2025/01/22
9名のボカロPが参加
以下、レーベルからのテキスト記載
電子音楽を中心にNoise、industrial、ambientからキャッチーな歌モノまで、「音楽に通底するポップネス」をキーワードに作品発表し続けるネットレーベル〈KAOMOZI〉による「合成音声使用」縛りの企画コンピが1月29日にリリースされる。今回はオーナーの駒澤零が9名のボカロPをキュレーションし、起用したコンピレーション形式のアルバムとなった。
KAOMOZIでは零進法やu.u、佐々木虚像などレーベル発足当初から≪非ボカロ文脈でボカロを使用した作品≫が一定数あり、その存在感はインターネットナード音楽/クラブミュージックの中で咀嚼され再構築され続けてきた合成音声の無記名な在り方として独立した立ち位置に存在している。
レーベルZINE『KAOMOZINE』内での〈OMOIDE LABEL〉、〈ゆくえレコーズ〉との鼎談の中ではニコニコ動画を離れBandcampを中心に独自進化していった合成音楽の話が言及され、その筆頭として〈ゆくえレコーズ〉で作品がフィジカルリイシューされている全自動ムー大陸や、world’s end girlfriendのレーベル〈Virgin Babylon Records〉からリリースするでんの子Pなどの名前が挙げられている。また、2010年前半の〈Maltine Records〉や〈ZOOM LENS〉などのインターネット・レーベルではクラブミュージック文脈でキャラクター性を脱色され、純粋な楽器として使われている合成音声音楽がしばしばリリースされていた。bo enの人気をはじめ現代にもその流れは脈々と存在する。
前述の〈Virgin Babylon Records〉所属の窓辺リカ、PAS TASTAのquoree、トラックメイカーのKAIRUIなどは熱心な初音ミクユーザーでありながらキャラクター主義的な消費と中立に位置している。それは冨田勲やDCPRGが合成音声に接近したころのアプローチとは全く異なるもので、新技術への興味ではなく、自分の記憶を喚起させる切実なトリガーとして機能しながら、同時に物語やMV主義の比重が重いニコニコ文化とは別の路線での表現を確立している。
こうした流れを経て近年は、ニコニコ動画シーンの側でも、いよわ、長谷川白紙、原口沙輔あたりを明確にリファレンスに据えた作風のクリエイターが多く登場してきている。アカデミカルと高い技術力によって構築された音楽性を、10代をはじめとする若年層が限られた環境下で何とかなぞろうと懸命に努力し続けることにより、日々常識から外れた作曲手法やジャンルの楽曲が生まれ続けている。この流れを受けて2024年初頭を機にコミュニティは入り混じり、不思議な様相を呈している。
KAOMOZIでは今までポップスをテーマに、そのどれにも属せる可能性を持った楽曲たちを扱ってきた。バンドサウンドやブートレグ文化などファン層が明確に定まった界隈に固執せず、それぞれが内面にもつポップネスを眼差し続けることで、レーベルはJ-POPを真っ向から肯定してきたといえる。
あらゆるジャンルをメタ的に横断し不文脈に生きる合成音声の存在を鼓舞し許容する土壌のもとで、キャラクターや視覚的な物語要素とコミュニティ意識の強いニコニコ系譜の「ボカロP」たちがこちら岸への音楽を制作したら一体どんな新しい景色が見えるのだろうか。
hyperpopや電子音楽のアーティストで何度も歴史として掘り返されるミーム文化、同時に明確に距離をおかれ、多くのアーティストから過ぎ去った青春のように語られ続けるインターネット音楽。辿ってきたルートがそれぞれ異なるだけで、すべては接続され、干渉しあって、まだ見ぬ地平へと推進していくべきである。「DAISY BELL」にはじまるコンピュータの歌声は多種多様に歩みを進め、進化し、また別の場所で絡み合い、複雑に未来を紡ぎ続ける。
いまこそ合成音声楽曲、ボーカロイド・ソングスの可能性を、あらゆる視点から受け止め、攪乱するべきではないだろうか。
コンピのフィジカル版は1月26日に開催のイベント即売会『THE VOC@LOiD M@STER 58』の駒澤零/零進法合同ブース【C36】にて先行販売される。翌週の1/29(水)にはBandcamp、各種サブスクリプションサービスでの配信/販売もスタートする予定。
– 以下KAOMOZIレーベルオーナー 駒澤零 コメント
ロックが演歌のように前時代的な音楽として扱われる未来なんて誰が想像したでしょうか?かつて革命であり、斬新だった合成音声もいまやすっかり生活に根付いたように思えます。
未来から化石になったわたしたちを眺めたとき、そこに横たわる歴史書にはなにが書かれているのでしょうか。様々な垣根やしがらみに囚われることなく双方向的に影響し混ざりあう音楽たちの行く末を、わたしはこの目で見てみたい。デイジー・ベル以後の音楽を!
