会話・生活・音楽|sysmo Interview (at “sysmo house”)

sysmoハウスに家庭訪問(?)

 

 

2024年5月にシングル「FIRST LOOK」をリリースし活動開始した3人組エレクトロポップ・ユニット、sysmo。デビューはSpotify O-EASTで同年8月に開催された「dokokoko」、その後11月に渋谷WWW全館にて開催された「NEO GRAND」に出演するなどデビュー当初から水面下で注目を集めている。

 

2025年2月には6曲入の1st EP『BYE-BYE KARAOKI!』をリリースし、5月24日(土)には地域型フェス「森、道、市場2025」の”MORI.MICHI.DISCO.STAGE”にて開催されるAVYSS主催「AVYSS Chain」への出演も発表されている。

 

一見すると特異な存在にも思える彼らは、実は学生時代から幼馴染みとして長い時間を過ごしてきた気のおけない仲間であるようだ。各々異なる趣向はあれど、自然なつながりから生まれた信頼関係のもとに成り立っているsysmoは、コロナ禍のオンライン・コミュニティ的な流れとは異なる新たなタイプのユニットとも言える。

 

今回、AVYSSでは埼玉某所に位置するsysmoのスタジオ兼住居、通称sysmoハウスへ家庭訪問。彼らの制作と生活の場に赴き、成り立ちからデビュー、ライフスタイルや制作ルーチンなどにまつわるエピソードを、家(と近くの河川敷)で伺った。

 

フォトグラファーには、東新宿LOVE TKOのスタッフとして働く傍ら、写真家としてポートレートを主にアートディレクションからデザインまでを幅広く手掛け、人と人との交歓や息遣いを巧みに切り取る添田ゆかりを迎えた。みんなで会って、遊んでみました。

 

Planning / Text / Interview : NordOst / Hiroto Matsushima

Photo : 添田ゆかり

Direction : CVN

 

 

──おじゃまします。まずはsysmoが始動する前、3人がどういった流れで集まっていったのかを聞かせてほしいです。

 

團桂我(團):自分と小玉が中学の同級生で、小玉と孝浩(吉岡)が高校の同級生だったんです。

 

小玉直弥(小玉)一緒に音楽聴いてたんだよね。

 

吉岡孝浩(吉岡)で、浪人時代に俺が桂我と会って。

 

團:大学上がってからは基本3人で動いてる、みたいな。

 

──じゃあ、出身とかもみんな一緒ですか?

 

小玉:千葉です。

 

團:柏!

 

 

──なるほど。sysmoをはじめる前、学生時代はどんな音楽を聴いてました?

 

團:アメリカのヒップホップやねえ。

 

吉岡:マジでアメリカのヒップホップを聴いてました。Drake – God’s Planとか(笑)。

 

小玉:Post Maloneとかもね。

 

──メインストリーム・ラップを仲良く聴き合って、みたいな。

 

吉岡:Jojiとかね。

 

團:Jojiの存在はデカいかもしれないですね、俺らのなかで。

 

 

小玉:〈88Rising〉は昔、勢いがあったころはすっごい聴いてて。

 

團:あった。初期のあたりね。すっごい聴いてた。

 

吉岡:3人が共通して聴いてたのはなんだろう。俺がさ、BROCKHAMPTON好きになったのはけっこう後じゃん。最初はふたりが聴いてたよね?

 

團:聴いてたっけ。たぶん、俺はSoundCloudとかで誰かも分からず聴いてるみたいな感じだった。なんかかっこいいな、と思ってたけど。

 

小玉:「BROCKHAMPTONっしょ!」みたいな感じの立ち位置にすぐ入ってきて。いまもけっこう好きです。

 

團:目指してるじゃないけど、なんかね。あの感じは出していきたい。

 

 

吉岡:音楽的にもめちゃくちゃ好きで。USのトップチャート・ヒップホップみたいな。日本だと共通して聴いてる人はあんまりいないかも。

 

──3人それぞれがsysmo以前に聴いていたような、源流になっている日本のアーティストって思い浮かびますか?

 

團:小玉は完全にTohjiでしょ。

 

小玉:うん(笑)。『Mall Tape』とか、『9.97』とか。あの辺の時期ですね。

 

團:孝浩(吉岡)って日本のアーティスト聴いてたの?

 

吉岡:俺は日本人だと、星野源とかぐらいかな。

 

──吉岡君はいわゆるジャパニーズ・エレクトロニカ的なところへの造詣が深いのかなと勝手に思っていたんですが、そういうわけでもなく?

 

吉岡:俺、本当に聴いてない気がする。I am Robot And Proudとかを知ったのもマジ最近で。別にエレクトロニカに詳しいわけではないですね。

 

──意外でした。あくまで個人的な捉え方なんですが、sysmoには「エレクトロニカmeetsポップス」みたいな雰囲気を感じていて。そういった要素がどこから来たものなのか、気になります。

 

吉岡:あー。どこから来たんだろう?

 

團:俺がAlexander PanosとかDemotapesとかを一時期アホみたいに聴いてたから、それがたぶん影響してるかも?

 

 

 

吉岡:あのときは俺以外、小玉とか桂我がそういうの聴いてた気がする。

 

小玉:でも、最近のやつ以外だと聴いてた音楽の記憶はあんま出てこないですね(笑)。

 

──凝ったサウンド・テクスチャーに取り組んでいるアーティストが好き、みたいな。たとえばHudson Mohawkeなんかはどうですか?

 

 

小玉:ああ!

 

團:ハドモはデカい!

 

吉岡:ハドモはヤバいです。でも、本当にちゃんと聴くようになったのは最近で。彼に求めてるのはエレクトロの力強さとかではなく、ジャンルをめちゃくちゃ横断してもて遊ぶ感じですね。

 

──たしかに、ああいった折衷感はsysmoにも感じます。逆に、たとえば〈PC Music〉関連のアーティストを熱心に聴いてたわけではない?

 

小玉:俺は好きだけど、ふたりはどうだろう。

 

團:ちゃんと通ってないというか、追ってなかった感じです。

 

吉岡:あれはめっちゃ聴いてました、サンクラの青いミックステープみたいなやつ。

 

PC Music – 10 (2023)

 

團:A.G. Cookは聴いてたかな、けっこう。『Apple』『7G』とか。

 

──じゃあ、いまの活動に影響を与えている日本のアーティストは? sysmoを見ていると、Peterparker69からのフックアップもそうだし、〈CHAVURL〉からの影響はあるのかな、と思って。

 

團:やっぱりPeterparker69の存在はデカいですね。一発目のO-EAST(2024/8/3〈dokokoko〉)にも呼んでくれたし。〈dokokoko〉はマジで何をやってもよかったから割と気楽ではあったよね。緊張はするけど、そもそもどう見られてるとかが無いからやりやすかったし。

 

吉岡:うん。(Peterparker69は)リファレンスにした意識はないけど、日本の近い世代だと避けては通れない存在、というか。

 

小玉:その表現が一番しっくりくる。

 

──初ライブも〈dokokoko〉でした? あれもPeterparker69を介して、みたいな。

 

團:初ライブはそうっすね。(オファーが)誰経由なのかはわからなかったけど、Jeterと喋ったら「俺が観たかったから」みたいに言ってて。この間の〈Magicround 2〉もそんな感じで。

 

──〈CHAVURL〉出身だとeijinの影響もなんとなく大きそうですが、どうでしょう。

 

團:eijinもそうかも。それこそクラブでBROCKHAMPTONとかをかけてたDJを観たのはeijinが最初だったし。

 

小玉:直接的じゃないけど、いい曲いっぱい教えてもらったよね。そういう意味ではeijinの影響は受けてるんだろうな。

 

團:やっぱり2023年頃ぐらいがけっこう原点っていうか。俺たちが想像する「シーン」的なイメージとか、スタイルの感覚とかはそこで覚えた気がします。今もあんまよく分かってないっちゃ分かってないけど、自分たちの身の回りぐらいのことはそのあたりからだんだん見えてきました。

 

──そういえば、sysmoの結成自体は本当に最近の話なんですよね。

 

團:1年前とか。

 

小玉:名前がついたのは一昨年の冬ぐらいです。

 

──あくまで自然発生的な活動で、あとから名前がついてきた、みたいな。

 

團:そうですね。僕ら、カラオケに集まって、スピーカーとパソコン、インターフェースとかキーボードを持っていって曲を作ってて。深夜のカラオケって、学生だと安いじゃないですか。そこで溜まって朝5時までひたすらやってる、みたいな感じでした。

 

──ああ、だからEPのタイトルが『BYE-BYE KARAOKI!』っていう!

