。シングル・EP作が早期から注目を集め、海外公演や〈SUMMER SONIC〉出演などを重ねる。2018年にアメリカの〈Deathbomb Arc〉と契約し、翌年今でも名盤として名高い1stアルバム『Dos City』を発表。その後black midiや菊地成孔、オードリー・タンや筒井康隆、伊藤潤二など、音楽家だけでなくさまざまな領域の巨人たちとのコラボレーションを重ねつつ、これまで4枚のアルバムを発表。

 

2024年3月より「ヒップホップを超えてバンド化」するというコンセプトを出発点とし「第二期」Dos Monosとして再出発。メンバー個々がオーバーグラウンドからアンダーグラウンド、ポップからアカデミアまで、多種多様な文化圏で活動を展開するなど、独自のポジショニングを貫徹している。

 

 

JUN INAGAWA

 

1999年生まれのDJ/イラストレーター/漫画家。幼少期をアメリカで過ごし、帰国後はストリートカルチャーとオタク文化を行き来するパイオニアとして活躍。個展やイラスト制作、TVアニメの原案などボーダーレスな活動を展開していく中、原点であるテクノへの傾倒を深めDJとして活躍の場を大きく拡げる。2022年にはエレクトロニック・バンド、Frog 3を結成、音楽家としてのキャリアも始動させる。

 

パーティーシリーズ〈MAD MAGIC ORCHESTRA〉の開催、野外レイヴ〈Topia〉への参加など、2020年代の東京に広がる新たなクラブ・シーンを牽引するキーマンとしてユースに多大な影響を与えてきた存在。イラストレーションから出発し、予想外の成長を遂げた彼の現在形を見届けたい。

 

 

music fm

 

n4f、sazablizry、星山星子、叡智の書によって2023年初頭に結成された4人組のDJユニット。DJのin the poolとともに代々木公園でDIYレイヴを開催し注目を集め、その後みんなのきもち主催〈FREE RAVE〉のセカンドフロアのキュレーションを担当、以後大小さまざまな現場で遊びつつ成長を重ねていく。

 

ハイエナジーなプレイスタイルで知られるmusic fmだが、結成から3年が経とうとする現在、そのアプローチは多様化。Abareflailとのプロジェクト・#jesusclubではB-more、Jungle Dutch、ジャージークラブなどの変速リズムパターンを、dariacore以降のマッシュアップ感覚で同名の架空ジャンルとして確立、music fm自体としてもシリアスさとユーモアを織り交ぜた作品をリリース中。いわばハイパー・ムーブメントに対する日本・東京からのひとつの回答か。

 

 

Oli XL (from Sweden / 〈Warp〉)

 

スウェーデン・ストックホルム拠点の音楽家・Oli XLが3年ぶりの来日を果たす。2017年にベルリンのレーベル〈PAN〉が発表したアンビエントVA『Mono No Aware』への楽曲提供などを経て活動を開始、翌年EP『Stress Junkie / Mimetic』を発表。2019年作『Rogue Intruder, Soul Enhancer』がこの10年を代表するエレクトロニック・ミュージックの作品として大きな話題を集める。2021年のシングル「Go Oli Go! / Cartoon Smile」リリースを機にAphex Twin主宰レーベル〈Warp〉と契約。2025年に連作シリーズの第一弾『Lick The Lens – Pt.1』をリリース、IglooghostやEcco2k、James Kなどを客演に迎える。

 

Oli XLの諸作には、一貫してエレクトロニカやMicrohouse(クリックハウスとも)、ミニマルテクノなどに共通するグリッチ-な音の粒立ちがシグネチャーサウンドとして現れていることが特徴的。それに対しリズムワークにはUKガラージやグライムといったベース・ミュージックからの影響、果ては中田ヤスタカに代表される日本のかつてのエレクトロ・ハウス~エレクトロクラシックなどにも精通しており、テクニカルに自身の美学を開拓してきた重要人物といえる。DJセットにて登場。

 

 

釈迦坊主

 

ラッパー/ビートメイカー/エンジニア。2010年代後半より〈TOKIO SHAMAN〉を主宰し、日本におけるヒップホップ・シーンのゲームチェンジャーとしてその後のオルタナティヴ・ラップ~デジコアに続くシーンの源流を形成した重要人物。2018作『HEISEI』は今でも高い評価を誇る。

 

2025年2月に待望の2ndアルバム『CHAOS』を発表。メニエール病の発症などを経て一時活動がストップするも、同年10月に3rdアルバム『HAPPY』を即座にリリース、健在ぶりを見せつけた。AVYSS主催パーティーには〈PAN〉などをフィーチャーした2019年の〈AVYSS 1st Anniversary〉以来、7年ぶりの登場。ラフなキャラクター性の裏にはハードな生い立ち、壮絶な経験などが秘められており、そうしたバックボーンもまた「個」のひとつの形といえる。

 

 

wagahai is neko

 

2001年生まれのDJ。コロナ禍後期にかけてデビューし、2023年頃より頭角を現す。2024年ごろにTikTokなどSNS上でのバイラルを機に、中国、韓国、フランスなど海外のパーティーへ次々と招聘されブレイク。表立ったDJmixのリリースを重ねず、動画アーカイブなどから火が付くという現象それ自体が2020年代という時代を象徴するかのようなプレイヤー。

 

