2021/01/27
ニューアルバムより
ニューカッスル・アポン・タイン出身のシンガーソングライター/アニメーター/映像作家のBeth Jeans HoughtonのプロジェクトDu Blondeが、ニューアルバム『Homecoming』から先行リリースした「Medicated – feat. Shirley Manson」のMVを公開。
GarbageのShirley Mansonをフィーチャーした今作についてDu Blondeは、「もう生きたくないと思っていた27歳の自分への手紙で、憂鬱に聞こえるかもしれないけど、本当はとても楽しい曲なんです。Shirleyは私が悩んでいる時に何度も私の代弁者になってくれていて、彼女が(この曲に)いることは本当にふさわしいと感じたの。」と語っているとのこと。
さらにこう続けている。「ロックダウンが始まった時にGirl Rayがくれたグリーンスクリーンを使って、子供の頃の寝室でビデオを撮影したの。」「蜘蛛は10代前半の頃に見た幻覚を参考にしたもので、ベッドカバーを外してみると何千匹もの蜘蛛がベッドの中で蠢いていた。でも、今では極度の不安の結果としてそれを見ることができる。この映像は、私のことを称えたもの。精神的健康を保つために薬を服用することには多くの社会的スティグマ(一般と異なるとされる事から差別や偏見の対象として使われる属性、及びにそれに伴う負のイメージ)があるけど、『薬を服用していることで、まだ生きているし、それについての自分の気持ちを表現したかった』ってことです。」
Du Blonde – Homecoming
Label : Daemon T.V.
Release date : 2 April 2021
Order / Stream : https://ffm.to/dublonde-homecoming
category:NEWS
tags:Du Blonde
2025/02/26
約2年半ぶりのワンマンツアー開催 No Busesの新章「Our Broken Promises」は、 過去の喪失や悲しみを乗り越え、未来への希望に向かって進んでいく決意をしたバンド新体制として挑んだ全編日本語詩。今春リリースを予定される3年振りのアルバム『NB2』からの先行シングルとなる同曲のMVが公開。 “戦いたくない、保有したくないということを伝えたい歌です・・No Buses ” アルバムリリースを記念し、5月には東京・名古屋・大阪にてリリースツアーが開催。本日よりチケット先行発売開始。約2年半ぶりのワンマンツアー。 No Buses – Our Broken Promises 発売日:2025.02.26. (wed) 発売元:S.S.G.G. / Tugboat Records 販売元:SPACE SHOWER NETWORKS INC. 楽曲URL:https://tugboat.lnk.to/NoBuses_OBP 公演名:NB2 Release Tour 日程: 5/10 (Sat) 東京 The Garden Hall 5/15 (Thu) 名古屋 ElectricLadyLand 5/16 (Fri) 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO 先行チケットURL: https://smash-jpn.com/live/?id=4413
2021/02/16
Ryan Ermacoraとの共同監督 ナイジェリア生まれ、モントリオール育ち、現在バンクーバーを拠点にするプロデューサー/シンガー DEBBY FRIDAYが最新シングル「RUNNIN」のMVを公開。 Mykki BlancoやPrincess NokiaのオープニングDJの経験を経て、これまでに〈Discwoman〉のDJ Haramや、Chino Amobiらとコラボレーションを果たしてきた。様々な人生経験や内面的な変化を経て制作された今作についてDEBBY FRIDAYは次のように語っている。「純粋な表現についてのもの。もう自分から何かを祓う必要はないと感じている。自分を違う方向に押し出して、何が起こるか見てみたいと思っていたし、やりたかったことはできたと思う。」 DEBBY FRIDAY – RUNNIN Release date : 12 February 2021 Bandcamp : https://debbyfriday.bandcamp.com/album/runnin-single
2025/05/27
Text : つやちゃん それはまるで、nyamuraという感性が丸ごと具現化されたような一日だった。 『Seraphim March』と題された彼女の初ワンマンは、昼夜二部制。-matinee-と-soiree-と名付けられ、それぞれ異なるコンセプトで構成されていた。本稿では、昼公演である-matinee-を追っていきたい。 今やさまざまなかたちで語られるようになったnyamuraという存在。初期のSoundCloudから静かに追い続けてきたファンもいれば、「you are my curse」がTikTokを通じて一躍広まり、そこから彼女の音楽に惹かれたリスナーもいるだろう。または、あるパーティで彼女の儚いパフォーマンスに偶然出会い、心を掴まれた人もきっと少なくないはずだ。 この日のワンマンは、そのような異なる経路から集まった人々にとって、断片的だった印象をひとつのかたちに結び直す、いわば“nyamuraという全体像”を初めて受け取る場となった。しかもそれは、完全セルフプロデュースで用意された空間だった。 