 

團:そういうことっす!

 

小玉:家ができたし、もうカラオケに集まらなくてもよくなったので(笑)。

 

──カラオケからいまの家にたどり着いて。sysmo、という名前の由来は?

 

團:(『BYE-BYE KARAOKI!』を)出す前に、「名前どうする?」みたいになって。俺が適当に「システム・モーション」って言ったら、そのときはうーん? ってなったんですけど。

 

小玉:なんだっけ、論文かどっかに書いてあったんだよね。

 

團:そうそう。なんかの論文を読んでたらそのフレーズが出てきて。そしたら小玉が「sysmoね」とか短くして。それいいじゃん、みたいな。

 

小玉:(sysmoの)アイコンは桂我が描いたもので。名前よりも先にありました。

 

團:だから別に、めちゃくちゃ意味があるわけじゃないっていう。

 

──「カラオケ期」はだいたいどれぐらいの時期ですか? コロナ禍の終わりごろなのかな、と思うんですが。

 

團:大学2、3年の頃だから2023年ぐらい?

 

吉岡:たぶん、2023年の春ぐらいからカラオケに行きはじめて。割とすぐ「FIRST LOOK」ができたのかな。

 

 

團:大学生活とコロナがほぼほぼ被ってて、全然行かなくなったからそれぞれパソコンにDAW入れてやってて。大学3年ぐらいまでは、たぶん各々修行みたいな感じでした。

 

──楽器経験があったわけではなく。

 

團:(楽器は)やらなかったですね。

 

吉岡:俺はずっとクラシックピアノをやってて。

 

團:相当上手かったんだよね?

 

吉岡:当時は本気でした。でも、本当に真面目にやってたのは高2ぐらいまで。

 

──sysmoハウスが誕生したのはいつですか?

 

團:4月からだから、ちょうど1年前ですね。出してる曲ができてきたし、就職するタイミングで一緒に住んじゃうか! ってなって。カラオケに行かなくてもいいし。

 

吉岡:俺だけ大学生をやってて、(桂我、小玉の)ふたりは就職して1年経ったぐらい。

 

團:この人(小玉)はもう辞めて。俺はまだやってますね。でもまあ……もうそろそろね(笑)。脱出したい。

 

──普段ここ(リビング)で制作を進めてるんですね。スタジオになってる区画がリビングにガッツリある感じだけど。

 

制作環境

 

團:基本そうですね。誰かが適当に始めてて、それに各々ヌルっと足していったりして。飯とか風呂とか寝るとき以外は、基本誰かしらがずっと触ってるみたいな。

 

小玉:あと、誰かが家にいないとき、あとの二人がなんかやってて帰ってきたら(曲のWIPが)できてる、みたいな。そこに足していくような感じですね(笑)。

 

──「料理できたよ!」ぐらいの感覚で。じゃあルーチンを設けたりはせず、制作と暮らしは割とシームレスに?

 

團:休んでるっていう感覚ないよね? 俺の場合はいつも朝から仕事行って、帰ってきたら始まるし。

 

吉岡:でもカラオケに行ってた時期は入店すると「やるぞ」ってなるんですけど、暮らしと直結しているぶん、そういうのがなくなっちゃって。カラオケの良さもあった。

 

小玉:あれはあれで良かったよね、やっぱ集中してやれてたから。

 

──EP『BYE-BYE KARAOKI!』のジャケット写真がすごく好きで。これの撮影も家ですか?

 

『BYE-BYE KARAOKI!』ジャケット

 

團:そうっすね。これはめちゃくちゃ適当に撮ったやつで。

 

吉岡:超適当だった。

 

小玉:いっぱい撮ったんだよね、適当に(笑)。

 

團:ジャケ撮ろうみたいな感じになって、俺が顔洗ってたら「ちょっと来い!」って言われて、ここ(キッチン)に。パッて撮ったら、なんかいいじゃん、って(笑)。全部自分たちでやりましたね、ティザーの映像とかも。

 

──本当にDIYなんですね。EPの制作期間ってどれぐらいでした?

 

小玉:ギュッてしたらですか?

 

──ギュッてしても、しなくても。コンセプトから作り込むとか、溜まったから出すとかいろいろあると思うんですけど。

 

小玉:あ、でもEP出したいっていうのは前々から言ってました。

 

──ざっくり言うといつぐらいのことですか?

 

小玉:ええと、8月とか?

 

團:「FIRST LOOK」とか「love exit」が出たあとぐらいですかね。〈NEO GRAND〉前にはもう決めてたかな。

 

吉岡:年末あたりにバーって曲を作ったりしつつ、何個か没にしたりとか。たぶん半年ぐらいですね。

 

團:マジでやったのはほんと12月とか1月とか。先にEPのリリースパーティーの日付が決まってたので(笑)。締め切りをバーンって作られて、そこに向けて走ったって感じでしたね。まあでも楽しかった。

 

小玉:うん、めっちゃ楽しかった。

 

──『BYE-BYE KARAOKI!』は、いろんなビートやジャンル的な要素がスイッチしていく作風で。全体的にフューチャーガラージっぽい質感はありつつ、その2ステップっぽいハットがズレてバイレファンキになっていったり、ジャージークラブになったりするような感じですが、どういった音楽がリファレンスになっているのかな、というのも気になって。

 

吉岡:一部はそうかもしれないですけど、3人とも別にUKガラージがメインじゃないっていう共通意識もあって。

 

團:そうね。

 

小玉:桂我はガラージ好きだよね?

 

團:そうっすね、俺はガラージ好き。だけどずっとやるのは違うって思っちゃう。いろいろやって、パッって引くみたいな。なんというか、手札をとりあえず広げたみたいな感じかも。

 

──自分の話で申し訳ないんですけど、僕もまさにそういう感じでDJすることが多くて。なんでも雑食的に好きだし、その場に合いそうなものを自分のフィルターを介して選んでいく、ということをやってて。それは自分含めたコロナ禍以降のDJやアーティストに共通する感覚なのかも、って前々から思ってたので、共感できるなと。

 

團:なるほど。それで言うと、割とずっと思いつきをひたすら続けてきて、破綻しないラインを考えながら作曲を進めていくみたいな感覚はあるかもです。やりすぎるとワケわかんなくなるから、ちょうどいいところをずっと探っていく、みたいな。

 

小玉:まあ3人とも長く一緒にいたんで、「こいつはこれカッコいいと思うだろうな」みたいなのがなんとなくわかるんですよ。

 

團:たしかに。

 

小玉:で、たとえばちょっと挑戦的な、自分らしくない感じのアプローチでも他のふたりは「いいね!」って言ってきそうだな、って思えるものを3人とも出し合ってくっつけて、はい完成! みたいな。

 

──なるほど。たとえばSoundCloudにある無数のEditモノなんかは、とくにそういう感じの作風が多いと思っていて。やっぱり「SoundCloud感」みたいな意識はありますか?