ハイエナジーかつキッチュ、ポップなクラブバンガーを中心としたプレイスタイルで知られるが、2025年現在はハードグルーヴ~テクノ~エレクトロクラッシュ~ハウスなどに傾倒、よりダンス・ミュージックへ接近中。同フロアに出演するJUN INAGAWAやmusic fmとの共鳴はもちろん、案外Oli XLとの化学反応にも期待できるかもしれない。

 

 


 

【WWWβ】

 

先日解説した〈AVYSS CUP〉だけでなく、セカンドフロアのWWWβにはFELINE、okadada、らりる連合、TORIENAが出演。元気王が誕生するこの日、その間を繋ぐ重要な役割を担うベテランとニューカマーが交差する。ある意味ではもっとも混迷を極める、未知のエリア。

 

 

FELINE

 

1995年生まれのDJ。地元の茨城・水戸で10代の頃からDJとしての活動を10年以上にわたって続け、現在に至るまであらゆるジャンル、あらゆるカテゴリのパーティーで活躍を続けるマルチ・プレイヤー。ベース・ミュージックを軸に、ディープハウスからミニマル、ハードコア・テクノ、ナードコア、ポップスまでを縦横無尽に行き来する。2023年には自身初となるオープンtoラストを下北沢SPREADにて開催(AVYSSにてインタビューも実施)。

 

マルチ・プレイヤーであるFELINE氏に、今回AVYSS Circle 2026では前回出演時に引き続き「ナードコアセット」をオーダー。プロパーなダンスフロアのことも、ハードで無秩序な現場のことも等しく見つめる姿はまさにプロフェッショナル。そうしたDJの、キッチュに振り切ったアプローチは希少な機会。お見逃しなく。

 

 

okadada

 

DJ/トラックメイカー。FELINE氏と同じく、真のマルチ・プレイヤーであり広範なジャンル・マナーに精通した、日本が誇るトップDJのひとり。アンダーグラウンドなパーティーから大規模フェスまで、バイオグラフィーにて「大小、上下、場所、種別を問わず」とあるように全国各地のさまざまなパーティーで20年以上にわたって第一線級の活躍を続ける。

 

先日12月20日には、東京では約7年ぶりとなるオープン・トゥ・ラスト公演をSpotify O-EASTメインフロアにて開催。長いキャリアの中で築かれた強固な信頼を強く感じさせるフロアの熱気には、形容しがたい感動がありました。以下は韓国のクラブ・Modeci Seoulにて開催された〈The Internatiiional〉主催パーティー出演時のアーカイブ映像。

 

 

らりる連合

 

関西発のエネルギッシュなDJユニット。遊び場で起き上がるバイブスそのままに結成。現在所属するメンバーはやおはる、eiji yokosaka、halfye、君のせい、初音、クーと、はるとの7名。主に大阪・心斎橋のDJバー・はなれや、神戸Otohatoba、RINKAITENなどで活動中。

 

Pu$h!による〈ZVocal〉シリーズや阿佐ヶ谷DRIFT周辺の東京ローカルシーン、インターネット上のキッチュなトラック、〈CIRCUS×CIRCUS〉をはじめとする大規模HIPHOPフェスなど、2020年代のさまざまな現象から影響を受けて自然発生的に結成された、時代の鏡写しのようなクルー、というか連合。詳しくはAVYSS PODCAST ep.12「大阪に東京をつくる」にて。

 

 

TORIENA

 

音楽家/シンガーソングライター/プロデューサー。作詞、作曲、編曲、ボーカル、プログラミング、3DCGモデリングなど、音楽制作にとどまらずさまざまなアプローチから創作活動を展開するマルチ・アーティスト。2012年にチップチューンを主体としたフェス〈Blip Festival Tokyo〉でデビュー。10年以上にわたるキャリアのなか、これまでに10枚のアルバムを発表。最新作に2024年9月リリースの13曲入アルバム『圏外』、ほか多数のEP、シングル、リミックスワークなどを精力的に手掛ける。

 

近年は活動の幅を海外にも大きく拡げ、フランスのレーベル〈Explity Music〉のコンピレーションへの参加、アメリカツアーなどを含む海外公演を多数実施。〈暴力的にカワイイ〉に代表されるインターネット音楽シーンとも関係しつつ、現在はレイヴ・ミュージックやハードコア・テクノへアプローチの軸をスライドしている。2023年にAVYSSで実施したインタビューからも推察されるように、場所やシーンに左右されず、自身の美学とクリエイションをストイックに突き詰め続けている姿は、まさしくAVYSS Circle 2026が掲げる「個」を強く発揮する印象を与える。

 

 


 

以上、〈AVYSS CUP〉から深夜帯まで、DJ/VJ/ライブアクトだけでも総計80組以上の出演者が一堂に会するのが今回のAVYSS Circle 2026。トークセッション、ブランドとのコラボレーション企画も含め、渋谷という絶えず変化し続ける街に十人十色の個性が円環状に広がっていく日となるはず。フェスでもレイヴでもなく、回遊式のサーキット・イベントという体裁こそあれど、そうした試みとも微妙に異なる音楽体験となることでしょう。GO。

 

 

◆公演名:AVYSS Circle 2026

◆公演日:2026年1月23日(金)

◆開場/開演:【DAY】18:00【NIGHT】24:00

◆会場:渋谷 CLUB QUATTRO 4F・5F / WWW・WWWβ / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX (5会場・7フロア)

 

◆出演者 (A-Z)

 

■ DAY

 

【CLUB QUATTRO 5F】

daine (AUS)・ほしのおと・No Buses・トップシークレットマン・雪国

 

【CLUB QUATTRO 4F】

Emma Aibara・ikea・Le Makeup・Lilniina・safmusic・死夏・XAMIYA・諭吉佳作/men・yuzuha

 

