2025/03/03
MVはjvnpeyが手掛けた
EfeewmaとNpilo Npiloによるサグ・ウィッチ・ユニットVex Veilが、スペインのRojuuを客演に迎えた新曲「Angels Playstation (feat. Rojuu)」をリリース。本楽曲は2月に開催されたRojuu主催〈Starina Club〉のアジア初開催となる東京公演でも披露された。
「Angels Playstation」はデジタルデバイスの無機質さのなかに宿る神聖さに美を見出した作品。ジャンクな感覚のままに啓示を受けるような相反する感覚が全編に漂い、ユーフォリックな世界観のなかでドラスティックな展開が繰り広げられるトランス・ナンバー。Rojuuのリリックでは愛について歌われているとのこと。
また、リリースに際しヴィジュアルアーティストのjvnpeyが監督を務めたMVもCHAVURLのチャンネルにて公開中。MF DOOMを思わせる甲冑をバラクラバの上から身に着けた騎士と黒ずくめの悪魔が、ライトセーバーと呪具で対峙して火花を散らすショートムービー。
Vex Veil – Angels Playstation (feat. Rojuu)
Release Date : February 14, 2025
Stream : https://distrokid.com/hyperfollow/vexveil/angels-playstation-feat-rojuu
category:NEWS
2025/03/27
AVYSSからRojuuへ13の質問 コロナ禍にはスペイン圏におけるハイパーポップ~デジコア以降のアンダーグラウンド・シーンを牽引し、HIPHOPにとどまらず絵画や漫画といったビジュアル表現も気ままに行うマルチアーティスト・Rojuu。極東のここ日本ではあまり知られていないものの、スペイン~ラテンアメリカ文化圏で圧倒的な支持を誇る。 2003年3月にスペイン北東のカタルーニャ州で映画監督の母と俳優/劇作家の父の間に生まれ、10歳の頃よりYoutuberとして活動、15歳からはラップを主とした音楽活動を #Shadowpop というオリジナルの定義とともにスタート。大手レーベルに属することなくインディペンデントな活動を続けつつも、ロラパルーザやソナーといった大規模音楽フェスへの出演経験も持つ。 2023年に「Sonia Lagoon × A/V/Y/S/S MASSACRE」にてアルゼンチンのSaramalacaraとともに初来日した際には、配信チャンネルに通常時の数十倍もの視聴者が集い、オンラインとオフラインで異なりつつも重なり合う熱狂を巻き起こした。 今回AVYSSでは、そんな(日本語圏においてのみ)知られざるスター・Rojuuに13の質問を送った。日本文化への愛、東京で過ごして感じたこと、スパニッシュ・オルタナティブと日本のシーンの違い、主催パーティー〈Starina Club〉について、#Shadowpopとクラウド・ラップとハイパーポップ、Vex Veilや日本の友人たちとの出会い、そして未来? 日本語圏初のインタビュー。 Question & Text : NordOst / Hiroto Matsushima Q1. あなたが日本のポップ・カルチャーやサブカルチャーについて興味を持ったのはいつごろからですか? きっかけも含め教えてください。 Rojuu:僕はスペイン北東のカタルーニャで育ったんだけど、テレビではカタルーニャ語のキッズ向けチャンネルが定番で、いつも観てた。そこでは『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『犬夜叉』『名探偵コナン』『忍者ハットリくん』『Dr.スランプ(アラレちゃん)』とか、たくさんのアニメが放送されてて、それを観て育ったのが日本の文化やアートにハマるキッカケだった。 6歳の誕生日に、父が初めて買ってくれたマンガが『ソウルイーター』の1巻と『ワンピース』の1巻。最初に読んだのは『ソウルイーター』だったけど、『ワンピース』を手に取った瞬間……もう終わり(笑)。完全にハマっちゃって、それがきっかけでマンガの世界にどっぷり浸かるようになって、今でもずっと大ファン。それで日本語の勉強も始めたんだよね。 あと、忘れちゃいけないのが『千と千尋の神隠し』と『となりのトトロ』。子どものころの思い出の映画で、『千と千尋』は今でも一番好き。 Q2. あなたは東京に2023年、そして2024〜2025年と、2度にわたり長期滞在しています。その理由を教えてください。 Rojuu:もう、とにかく東京が好きだから。ハマってる(笑)。街全体がクリエイティブの塊って感じで、ストリート・サイン(タギング)から店のマスコット、広告まで、どこを見てもアートであふれてる。東京にいると、デザインそのものが息づいてるように感じる。