 

團:「サンクラをサブスクに持ち込む」みたいな意識は多少なりともあるというか。なんというか、「インターネットっぽくないけどインターネット」みたいな感じですかね?

 

──「インターネット」って言葉はオタク寄りのポップカルチャーと直結しがちだけど、いまや水や電気みたいなもの、ライフラインになってますからね。それで言うと、sysmoの作風のジャンルをザッピングしていく感覚は、たしかに「インターネット」的な姿勢かもしれないです。各曲が超ショートなDJMIX的、というか。

 

小玉:そうなんですよね。

 

──sysmoの音像とはほぼ対極の存在だけど、たとえばダリアコアはそういうアプローチのものでもあるし。

 

團:でも、ダリアコアの影響は割とデカいかも。

 

小玉:たしかに。

 

吉岡:めっちゃ好き(笑)。

 

團:Hyperflip的なやつというよりは、TwerkNation28の感じっていうか。それを自分たちなりにやろうという意識はないけどやってるのかも。もっとポップな聴きやすい感じ、というか。

 

 

──そういう感じの方向性で(音像が)バキバキではない、っていうのは今後の流れとして各所で起こるのかなと思いますね。

 

團:俺らがバキバキになっちゃったらそれこそ〈CCS3〉ですよね(笑)。

 

吉岡:CCSってなんだっけ?

 

團:〈CAR CRASH & SILEN〉 ってコンピとイベント。語弊はあるけど、あれにはなれないし。けど遠くはないのかも。

 

──目指す方向性や思考が違うってだけで。それでいうと、たとえば3人で最近よかった音楽を共有することって日常的にやっているわけじゃないですか。だから、リファレンスに特定のアーティストがあるというより、「最近聴いてよかった要素」の集積みたいな感じなのかなと。

 

吉岡:そうっすね。あと、3人ともそれぞれが好きな音楽をそれぞれ受け入れる余裕がある、というか。

 

──やっぱり幼馴染み的な長い付き合いからいろいろ自然に生まれている、っていうのがコロナ禍のオンライン的なつながりとは違う点ですね。でも、バンド的な感じのノリではないというのも面白くて。

 

團:(バンド的なものは)めちゃくちゃ遠いですね。

 

小玉:遠い。

 

團:ほんとに最近聴き出したかな、ぐらい。孝浩(吉岡)とかの影響もあって、いまはインディーロック的なものをけっこう聴いてて。

 

吉岡:去年ぐらいから僕は(聴いている音楽の)6割ぐらいがインディーロックで。MJ LENDERMANとか、Cameron Winterとか。

 

 

 

小玉:私はバンドは自分ではまったく聴かないですね。ジャージークラブばっかり聴いてる。

 

團:異常なくらいジャージークラブなんだよね(笑)。

 

小玉:うん(笑)。バイレファンキとジャージークラブばっかり聴いてるんですよね。最初はブートレグのほうが多かったけど、最近は原産っぽいのを聴いてる感じです。やっぱりサンクラ感をずっと求めてるのかも。

 

──「個人の趣味性の集積」としてのSoundCloudが好き、みたいなことですよね。日本語ラップやデジコアに接近するのではなく、海外のEdit文化的なサンクラ、という。

 

小玉:(デジコア的なヒップホップとの)接点はほとんどないですね。でも、goku sasakiとかは最近めっちゃかっこいいなと思ってます。

 

──ちなみに、sysmoは制作の上で、音づくりや展開づくりはどう分担してますか?

 

團:いわゆる0→1みたいなことは自分がやることが多くて、1から80をふたりに託して、あと20ぐらいを3人でどうにかする、みたいな。そしたら100になるんで。孝浩(吉岡)はコード(の引き出し)があるし、細かい部分を任せることが多いかも。

 

吉岡:割とコード主体で作ることが多いですね。やっぱり気になってあとから足したり、直したりとか。

 

團:このふたり(小玉、孝浩)はドラムオタクで。

 

小玉:こだわっちゃいますね(笑)。

 

──つい音色とかのミクロな方向に向かっちゃうのを桂我君が都度救ってくれる感じなんですかね、マクロな視点で(笑)。

 

團:そうなんですよ、たまに何やってるか分かんないんですよふたりは(笑)。

 

吉岡:たとえば(WIPのドラムを)俺が適当にズラして置いといたりしてみて。

 

小玉:で、バーって流してなんだろう? と思ったらめっちゃいいじゃん! って(笑)。

 

團:嘘だろ……みたいな(笑)。まあ、別にふたりのことは完全に信頼してるんで。

 

吉岡:(ドラムは)16分ぐらい、たとえば間違えてマウスで触っちゃって1個だけ動いててもズレてるかわかります。

 

團:マジで怖い。

 

小玉:ミキシングは私がやってるんですけど、良いミックスができそうかどうかっていうのはめっちゃ気にしてて。だからたまに「その音やめて!」ってお願いしたり。もちろんバランスもそうだし、私はドラムとミキシングについて「デカい音を出せそうか」っていう点をすごい考えます。

 

──ライブでは3人がパートを行き来する感じもありますが、役割分担ってどういう感じなんですか?

 

團:一応孝浩(吉岡)がキーボードで、歌も歌って、あとアレンジメントも。小玉がトラックメイクとDJ、僕が(構成的なニュアンスでの)編曲と歌を半々ぐらい。うまいこと重なりつつ分かれてる感じなので、そのままライブでもやってる感じですね。

 

吉岡:3月は割とライブが多くて。

 

團:いろいろ試行錯誤というかね。どうやったらいいかな? みたいに、けっこう悩む感じではありました。

 

──しばらく意欲的に出演してみようかな、みたいな気持ちってありますか?

 

團:内容によりますね(笑)。あんまりガチガチに予定を入れちゃうと、心の余裕とか準備の時間もなくなりますし。

 

小玉:クラブっぽいクラブに自分たちが合うか、ってこと自体怪しいもんね(笑)。

 

團:逆に「森、道、市場」みたいなのはたぶん最高なんだろうなって勝手に思ってます。

 

吉岡:俺はずっとクラシックでやってきたから、イベントとかの熱気とバイブスでどうにかするっていうのは、正直ちょっとだけ苦手でもあって。曲自体がめちゃくちゃよくて、本当に作り込まれてるものにグッと来ることのほうが多いので。

 

──バイブスでの突破より、積み重ねを大事にしているみたいな。逆にこういう新しい音楽シーンだと、制作プロセスや作曲のほうに重きを置くタイプの人のほうが少数派かもだし、そういう点は大事にしていったほうがいいかもしれないですね。

 

吉岡:まあ、キャラじゃないことはできないし、あまりやらないっていう(笑)。

 

小玉:公園とかでライブしたいもんね。

 

團:公園いい! でかい公園でライブしたい。レイヴ的な感じじゃなくて、全員座ったりゴロゴロしたりしててもいい、みたいな。

 

小玉:「あ、なんか鳴ってんな」みたいな感じが理想だよね。

 

 

──その一方で、お客さん側としてクラブで遊ぶ3人のことをたまに見かけたりもします。学生時代から3人で集まってパーティーやイベントに行ったりしてました?

 

團:いろいろ行ってました。(思い出深いのは)あれじゃない、〈hanes〉?