【WWW】

AssToro・dodo・Effie (KR)・iiso (KR)・It’s US!!!!・kegøn・lilbesh ramko・SxC Loser・sysmo・Yoyou

 

【WWWβ】

Amuxax・荒井優作・iga・in-mark・LAUSBUB・Saren・serah trax・宇宙チンチラ・uku kasai

 

【R Lounge】

AOTO・discordsquad2k・goku sasaki・lazydoll・Mishaguzi・Number Collector・otuyyuto・PAX0・Siero・Yog*

 

【SUPER DOMMUNE】

cyber milkちゃん・DJ HOSHIMIYA TOTO・DRIFT CREW・ひがしやしき・Magnolia Cacophony・おそロシア革命

 

〈TALK〉 千代田修平 + JACKSON kaki + ~離・MC : NordOst

トークテーマ「すべてがミームになっていく時代に、インターネットはアンダーグラウンドたりえるか」

 

【PBOX】

DjuBumba・eijin・fui w/ innerscape by ITOAOI・百年の孤独・いむ電波.wav・小松成彰 うーたん・うしろ(Ritual Workshop Set)・MON/KU

 

〈PODCAST〉 AfterParty 公開収録 ゲスト:つやちゃん

トークテーマ「AVYSS的なシーンの拡張性・可能性」

 

〈AVYSS COLLABORATION〉 BALMUNG・chloma・GB MOUTH

※コラボ内容後日発表

 

■ NIGHT

 

【CLUB QUATTRO 5F】

iVy・SleepInside・soccer.・Texas 3000・and more…

 

〈VJ〉 Higurashi・JACKSON kaki

 

【CLUB QUATTRO 4F】

CVN・E.O.U・imai・in the blue shirt・killwiz・KOCHIKESA・nano odorine・nerdcamp.com・食品まつり a.k.a foodman

 

【WWW】

Dos Monos・JUN INAGAWA・music fm・Oli XL (SWE)・釈迦坊主・wagahai is neko

 

〈VJ〉 naka renya・O.G.I

 

【WWWβ】

FELINE (ナードコアセット)・okadada・らりる連合・TORIENA

 

〈AVYSS Cup〉(テーマ:元気)

loli主語・前澤・seaketa・ ~離・MC : 徳利

 

Organize:AVYSS / CLUB QUATTRO

Cooperation:WWW / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX

Supported by melting bot

Partner:GALLERIA / THE DAY

 

Key Visual : QINGYI

Design & Layout : naka renya

 

Staging : yoh

Food : Geek Eggs Food Team XD

 

◆TICKET

URL:https://eplus.jp/avysscircle-2026/

 

◆チケット料金:

【通し券】前売:10,000円 / 早割:9,000円

【DAY】前売:7,900円 / 早割:6,900円 / U-18:5,900円

【NIGHT】前売:4,800円 / 早割:3,800円

(税込/スタンディング/整理番号付/ドリンク代別)

 

◆注意事項

※U-18の対象者は公演当日2026.1.23時点で18歳以下の方。ID/身分証の確認ができない場合、当日差額分をいただきます。

※NIGHTは深夜公演です。20歳未満は入場不可。要写真付きID。ID/身分証の確認ができない場合、入場をお断りする場合がございます。

※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)

※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。予めご了承ください。

※DAYとNIGHTは入れ替え制。(通しチケットお持ちのお客様も一度ご退場いただきます。)

 

◆お問い合わせ:渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750

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Ticket:https://eplus.jp/avysscircle-2026/

 

Text / Edit:NordOst / 松島広人

 


 

【CLUB QUATTRO SHIBUYA 5F】

 

メインフロアの一角であるCLUB QUATTRO SHIBUYAの5Fには、iVy、SleepInside、Texas 3000が出演。さらには東京を拠点とするエモ~オルタナティブバンド・soccer.の追加出演も発表。新しいインディーロックの形を提示するかのような雰囲気が全体に漂う。なお、同フロアにはさらなる追加アクトの予定も。VJはHigurashi、JACKSON kakiが担当。

 

 

iVy

 

2023年に宅録ユニットとして出発した、Vo/Gtのfuki (現在バンド・cephaloでも活躍中)とVo/Keyのpupuによるオルタナティブ音楽デュオ。SoundCloudへの楽曲投稿にはじまり、2024年7月に1st EP『幽泳プログラム』を発表。2025年6月に1stアルバム『混乱するアパタイト』をリリースし注目を集める。

 

iVyの作風の中核を成すのは、学生時代にpupuがスケッチブックに描き綴っていた架空のキャラクター「iVyちゃん」の存在。シューゲイズやドリームポップ、インディーロックなどのバンドサウンドから出発し、ジャンルレスな感性とともに後ろ暗くも爽やかな世界観を今日も紡いでいる。ガーリーにもファンタジックにも偏らず、独自の道を歩むふたりのライブは必見です。

 

 

soccer.

