2018/12/19
カセットコレクターDirty Dirtの棚からなんとなくセレクトされたカセットを紹介。
Dirty Dirtこと戸田氏はエクスペリメンタル、エレクトロニック、テクノなどのアンダーグラウンドの電子音楽を中心に現行のアーティストのリリースを追いかけるヘビーリスナーであり、膨大な量のカセットを所有するコレクターである。今回は戸田氏のカセット棚から、特に選考基準なく、なんとなく選んでもらった数本のカセットを紹介してもらった。戸田氏の紹介コメントも含めて、何か引っかかるものがあれば、是非聴いてみてほしい。
Rabit – 『CRY ALONE DIE ALONE』(Halcyon Veil)
先日Halcyon Veilショーケースとしてアジアツアーを行った(日本にはこなかった…)Rabitが突然リリースしたミックステープ。ヒューストンのHiphopをスクリュー、そこにノイズを重ねたり、コラージュしたり。元ネタがわからないんだけれど、いまの気分にあう。はじめはデータだけかとおもって買ったらのちほどカセットテープが150本限定で売られたため二重に買わざるをえない案件。アートワークはAVYSSグッズのデザインも手がけるCollin Fletcher。
L.O.A. -『In Your Cities, What About Feelings?』(Forever Now)
2017年からはじまったナポリのDave SavedとNPLGNNによるレーベルForever Now第2弾は、ナポリで94年から続くパーティー『Angels Of Love』の2001年から2003年頃に録音したたくさんのCD-Rの音をスクリューしてコラージュ。ナポリで活動しつづける二人がローカルなカルチャーと向かいあい、いまの雰囲気にというかんじだが、全体のスクリュー加減が強すぎ、とくにヴォーカル曲はかなりずぶずぶで、得体のしれない音像に仕上がっている。JカードがCD-Rの写真。
Ao Wu -『Side Effect』(Future Proof:面向異日)
2018年は東アジアの盛り上がりが目立った。Future Proofは台湾のレーベルであまりフィジカルのでないこの界隈ではうれしい。Ao Wuは台湾を拠点に活動していて、Eternal Dragonzから韓国のラッパーMOLDYとの曲をリリースしたり、グリーンランド? のBio Future Laboratoryのコンピレーションにも参加していたり、映像やアートワークも作製するなど多才で今後注目。今作品は台湾の街中や家のなかの音をスマートフォンで録音したものをサンプルにつかって、東アジアな雰囲気のメロディと今のビートがからみあい構成。 Jカードのデザインも本人によるもの。
V.A. 『Compilation』(Lillerne Tapes)
シカゴのカセットテープレーベルLillerne Tapesの100作目記念コンピレーション。2007年レーベル発足から、Zack Phillipsを筆頭に、Exael、mdo、Gora Sou、YYU、Rhucleなどローファイなポップや、アンビエントをマイペースにリリースを重ね、同時期に始まったレーベルはかなり消えてしまてゆくなか、続けられてるのはすごい。
AJA 『AJA』(Opal Tapes)
グラスゴーAja Irelandによるソロプロジェクトデビュー作。ノイズと暴力そのものなドラムマシーンによるビート、そして叫び声。それもかなり激しい。LGBTコミュニティでの音楽や詩のワークショップの運営など JカードはLu La LoopというUKのファッションブランドとのコラボレーションで、Aja本人がモデルになっている。
Yeah You 『KHOT<』(Opal Tapes/Slip)
Elvin BrandiとMyki Jaxnによる親子(らしい)ユニット。チープなCASIOのキーボードによるビート、サンプリングなのか入ってしまったのか街のざわめきやノイズ、そこに叫びまくるラップ。ラップしてるからといって、まったくヒップホップでもないし、ジャンル不詳なかんじがよい。蓄光の緑のケースが時折あるけれどもDJするときにあるとフロアで光る。
N1L 『山卂ㄒ乇尺 爪乇爪ㄖ尺ㄚ』(Opal Tapes)
ベルリンのMartins RokisによるN1L。これまでにUIQ、Where To Now? からリリースしてきたが、2018年、コンピレーションやArs Was Takenなどほかの作品への参加、リミックスなどで一番名前を目にしたひとり。これまでのよりもかなりノイジーな展開をみせるA面がよい。 Opal Tapesのものが続くけれども、今年、いや、去年あたりからカセットテープやレコードというくくりだけでなく、ジャンルも音もかなり開かれたあたらしいところに足を踏み入れていて、Stephen Bishopはさすがである。