 

小玉:〈hanes〉はめっちゃ楽しかったですね。

 

團:たしかlilbesh ramko君とか、ririaさんとかが出てた回。すごい人がいるな、と思って(笑)。

 

吉岡:〈hanes〉に行くワクワク感もよかったよね。

 

小玉:一番楽しかったかも(笑)。実家の車で行ったりしてたもんね。

 

團:浅草、夜中はけっこう適当に停められるんだよね。タダになったりするんですよ。

 

──〈hanes〉に行ってお酒一滴も飲まずに踊って帰る、みたいな体験がいまに繋がってるんですね。ほかはどんなところに?

 

團:まあ、みんなで行くっていうとそれぐらい? 

 

吉岡:俺と小玉は(不眠遊戯)ライオンによく行ってました。それとCIRCUS TOKYOの来日系も。

 

小玉:Vegynとか、Iglooghostとか、あとsaluteの回とか。Sammy Virjiもだっけ?

 

吉岡:行ってたね、人パンパンで死にそうになったけど(笑)。

 

團:WWWでやってた〈CHAVURL〉の深夜のイベントとかも。Nordチンチラ!観ましたよ!

 

吉岡:K/A/T/O MASSACREは去年行ったのが初めてでした。

 

團:その前から、小玉は独りでマサカー行ってたもんね?

 

小玉:そう。たしかhirihiriさんを観に行ったりとか。けっこう前で、ほかにはloli主語くんとかも出てたかな。

 

──この家でちょうど1年くらい暮らしながら制作を続けてますよね。プレイヤー的な友達はよく遊びに来ますか?

 

團:月にひとりぐらいは来る。Jeterから急に連絡来たり。

 

小玉:来たよね(笑)。同年代だと拳も来ました。

 

團:safmusicも来ましたね。そんな感じ。あとgardenってDJ分かります?

 

──うん。すごく若い人だよね、フォレストかどこかで会ったことがあって。しっかり話せてはないですけど。

 

團:そいつがこの辺に住んでるみたいで、あいつはもう平気で3泊とかしていくんで。仕事から帰ってきたらそのままいるみたいな(笑)。

 

小玉:家が近いキッズがけっこう遊びに来てましたね、最近(笑)。

 

──(笑)。埼玉勢みたいな。

 

小玉:あと来たことないんですけど、MK Woopも近くに住んでるとは聞いてて。こないだ酔いながら「行くっすわ!」って言ってました(笑)。

 

團:あとはjvnpeyね。孝浩(吉岡)が特に仲良いよね。

 

吉岡:そうね。あと最近ハノイ(hanoishasi frankhouse)来たじゃん。

 

團:ハノイおもろかったな(笑)。

 

小玉:最高の男だった(笑)。

 

朝7時に「行っていい?」とか言い出して。フォレリミでやってた〈VA ‘BLUE XP 100’ [BLXP100]〉終わりに。

 

吉岡:朝コンビニの前に迎えに行ったら、バナナ持って出てきた(笑)。

 

小玉:その後ずっと曲作ってた。

 

 

──ちょうどHanoi君の名前も出ましたけど、Peterparker69の実質的な前身、WATER DOGSのスタイルといまのsysmoの3人で暮らすスタイルには繋がるところをちょっと感じて。

 

吉岡:でも全然あそこまでオープンじゃないよね。

 

團:ガチガチにクローズド。だから、普通に知り合ってたらたぶん(ルームシェア自体)やってないよね。

 

吉岡:一緒に住むのは、幼馴染みだったからできてるというか。

 

小玉:けっこうちゃんと家だから。ヤサ的なノリではないです(笑)。

 

──なるほど。スタジオとか溜まり場ではなく、あくまでもパーソナルなものっていう。

 

團:場所がここ(埼玉某所)なのも、自分の就職先がこの辺だったからなんですよ。小玉も前は池袋で働いてたし、ちょうどよくて。

 

小玉:消去法よね。東京だと家賃も高いし。

 

團:そもそも、ルームシェア自体を大家さんが許してくれないみたいな感じもあって。探してる時期は不動産屋に2,3時間いるみたいな。ここが奇跡的に空いててOKだったからそのまま、って感じです。

 

──2024年はルームシェアも始めたし、sysmoとしてもEPや大きなライブがあって、割といろんなことが変わっていった年だったんですね。

 

團:もっと今の生活にゆっくり馴染んでから少しずつ聴かれはじめていって、みたいな流れかなと思っていたら、思ったより急に聴かれたり、ライブのオファーをもらえたりすることが増えはじめて。想像してたような未来ではなかったかも(笑)。

 

──この間のリリースパーティーも恵比寿BATICAだったし、カテゴライズが難しいぶんヒップホップの文脈に位置づけられることもあるじゃないですか。sysmoとしては日本のヒップホップとの距離ってどう捉えてますか? 同じ箱に入ってる感じはあるというか。

 

吉岡:うーん……でもヒップホップはめっちゃ大好きで。けど、やっぱり(ヒップホップ的な企画に)呼ばれるとかはまた別問題で。

 

團:そうね~。

 

吉岡:まあヒップホップ的なシーンでも、自分たちが近いと思えるなら良いかなっていう。

 

──sysmoは、割とロールモデル的なものの無いところから活動が始まってる感じがするし。そういうのも新世代だな、と。

 

團:それもそれで困るというか(笑)。次どうしたらいいかを、自分たちでゼロから考えなきゃいけないっていうか。それが楽しくもあり、面倒くさくもありっていう感じですよね。

 

 

 

──たとえばどういうアーティストやシーンのことを「近い」と感じます? シンパシーを抱くとか、フィールできそうとか、そういう距離感でもいいですけど。

 

吉岡:なんだろうね、マジでわかんないです。

 

團:わかんねえな……。

 

小玉:たとえばdodoさんとか、SUSHIBOYSとか?

 

吉岡:そうかも。世代はめちゃくちゃ上にいくよね。

 

團:たしかに。下の世代にはあまり共感することはないですけど。決して嫌いとか苦手とかじゃなくて。

 

小玉:まあ波長が合うな、って人とは会いますよね。それこそDjuBumbaとか。今度一緒になんか作ろう、って言ってます。

 

團:超越ってDJがいて、そいつとは初めて「なんか一緒にやりたいな」って思えましたね。なんか面白え、みたいな。DJもすげえ面白くて、次何をかけてくるのかワクワクして。B2Bとかやったら楽しそうかな、って。

 

吉岡:フィールかあ……あ、でもjvnpeyはめっちゃ近いと思う。

 

團:全員を自分たちで呼んだわけじゃないけど、リリパの出演者にフィーリングが合うなって人けっこういました。それこそgardenとか。

 

小玉:でも……友達少ないんだなって思う(笑)。

 

──(笑)。そろそろ最後の質問として。ベタですけど今後新しくやってみたいこととか、次のプランとかがあれば。sysmoとしても、3人それぞれでも大丈夫です。

 

團:ライブとは別に、3人それぞれで動くみたいなのはちょろちょろやっていきたいなと思ってます。いま適当に考えてるのは、自分たちで主催して、sysmoと3人それぞれの何かがあるパーティーみたいな。

 

吉岡:ちょうどフォレリミ(フォレストリミット)とかでやりたいって言ってたもんね。

 

團:あと、テーマをドカンって決めて曲を作ることがほぼないので、別のアプローチでやってもいいかな、と。

 

吉岡:まだ秘密なんですけど、曲の作り方はこれからけっこう変わると思います。

 

──(制作中の音源を聴いて)へえ! 5%だけボサノバ感があるような感じで、面白そうです。

 

小玉:(今後は)大きく変わるかもね。

 

吉岡:話し合いの時間も増えて、いろいろ気づくこともあって。EPを作ってからまだ3ヶ月ぐらいしか経ってないけど、もう全然気持ちも変わってきてるし。

 

團:EPを出した時点で自分たち的には一旦そこで区切りがついたというか。いまはもっろ外向きにやってみたいな、とかもありますね。CMとかタイアップとか、そういうのもやってみたいし。

 

──ありがとうございました! じゃあ、最後にせっかくなので、「森、道、市場 2025」への意気込みがあれば。

 

小玉:めちゃくちゃ食べ物食べたい。

 

團:いっぱいジェットコースター乗りたい。

 

吉岡:海が近いって聞いたんで、それも楽しみ。でもライブへの意気込みですよね? 外でのライブが初めてだから、すごく楽しみです。

 

團:あとは気ままにって感じですかね。

 

 

 

 

sysmo – BYE-BYE KARAOKI!