 

コロナ禍の2020年に結成された首都圏を拠点とするバンド。現在はサポートギターを迎え4人編成で活動中。2022年に音速ばばあとのEP『Split』を発表、2024年に1stアルバム『Seasons Move Forward』を〈ungulates〉よりリリース。2025年9月には2ndアルバム『Internet』を発表。

 

soccer.は「Japan diy screamo :3」を提唱し精力的に活動中。MineralやAmerican Football、penfoldなど、いわゆる“Midwest Emo”とされる90年代~00年代のバンド群や、そうした感性をローカライズした日本のClimb the Mindやいわゆる“激情ハードコア”シーンなどからの影響を原体験に持つ。AVYSSの原点であるインディーをまっすぐに体現してくれることに期待が高まるようなイメージです。

 

 

SleepInside

 

2018年に宅録プロジェクトとしてSoundCloudを起点に始動し、2022年以降よりバンド形態でのライブを開始。現在は4人編成のダウナー・パンクバンドとして活動中。これまでに8枚のアルバムと3枚のEPを発表している。2025年3月には8thアルバム『テレパシーを飛ばしている』をリリース、12月16日には最新作となるEP『星デンキ』を発表。

 

中心人物である八月のニュースは2025年9月に自主レーベル〈NERVOUS CUBE〉を設立。Sleepinsideに加え、hachigatsu_newsとBeautiful Fulca Docaと別プロジェクトのリリースや流通といった機能を担う。原体験であるゼロ年代の日本のギターロックやドリームポップを投影した作風が特徴で、代表作『SleepInside』(2023)は日本におけるシューゲイズ・リバイバルの新潮流をリードするかのような印象。真にDIYな活動を続けるその活動スタイルは、AVYSSとも強く共鳴するポイントです。

 

 

Texas 3000

 

2019年に〈K/A/T/O MASSACRE〉でJojo (Gt/Vo)と崎山 (Dr)が邂逅し結成。以降、幡ヶ谷FORESTLIMITを起点としたジャンルレスな音楽コミュニティを幅広く行き来しながら、サポートとして関わっていたKirin (Ba)が正式にメンバーとして加入、スリーピース・バンドとなる。2023年4月に1st EP『Dancing On Their Ashes』を、同年11月に1stアルバム『tx3k』を発表し、各所で話題を集める。2025年4月には自主企画のシリーズ・タイトルと同名の2nd EP『Weird Dreams』をリリースし、さらに注目の的となった。

 

作品もさることながら、Texas 3000の最大の魅力はダイナミックで楽しげなライブと、ライブ会場や各所のパーティーで気ままに遊ぶ姿そのものにある。今年待望の初来日を果たしたロンドンの8人組バンド・carolineと同じく、毎回のライブで各楽曲を解体再構築するようなパフォーマンスは必見。今もっとも観て、聴いて楽しいバンドのうちのひとつかと思われます。

 

 


 

【CLUB QUATTRO 4F】

 

本来フロアとしての機能を持たない4Fラウンジエリアには、CVN、E.O.U、imai、in the blue shirt、nano odorine、nerdcamp.com、killwiz、KOCHIKESA、食品まつり a.k.a foodmanが登場。電子音楽とポップスの境界線上に立つ多様なラインナップを迎え、2020年代以降出現したまだ名前のない新たな「インディー」像を投影する。

 

 

CVN

 

AVYSS主宰、Nobuyuki Sakumaによるソロ・プロジェクト。過去にはNites、Cold Nameなどの名義も通過しつつ、2010年頃にUSインディーシーンに触発されたバンド・Jesse Ruinsを結成。DIIV、Mac Demarcoなども所属したレーベル〈Captured Tracks〉より日本人初となるリリースを重ねるなどして活動。2015年頃よりCVN名義を始動し、Giant Clawことキース・ランキンとセス・グラハムによるレーベル〈Orange Milk〉などから複数のリリースを重ねる。

 

2019年作『I​.​C.』ではNTsKi、Le Makeup、LSTNGTを、2024年作『xeno』ではBBBBBBB、DAFTY RORN、π (現:白迦)、RIA、Milkyをそれぞれ客演に迎えるなど、近年の活動にはAVYSSを通して見つめる現代シーンの趨勢も独特の距離感で結びついている。2025年にはJesse Ruinsも再始動。ディレクターとしての一面ももちろん、生粋の音楽家である佐久間さんは今、どういう心境で表現に向き合うのか。オープニング・アクトでGO。

 

 

E.O.U

 

愛知県岡崎市出身、京都・東海拠点、2000年生まれの音楽家。学生時代から岡崎の川やカラオケ、ひかりのラウンジ、名古屋や京都の小箱など、至るところで音と遊んで過ごす。コロナ禍前夜に早くもDJ/トラックメーカーとしての才能を開花させ、2021年にEP『E21』をリリース。同時期に京都の盟友Chanaz、Keiju、Sakama、Vísらとレーベル/コレクティブ〈PAL.Sounds〉を結成。2022年9月にはミックステープ『estream』を発表し、“パワフルな質感のアンビエント”という新機軸を打ち出す。その後国内外でDJ/パフォーマーとして活躍の幅を拡げ、2024年にはレーベル〈halo〉とパーティーシリーズ〈loopな〉を発足。

 

唯一無二の編集感覚で音と向き合い、あらゆる面において真の越境性、究極にジャンルレスなスタイルを確立。そうした自身の足跡にすらとらわれず、今日も自由闊達な音遊びを続けるハイパー・シャーマン。一見すると大舞台での活躍が目立つものの、その真骨頂は場所を選ばない不定形さとパーティー愛にある。E.O.Uなりのラウンジフロアの彩り方に注目したいところ。

 

 

imai

 

2003年に音楽ユニット・group_inouをバンド・uri gagarnのメンバーでもあるcpと結成しデビュー。2016年の同ユニット休止を経てソロ・アーティストとしての活動を活性化させていく。以降中村佳穂や七尾旅人をはじめとした多様な客演陣を迎えつつ、複数のアルバムやEPをリリースし、国内の大小さまざまなフェスやクラブ・イベントなどに多数出演。2023年よりgroup_inouを再始動させた今も、エネルギッシュにソロ活動を続けている。