VA – POST DAISY BELL
Label : KAOMOZI
Release date : Jan 29 2025
https://kaomozi.bandcamp.com/album/post-daisy-bell
https://big-up.style/4VWU7bLUa5
Tracklist
01. 荒木若干 – たましいごと
02. mnmnmnmn – さくれつ
03. appy – Thunderbird
04. 佐藤乃子 – 巡巜巜‹‹…
05. ⍼ – 道化
06. 豆屋 – Farewell, Hateful Summer
07. ヤギイラオ – マジカルバナナ
08. Elitetao – 赤くて誰もみていない
09. 越前 – inside out
category:NEWS
2019/04/15
Cold Rose、ROTTENLAVA、Speedy lee genesis、SUPANQ BANQUEなど出演。 Daymare Recordingsからデビューアルバム『Pain, Ritual & Life』をリリースしたエクスペリメンタル/ハードコアバンドGranule、4/27からオーストラリアツアーを予定しているKLONNS、盟友2組によるイベント「Discipline」。 小岩BUSHBASHで毎月開催されるこのイベントは、ジャンルやコミュニティにとらわれない出演者がラインナップされる。先日、GranuleのボーカルHIKARIが約1年間日本を離れる事を発表しており、今後しばらくはGranule不在でイベントが開催されるようだ。そんな中、5月の「Discipline」の詳細が発表。今回はGranuleやKLONNSとも親交が深いLSTNGTによるキュレーションで、Cold Rose、KLONNS、ROTTENLAVA、Speedy lee genesis、SUPANQ BANQUEが出演。さらにスペシャルゲストの出演も控えている。 「Discipline #9」Curated by LSTNGT DATE 5/19(Sun) VENUE BUSHBASH OPEN / START 18:00- DOOR 2,000yen + 1D (UNDER 23 ¥1,000 + 1D) Cold Rose KLONNS ROTTENLAVA Speedy lee genesis SUPANQ BANQUE Discipline DJs & Secret Guest
2020/02/14
3月20日リリース YPYやgoatでの活動、またVirginal VariationsやGEISTといったプロジェクトを手がけ、海外の実験音楽シーンでも絶大な信頼を得る音楽家、日野浩志郎が運営するD.I.Y.レーベル〈Birdfriend〉が初のレーベル・コンピレーション『Bird Cage: Birdfriend Archives』を発表。 名前ではなく「音」で選ぶ徹底した作家基準で、エレクトロニクスや自作改造楽器クリエイター達のD.I.Y.音楽をリリースし続けてきた本レーベルから少部数リリースされた12アーティスト計18曲を2枚組アルバムに編集。各アーティストのプロフィールを日本語・英語掲載、ディスコグラフィーとアーティスト写真も併載。 このBirdfriendの仲間達を主催である日野の職権乱用で一ヶ所に収める<実験>を試みたのが、〈Birdfriend〉初のレーベル・コンピとなる本作『Bird Cage(鳥かご)』。今こそ得体の知れないバードフレンド達の偉業(異形)を高らかに世に問う。これを聞けば貴方はなんだかよく分からない気持ち(感動?)に包まれ、そしてたぶん無性に創造したくなる。 「実験的、挑戦的すぎてリリースするのが難しいがそれでも素晴らしいものはたくさんある」(日野浩志郎談) Various Artists – “Bird Cage: Birdfriend Archives” 発売日:3月20日 フォーマット:CD2枚組、LP2枚組 仕様:日本語・英語解説、写真、ディスコグラフィ掲載 制作発売元:エム・レコード (EM Records) http://emrecords.net/ Disc 1 A1. Sofheso – “M.N.L” A2. 湿った犬 – “Bird Peck at Dead Dog” A3. NEW MANUKE – “Fastest Motor” A4. YPY – “BFMIX B-3” A5. JMT Synth Pinosaku – “Tansun” B1. 湿った犬 – “Dog is Surrounded by Birds” B2. UNBE – “Vector Milk” B3. YPY – “The Damo UFO” B4.