Release date : Feb 8 2025

all tracks produce and mixing by sysmo

Stream : https://linkco.re/A93tHZG8

 

Tracklist

01. Hi, sysmo

02. FIRST LOOK

03. love exit

04. (ding + dong)

05. Smile

06. aco

category:FEATURE

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Photo : 添田ゆかり

Direction : CVN

 

 

──おじゃまします。まずはsysmoが始動する前、3人がどういった流れで集まっていったのかを聞かせてほしいです。

 

團桂我(團):自分と小玉が中学の同級生で、小玉と孝浩(吉岡)が高校の同級生だったんです。

 

小玉直弥(小玉)一緒に音楽聴いてたんだよね。

 

吉岡孝浩(吉岡)で、浪人時代に俺が桂我と会って。

 

團:大学上がってからは基本3人で動いてる、みたいな。

 

──じゃあ、出身とかもみんな一緒ですか?

 

小玉:千葉です。

 

團:柏!

 

 

──なるほど。sysmoをはじめる前、学生時代はどんな音楽を聴いてました?

 

團:アメリカのヒップホップやねえ。

 

吉岡:マジでアメリカのヒップホップを聴いてました。Drake – God’s Planとか(笑)。

 

小玉:Post Maloneとかもね。

 

──メインストリーム・ラップを仲良く聴き合って、みたいな。

 

吉岡:Jojiとかね。

 

團:Jojiの存在はデカいかもしれないですね、俺らのなかで。

 

 

小玉:〈88Rising〉は昔、勢いがあったころはすっごい聴いてて。

 

團:あった。初期のあたりね。すっごい聴いてた。

 

吉岡:3人が共通して聴いてたのはなんだろう。俺がさ、BROCKHAMPTON好きになったのはけっこう後じゃん。最初はふたりが聴いてたよね?

 

團:聴いてたっけ。たぶん、俺はSoundCloudとかで誰かも分からず聴いてるみたいな感じだった。なんかかっこいいな、と思ってたけど。

 

小玉:「BROCKHAMPTONっしょ!」みたいな感じの立ち位置にすぐ入ってきて。いまもけっこう好きです。

 

團:目指してるじゃないけど、なんかね。あの感じは出していきたい。

 

 

吉岡:音楽的にもめちゃくちゃ好きで。USのトップチャート・ヒップホップみたいな。日本だと共通して聴いてる人はあんまりいないかも。

 

──3人それぞれがsysmo以前に聴いていたような、源流になっている日本のアーティストって思い浮かびますか?

 

團:小玉は完全にTohjiでしょ。

 

小玉:うん(笑)。『Mall Tape』とか、『9.97』とか。あの辺の時期ですね。

 

團:孝浩(吉岡)って日本のアーティスト聴いてたの?

 

吉岡:俺は日本人だと、星野源とかぐらいかな。

 

──吉岡君はいわゆるジャパニーズ・エレクトロニカ的なところへの造詣が深いのかなと勝手に思っていたんですが、そういうわけでもなく?

 

吉岡:俺、本当に聴いてない気がする。I am Robot And Proudとかを知ったのもマジ最近で。別にエレクトロニカに詳しいわけではないですね。

 

──意外でした。あくまで個人的な捉え方なんですが、sysmoには「エレクトロニカmeetsポップス」みたいな雰囲気を感じていて。そういった要素がどこから来たものなのか、気になります。

 

吉岡:あー。どこから来たんだろう?

 

團:俺がAlexander PanosとかDemotapesとかを一時期アホみたいに聴いてたから、それがたぶん影響してるかも?

 

 

 

吉岡:あのときは俺以外、小玉とか桂我がそういうの聴いてた気がする。

 

小玉:でも、最近のやつ以外だと聴いてた音楽の記憶はあんま出てこないですね(笑)。

 

──凝ったサウンド・テクスチャーに取り組んでいるアーティストが好き、みたいな。たとえばHudson Mohawkeなんかはどうですか?

 

 

小玉:ああ!

 

團:ハドモはデカい!

 

吉岡:ハドモはヤバいです。でも、本当にちゃんと聴くようになったのは最近で。彼に求めてるのはエレクトロの力強さとかではなく、ジャンルをめちゃくちゃ横断してもて遊ぶ感じですね。

 

──たしかに、ああいった折衷感はsysmoにも感じます。逆に、たとえば〈PC Music〉関連のアーティストを熱心に聴いてたわけではない?

 

小玉:俺は好きだけど、ふたりはどうだろう。

 

團:ちゃんと通ってないというか、追ってなかった感じです。

 

吉岡:あれはめっちゃ聴いてました、サンクラの青いミックステープみたいなやつ。

 

PC Music – 10 (2023)

 

團:A.G. Cookは聴いてたかな、けっこう。『Apple』『7G』とか。

 

──じゃあ、いまの活動に影響を与えている日本のアーティストは? sysmoを見ていると、Peterparker69からのフックアップもそうだし、〈CHAVURL〉からの影響はあるのかな、と思って。

 

團:やっぱりPeterparker69の存在はデカいですね。一発目のO-EAST(2024/8/3〈dokokoko〉)にも呼んでくれたし。〈dokokoko〉はマジで何をやってもよかったから割と気楽ではあったよね。緊張はするけど、そもそもどう見られてるとかが無いからやりやすかったし。

 

吉岡:うん。(Peterparker69は)リファレンスにした意識はないけど、日本の近い世代だと避けては通れない存在、というか。

 

小玉:その表現が一番しっくりくる。

 

──初ライブも〈dokokoko〉でした? あれもPeterparker69を介して、みたいな。

 

團:初ライブはそうっすね。(オファーが)誰経由なのかはわからなかったけど、Jeterと喋ったら「俺が観たかったから」みたいに言ってて。この間の〈Magicround 2〉もそんな感じで。

 

──〈CHAVURL〉出身だとeijinの影響もなんとなく大きそうですが、どうでしょう。

 

團:eijinもそうかも。それこそクラブでBROCKHAMPTONとかをかけてたDJを観たのはeijinが最初だったし。

 

小玉:直接的じゃないけど、いい曲いっぱい教えてもらったよね。そういう意味ではeijinの影響は受けてるんだろうな。

 

團:やっぱり2023年頃ぐらいがけっこう原点っていうか。俺たちが想像する「シーン」的なイメージとか、スタイルの感覚とかはそこで覚えた気がします。今もあんまよく分かってないっちゃ分かってないけど、自分たちの身の回りぐらいのことはそのあたりからだんだん見えてきました。

 

──そういえば、sysmoの結成自体は本当に最近の話なんですよね。

 

團:1年前とか。

 

小玉:名前がついたのは一昨年の冬ぐらいです。

 

──あくまで自然発生的な活動で、あとから名前がついてきた、みたいな。

 

團:そうですね。僕ら、カラオケに集まって、スピーカーとパソコン、インターフェースとかキーボードを持っていって曲を作ってて。深夜のカラオケって、学生だと安いじゃないですか。そこで溜まって朝5時までひたすらやってる、みたいな感じでした。

 

──ああ、だからEPのタイトルが『BYE-BYE KARAOKI!』っていう!