 

DJセットではなく、ソロ・プロジェクトが本格化して以降も一貫してKORG・ELECTRIBEシリーズを軸に楽曲制作やパフォーマンスを続けている点が特徴。バンドシーンとクラブシーンを長年行き来し続けてきた経験は、今回のAVYSS Circle 2026のようなマキシジャンル・パーティーでこそ真価を発揮するはず。

 

 

in the blue shirt

 

京都在住、1991年生まれの音楽家・ryo arimuraによるソロ・プロジェクト。学生時代よりインターネットを通じた音楽制作を続け、〈Maltine Records〉や〈TREKKIE TRAX〉、〈SECOND ROYAL〉をはじめとするさまざまなインディペンデント・レーベルを拠点に活動。自身もリリースを重ねる傍ら、広告音楽の制作やリミックスワークなども多数手掛ける。近作に2025年10月リリースのEP『Good Faith e.p. Part1』など。2023年より京都精華大学メディア表現学部にて講師を務め、DTMワークショップ〈POTLUCK Lab.〉の開催経験などを活かした講義を展開。

 

近年は「クリエイト・フォー・パーソナリティ(Create-for-Personality/C4P)」概念を提唱し、クオリティや定量的な数値目標ではなく「個人性を取り出すため」の創作への向き合い方を模索し伝えている。数字によるゲームがインディペンデントな領域をも飲み込んだ現在、こうした観点から音楽家として精力的に活動を続ける存在は稀有であるように思える。「個」の重なり合うAVYSS Circleの目指すなにかと、実はとても近い存在なのかもしれない。

 

 

nano odorine

 

幼少期より奏者/リスナーとしてクラシック音楽に親しむ。のちにミニマル・ミュージックやエレクトロニカ、前衛音楽、アンビエントなどを通過しクラブ・カルチャーへ開眼。2023年ごろDJとしての活動を開始。新感覚ディープ・リスニングパーティー〈aventure〉や、クラブ・ミュージックの身体感覚を前景化させたスピンオフ・イベント〈NiB〉を主宰。2025年9月には都内某所のグランドピアノが配置された音楽ホールを舞台に〈aventure vol.3〉を開催した。

 

E.O.U主宰〈loopな〉や京都West Harlemを中心に広がるディープ・クラブシーンなどを行き来するnano odorineは、ミニマル・テクノ~ディープ・ハウスなどに通底する有機性と無機質さを融和させるようなDJスタイルを得意とする。セレクターとしてもクラシック出身というバックボーンを活かし、電子音楽にとどまらないオリジナリティ溢れる手腕を発揮。当フロアのラウンジ的質感にフィットする選曲に期待がかかるところ。

 

 

nerdcamp.com (illequal + Telematic Visions)

 

東京都出身、2002年生まれのDJ/プロデューサー・illequalと2006年生まれのDJ/トラックメーカー・Telematic VisionsによるテクノDJユニット。2022年に〈第四の道〉にて結成、以後国内のさまざまなクラブで不定期的に活躍を続ける。DJのほか、共作リリース作として2023年にlilbesh ramko主催〈もっと!バビフェス〉を機にした同名のコンピレーションへ「radiation (analog anthem mix)」を提供。

 

nerdcamp.comの魅力は、ともに個人名義で楽曲制作・DJ活動を20年代以降精力的に重ねつつ、時折合流する両者のムードの変容や成長仮定が投影される様にある。時にヴァイナルを交えたプレイを、時にハイエナジーなインターネット電子音楽を、時にはミニマルに、時にはフットワーク~ベース・ミュージックを強く押し出しつつ、そのすべての根底にはillequal、Telematic Visionsそれぞれの「テクノ観」が横たわっている。テクノ・ナード2名の2026年時点における現況報告となるか。

 

 

killwiz

 

パンデミック禍にe5、嚩ᴴᴬᴷᵁとともに旧名義で3人組ユニット・Dr.Anonとして活動をスタート。ユニット解散後、しばしの休止期間を経て、killwizとして2024年にリスタート。SoundCloudや各種ストリーミング・サービスにて複数のシングルリリースを重ね、2025年7月に過去のキャリアを精算すべくEP『Complex Archive』をリリース、同年8月に1st EP『Schizophrenia』を鏡合わせのように発表。

 

デジコア~ハイパーポップ黎明期を通過し多大な支持を獲得するも、解散や闘病生活などを経て復活を果たしたkillwiz。かつてのパートナー・e5ともシングル「I AM HERE (feat. killwiz)」で再合流するなど、再び明るい未来を歩みはじめているようだ。

 

 

 

KOCHIKESA

 

ビートメイカーも兼任するZen Hamada、ラッパーのRarri、グラフィックデザインも得意とするRyunoshin Saikiによる3MC形態のヒップホップ・ユニット。2025年3月に1stアルバム『三』を発表。千葉・東金周辺をフッドとし、日本のリアル・ストリートなヤンキー文化をキッチュにアレンジした世界観が異彩を放つ注目の存在。

 

KOCHIKESAを牽引する存在であるRyunoshin Saikiは〈RAPSTAR 2025〉のサイファーステージに出演し、コミカルながらキレのある独特なリリック、強烈なビジュアル、それらと対照的なラップスキルの高さで爪痕を残した。また、グラフィックデザイナーとしてPlain Jayの2023年作『Frozen 2』のアートワークやWorldwide Skippa「Toyo Katana 置きアンサー」のMV制作なども手掛けている。とにかく独特のポジショニングで動いている。