そういう環境に浸った後に帰国すると、すごくアイデアが湧いて創作がしやすくなるし。 それに、東京は僕にとってすごく居心地がいい場所だから。みんな他人のことを気にしないし、自分も気にしなくていい。街の作りもすごく計算されていて、どんな些細なものにもちゃんと意味があって、完璧に機能してるのが好き。たとえば自転車に乗って一日中街を走り回るだけでも楽しいし、気持ちがいい。 東京は「流行の先を行く」街じゃなくて、「流行を作る」街でもあると思う。新しいものがただ届くんじゃなくて、ここで生まれてる。毎回訪れるたびに、新しい刺激を受けてるんだ。 Q3. スペインを離れて東京で過ごす中で、何か気づいたことや感じたことがあれば教えてください。 Rojuu:スペインを離れて日本で過ごすのは、自分自身を見つめ直すような体験だった。東京のような大都市でひとりになると、必然的に自分と向き合う時間が増える。僕は独りの時間がないとダメなタイプなんだけど、東京で過ごすことで「自分だけの空間」をしっかり確保できた。それまでの自分を外側から見て、まったく新しい視点で理解するような感覚だった。 東京は、いつも何かクレイジーなことが起こっているような場所だと思う。そのエネルギーの中で、決して落ち着きはしないけど、自分の中にただ閉じこもって動き続けた──最終的に納得のいくアップデートを自分が遂げるまで。 Q4. ハイパーポップやクラブカルチャーに限らず、スペインのオルタナティブな音楽文化の魅力や特徴について教えてください。 Rojuu:スペインと日本のオルタナティブの大きな違いは、「どれだけメインストリームに浸透するか」かな。スペインでは、オルタナティブなシーンから出てきたアーティストが、最終的に業界のトップアーティストになることがよくある。そうするとスペイン国内だけじゃなく、ラテン・アメリカやアメリカでも有名になる。つまり、スペインのアンダーグラウンドは、ずっとアンダーグラウンドでいるわけじゃない。 一方、日本には海外でブレイクするオルタナティブなアーティストが、そんなに多くない気がする。人口はスペインよりずっと多いのにね。音楽の広がり方が違うのは、やっぱりスペインの音楽がラテン・アメリカ全体のバックアップを受けているからかも。それは英語圏のアーティストも同じだよね。 Q5. 今、スペイン周辺の音楽シーンで注目しているアーティストは? Rojuu:今のスペインのアンダーグラウンド&メインストリームのオルタナ・シーンは、めちゃくちゃ鋭くてカッコいいんだけど、同時に似たような音楽で溢れてきてて、ちょっと飽和気味かも。だからこそ、今このシーンにいるのはすごく面白いタイミングでもあるかな。 同世代のアーティストがどんどん出てくるけど、僕はもうベテランみたいな気分。『ロード・オブ・ザ・リング』 のガンダルフみたいな……いや、それも悪くないかな(笑)。昔から木みたいになりたかったし。 今注目してるのは、Granuxi、Mejiias、R8venge、Tarchiかな。それから、アルゼンチンのPILFクルーにもリスペクトを送りたい。Stiffy、Agusfortnite2008、Zell、Turrobaby。みんなとんでもない才能を持ってると思う。 Q6. スペインのオルタナティブな音楽文化やクラブカルチャーは、東京とはどんな違いがあると思いますか? Rojuu:東京の方が圧倒的にイベントの数が多くて、いろんなジャンルやサブカルチャーが共存している感じがする。どんなスタイルでも、自分に合うイベントを見つけやすいよね。 スペインは東京ほどイベントの数は多くないけど、その分個々の規模が大きかったり、クオリティが高かったりする。どっちがいいとかじゃなくて、結局のところ自分が何を求めてるか次第だと思うな。 Q7. 先日、東京のクラブ・新宿SPACEでパーティーシリーズ「Starina Club」が初のアジア編を開催しました。あなたの主催する「Starina Club」とはどのようなパーティーなのでしょうか? Rojuu:「Starina Club」は、もともとバルセロナで始めたパーティーで、コミュニティを作るためのものだった。暗い美学を持つ僕たち世代が、自分たちの居場所だとリアルに感じられる空間を作りたかったんだ。僕たちはみんなネットの中で育って、同じような価値観を持ってる。だから、そういう人たちが集まって「ここが自分の場所だ」と思えるパーティーをやるのは、自然な流れだった。 パーティーが成長するにつれて、僕らは独自の要素を加えていったんだけど、その中でも特に特徴的なのがタロット風のカード。これは僕が描いたイラストで、イベント中に配られるんだけど、それぞれのカードには特別な「力」がある。例えば、無料ドリンクがもらえたり、VIPエリアに入れたりね(笑)。 この投稿をInstagramで見る STARINA(@starinaclub)がシェアした投稿 このカードを渡すのが「死神(La Muerte)」と呼ばれるキャラクターで、全身白い衣装を着て、杖を持ってる。