2023/06/21
頭の中で生成され続ける音
音楽という時間が聴き手に執着を持って忍び寄る。
「頭の中で生成され続ける音」をテーマに作品発表するうえだなおふみの新作EPは、音大入学を通してさらに強まった脳内に鳴り続ける音への執着心を形にしたい、という思いから制作された。サティの「家具の音楽」=生活の中に溶け込む音楽という思想を踏襲しながらも、彼自身にしか聞こえない、でもはっきりとリフレインするそれの輪郭を確かめるかのような、切実な揺らぎと音像を聞いてみてほしい。
日記をつけるような感覚で移り変わる音像を、気まぐれな天気に喩えた表題作「今日の天気は」、作為的で悪辣な感動を仕掛ける「ネヴァーキャッチ」など5曲を収録。演奏会のために制作された作品「じっとしていて」は、オノヨーコ《BEAT PIECE》やケージを思わせるような挑戦的な視線でこちらを誘惑する。
前作よりも強度を増し、より高い解像度で出力された音の応酬が、リスナーの耳朶を伝って平衡を揺らがせる。意味のないもの、得体の知れなさに対する恐怖感は、言わばある種の執着のように人の感情を揺さぶることがあるが、うえだは声なき声、普段視界から零れ落ちている様々な要素でその有機的感覚を再構築しようと試みている。
アートワーク、ビジュアルは前作に引き続き駒澤零が担当している。
うえだなおふみ – 今日の天気は
Label : KAOMOZI
Release date : June 21 2023
Stream : https://big-up.style/ESUvrBH8Ht
Tracklist
01.今日の天気は
02.習作
03.追込
04.ネヴァー・キャッチ
05.じっとしていて
category:NEWS
tags:うえだなおふみ
2022/10/19
新レーベル〈KAOMOZI〉より 漫画『ディグインザディガー』、イベント「自然の中で起きている美しい現象すべて」を手掛けてきた駒澤零によるニューレーベル〈KAOMOZI〉 のリリース第一弾として、現役音大生うえだなおふみによるフルアルバム『y=sinθ』がリリース。 小学校の頃飾っていた百合の記憶をトリガーに制作した「リリービジター」、幼稚園のスクラッチアートで描いたトランペットを表現した「クレヨンスクラッチ」、楽曲は滾るように鮮烈な彼の”記憶”の音を起点に作られている。歪み続けるシンセシス、Max/MSPを使って作られた複雑な音像。”y=sinθ”、純音と名付けられた作品は、解像度を上げることで逆説的に明らかになってしまうグロテスクさ、瑕疵についての記録。アートワーク/ビジュアルは駒澤零が手掛けた。リードトラックとなる「回転体V」のMVは10/19(水) 20:00に公開。 うえだなおふみ – y=sinθ Label : KAOMOZI Release date : 19 October 2022 Stream : https://linkco.re/D1s4QYx1 Bandcamp : https://kaomozi.bandcamp.com/album/y-sin Tracklist 01.リリービジター 02.スレッド・アウト 03.辺にて 04.メトロノームのための習作 05.回転体V 06.皮 腸 蹄 07.クレヨンスクラッチ 08.推定無罪 09.取って付けたような夏
2021/12/13
6つの天気図の風景 韓国・ソウルを拠点に活動するYeong Dieが、〈Psychic Liberation〉より新作EP『WEATHER Z』をリリースした。 ある日、WEATHER Zになった。Yeong Dieは6つの風景を集める。大小のフレームの中で起こっていることは、反抗的でもなく、特に明るいものでもない。物事とは、例えばこんな風景のこと。二酸化炭素が緻密に大気を侵食していく。みんなが寝ている間に鉱山労働者が何かを掘り出している。硬貨が次々と空中から落ちてくる。やがて決定的な事件が起こる。高周波の電波が絶え間なく空中を飛び交い、赤ん坊がつぶやく。土地の下にはもう十分な資源が残っていない-などなど。一見すると平和なはずの光景が、大惨事の序章にふさわしい。 しかし、この穏やかで不吉な天気の中には、いたずらをする者が隠れている。深刻な雰囲気になりそうな時には、注意喚起するためにコインを投げたり、リスナーを安心させるために子供を連れてきたりする。いつ崩れてもおかしくないWEATHER Zを、わからない表情で見つめるYeong Dieは、その世界のジョークを消そうとはしない。宙に浮いたドローンのような音、超指向性スピーカーから発せられたような、方向性のはっきりしない遠くに飛ぶ波、金属音とともにどこかに落ちていく鋭い合成音。そのどれもが、軽快な躍動感の一部に彩られている。このように、WEATHER Zは世界中で動いていて、不思議とアニメーションになっているのです。 天気とは、さまざまな力の相互作用によって引き起こされるある種の状態のことである。気圧、風、海の波の幅、地下の鉱物、呼吸する動物や植物、さらにはミクロの世界の分子など、世界を構成する力のネットワークから天気は発生する。緻密なネットワークは、他の方法では簡単に切断されず、クラスターを形成し、次の状態に向かって進んでいく。 Yeong Dieは、力を実行し、操作し、合成する音楽家。天気がある種の力の複合体であるとすれば、Yeong Dieは天気を喚起する力を観察し、そこから音楽を作る。Yeong Dieが作った6つの天気図の風景の中には、今生まれたばかりの新しい天気と、それを操作する力の流れが含まれている。それは過去なのか、現在なのか、それとも未来の最後の天気なのかを見分けることは容易ではない。また、その天気がどの程度の地域性を持っているのかも不明である。言葉はまだ十分ではないものの、それらの風景がますます鮮明に見えてくることは間違いありません。 YEONG DIE – WEATHER Z Label : PSYCHIC LIBERATION Release date : 12 December 2021 Buy : https://psychicliberation.bandcamp.com/album/weather-z Tracklist 1. KEELING CURVE 2. DIG UP DAWN 3. COIN THOUGH 4. SEVERE CASES 5. GLOBAL MONITORING 6. LOWERS Produced and Recorded by Yeong Die Mastered by Elizabeth Davis at Real Surreal Studios Design and Layout by RJM VanDerHeyden
2022/07/27
CDの発売も決定 2014年結成、東京を中心に活動するポストブラックメタルバンド、明日の叙景が最新アルバム『アイランド』を配信開始。CDの発売も決定。 本作は「夏」をテーマにJ-POPとブラックメタルを融合させたとのこと。シングルカットされた「キメラ」「ビオトープの底から」の再録版も含めた全11曲が収録。ミキシングエンジニアはSvalbardやRolo Tomassiを手がけるLewis Johnsと、国内のバンドを数多く手がける克哉(Slothreat)を起用。アートワークは陽子が、タイポグラフィはもなみんが手掛けた。CDは8月17日に発売。全国のタワーレコードなどのCDショップ、amazonなどのオンラインストアにて7月末頃より予約開始。ディスクユニオンで購入するとバンドロゴバッジが特典として付く。 明日の叙景 – アイランド Release date : Digital / 27 July 2022 CD / 17 August 2022 Stream : https://linkco.re/61bxNbFB Tracklist 1.臨界 2.キメラ 3.見つめていたい 4.土踏まず 5.歌姫とそこにあれ 6.美しい名前 7.忘却過ぎし 8.甘き渦の微笑 9.子守唄は潮騒 10.ビオトープの底から 11.遠雷と君
受け手の自由に寄り添う作品
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SoundCloud発、中国ラップスター more
東京・大阪を回るジャパンツアー開催
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