 

 

食品まつり a.k.a foodman

 

KORG「ELECTRIBE」を手に独自の活躍を続ける日本の音楽家。2012年にレーベル〈Orange Milk〉よりデビューアルバム『Shokuhin』を発表、以降国内外のエクスペリメンタルなシーンから注目を集め、マイペースに活動しつつもイギリスの〈Hyperdub〉や〈UTTU〉といった名門レーベルからもリリースを重ねる。近作にNikki Nairとの共作EP『Nagoya』、ソロEP『Nameraka』など。

 

食品まつりは黎明期の国内ジューク/フットワークシーンから出発し、音数や低域をあえて絞りミニマルへ向かう「ウェイトレス(無重力的)サウンド」の潮流にいち早く反応。その後リリースや活動を重ねるごとに、電子音楽とライブセットの可能性を追求するかのような多種多様なアプローチを先鋭化させ続け、日本はもちろん世界各地でもライブを重ねる。大のサウナ好き、アジフライ好きとしても知られ、自分の中の「ヤバい」と感じ取った物事を即座にモード感として捉えなおすエッジーな感性は、まさに「個性」そのもの。

 

 


 

【WWW】

 

QUARTTOと双璧をなす深夜帯のメインフロアにはDos Monos、JUN INAGAWA、music fm、 釈迦坊主、wagahai is nekoが出演。さらにはスウェーデンより〈Warp〉からのリリース作『Lick The Lens – Pt. 1』が話題を集めたOli XLによる3年ぶり2度目の来日公演も。AVYSSが近年追いかけてきた多種多様なシーンの数々から、強い個性を発揮するアーティストが集う。VJにはnaka renya、O.G.Iを迎える。

 

 

Dos Monos

 

荘子it、TaiTan、没 aka NGSによるヒップホップ・トリオ。2015年、中高の同級生として親交を深めていた3名によって結成。シングル・EP作が早期から注目を集め、海外公演や〈SUMMER SONIC〉出演などを重ねる。2018年にアメリカの〈Deathbomb Arc〉と契約し、翌年今でも名盤として名高い1stアルバム『Dos City』を発表。その後black midiや菊地成孔、オードリー・タンや筒井康隆、伊藤潤二など、音楽家だけでなくさまざまな領域の巨人たちとのコラボレーションを重ねつつ、これまで4枚のアルバムを発表。

 

2024年3月より「ヒップホップを超えてバンド化」するというコンセプトを出発点とし「第二期」Dos Monosとして再出発。メンバー個々がオーバーグラウンドからアンダーグラウンド、ポップからアカデミアまで、多種多様な文化圏で活動を展開するなど、独自のポジショニングを貫徹している。

 

 

JUN INAGAWA

 

1999年生まれのDJ/イラストレーター/漫画家。幼少期をアメリカで過ごし、帰国後はストリートカルチャーとオタク文化を行き来するパイオニアとして活躍。個展やイラスト制作、TVアニメの原案などボーダーレスな活動を展開していく中、原点であるテクノへの傾倒を深めDJとして活躍の場を大きく拡げる。2022年にはエレクトロニック・バンド、Frog 3を結成、音楽家としてのキャリアも始動させる。

 

パーティーシリーズ〈MAD MAGIC ORCHESTRA〉の開催、野外レイヴ〈Topia〉への参加など、2020年代の東京に広がる新たなクラブ・シーンを牽引するキーマンとしてユースに多大な影響を与えてきた存在。イラストレーションから出発し、予想外の成長を遂げた彼の現在形を見届けたい。

 

 

music fm

 

n4f、sazablizry、星山星子、叡智の書によって2023年初頭に結成された4人組のDJユニット。DJのin the poolとともに代々木公園でDIYレイヴを開催し注目を集め、その後みんなのきもち主催〈FREE RAVE〉のセカンドフロアのキュレーションを担当、以後大小さまざまな現場で遊びつつ成長を重ねていく。

 

ハイエナジーなプレイスタイルで知られるmusic fmだが、結成から3年が経とうとする現在、そのアプローチは多様化。Abareflailとのプロジェクト・#jesusclubではB-more、Jungle Dutch、ジャージークラブなどの変速リズムパターンを、dariacore以降のマッシュアップ感覚で同名の架空ジャンルとして確立、music fm自体としてもシリアスさとユーモアを織り交ぜた作品をリリース中。いわばハイパー・ムーブメントに対する日本・東京からのひとつの回答か。

 

 

Oli XL (from Sweden / 〈Warp〉)

 

スウェーデン・ストックホルム拠点の音楽家・Oli XLが3年ぶりの来日を果たす。2017年にベルリンのレーベル〈PAN〉が発表したアンビエントVA『Mono No Aware』への楽曲提供などを経て活動を開始、翌年EP『Stress Junkie / Mimetic』を発表。2019年作『Rogue Intruder, Soul Enhancer』がこの10年を代表するエレクトロニック・ミュージックの作品として大きな話題を集める。2021年のシングル「Go Oli Go! / Cartoon Smile」リリースを機にAphex Twin主宰レーベル〈Warp〉と契約。2025年に連作シリーズの第一弾『Lick The Lens – Pt.1』をリリース、IglooghostやEcco2k、James Kなどを客演に迎える。

 

