「memoir / メモワール」と「K/A/T/O MASSACRE」のコラボパーティーが開催

Jiyoung Wi、Joyul、Yeong Die出演

 

 

3月12日に下北沢Spreadで開催のイベント「LISTENING TO COLORS」を皮切りにスタートしたJiyoung Wi、Joyul、Yeong Dieのジョイント・ジャパン・ツアー。韓国のアートやDJシーン等で活躍し、新たな電子音楽の潮流を生み出している3組を、幡ヶ谷Forestlimitにて毎週水曜に開催される名物パーティー「K/A/T/O MASSACRE」と、我々(Kenshi & Kenji)がオーガナイズするパーティー「memoir / メモワール」とのコラボレーション企画に招聘します。題して、🥀🎠メモワール・マサカー!🎠🥀

 

 

🇰🇷韓国🇰🇷

 

Unsound Festival出演やThe Wireでのレビュー掲載等、現行エクスペリメンタルの最高峰とも言える活躍を見せるプロデューサー・belaらと共に、ソウル拠点のイベント「Sorrow Club」を主宰するJiyoung Wi。ホワイトキューブやギャラリーとクラブの間を軽やかに行き来するような作風である彼女は、Nick Clienが運営するPsychic Liberationや北カルフォルニアのDIYレーベルMirae Arts等からノイジーかつ美麗なトラックをリリースする一方で、NTSやLYLにDJミックスを提供する他、詩人として朗読したりと個性的な活動を見せています。こうして記号を並べるとその人はアカデミックな態度(?)だろうとやや構えてしまいますが、彼女の不思議な魅力は底抜けに朗らかな性格にあります。インスタのストーリーには友人の写真や街のスナップが頻繁に上がりますし、そこには飾らない佇まいが伺えます。’表現と生活、そのアンバランスさが良く’…とするのは単純すぎで、あまりにもそれらがナチュラルに在ることを1番のレコメンドとしたいところです。言語化しづらいこの感覚を生で感じて、そして是非交流をして欲しい!今回はヴァイオリン含むLIVEセットでの出演!人生3回目のライヴとのことです。

 

 

Joyulは一昨年に発表されたアルバム「Earwitness」がブレイクスルーしたことで認知している方も多いのではないでしょうか。アンビエントを基調とし、フィールド・レコーディング、IDM、フォークなどの要素を丁寧に織り込んだ音作りで、リミキサーには現行アンビエントを代表する作家UllaやLucy Liyouといった錚々たる面々を迎えるなど会心の内容でした。アルバムのライナーが素晴らしいので引用します。「(Earwitnessが)彼女自身の世界観の延長線上にあることを認識しています。それは非常に個人的なものであり、完全に伝えることは不可能です。彼女は、このような体験を間違いなく共有することのむなしさを知っているが、それでも証言することに興味があり、音の曖昧さ、幻想、全く分からないことの中で音楽を提示する。彼女は、リスナーとして私たちが構築し遭遇するサウンドスケープを完全に知ることはできないという真実を受け入れているからである」。ぜひ彼女の美麗で曖昧な世界に浸ってください。

 

 

Psychic Liberation等からのリリースでも知られるエッヂなIDMプロデューサーであるYeong Dieは、現代の韓国を代表するDJとしての顔も持っています。また女性とクィアに焦点を当てたオンライン・イベント「CENTERS」を主催したり、アンビエント・デュオSalamandaのメンバーであるUman Therma、Yetsubyと共にレーベル「Computer Music Club」を運営する等、非常にアクティヴで先進的な活動を見せています。アナログ・シンセサイザー・ユーザーらしく柔らかな音色/ダークに沈んでいく音響ダブ/ジャズ・リスナーとしてのバックボーン/それらをミニマルに統括/DJ威力への憧れ。音響やストレンジなDJが多い今回のメモワール出演者のなかで、痛烈に身体の芯から揺らすクラブ・ミュージックを響かせるであろう彼女のDJingは、ダンスの快楽性を再認識させ大きなカタルシスを産むはずです。

 

 

日本🇯🇵

 