渋谷WOMBのエントランスを抜けた先には、白と黒、熾天使と堕天使——彼女が掲げた「Seraphim March」という世界観そのものがフォトスポットとして立ち上がっていた。訪れた人たちは次々に写真を撮り、その世界の住人になっていく。光と闇、過去と現在、陰と陽——対になるものが、彼女の手によって丁寧に配置されていた。 会場に足を踏み入れると、オープニングDJのpiccoが軽やかでハイパーな選曲で場をあたためていた。一曲ごとに湧く歓声とリアクション。良い予感が、静かに高まっていく。そして、「Key to Utopia」が流れる中、スクリーンに映像が映し出される。「これは、もうひとりの私との邂逅——。」という言葉とともに、ついにnyamuraが登場。彼女の音楽の根底にはずっと、“もうひとりの自分”というテーマが流れている。このライブもまた、彼女自身のなかにある二面性——光と闇、ピュアネスと歪み——を、改めて手に取り確かめようとする儀式のようだった。 一曲目の「Your Winter」から、Takaryuとのコラボによるダンサブルな幕開け。そこから21Clownとの「fake Love?」、そして「Drowning Nightmre(Remix)」へと流れる構成は物語性のある展開で、フロアの熱気を引き寄せていた。渋谷WOMBという会場の選択にも納得がいった。楽曲に合わせて流れる映像が、スクリーンをフルに使って演出されている。ビジュアルも含めて彼女の美学が細部にまで行き届いており、それは確かにWOMBの環境だからこそ実現し得るものだろう。 MCでは「話すことを色々考えていたんですけど、全部忘れちゃいました」と語り、笑いを誘う。素朴で親しみやすいトーンで話す姿に、会場が和んでいくのが分かる。ライブ序盤でこれからの展開に期待が高まる中、「はーどもーどかのじょ(Remix)」を披露。以前の取材で、「当時TikTokでバズっていた曲にどうしても納得できなかったんですよ」と語っていた彼女。悔しさを原動力にして生まれたこの曲が、今では彼女の代表曲になっている事実に、感慨深い気持ちになる。 そこからは「超デジタル超デトックス」「connecting antithese」「ラプラスショコラ」といった楽曲が続き、インターネット的感性に根ざした彼女の原点と、その進化系のような側面とが交差していく。ライブは後半に向かうにつれ、ゲスト陣との共演でさらに彩りを増していく。utumiyqcomとのラップアレンジによる「劣等上等」、ミトゥンとういはらを交えた「よくばり♡お~るまいん」、lilbesh ramkoが登場する「lilbeshnyamcore」——次々とシーンが変わり、熱気のうねりが加速していく。 衣装紹介の際には、スクリーンに自ら描いたデザイン画を映し出す場面も。徹底している。ここまでDIY精神を貫くアーティストはそういないのではないか。すべてを自分の手で編み上げる姿勢は、インディペンデントの象徴といえる。 終盤は「冬がすぎたら」「cat reincarnation」「リナリアが咲いて」と、しっとりとしたナンバーでクールダウン。さらに「きみのためのうた」で本編は終了した。だが、アンコールで再び熱が戻ってくる。「you are my curse」が始まると、悲鳴のような歓声が上がり、フロアは一気に歓喜の渦に。「何度も殺した」「四肢解体し食べたの全部」——残酷さと美しさが入り混じるその歌詞を皆が口ずさんでいるさまは、ある種の儀式のようだった。最後は水槽を迎えての「正しさのゆくえ」、そして「Gate of Dystopia」で幕を閉じた。彼女は何度も「ありがとう」を繰り返しながら、静かに去っていった。 エンドロールには、「All Produced By nyamura」の文字。まさに、その通りだった。以前彼女が話していたエピソードを思い出す。「天使は元々怖くてグロテスクな見た目をしていると言われていて、逆に悪魔は綺麗な見た目をしているんです。要は、悪魔は人を引き寄せるために化けの皮をかぶった綺麗さを見せているんだけど、天使は人を引き寄せる見た目を持つ必要がないという。天使の、何もしなくても人が集まってくるという形骸的なところが好きなんです」と。 白は黒であり、光は闇でもある。天使には悪魔の側面が、悪魔には天使の影が潜んでいる。相反するはずのものが、じつは重なり合っている。nyamuraはそうした裏返しの感覚を、自らの感性で手繰り寄せながら、音楽として提示しているのだと思う。このライブは、そういった二面性の美学を初めて、まるごと体験できる場だったのだ。『Seraphim March』、それは彼女が彼女自身と出会い直すための場であり、わたしたち観客が、その証人となる時間でもあった。「白か黒か」ではなく「白も黒も、どちらもわたし」というnyamuraの感覚。従来の善/悪や正常/異常のような枠組みを疑い、多層的な自己=グラデーション的なアイデンティティを表現する彼女は、この後どう進化していくのだろう? nyamura – Another Seraph Release Date : May 3rd 2025 Stream : https://linkco.re/eECt1u2q 01.Key to Utopia (inst) music : KAIRUI 02.超デジタル超デトックス lylics : nyamura music : nyamura,原口沙輔 arrangement : 原口沙輔 03 : S.O.S.G.A.L lylics : nyamura music : nyamura,KOTONOHOUSE arrangement : KOTONOHOUSE
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Text : つやちゃん more