Oli XLの諸作には、一貫してエレクトロニカやMicrohouse(クリックハウスとも)、ミニマルテクノなどに共通するグリッチ-な音の粒立ちがシグネチャーサウンドとして現れていることが特徴的。それに対しリズムワークにはUKガラージやグライムといったベース・ミュージックからの影響、果ては中田ヤスタカに代表される日本のかつてのエレクトロ・ハウス~エレクトロクラシックなどにも精通しており、テクニカルに自身の美学を開拓してきた重要人物といえる。DJセットにて登場。

 

 

釈迦坊主

 

ラッパー/ビートメイカー/エンジニア。2010年代後半より〈TOKIO SHAMAN〉を主宰し、日本におけるヒップホップ・シーンのゲームチェンジャーとしてその後のオルタナティヴ・ラップ~デジコアに続くシーンの源流を形成した重要人物。2018作『HEISEI』は今でも高い評価を誇る。

 

2025年2月に待望の2ndアルバム『CHAOS』を発表。メニエール病の発症などを経て一時活動がストップするも、同年10月に3rdアルバム『HAPPY』を即座にリリース、健在ぶりを見せつけた。AVYSS主催パーティーには〈PAN〉などをフィーチャーした2019年の〈AVYSS 1st Anniversary〉以来、7年ぶりの登場。ラフなキャラクター性の裏にはハードな生い立ち、壮絶な経験などが秘められており、そうしたバックボーンもまた「個」のひとつの形といえる。

 

 

wagahai is neko

 

2001年生まれのDJ。コロナ禍後期にかけてデビューし、2023年頃より頭角を現す。2024年ごろにTikTokなどSNS上でのバイラルを機に、中国、韓国、フランスなど海外のパーティーへ次々と招聘されブレイク。表立ったDJmixのリリースを重ねず、動画アーカイブなどから火が付くという現象それ自体が2020年代という時代を象徴するかのようなプレイヤー。

 

ハイエナジーかつキッチュ、ポップなクラブバンガーを中心としたプレイスタイルで知られるが、2025年現在はハードグルーヴ~テクノ~エレクトロクラッシュ~ハウスなどに傾倒、よりダンス・ミュージックへ接近中。同フロアに出演するJUN INAGAWAやmusic fmとの共鳴はもちろん、案外Oli XLとの化学反応にも期待できるかもしれない。

 

 


 

【WWWβ】

 

先日解説した〈AVYSS CUP〉だけでなく、セカンドフロアのWWWβにはFELINE、okadada、らりる連合、TORIENAが出演。元気王が誕生するこの日、その間を繋ぐ重要な役割を担うベテランとニューカマーが交差する。ある意味ではもっとも混迷を極める、未知のエリア。

 

 

FELINE

 

1995年生まれのDJ。地元の茨城・水戸で10代の頃からDJとしての活動を10年以上にわたって続け、現在に至るまであらゆるジャンル、あらゆるカテゴリのパーティーで活躍を続けるマルチ・プレイヤー。ベース・ミュージックを軸に、ディープハウスからミニマル、ハードコア・テクノ、ナードコア、ポップスまでを縦横無尽に行き来する。2023年には自身初となるオープンtoラストを下北沢SPREADにて開催(AVYSSにてインタビューも実施)。

 

マルチ・プレイヤーであるFELINE氏に、今回AVYSS Circle 2026では前回出演時に引き続き「ナードコアセット」をオーダー。プロパーなダンスフロアのことも、ハードで無秩序な現場のことも等しく見つめる姿はまさにプロフェッショナル。そうしたDJの、キッチュに振り切ったアプローチは希少な機会。お見逃しなく。

 

 

okadada

 

DJ/トラックメイカー。FELINE氏と同じく、真のマルチ・プレイヤーであり広範なジャンル・マナーに精通した、日本が誇るトップDJのひとり。アンダーグラウンドなパーティーから大規模フェスまで、バイオグラフィーにて「大小、上下、場所、種別を問わず」とあるように全国各地のさまざまなパーティーで20年以上にわたって第一線級の活躍を続ける。

 

先日12月20日には、東京では約7年ぶりとなるオープン・トゥ・ラスト公演をSpotify O-EASTメインフロアにて開催。長いキャリアの中で築かれた強固な信頼を強く感じさせるフロアの熱気には、形容しがたい感動がありました。以下は韓国のクラブ・Modeci Seoulにて開催された〈The Internatiiional〉主催パーティー出演時のアーカイブ映像。

 

 

らりる連合

 

関西発のエネルギッシュなDJユニット。遊び場で起き上がるバイブスそのままに結成。現在所属するメンバーはやおはる、eiji yokosaka、halfye、君のせい、初音、クーと、はるとの7名。主に大阪・心斎橋のDJバー・はなれや、神戸Otohatoba、RINKAITENなどで活動中。

 

Pu$h!による〈ZVocal〉シリーズや阿佐ヶ谷DRIFT周辺の東京ローカルシーン、インターネット上のキッチュなトラック、〈CIRCUS×CIRCUS〉をはじめとする大規模HIPHOPフェスなど、2020年代のさまざまな現象から影響を受けて自然発生的に結成された、時代の鏡写しのようなクルー、というか連合。詳しくはAVYSS PODCAST ep.12「大阪に東京をつくる」にて。

 

 

TORIENA

 

音楽家/シンガーソングライター/プロデューサー。作詞、作曲、編曲、ボーカル、プログラミング、3DCGモデリングなど、音楽制作にとどまらずさまざまなアプローチから創作活動を展開するマルチ・アーティスト。2012年にチップチューンを主体としたフェス〈Blip Festival Tokyo〉でデビュー。10年以上にわたるキャリアのなか、これまでに10枚のアルバムを発表。最新作に2024年9月リリースの13曲入アルバム『圏外』、ほか多数のEP、シングル、リミックスワークなどを精力的に手掛ける。