 

團:そういうことっす!

 

小玉:家ができたし、もうカラオケに集まらなくてもよくなったので(笑)。

 

──カラオケからいまの家にたどり着いて。sysmo、という名前の由来は?

 

團:(『BYE-BYE KARAOKI!』を)出す前に、「名前どうする?」みたいになって。俺が適当に「システム・モーション」って言ったら、そのときはうーん? ってなったんですけど。

 

小玉:なんだっけ、論文かどっかに書いてあったんだよね。

 

團:そうそう。なんかの論文を読んでたらそのフレーズが出てきて。そしたら小玉が「sysmoね」とか短くして。それいいじゃん、みたいな。

 

小玉:(sysmoの)アイコンは桂我が描いたもので。名前よりも先にありました。

 

團:だから別に、めちゃくちゃ意味があるわけじゃないっていう。

 

──「カラオケ期」はだいたいどれぐらいの時期ですか? コロナ禍の終わりごろなのかな、と思うんですが。

 

團:大学2、3年の頃だから2023年ぐらい?

 

吉岡:たぶん、2023年の春ぐらいからカラオケに行きはじめて。割とすぐ「FIRST LOOK」ができたのかな。

 

 

團:大学生活とコロナがほぼほぼ被ってて、全然行かなくなったからそれぞれパソコンにDAW入れてやってて。大学3年ぐらいまでは、たぶん各々修行みたいな感じでした。

 

──楽器経験があったわけではなく。

 

團:(楽器は)やらなかったですね。

 

吉岡:俺はずっとクラシックピアノをやってて。

 

團:相当上手かったんだよね?

 

吉岡:当時は本気でした。でも、本当に真面目にやってたのは高2ぐらいまで。

 

──sysmoハウスが誕生したのはいつですか?

 

團:4月からだから、ちょうど1年前ですね。出してる曲ができてきたし、就職するタイミングで一緒に住んじゃうか! ってなって。カラオケに行かなくてもいいし。

 

吉岡:俺だけ大学生をやってて、(桂我、小玉の)ふたりは就職して1年経ったぐらい。

 

團:この人(小玉)はもう辞めて。俺はまだやってますね。でもまあ……もうそろそろね(笑)。脱出したい。

 

──普段ここ(リビング)で制作を進めてるんですね。スタジオになってる区画がリビングにガッツリある感じだけど。

 

制作環境

 

團:基本そうですね。誰かが適当に始めてて、それに各々ヌルっと足していったりして。飯とか風呂とか寝るとき以外は、基本誰かしらがずっと触ってるみたいな。

 

小玉:あと、誰かが家にいないとき、あとの二人がなんかやってて帰ってきたら(曲のWIPが)できてる、みたいな。そこに足していくような感じですね(笑)。

 

──「料理できたよ!」ぐらいの感覚で。じゃあルーチンを設けたりはせず、制作と暮らしは割とシームレスに?

 

團:休んでるっていう感覚ないよね? 俺の場合はいつも朝から仕事行って、帰ってきたら始まるし。

 

吉岡:でもカラオケに行ってた時期は入店すると「やるぞ」ってなるんですけど、暮らしと直結しているぶん、そういうのがなくなっちゃって。カラオケの良さもあった。

 

小玉:あれはあれで良かったよね、やっぱ集中してやれてたから。

 

──EP『BYE-BYE KARAOKI!』のジャケット写真がすごく好きで。これの撮影も家ですか?

 

『BYE-BYE KARAOKI!』ジャケット

 

團:そうっすね。これはめちゃくちゃ適当に撮ったやつで。

 

吉岡:超適当だった。

 

小玉:いっぱい撮ったんだよね、適当に(笑)。

 

團:ジャケ撮ろうみたいな感じになって、俺が顔洗ってたら「ちょっと来い!」って言われて、ここ(キッチン)に。パッて撮ったら、なんかいいじゃん、って(笑)。全部自分たちでやりましたね、ティザーの映像とかも。

 

──本当にDIYなんですね。EPの制作期間ってどれぐらいでした?

 

小玉:ギュッてしたらですか?

 

──ギュッてしても、しなくても。コンセプトから作り込むとか、溜まったから出すとかいろいろあると思うんですけど。

 

小玉:あ、でもEP出したいっていうのは前々から言ってました。

 

──ざっくり言うといつぐらいのことですか?

 

小玉:ええと、8月とか?

 

團:「FIRST LOOK」とか「love exit」が出たあとぐらいですかね。〈NEO GRAND〉前にはもう決めてたかな。

 

吉岡:年末あたりにバーって曲を作ったりしつつ、何個か没にしたりとか。たぶん半年ぐらいですね。

 

團:マジでやったのはほんと12月とか1月とか。先にEPのリリースパーティーの日付が決まってたので(笑)。締め切りをバーンって作られて、そこに向けて走ったって感じでしたね。まあでも楽しかった。

 

小玉:うん、めっちゃ楽しかった。

 

──『BYE-BYE KARAOKI!』は、いろんなビートやジャンル的な要素がスイッチしていく作風で。全体的にフューチャーガラージっぽい質感はありつつ、その2ステップっぽいハットがズレてバイレファンキになっていったり、ジャージークラブになったりするような感じですが、どういった音楽がリファレンスになっているのかな、というのも気になって。

 

吉岡:一部はそうかもしれないですけど、3人とも別にUKガラージがメインじゃないっていう共通意識もあって。

 

團:そうね。

 

小玉:桂我はガラージ好きだよね?

 

團:そうっすね、俺はガラージ好き。だけどずっとやるのは違うって思っちゃう。いろいろやって、パッって引くみたいな。なんというか、手札をとりあえず広げたみたいな感じかも。

 

──自分の話で申し訳ないんですけど、僕もまさにそういう感じでDJすることが多くて。なんでも雑食的に好きだし、その場に合いそうなものを自分のフィルターを介して選んでいく、ということをやってて。それは自分含めたコロナ禍以降のDJやアーティストに共通する感覚なのかも、って前々から思ってたので、共感できるなと。

 

團:なるほど。それで言うと、割とずっと思いつきをひたすら続けてきて、破綻しないラインを考えながら作曲を進めていくみたいな感覚はあるかもです。やりすぎるとワケわかんなくなるから、ちょうどいいところをずっと探っていく、みたいな。

 

小玉:まあ3人とも長く一緒にいたんで、「こいつはこれカッコいいと思うだろうな」みたいなのがなんとなくわかるんですよ。

 

團:たしかに。

 

小玉:で、たとえばちょっと挑戦的な、自分らしくない感じのアプローチでも他のふたりは「いいね!」って言ってきそうだな、って思えるものを3人とも出し合ってくっつけて、はい完成! みたいな。

 

──なるほど。たとえばSoundCloudにある無数のEditモノなんかは、とくにそういう感じの作風が多いと思っていて。やっぱり「SoundCloud感」みたいな意識はありますか?

 

團:「サンクラをサブスクに持ち込む」みたいな意識は多少なりともあるというか。なんというか、「インターネットっぽくないけどインターネット」みたいな感じですかね?