京都を拠点に活動する音楽家、美術家のKazumichi Komatsu。2019年に韓国・ソウルで開催されたSorrow ClubにDoveやLe Makeupと共に出演した他、Natalia Panzerらが中心となり運営されるオンライン・コレクティヴ「Lynn」における緩やかな人間関係の一端同士でもあり、パンデミック下でリリースされた韓国と日本の音楽家をフィーチャーしたV/A「INTIMATE GHOSTING」でも同席する等、Jiyoung Wiと彼は非常に長い交友を続けています。(ちなみに「INTIMATE GHOSTING」にはJyoung Wi、Kazumichi Komatsuの他にもJoyul、Yeong Die、Ultrafog、Kenji等も参加しており、今回のツアーにおける縁の証左ともいえる作品です。)音楽と美術の偏差を意識させない活動を見せる彼がメモワールに出演することは、その次世代ともいうべき、しかも同じく京都から発信されるreisenとの邂逅や、韓国勢とのフレンドリーなハングアウトによりまた美しい文脈となることでしょう。Mari Sakurai、Rafto、Ultrafogによる電子音楽コレクティヴ「IN HA」が2019年に開催した最終イベント以来、約4年ぶりにForestlimitでのパフォーマンスを披露します。

 

 

京都を拠点に活動するコレクティブ、reisen。昨年夏にはYouTubeチャンネル上で4本の異なる要素を持つ動画をプレミアム公開。それら全てを別々のウインドウで同時再生することで音の重なりやウインドウの行き来=巡回の体験を提案し、一つの作品として機能させる「.☆.。.:*・° thanks!!! merry xmas!!! agam +*:.。.*:+☆」を発表。’友人に贈る為のプレゼントを夜のショッピングモールに買いに行く’という普遍的なシーンを撮影・編集し、そこに幾重にもレイヤーを重ねることで、奇妙ながらも温もりのある時間を提示しました。彼らは自身の活動に対して説明的すぎるキャプションは緩やかに捨てており、受け手側は断片的にしか彼らを観測することしか出来ませんでしたが、満を持して初となる舞台でのパフォーマンスが決定。形態はシアター=演劇!日常と地続きでありながら心地よい違和感を孕んだ世界に我々を誘います。東京で彼らを目撃出来る貴重な機会を絶対に逃さないでください!

 

 

Broshuda来日公演や本イベントでもあるK/A/T/O MASSACREの他、脱構築クラブ・ミュージック代表格のFITNESSSをゲストに招いた新大久保Baconでのイベント出演など、独自の活動を見せるDJ God Hates Shrimp。最新のダンス・ミュージックからストラヴィンスキーに至るまでをプレイするジャンルレスなDJである一方、アートイベント「EASTEAST_TOKYO 2023」では’教会にある告解室、信者が自らの罪を司祭に告白して神様のゆるしを得る場’をテーマに、廃ビルを舞台とするアンバランスな神秘性に満ちた展示作品を披露しました。清真、ノワール、つるっとした感触、ざらつき、アイロニック、米国産ミーム画像のようなノリ。捉えどころのないキャラクターと、その型枠をはみ出したり/出さなかったり。彼女のDJにより会を明確にQ.E.Dしない形でクロージングすることで、メモワールは静かに幕を閉じる、予定です。

 

 

2010年代のインディペンデント・シーンに絶大な影響を及ぼしながらその’テン年代’の終焉と共に惜しまれつつ更新を停止した米メディアTiny Mix Tapesから、念願の来日を果たしたTek lintowe等が放つストレンジ&ウォーミーなエナジー、’ポストElysia Crampton世代’の衝動をレポートしているYouTubeチャンネルMadjestic Kasualに至るまでをこよなく愛し、深掘り。Rate Your Musicに入浸るオタク的遡及とSoundCloudフィード上での探求を猛スピードで(前後に)邁進するディガー・DMT。K/A/T/O MASSACREでの衝撃デビューから数えて人生2回目となるDJ。シニカルな印象も受けるSNS上でのキャラクターとは裏腹に、溢れ出る音楽へのパッションを感じてほしい!