 

近年は活動の幅を海外にも大きく拡げ、フランスのレーベル〈Explity Music〉のコンピレーションへの参加、アメリカツアーなどを含む海外公演を多数実施。〈暴力的にカワイイ〉に代表されるインターネット音楽シーンとも関係しつつ、現在はレイヴ・ミュージックやハードコア・テクノへアプローチの軸をスライドしている。2023年にAVYSSで実施したインタビューからも推察されるように、場所やシーンに左右されず、自身の美学とクリエイションをストイックに突き詰め続けている姿は、まさしくAVYSS Circle 2026が掲げる「個」を強く発揮する印象を与える。

 

 


 

以上、〈AVYSS CUP〉から深夜帯まで、DJ/VJ/ライブアクトだけでも総計80組以上の出演者が一堂に会するのが今回のAVYSS Circle 2026。トークセッション、ブランドとのコラボレーション企画も含め、渋谷という絶えず変化し続ける街に十人十色の個性が円環状に広がっていく日となるはず。フェスでもレイヴでもなく、回遊式のサーキット・イベントという体裁こそあれど、そうした試みとも微妙に異なる音楽体験となることでしょう。GO。

 

 

◆公演名:AVYSS Circle 2026

◆公演日:2026年1月23日(金)

◆開場/開演:【DAY】18:00【NIGHT】24:00

◆会場:渋谷 CLUB QUATTRO 4F・5F / WWW・WWWβ / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX (5会場・7フロア)

 

◆出演者 (A-Z)

 

■ DAY

 

【CLUB QUATTRO 5F】

daine (AUS)・ほしのおと・No Buses・トップシークレットマン・雪国

 

【CLUB QUATTRO 4F】

Emma Aibara・ikea・Le Makeup・Lilniina・safmusic・死夏・XAMIYA・諭吉佳作/men・yuzuha

 

【WWW】

AssToro・dodo・Effie (KR)・iiso (KR)・It’s US!!!!・kegøn・lilbesh ramko・SxC Loser・sysmo・Yoyou

 

【WWWβ】

Amuxax・荒井優作・iga・in-mark・LAUSBUB・Saren・serah trax・宇宙チンチラ・uku kasai

 

【R Lounge】

AOTO・discordsquad2k・goku sasaki・lazydoll・Mishaguzi・Number Collector・otuyyuto・PAX0・Siero・Yog*

 

【SUPER DOMMUNE】

cyber milkちゃん・DJ HOSHIMIYA TOTO・DRIFT CREW・ひがしやしき・Magnolia Cacophony・おそロシア革命

 

〈TALK〉 千代田修平 + JACKSON kaki + ~離・MC : NordOst

トークテーマ「すべてがミームになっていく時代に、インターネットはアンダーグラウンドたりえるか」

 

【PBOX】

DjuBumba・eijin・fui w/ innerscape by ITOAOI・百年の孤独・いむ電波.wav・小松成彰 うーたん・うしろ(Ritual Workshop Set)・MON/KU

 

〈PODCAST〉 AfterParty 公開収録 ゲスト:つやちゃん

トークテーマ「AVYSS的なシーンの拡張性・可能性」

 

〈AVYSS COLLABORATION〉 BALMUNG・chloma・GB MOUTH

※コラボ内容後日発表

 

■ NIGHT

 

【CLUB QUATTRO 5F】

iVy・SleepInside・soccer.・Texas 3000・and more…

 

〈VJ〉 Higurashi・JACKSON kaki

 

【CLUB QUATTRO 4F】

CVN・E.O.U・imai・in the blue shirt・killwiz・KOCHIKESA・nano odorine・nerdcamp.com・食品まつり a.k.a foodman

 

【WWW】

Dos Monos・JUN INAGAWA・music fm・Oli XL (SWE)・釈迦坊主・wagahai is neko

 

〈VJ〉 naka renya・O.G.I

 

【WWWβ】

FELINE (ナードコアセット)・okadada・らりる連合・TORIENA

 

〈AVYSS Cup〉(テーマ:元気)

loli主語・前澤・seaketa・ ~離・MC : 徳利

 

Organize:AVYSS / CLUB QUATTRO

Cooperation:WWW / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX

Supported by melting bot

Partner:GALLERIA / THE DAY

 

Key Visual : QINGYI

Design & Layout : naka renya

 

Staging : yoh

Food : Geek Eggs Food Team XD

 

◆TICKET

URL:https://eplus.jp/avysscircle-2026/

 

◆チケット料金:

【通し券】前売:10,000円 / 早割:9,000円

【DAY】前売:7,900円 / 早割:6,900円 / U-18:5,900円

【NIGHT】前売:4,800円 / 早割:3,800円

(税込/スタンディング/整理番号付/ドリンク代別)

 

◆注意事項

※U-18の対象者は公演当日2026.1.23時点で18歳以下の方。ID/身分証の確認ができない場合、当日差額分をいただきます。

※NIGHTは深夜公演です。20歳未満は入場不可。要写真付きID。ID/身分証の確認ができない場合、入場をお断りする場合がございます。

※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)

※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。予めご了承ください。

※DAYとNIGHTは入れ替え制。(通しチケットお持ちのお客様も一度ご退場いただきます。)

 

◆お問い合わせ:渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750

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