 

──「インターネット」って言葉はオタク寄りのポップカルチャーと直結しがちだけど、いまや水や電気みたいなもの、ライフラインになってますからね。それで言うと、sysmoの作風のジャンルをザッピングしていく感覚は、たしかに「インターネット」的な姿勢かもしれないです。各曲が超ショートなDJMIX的、というか。

 

小玉:そうなんですよね。

 

──sysmoの音像とはほぼ対極の存在だけど、たとえばダリアコアはそういうアプローチのものでもあるし。

 

團:でも、ダリアコアの影響は割とデカいかも。

 

小玉:たしかに。

 

吉岡:めっちゃ好き(笑)。

 

團:Hyperflip的なやつというよりは、TwerkNation28の感じっていうか。それを自分たちなりにやろうという意識はないけどやってるのかも。もっとポップな聴きやすい感じ、というか。

 

 

──そういう感じの方向性で(音像が)バキバキではない、っていうのは今後の流れとして各所で起こるのかなと思いますね。

 

團:俺らがバキバキになっちゃったらそれこそ〈CCS3〉ですよね(笑)。

 

吉岡:CCSってなんだっけ?

 

團:〈CAR CRASH & SILEN〉 ってコンピとイベント。語弊はあるけど、あれにはなれないし。けど遠くはないのかも。

 

──目指す方向性や思考が違うってだけで。それでいうと、たとえば3人で最近よかった音楽を共有することって日常的にやっているわけじゃないですか。だから、リファレンスに特定のアーティストがあるというより、「最近聴いてよかった要素」の集積みたいな感じなのかなと。

 

吉岡:そうっすね。あと、3人ともそれぞれが好きな音楽をそれぞれ受け入れる余裕がある、というか。

 

──やっぱり幼馴染み的な長い付き合いからいろいろ自然に生まれている、っていうのがコロナ禍のオンライン的なつながりとは違う点ですね。でも、バンド的な感じのノリではないというのも面白くて。

 

團:(バンド的なものは)めちゃくちゃ遠いですね。

 

小玉:遠い。

 

團:ほんとに最近聴き出したかな、ぐらい。孝浩(吉岡)とかの影響もあって、いまはインディーロック的なものをけっこう聴いてて。

 

吉岡:去年ぐらいから僕は(聴いている音楽の)6割ぐらいがインディーロックで。MJ LENDERMANとか、Cameron Winterとか。

 

 

 

小玉:私はバンドは自分ではまったく聴かないですね。ジャージークラブばっかり聴いてる。

 

團:異常なくらいジャージークラブなんだよね(笑)。

 

小玉:うん(笑)。バイレファンキとジャージークラブばっかり聴いてるんですよね。最初はブートレグのほうが多かったけど、最近は原産っぽいのを聴いてる感じです。やっぱりサンクラ感をずっと求めてるのかも。

 

──「個人の趣味性の集積」としてのSoundCloudが好き、みたいなことですよね。日本語ラップやデジコアに接近するのではなく、海外のEdit文化的なサンクラ、という。

 

小玉:(デジコア的なヒップホップとの)接点はほとんどないですね。でも、goku sasakiとかは最近めっちゃかっこいいなと思ってます。

 

──ちなみに、sysmoは制作の上で、音づくりや展開づくりはどう分担してますか?

 

團:いわゆる0→1みたいなことは自分がやることが多くて、1から80をふたりに託して、あと20ぐらいを3人でどうにかする、みたいな。そしたら100になるんで。孝浩(吉岡)はコード(の引き出し)があるし、細かい部分を任せることが多いかも。

 

吉岡:割とコード主体で作ることが多いですね。やっぱり気になってあとから足したり、直したりとか。

 

團:このふたり(小玉、孝浩)はドラムオタクで。

 

小玉:こだわっちゃいますね(笑)。

 

──つい音色とかのミクロな方向に向かっちゃうのを桂我君が都度救ってくれる感じなんですかね、マクロな視点で(笑)。

 

團:そうなんですよ、たまに何やってるか分かんないんですよふたりは(笑)。

 

吉岡:たとえば(WIPのドラムを)俺が適当にズラして置いといたりしてみて。

 

小玉:で、バーって流してなんだろう? と思ったらめっちゃいいじゃん! って(笑)。

 

團:嘘だろ……みたいな(笑)。まあ、別にふたりのことは完全に信頼してるんで。

 

吉岡:(ドラムは)16分ぐらい、たとえば間違えてマウスで触っちゃって1個だけ動いててもズレてるかわかります。

 

團:マジで怖い。

 

小玉:ミキシングは私がやってるんですけど、良いミックスができそうかどうかっていうのはめっちゃ気にしてて。だからたまに「その音やめて!」ってお願いしたり。もちろんバランスもそうだし、私はドラムとミキシングについて「デカい音を出せそうか」っていう点をすごい考えます。

 

──ライブでは3人がパートを行き来する感じもありますが、役割分担ってどういう感じなんですか?

 

團:一応孝浩(吉岡)がキーボードで、歌も歌って、あとアレンジメントも。小玉がトラックメイクとDJ、僕が(構成的なニュアンスでの)編曲と歌を半々ぐらい。うまいこと重なりつつ分かれてる感じなので、そのままライブでもやってる感じですね。

 

吉岡:3月は割とライブが多くて。

 

團:いろいろ試行錯誤というかね。どうやったらいいかな? みたいに、けっこう悩む感じではありました。

 

──しばらく意欲的に出演してみようかな、みたいな気持ちってありますか?

 

團:内容によりますね(笑)。あんまりガチガチに予定を入れちゃうと、心の余裕とか準備の時間もなくなりますし。

 

小玉:クラブっぽいクラブに自分たちが合うか、ってこと自体怪しいもんね(笑)。

 

團:逆に「森、道、市場」みたいなのはたぶん最高なんだろうなって勝手に思ってます。

 

吉岡:俺はずっとクラシックでやってきたから、イベントとかの熱気とバイブスでどうにかするっていうのは、正直ちょっとだけ苦手でもあって。曲自体がめちゃくちゃよくて、本当に作り込まれてるものにグッと来ることのほうが多いので。

 

──バイブスでの突破より、積み重ねを大事にしているみたいな。逆にこういう新しい音楽シーンだと、制作プロセスや作曲のほうに重きを置くタイプの人のほうが少数派かもだし、そういう点は大事にしていったほうがいいかもしれないですね。

 

吉岡:まあ、キャラじゃないことはできないし、あまりやらないっていう(笑)。

 

小玉:公園とかでライブしたいもんね。

 

團:公園いい! でかい公園でライブしたい。レイヴ的な感じじゃなくて、全員座ったりゴロゴロしたりしててもいい、みたいな。

 

小玉:「あ、なんか鳴ってんな」みたいな感じが理想だよね。

 

 

──その一方で、お客さん側としてクラブで遊ぶ3人のことをたまに見かけたりもします。学生時代から3人で集まってパーティーやイベントに行ったりしてました?

 

團:いろいろ行ってました。(思い出深いのは)あれじゃない、〈hanes〉?

 

小玉:〈hanes〉はめっちゃ楽しかったですね。

 

團:たしかlilbesh ramko君とか、ririaさんとかが出てた回。すごい人がいるな、と思って(笑)。

 

吉岡:〈hanes〉に行くワクワク感もよかったよね。

 

小玉:一番楽しかったかも(笑)。実家の車で行ったりしてたもんね。

 

團:浅草、夜中はけっこう適当に停められるんだよね。タダになったりするんですよ。

 

──〈hanes〉に行ってお酒一滴も飲まずに踊って帰る、みたいな体験がいまに繋がってるんですね。ほかはどんなところに?

 

團:まあ、みんなで行くっていうとそれぐらい? 

 

吉岡:俺と小玉は(不眠遊戯)ライオンによく行ってました。それとCIRCUS TOKYOの来日系も。

 

小玉:Vegynとか、Iglooghostとか、あとsaluteの回とか。Sammy Virjiもだっけ?

 

吉岡:行ってたね、人パンパンで死にそうになったけど(笑)。

 

團:WWWでやってた〈CHAVURL〉の深夜のイベントとかも。Nordチンチラ!観ましたよ!