House Of Kenzo 『Bonfires Of Urbanity』(Ascetic House)
これまでに一ヶ月のうち毎日1本リリースだとか、一挙に30本だとか、リリースする行為自体がアートのようなAscetic House。2017年はUSBとレコードでのリリースだったけれど、2018年のAscetic Houseは15本一挙にカセットテープリリース。CityにKali Malone、Rabitなど幅広い界隈を取り上げていたなか、テキサスのヴォーグのコレクティブであるHouse Of Kenzoがすばらしい。暴力的なラップと激しいトラック、そこにサンプリングのコラージュ、さらにRabitも参加と、2018年の後半の気分にかなり影響した。
TEXT by Dirty Dirt
12/19、Dirty Dirtと舘脇悠介がホストを務めるトークイベント『Buy Nowers Club vol.14』がdues新宿にて開催。
『Buy Nowers Club vol.14』
12/19(水)
at dues新宿
OPEN 19:45 / START 20:00
CHARGE 1200yen+1d
TALK: Dirty Dirt、舘脇悠介、Naohiro Nishikawa
イベント詳細はこちら。
category:FEATURE
tags:Cassette / DIRTY DIRT
2018/11/06
カセットコレクターDirty Dirtの棚からなんとなくセレクトされたカセットを紹介。 Dirty Dirtこと戸田氏はエクスペリメンタル、エレクトロニック、テクノなどのアンダーグラウンドの電子音楽を中心に現行のアーティストのリリースを追いかけるヘビーリスナーであり、膨大な量のカセットを所有するコレクターである。今回は戸田氏のカセット棚から、特に選考基準なく、なんとなく選んでもらった数本のカセットを紹介してもらった。戸田氏の紹介コメントも含めて、何か引っかかるものがあれば、是非聴いてみてほしい。 LA Warman – 『Elizabeth』 (Looking at your mint) Tiny Mix TapesでCOOKCOOK名義でライターとして活動しているNatalia Panzerと、2017年末にAngoisseのショーケースで来日していたTheodore Cale Schaferが運営するレーベルから、LA Warmanによるインターネットをテーマにした朗読劇。LA WarmanはChloé Elizabeth Maratta(Odwalla1221)の作品などをリリースしているUSBレーベルGlass PressをNatalaとともに運営している。ケースはなくウォレットチェーンがカセット自体につけられている(もちろん取り外してきくことができる) catriel – 『zzzz xxxx』(self release) アルゼンチンのcatrielのファーストカセット。前からカセットテープをつくったら送っていいかとInstagram経由で連絡がきていた(結局買った)。カセットケースごと、そして真っ黒な悪魔のような手のフィギュア(お守りらしい)をいっしょに真空パック。もったいなくて開封できないので、データできいています。Jカードの無機質な公衆電話写真もよい。音は同郷NGLYにも通じるインダストリアルなテクノ。 Deflector – 『Juice』(Clan Destine Records) これまでにDream Disc RecordsやSummer IsleなどからリリースしていたDeflectorの2018年作品はグラスゴーのClan Destine Recordsから。終始暴走しっぱなしなノイズまじりのテクノ。10年近くになるレーベルの活動のなかで、DARK ACIDシリーズなど何度か見せ場をつくってきたClan Destine。2016年からは毎月4本ペースでミックステープをリリースしており、内容もウイッチハウスからトラップまでとCarl Clandestineの趣味全開。Jカードもすべて本人が制作。おおよそレーベルとしてのリリース数は2017、2018年は世界一ではないだろうか。 bod [包家巷] – 『Limpid Fear [清澈恐惧]』(Knives) 様々なレーベルのアートワークやパーティーのフライヤーなどのデザインでも活躍するLA出身ベルリン在住のNicholas Zhuによるソロプロジェクトbod [包家巷]の新作がPlanet MuのサブレーベルKnivesから。クラシカルな音、ルーツであるアジアな雰囲気のメロディや、変調声、切り刻まれるかのような打撃音などがアンビエント室な音とともに配置された各面1曲ずつのミックステープ仕様。Tea StražičićによるJカードのアートワークもすばらしく、それが銀色の袋に封入されている。銀色のジップロックや袋にはいってるカセットは外れがない。 James Ferraro – 『Four Pieces For Mirai』(self release) 2000年代半ばから常に先を走り続けているJames Ferraro新作。もはやOPNとならんで大御所の域んいるけれども、いまでも自主でカセットテープを作ってだすという活動はすばらしい。ディストピア4部作の1本目。前作のカセットテープを日本から注文した人にはまったくといっていいほど送ってこなかったのに新作タイトルでMiraiと日本語を使っていて、遠い未来、そのうち送ってくるっていうメッセージだととらえました。 NGLY – 『Untitled