2021/11/19
先行シングル「毒☆殺有害♂」リリース 編集者/クリエイティブディレクター/フォトグラファーとして活躍する米原康正 主宰〈+DA.YO.NE.〉からコンピレーションEP『DEATHTOPIA』が発表。12月10日に配信、12月22日にCDがリリース。 『DEATHTOPIA』には、PiNKII、なかむらみなみ、Neon Nonthana、Yoyou、ぱちぱちコズミックコンピューター! Dr.Anon、ponika参加。ぱちぱちコズミックコンピューター!による「毒☆殺有害♂」が先行シングルとしてリリース。シングル/EP共にジャケットアートには、MIU MIUや、ベアブリック等でコラボレーション等でも注目を集めるイラストレーターERI WAKIYAMAが担当。 <米原康正 DEATHTOPIA コンセプト・コメント> 基本的にYOUTUBEで新曲をチェックする僕は、そこでこれって曲があればそれを配信で探してフォルダーに入れる。その後繰り返し聴くことになるんだけど。でもねフォルダーに集めた楽曲たちってタイトルやアーティストの名前でさえ覚えることが難しい。気づくとフォルダーの何番目って覚えてたりすることもある。それは集めた曲のフォルダーがひとつのコンセプトとしてまとまっていなことが原因じゃないかと僕は考えた。「好きな曲」というだけで、集めた曲に繋がりがないのだ。だったら編集者である僕が編集という作業を通して僕が集めた楽曲とアーティストに時代的な意味を持たせようってことで始まったのがこの「+DA.YO.NE」というレーベルなのである。今の時代コンセプトCD上等な気分なのだ。 そんな僕が今を詰め込んでお送りする最初のコンピレーションのテーマが「デストピア」。どこもかしこもクソみたいな出来事が繰り返される今。なのに「反抗」って言葉はすでに消費のための「スローガン」でしかない。デストピアの中でのゴスとはそんな社会の慣習的な作法にたじろぐ反射作用であり、処世術への無関心なのだ。それは無自覚な宗教であり思想である。未来の見えないデストピアな世界の中で少女たちは滴り落ちる自らの血液で自分自身の生を感じている。 そんな時代なんだって。その事実を示すために今回僕はこんな作家たちの作品を集めてみた。昔からティーン的思想を持った人間しかアウトサイダーじゃないと考えている僕が今最も注目するゴス的文化を(見た目だけじゃなく頭の中でのゴス文化を)ぎゅっとパッケージングしました。 DEATHTOPIA – curated by +DA.YO.NE. Digital : 10 December 2021 CD : 22 December 2021 Tracklist 1. Love Songs – PiNKII 2. スイートドリームイリュージョン♡ – ぱちぱちコズミックコンピューター! 3. Roulette – なかむらみなみ 4. Youth – Neon Nonthana 5. Heiteeeeer! – Dr.Anon 6. 96 – ponika 7. 毒☆殺有害♂ – ぱちぱちコズミックコンピューター! 8. Shut up – PiNKII 9. HOST MONEY – PiNKII 10. D1E – Neon Nonthana 11.
photo by Elsa Kostic more
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