 

吉岡:K/A/T/O MASSACREは去年行ったのが初めてでした。

 

團:その前から、小玉は独りでマサカー行ってたもんね?

 

小玉:そう。たしかhirihiriさんを観に行ったりとか。けっこう前で、ほかにはloli主語くんとかも出てたかな。

 

──この家でちょうど1年くらい暮らしながら制作を続けてますよね。プレイヤー的な友達はよく遊びに来ますか?

 

團:月にひとりぐらいは来る。Jeterから急に連絡来たり。

 

小玉:来たよね(笑)。同年代だと拳も来ました。

 

團:safmusicも来ましたね。そんな感じ。あとgardenってDJ分かります?

 

──うん。すごく若い人だよね、フォレストかどこかで会ったことがあって。しっかり話せてはないですけど。

 

團:そいつがこの辺に住んでるみたいで、あいつはもう平気で3泊とかしていくんで。仕事から帰ってきたらそのままいるみたいな(笑)。

 

小玉:家が近いキッズがけっこう遊びに来てましたね、最近(笑)。

 

──(笑)。埼玉勢みたいな。

 

小玉:あと来たことないんですけど、MK Woopも近くに住んでるとは聞いてて。こないだ酔いながら「行くっすわ!」って言ってました(笑)。

 

團:あとはjvnpeyね。孝浩(吉岡)が特に仲良いよね。

 

吉岡:そうね。あと最近ハノイ(hanoishasi frankhouse)来たじゃん。

 

團:ハノイおもろかったな(笑)。

 

小玉:最高の男だった(笑)。

 

朝7時に「行っていい?」とか言い出して。フォレリミでやってた〈VA ‘BLUE XP 100’ [BLXP100]〉終わりに。

 

吉岡:朝コンビニの前に迎えに行ったら、バナナ持って出てきた(笑)。

 

小玉:その後ずっと曲作ってた。

 

 

──ちょうどHanoi君の名前も出ましたけど、Peterparker69の実質的な前身、WATER DOGSのスタイルといまのsysmoの3人で暮らすスタイルには繋がるところをちょっと感じて。

 

吉岡:でも全然あそこまでオープンじゃないよね。

 

團:ガチガチにクローズド。だから、普通に知り合ってたらたぶん(ルームシェア自体)やってないよね。

 

吉岡:一緒に住むのは、幼馴染みだったからできてるというか。

 

小玉:けっこうちゃんと家だから。ヤサ的なノリではないです(笑)。

 

──なるほど。スタジオとか溜まり場ではなく、あくまでもパーソナルなものっていう。

 

團:場所がここ(埼玉某所)なのも、自分の就職先がこの辺だったからなんですよ。小玉も前は池袋で働いてたし、ちょうどよくて。

 

小玉:消去法よね。東京だと家賃も高いし。

 

團:そもそも、ルームシェア自体を大家さんが許してくれないみたいな感じもあって。探してる時期は不動産屋に2,3時間いるみたいな。ここが奇跡的に空いててOKだったからそのまま、って感じです。

 

──2024年はルームシェアも始めたし、sysmoとしてもEPや大きなライブがあって、割といろんなことが変わっていった年だったんですね。

 

團:もっと今の生活にゆっくり馴染んでから少しずつ聴かれはじめていって、みたいな流れかなと思っていたら、思ったより急に聴かれたり、ライブのオファーをもらえたりすることが増えはじめて。想像してたような未来ではなかったかも(笑)。

 

──この間のリリースパーティーも恵比寿BATICAだったし、カテゴライズが難しいぶんヒップホップの文脈に位置づけられることもあるじゃないですか。sysmoとしては日本のヒップホップとの距離ってどう捉えてますか? 同じ箱に入ってる感じはあるというか。

 

吉岡:うーん……でもヒップホップはめっちゃ大好きで。けど、やっぱり(ヒップホップ的な企画に)呼ばれるとかはまた別問題で。

 

團:そうね~。

 

吉岡:まあヒップホップ的なシーンでも、自分たちが近いと思えるなら良いかなっていう。

 

──sysmoは、割とロールモデル的なものの無いところから活動が始まってる感じがするし。そういうのも新世代だな、と。

 

團:それもそれで困るというか(笑)。次どうしたらいいかを、自分たちでゼロから考えなきゃいけないっていうか。それが楽しくもあり、面倒くさくもありっていう感じですよね。

 

 

 

──たとえばどういうアーティストやシーンのことを「近い」と感じます? シンパシーを抱くとか、フィールできそうとか、そういう距離感でもいいですけど。

 

吉岡:なんだろうね、マジでわかんないです。

 

團:わかんねえな……。

 

小玉:たとえばdodoさんとか、SUSHIBOYSとか?

 

吉岡:そうかも。世代はめちゃくちゃ上にいくよね。

 

團:たしかに。下の世代にはあまり共感することはないですけど。決して嫌いとか苦手とかじゃなくて。

 

小玉:まあ波長が合うな、って人とは会いますよね。それこそDjuBumbaとか。今度一緒になんか作ろう、って言ってます。

 

團:超越ってDJがいて、そいつとは初めて「なんか一緒にやりたいな」って思えましたね。なんか面白え、みたいな。DJもすげえ面白くて、次何をかけてくるのかワクワクして。B2Bとかやったら楽しそうかな、って。

 

吉岡:フィールかあ……あ、でもjvnpeyはめっちゃ近いと思う。

 

團:全員を自分たちで呼んだわけじゃないけど、リリパの出演者にフィーリングが合うなって人けっこういました。それこそgardenとか。

 

小玉:でも……友達少ないんだなって思う(笑)。

 

──(笑)。そろそろ最後の質問として。ベタですけど今後新しくやってみたいこととか、次のプランとかがあれば。sysmoとしても、3人それぞれでも大丈夫です。

 

團:ライブとは別に、3人それぞれで動くみたいなのはちょろちょろやっていきたいなと思ってます。いま適当に考えてるのは、自分たちで主催して、sysmoと3人それぞれの何かがあるパーティーみたいな。

 

吉岡:ちょうどフォレリミ(フォレストリミット)とかでやりたいって言ってたもんね。

 

團:あと、テーマをドカンって決めて曲を作ることがほぼないので、別のアプローチでやってもいいかな、と。

 

吉岡:まだ秘密なんですけど、曲の作り方はこれからけっこう変わると思います。

 

──(制作中の音源を聴いて)へえ! 5%だけボサノバ感があるような感じで、面白そうです。

 

小玉:(今後は)大きく変わるかもね。

 

吉岡:話し合いの時間も増えて、いろいろ気づくこともあって。EPを作ってからまだ3ヶ月ぐらいしか経ってないけど、もう全然気持ちも変わってきてるし。

 

團:EPを出した時点で自分たち的には一旦そこで区切りがついたというか。いまはもっろ外向きにやってみたいな、とかもありますね。CMとかタイアップとか、そういうのもやってみたいし。

 

──ありがとうございました! じゃあ、最後にせっかくなので、「森、道、市場 2025」への意気込みがあれば。

 

小玉:めちゃくちゃ食べ物食べたい。

 

團:いっぱいジェットコースター乗りたい。

 

吉岡:海が近いって聞いたんで、それも楽しみ。でもライブへの意気込みですよね? 外でのライブが初めてだから、すごく楽しみです。

 

團:あとは気ままにって感じですかね。

 

 

 

 

sysmo – BYE-BYE KARAOKI!

Release date : Feb 8 2025

all tracks produce and mixing by sysmo

Stream : https://linkco.re/A93tHZG8

 

Tracklist

01. Hi, sysmo

02. FIRST LOOK

03. love exit

04. (ding + dong)

05. Smile

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