AVYSS Circle x NEWVIEW CYPHER REPORT – a子とe5のまなざしから

ライブ+AR体験レポート

 

 

AVYSSの変遷とハイパー・カルチャーを回遊するサーキットイベント「AVYSS Circle」(略してアビサー)では、各所で漂う独自のムードが融合し、インディーのルーツから今日のハイパーなエネルギーまでも総ざらいした1日となった。

 

アビサー開催に際し、ファッション・ミュージック・グラフィックなど多様な表現をXR(VR/AR/MR)として昇華するXRアートコレクティブ〈NEWVIEW CYPHER〉とのコラボレーション企画も実施。ARアプリ「STYLY」上でTORIENA / Peterpaker69 / Telematic VisonsのARフィルターが配布され、アビサー限定のスペシャルな3DCGモデルやアートワークでイベントをさらに楽しめる仕様となっている。

 

リアルとバーチャルを越境させるこのコンテンツも、2020年に始動したAVYSS GAZEから表現の拡張を試みてきたAVYSSのカルチャーを象徴するひとつでもある。今回のアビサーでは、出演アーティストのa子とe5に「STYLY」でARフィルターを体験してもらった。まずは2人のライブレポートとSTYLYを楽しむ様子から、アビサーを振り返ってみよう。

 

text : yukinoise

photo : Yui Nogiwa

 

 

a子 – 新世代のインディーを解き放つ表現者

 

アビサーのDAYに出演したシンガーソングライター・a子。出演会場のTHREEはAVYSSの核心のひとつでもあるバンドサウンドに焦点を当て、インディーな要素を背景に散りばめたステージとなった。

 

繊細なボーカルでドリーミーかつエッジな世界観をなぞるサウンドが特徴のa子だが、バンドセットでのライブでは彼女の世界観がより生々しく、センチメンタルに伝わってくる。

 

 

身体が自然と動かされるバックバンドの巧みな演奏がウィスパーな歌声を絶妙に際立たせ、問答無用で引き込まれざるを得ない独特のグルーヴ感を生み出す。今日も突き進むハイパーの源流にも繋がるオルタナティブを、バンドサウンドで表現するアーティストから溢れる根性と情熱は、目にした者すべての胸を打たせてくれる。パンデミックを経て、ふたたびフロアに足を運べるようになったいま、新世代のインディーシーンから放たれるエナジーはこの先どんな未来を描いていくのか。切望や期待にも近い予感を強く感じさせるa子のライブは、今後も直に追うべきアーティストであると示していた。

 

 

e5 – ハイパーな世界線が声を上げる瞬間

 

アビサーのNIGHTに出演したラッパーのe5は、以前はクルー・Dr.Anonにも所属し、ハイパーポップを含む現行ラップモードの最前線を見据えたアーティスト。彼女の出演したILLASは入場規制がかかるほど賑わい、会場の雰囲気とは真逆の輝きに満ちていた。

 

 

多彩でトラックを等身大に乗りこなしながら、オーディエンスを盛り上げてゆく存在感は、フレッシュなだけでなくアーティストとしての軸足がしっかりと確立されているからであろう。パワフルにもダークにも、時折デリケートにも次々繰り出される彼女の表現からは、彼女がこれまで吸収してきたここ数年のドープなカルチャーの端々が垣間見えた。それらは今日のハイパーポップを構成する一部でありながら、唯一無二の個性として築かれたオリジナリティの集大成でもある。この夜、幸運にもILLAS入場できたオーディエンスはきっと、ハイパーを超えた先にある己の可能性を高めたe5に圧倒されたはずだ。

 

 

a子とe5のリアルなSTYLY体験記

 

ハイパーカルチャーが交錯した一夜に、それぞれのステージでパフォーマンスを披露したa子とe5は一見対照的に見えるが、どちらも誰もが抱えるフラストレーションやメランコリーな内面が楽曲に反映されている。人間味にフォーカスし、リアルな感情を吐露する彼女たちとデジタルアートの邂逅は、一体どんなバーチャル体験をもたらすのだろうか?早速アプリをダウンロードした2人にPeterpaker69のライブを観ながら、STYLYを楽しんでもらおう。

 

 

a子:ARアプリって今までやったことないかも…e5ちゃんはやったことある?

 

e5:やったことあるけどAR初期段階のやつなら。小学生の時に3DSでカメラを写すとそこにグラフィックが登場するってゲームで、最近盛り上がってるようなのはまだ試したことないな。

 

a子:子供の頃やったんだ!ARって目に装置をつけてやるんだっけ?

 

e5:それはVR(笑)近いっちゃ近いかも。

 

a子:ARとVRの違いすら分かんないくらい無知です(笑)ARって何の略?

 

NEWVIEW:オーギュメントリアリティの略、現実を拡張するって意味。リアルタイムで映像を投影したり、今から体験してもらうSTYLYを使うとこのエフェクトの演出越しにライブが見れます。

 

e5:お〜かっこいい!ARって曲作りたくなってきた。アプリで撮った映像でまた楽しめるみたいな?

 

NEWVIEW:そうそう。撮った映像にエフェクトが載って新しい楽しみ方ができる。

 

e5:一瞬でアプリもダウンロードできたし、意外と操作も難しくなかった!

 

a子:機械音痴だから手こずっちゃったけど、MVみたいで楽しいかも。

 

 

 

ARフィルターをさらに使いこなすため、2人はSTYLYを携えて会場付近を散策。カオティックなフロアから抜け出しSTYLYを楽しむひとときもまた一興。ステージで見せる顔とは異なり和気あいあいとしたムードの中、a子とe5がお互いに撮影した画像を見てみよう。

 

e5:インスタのフィルターみたいで面白い!こんな可愛いデザインのARやったことなかったしこれから流行りそう。

 

a子:街にも出現するってのがなんかいいよね、MVとかにも使ってみたい!

 

e5:ARが出現する位置を探す感じとかも楽しかった。普段盛れる場所しか写真を撮らないけど、盛れる場所を自分で作るって楽しみ方ができたね。

 

サウンドでジャンルの垣根を越えるだけでなく、ARフィルター越しの新感覚パフォーマンスとコミュニケーションでさらなる表現の可能性に触れたa子とe5。このバーチャル体験を機に、彼女たちから新たなリアルが生まれるかもしれない。

 

 

 

 

 

今回記事内で紹介したARフィルターは以下のURLから体験できます。

※体験にはSTYLY MobileのアプリDLが必要です。

https://newview.design/avyss-circle/

 

 

XRアートコレクティブNEWVIEW CYPHERの活動については今後もinstagramを通じて発信していきます。

https://www.instagram.com/newview.cypher/

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