2024/04/03
PANより
Heithのデビューアルバム『X, wheel』は、長い旅の始まりであり、意識と精神の曲がりくねった探求へのスタートだった。一方、今作『The Liars Tell…』は、一種の休息、次元移動の疲れからの瞑想と小休止の瞬間のように感じられる。まるで旅人が馬車を降り、岐路に戸惑いながら立ち、遠い場所の響きに耳を傾けるかのように。限界空間を占拠、何千もの矛盾した物語、ひとつの理解しがたい歌。
このEPが歌声に重点を置いているのは、それ自体が気軽なものではなく、言葉に関する研究だから。人間の声は、最も壊れやすい楽器として扱われ、テクノロジーに助けられ物質化された幽霊のような存在。Heithの加工された歌声の音色の曖昧な美しさは、聖なる霊感の内在的な知恵を模倣すると同時に、大ざっぱなトリックスターに属している。神の嘘が夢遊病者の耳に囁きかける。危険な知識の誘惑を煽る。
Heith – The Liars Tell…
Label : PAN
Release date : May 10 2024
https://heith.bandcamp.com/album/the-liars-tell
Tracklist
1. <>e
2. INVERTED VERTIGO
3. medicine boy
4. The Circus Lodge (Orchestroll Version)
category:NEWS
tags:Heith
2022/08/01
スピリチュアルエクササイズ イタリア出身のHeithは自身のレーベル〈Haunter Records〉からリリースした過去の作品において、音の精神的側面とその宇宙論的可能性を探ってきた。 儀式的なアニミズムの研究を通して意識の質感を探求し、文化や音の影響に対して雑食的で普遍主義的なアプローチを取り続けた。『X, wheel』は、Heithのデビューアルバムであり、PANからの最初のリリースでもある。このアルバムは、アートと人生が切り離せない、彼のクリエイティブでスピリチュアルな実践への深いダイブ。 2019年3月から2020年1月にかけて、ミラノ、ローマ、フィレンツェの異なるスタジオで作曲・録音された11曲は、サイトランス、フリーフォーク、ストーナーメタル、ノイズ、初期電子音楽まで、様々なスタイルの世界を循環しながら、ヴィジョンの一部であることを保っている。 「Letter 4」では、コラボレーターであるLeonardo Rubboliの曲がりくねったギターのメロディーがよろめき、2曲目の「Dero」では、様々なサイン波のラインと西洋のダイアトニックスケール以外のトーンシステムの層が循環している。『X, wheel』は、不協和音と多様性の渦の中心に静かに鎮座し、様々なアイデア、ムード、感情のスペクトラムを簡単に移動する。「Stoned Witch」では、リバーブとディストーションの不協和音からJesse Osborne-Lanthierのシンセのメロディーが見え隠れする。「Ensemble For Somnambulists」では、Aase Nielsenの孤独なサックスがノスタルジックなヒプナゴジックノワールを彷徨う。 Heithは、様々な哲学やフィクションを、直線的な時間の外側に存在する音のタブローにまとめ上げる。タイトルのホイールが回転するとき、それは繰り返しをもたらすのではなく、むしろ絶え間ない変化と動きをもたらし、無限大へと螺旋を描く。この作品が持つ催眠的な性質は、アルバムのライナーノーツに反映されている。これは、Heith自身の日記をもとに、非音声的アルファベットと、Pietro Agostoniと開発した言語実験「Angel’s Hair」で構成された、ある種のコラージュ。ZUのドラマーJacopo Battagliaとディジュリドゥ奏者Fabio Goldanigaの参加により、『X, wheel』はスペクトルの振動を意識に変えるエクササイズとなった。 Heith – X, wheel Label : PAN Release date : 7 October 2022 Your Element (a spell of equality) : https://pan.lnk.to/YourElement Tracklist 1. Heith, Leonardi Rubboli – Lettera 4 2. Dero 3. The hermit 4. a Venus flytrap in the circus lodge 5. ()()(), 21, wheel of fortune 6. Psychic
2018/10/16
新作EP『Laguna』をリリースしたばかりのHaunter RecordsのHeithが来日。 イタリアはミラノのレーベルHaunter RecordsからファウンダーHeithの新作EP『Laguna』が10インチとデジタルでリリース。 Haunter Recordsと言えば、Constellation Botsuの『ファカすっかもじゃんかよ』もリリースしており、個人的にはNoumeno、Somec、Cage Suburbiaなどをよく聴いていた。 そんなHeithの来日、今週のK/A/T/O MASSACREに出演することが決まっている。さらにRAのMixが素晴らしいLil Mofo、『End Of The Death』も好調のMars89なども出演。 以下、詳細。 10/17(wed) 【K/A/T/O MASSACRE vol.192】 at FORESTLIMIT OPEN 19:00 DOOR 1500yen(w1D) LIVE Hôy la sofheso 中川裕貴 DJ Heith(Haunter Records) LIL MOFO Mars89 https://soundcloud.com/y-153/maria-feat-weightausend https://soundcloud.com/bokeh-versions/bkv-021-mars89-end-of-the-death#t=0:00 ちなみにHaunter Recordsの前作、AARの『FirstGrade』も個人的に好み。
2020/11/23
2月14日リリース ミニマルテクノの代表的なアーティストの一人であるTroy Pierceと、コロンビアのオーディオビジュアルアーティストNatalia Escobar(aka Poison Arrow)のコラボレーション・デビューアルバム『Shatter』が、2021年の2月14日にリリース。 今作はギリシャ神話のEchoとNarcissusにインスパイアされ、夢遊病ダブ、ブロークンビート、空間の微妙な陰影を作品の細部で形成する。ダークなダンスフロアにおいて、重く打ち付けられるリズムの抑制が象徴的な作品でもある。今回のプロジェクトで二人が特にこだわったのは、空間へのアプローチであるとのこと。それは没入感のあるサウンドデザインに表れており、乱れた音と波打つ低音のプールの揺らぎが感じとれる。また、Konrad BlackとdBridgeがゲスト参加しており、薄暗い照明の中、そのシームレスに広がるテクスチャーは絶妙な彫刻のようにアクセントとなっている。 Pierce with Arrow – “Shatter” Label : Dais Release date : February 19, 2021 Pre-order : https://smarturl.it/piercewitharrow Tracklist 1. Echo 2. Dissolving To A Voice 3. She Pined Away 4. Obsidian Glass ft. Konrad Black 5. A Tight Passage 6. His Rejection 7. The Night Is Ending 8. In The Depths Of His Eyes 9. It’s A Love Story, After All… ft. dBridge 10.
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内省的空気と身体性ハイブリッド
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