 

 

DMTとは異なりリアルタイム進行でTiny Mix TapesヘッズだったプロデューサーのKenshi。Kazumichi Komatsuもリリース歴のあるpsalmus diuersae界隈の作家、特にchushi等からのインスピレーションが大きい作風です。ファウンダーのJ. Gordon Faylorにより運営され、300ものカタログ番号を重ねたパブリッシャー「Gauss PDF」から作品を発表するなど一定の活動は観測出来ますが、その実態は謎が多く、彼を構成するものの一部はどこか別の場所にあるような気もします。電子音楽イベントとなるとシリアスな雰囲気になる傾向がありますが、あくまでもメモワールはパーティーとしての面を担保したい!プロム的な雰囲気をある程度意識しつつ…そんな内容のDJで彼が幕を上げてくれます。

https://www.gauss-pdf.com/post/188214144260/gpdf283-kenshi-yo-bro

 

空間を彩るVJは、2010年代インターネット文化を先進しつつベールに包まれた交友譚を残した集団「BACON」の一員で、eminemsaikoとのユニットSOFTPOWERでも活動、今回共演するJiyoung Wiが’世界で一番好きなDJ’とラブコールを送るなど世界各地のクリエイターからそのディグと編纂を支持されるDJでありながら、キム・ギヨン監督作品『死んでもいい経験』のBDパッケージを請け負うなどデザイナーかつヴィジュアル・アーティストでもあるpooteeが担当。美術や映画に対する深い愛情に裏打ちされた端正かつエレガントな映像群でForestlimitに流れる電子音楽に華を添えます。

https://pootee.tumblr.com/

 

フライヤーのデザインは、「EASTEAST_TOKYO 2023」のオープニング・パーティーにてspeedy lee genesisとのb2bでクロージングDJを務め、日記-詩-記録-創作、それらを明確にセパレートしない、内/外の輪郭がぼやけた不思議な感触のアートワークを発信しているpnnikinが務めます。起きて少し時間が経ち、すっかりと忘れてしまったけれども、何となく素敵な夢だったことは覚えている…。そんな曖昧さを自然に捉える彼女は、割り切れないことを大切にしたいメモワールのヴィジュアルを見事に表現してくれました。Forestlimitの空気とメモワールの音を感じながら、SNS上のデータだけでなくプリントされたフライヤーを現地で眺めてほしい!

https://www.instagram.com/pnnikin/

 

最後に自己紹介となりますがKenjiです。blog「supernalsofttouch」やそこから派生したmixシリーズ「Blue XP」などを運営しています。昨年Sex Magazineからミックステープをリリースしました。韓国から来てくれた三者全員のことが大好きですが、特に思い入れが深いのはJiyoung Wiです。今まで述べてきたLynnやINTIMATE GHOSTING、Blue XPなど、様々なシーンで彼女とオンライン上の交流を重ねてきました。2019年に「Absurd TRAX」より発表したアルバム「愛の響き」にて楽曲の共作もしています。緩やかに紡がれてきた様々な人間関係とそこに合流する新たな出会いがメモワールを忘れられないものとすれば幸せです。

 

 

3/15(wed)

【M/E/M/O/I/R MASSACRE】

#FORESTLIMIT

JST 18:30〜

door:¥1800+1drink

 

from KOREA

Jiyoung Wi

Joyul

Yeong Die

 

LIVE

Kazumichi Komatsu

THEATER

reisen

 

DJ

DJ God Hates Shrimp

DMT

Kenji

Kenshi

 

VJ

pootee

 

FLYER DESIGN

pnnikin

category:NEWS

tags:

RELATED

FEATURE

2024/04/16

新しい”swag”を真ん中から提示する|safmusic interview

みんなの生活とか暮らしのムードを変えていく
 more

2024/04/12

「森、道、市場 2024」にてAVYSSプレゼンツ「AVYSS Pack」が開催

5月25日 MORI.MICHI.DISCO.STAGE (遊園地エリア) more

2024/04/08

私達と友人の為の超解放安全空間を目指して|SUBCULTURE interview

レイヴ好き少年2人による幻想成長物語
 more