夜の間に5回だけ現れて、それぞれのカードを「ふさわしい持ち主」に渡すんだ。ランダムじゃなくて、たとえば「悪魔(Demon)」のカードはその夜一番ぶっ飛んでる人へ、「隠者(Hermit)」のカードは一番静かに楽しんでる人へ、みたいな感じでね。 バルセロナで「Starina Club」の形をしっかり固めたら、次は世界に展開していきたいなと思って。でも、ただ安易に拡げるんじゃなくて、本質を失わずに届けたかったんだ。 Q8. 東京で「Starina Club」を開催して、どんなことを感じましたか? Rojuu:あの夜はマジで魔法みたいだった! 初めて東京に来てクラブを回ったときに観たDJたちが本当に衝撃的で、「この人たちをブッキングしたい」ってずっと思ってて。それが、今回の東京版「Starina Club」でついに実現したんだ。 ラインナップは完璧だったし、何より、東京のクラブカルチャーと僕らの世界観がしっかり交わったのを感じられたのが最高だった。 この投稿をInstagramで見る STARINA(@starinaclub)がシェアした投稿 Starina Club東京編で配布されたカード(悪魔) Q9. 〈Starina Club〉の東京編では、日本のユニット・Vex Veilとのコラボレーションも披露されました。彼らとはどのように知り合い、楽曲「Angels Playstation」を制作したのでしょうか? エピソードなどがあれば教えてください。 Rojuu:Vex Veilとは2023年の終わり頃に出会ったんだけど、彼らのライブを初めて見たとき、マジで言葉を失った。ちょうど友達のパートナーが紹介してくれて、それから何度か一緒に遊ぶようになったんだ。それである日、Vexのふたりが「一緒にやろう」って誘ってくれて、僕は即OKして。彼らのサウンドは本当に天才的だし、ずっとファンだったからね。 面白かったのは、実は楽曲を作る前に、もうMVの撮影を始めてたこと(笑)。その時点ではまだビートしか出来てなくて、撮影は原宿の近くの公園でやった。僕のボーカルは、2024年の中頃にバルセロナで録音した(しかもスマホで)。 それからしばらくMVの話を聞かなくて、「まぁ、そのうち完成するだろうな〜」くらいに思ってたんだけど、ある日ついにYouTubeで公開されて。で、友達のリノ (BASiRiNO)と一緒に観てたんだけど……僕のシーン、いつまで経っても一切出てこなくて(笑)。マジで爆笑した。まあ、結果的に完璧だったからいいかな! Q10. 自身の音楽を「#Shadowpop」と定義されていますが、特に「悲しさ」や「儚さ」、「神聖さ」を感じさせる要素が強いように思います。楽曲制作の際に意識していることはありますか? Rojuu:僕にとって、悲しみは果てしなく広がる大きな海みたいなもの。静かだけど、深い海。その海辺に立ったり、少し泳いだりすると、空にゲートが開くんだ。そこからアイデアの世界へと繋がって、概念が降り注いでくる。それがインスピレーションの源になるんだ。魂と心がシンクロして、才能と結びつき、想像したものを現実に落とし込める。 Shadowpopは、その創造の最もクリアな形。悲しみの中に飛び込んで、それを自分のツールで装飾していく。それが僕のアート。 Q11. 「#Shadowpop」の音楽性は、近年のクラウドラップのリバイバルとも関係が深いように感じます。この流れをどのように捉えていますか? Rojuu:クラウドラップは僕らの「父」みたいな存在。僕らは「インターネットの子ども」なんだ。 クラウドラップのオリジネーターたちは、アナログからデジタル世界に移行する過程で生まれて、それまでのヒップホップ・カルチャーとデジタルを融合させた。でも僕たちは、すでに両方が存在する世界で育った。だから、クラウドラップは僕たちにとって「最初からそこにあったもの」なんだよね。 結局、創作っていうのは、いろんなものをミックスすること。今の世代はクラウドラップにインターネットのカオスなshitpostっぽい美学をぶち込んで、感情や悲しみ、ミームなんかを全部混ぜた、巨大なごった煮みたいな音楽を作ってる。クラウドラップの本質は残ってるけど、新しい世代がそこに全く違う雰囲気を吹き込んでるんだ。 Q12. ハイパーポップ以降のスペイン語圏のオルタナティブ音楽シーンにおいて、あなたは先駆者的な存在とも言われています。このことについて、どう考えていますか? Rojuu:僕、ずっとただのYouTubeオタクだったんだよね。漫画、クリーピーパスタ、ゲーム、Lil Uzi Vertとか……ほんとにネットの世界で育った。だから、音楽を作るのもただ楽しくてやってただけで、深く考えてたわけじゃなかった。心の中にあるものを形にする手段としてね。 