2019/04/23
Opal Tapesからは初の単独作。 Basic Houseとしても知られるStephen Bishopが主宰するUKのアンダーグラウンド最重要テクノレーベルOpal Tapesから初の日本人リリースとなった10 LabelのKatsunori Sawaが、〈Opal Tapes〉、〈The Stone Tapes〉、〈The Weevil Neighbourhood〉、3つのレーベルから作品を一挙に発表した。 Opal Tapesからリリースされた前回の作品はChafik Chennoufとのコラボ作品だったが、今回の『An Enlightenment Manual, Your Consciousness Of Truth』は単独作となる。また、Chafik ChennoufとはThe Stone Tapesからリリースされる『Fragments of Reference EP』で再びコラボレーションしている。 各作品の詳細は以下から。 『An Enlightenment Manual, Your Consciousness Of Truth』(Opal Tapes) 詳細はこちら。 『Fragments of Reference EP』(The Stone Tapes) 詳細はこちら。 『Premium Gardens』(The Weevil Neighbourhood) 詳細はこちら。 Katsunori Sawa -live schedule- 4/30 京都外 http://soto-kyoto.jp/event/190430/ 5/3 Contact http://www.contacttokyo.com/schedule/prowler-keihin-1st-ep-esoteric-communication-launch-party/
2018/08/02
UKのレーベルOpal TapesがTシャツをリリース。デザインはJesse Osborne-Lanthierが手がけている。 Stephen BishopことBasic Houseが主宰するUKのレーベルOpal Tapesはヨーロッパを代表するアンダーグラウンドのテクノレーベルである。そのOpal TapesがTシャツをリリースすることをアナウンスした。デザインは今年ジャパンツアーを行なったJesse Osborne-Lanthierが手がけている。 明日金曜からレーベルのオフィシャルサイトでプレオーダーが開始予定。 AVYSSではJesse Osborne-Lanthierのアートワークをフィーチャーした記事も掲載中である。合わせてチェックしてほしい。 View this post on Instagram This brand-spanking nu culture mag from Japan asked about my graphic design practice and is featuring some never 2 b seen work! 👩🎤 http://avyss-magazine.com/2018/06/04/82/ Jesse Osborne-Lanthier|シーンを形成するアートワーク 5月に待望のジャパンツアーを果たしたJesse Osborne-Lanthier、強靭かつ説得力のある楽曲もさることながらシーンへ多大な影響を与えているアートワークに注目。 カナダはモントリオールを拠点にするJesse Osborne-Lanthierはミュージシャンとして、これまでにRabit主宰のHalcyon Veilや、UKのWhere To Now?をはじめ、MIND Records、Raster-Noton、Hobo Cult、等数々のエレクトロニック/エクスペリメンタルの重要レーベルから作品をリリースしている。ソロプロジェクトの他にもBernardino FemminielliとFemminielli Noirとしての活動も広く知られており、去年スタートしたBunni GroupeなるプロジェクトはBernardino
出会いからEP『Soul Kiss』に至るまで
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