コロナのロックダウンで、みんな家に閉じこもることになって、急に新しい趣味を始める人が増えた。でも僕にとっては(音楽は)ずっとやってきたことだったから、気づいたら「なんか知らない人たちが僕の音楽を聴いてくれてるな?」みたいな感じになってて。たぶん、みんな自分と近いものを感じてくれたんだと思う。 でも、そしたらいつの間にか「ハイパーポップ」ってラベルを貼られてた(笑)。最初は別に気にしてなかったんだけど、実際のところ、僕のルーツはSOPHIEやCharli XCXじゃない。彼女たちの音楽は好きだけど、僕はYung LeanとかCecilio G.で育ったんだよね。だから、僕のスタイルは #Shadowpop ってことにしようと思って。 そもそもハイパーポップって、もともとクィアカルチャーと深く結びついたムーブメントで、僕らとはまたちょっと違うところから来てるよね? でも、スペイン語圏では僕らの音楽が「ハイパーポップ」として広まっちゃったから、それはそれで受け入れることにした。 たとえば #WhiteDoraemon を僕がリリースしたとき、これを人々がどう定義するかなんて考えていなかったし、別に今も気にしない。結局、ジャンルとか定義って後からついてくるものだし、僕はただ自分が好きな音楽を作ってるだけ。もし何年後かに僕らの音楽が別の名前で呼ばれるようになってても、それが誰かの楽しみになるなら、それでいいと思ってる。あるいは、僕らは「スペイン語の疑似ハイパーポップ」の古い開拓者みたいな存在で終わるのかもしれないけど、まあ、どうでもいいかな——僕は隠者みたいなものだから(笑)。 Q13.
2023/10/06
オープンマインド・ウィッチ・トランス コレクティブ〈CHAVURL〉での暗躍ぶりも知られるEfeewmaとNpilo Npilo (ンピロンピロ)による謎ユニット・Vex Veilによる2ndシングル「Magic Hand」が9月29日にサイレントリリース。アートワークはPeterparker69のビジュアルや各地でのVJアクトを精力的に行うjvnpeyが手掛けた。 「Magic Hand」はWeb発のアッパーなサウンドの数々を下地にしつつ、ある種の神聖さも内包したカオティックなトラップ・ナンバー。いわば無邪気さの裏に付き纏う残酷さ、恐怖とユーモアの表裏一体なコントラスト、稚気の中に潜むサイケデリアのような相反する要素が託されている。高尚なShitpostのような矛盾と、ダンスフロアにもベッドルームにも馴染まない異物感を聴覚に突き刺す一曲。 ウィッチハウスを出発点に未知のインダストリアル・ミュージシャンを探るべく結成されたVex Veilは、今後もニュートラルから外れた異質さをもってレイヴィーなサウンドを手中に収めることを水面下で計画中。 Vex Veil – Magic Hand Release date : Sep 29 2023 Stream : https://linkco.re/u8AB0yvg
2023/08/29
ポストアポカリプスを想起させるハードトランス 〈CHAVURL〉所属の傍らアンダーグラウンドを暗躍するコンポーザー・Efeewmaとインダストリアル・アーティストのNpilo Npilo (ンピロンピロ)による謎ユニット・Vex Veilによる1stシングルが「Light Speed VVitch Time」リリース。exp(x)による監督・プロデュース、ZECINのサポートにより制作されたMV公開。 「Light Speed VVitch Time」は、荒廃した世界に変わらず差す一筋の光のようなトランス・ナンバー。神聖さ=シリアスさと軽薄さ=チャラさが洒脱なバランスでブレンド。MVでは楽曲の世界観をクリエイティブチームexp(x)が3Dグラフィックを基調としたアニメーションで拡張するとともに、チェス盤・遺跡・宇宙などから成るイメージでインナーマインドに問いかけるアプローチが成されている。 Vex Veilは、ウィッチハウスを基盤としたクリエイションを目的に結成された新たなるユニット。ウィッチマインドを内包しつつ、同ジャンルの持つ美意識はそのままにサウンドの拡大解釈を試み、より開かれた音像を美学と共に送り出すことを見据えている。 Vex Veil – Light Speed VVitch Time Release date : July 28 2023 Stream : https://linkco.re/gCddauQe Instagram : https://www.instagram.com/vex_veil/ Video: directed by exp(x) producted by exp(x) cooperated by zecin
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Text : つやちゃん more