2020/05/01
その男、孤高につき
広島県呉市出身、スキルフルなラップと力強い詩世界を展開する楽曲でリスナーの心を掴んで離さないラッパー・ACE COOL。ヒップホップシーンの中で、孤高の存在として光を放つ彼は、自身の半生を投影した1st ALBUM『GUNJO』を先日リリースした。
表現者としての実力を着々と見せつけているACE COOLだが、これまで本人の実態は謎に包まれてきた。そんなミステリアスな彼が今回リリースした本作には、自身の現在と過去が織り込まれ、彼がいま放つ光と秘められた影なる面が交差する短編映画的コンセプトアルバムとして仕上がっている。これまで彼が歩んできた道と本作に込められた想いについて、収録曲をベースに話を訊いた。
前編では、本作のタイトルやコンセプトを深掘りしながら、収録曲『REAL』から順に、ラッパーとしての道を歩み始めるターニングポイントを描いた『CADILLAC / FREE』までの楽曲群をACE COOL本人より解説していく。
Text by yukinoise
– タイトル『GUNJO』の由来を教えてください。
ACE COOL:ラッパーとして活動していく中で報われてこなかったというか、自分の思うようにはいかず、広島から上京した後も景色がくすんでいたような気がしていたんです。東京はキラキラした場所だと思って上京したけど、実際は暗くくすんだ群青色のような場所だった。そういう表現を無意識にしていた楽曲が多かったので、アルバム収録後に『GUNJO』と名付けました。
– 群青色はくすんだ色というよりか、深みのある色のイメージです。
ACE COOL:暗く雲がかった空やくすんだ感じの青、北野映画特有の色彩・北野ブルーのような色が自分の思う群青です。アルバムの空気感がより伝わるように、『EYDAY』のMVでも北野ブルーを意識しています。
– 自身の過去や別の姿をさらけ出したのはどうしてですか?
ACE COOL:ACE COOLとしての奥行きを見せたくて、いままでの作品では出してこなかった部分を表現してみました。アーティストとしての自分を深く知ってもらうには、その人の背景や経緯を示すことが必要じゃないですか。でも、いまの自分を客観的に見たらボースティングでの強いイメージや、ただラップが上手い人みたいなイメージしかないような気がしてしまって。アルバムを通し、自分の根っこの部分を作品として見せることで、ラッパーとしてのACE COOLのイメージも変わってくると思います。
– “短編映画的コンセプトアルバム”として、制作で意識した点はありますか?
ACE COOL:人生の重要な分岐点や思い出、大事なエピソードを曲にしています。内向的な幼少期やヒップホップと出会った学生時代など、人生の場面場面を切り取りました。時系列順でストーリー仕立てにはなってますが、過去を描いた曲と現在を踏まえた曲を交互に並べています。
– 過去を時系列で振り返ることもあれば、あるときふと思い出すこともありますよね。『GUNJO』 は後者のような印象も受けましたが、今回は順番に楽曲を解説していただきたいと思います。
ACE COOL:1曲目『REAL』は、いわゆるラッパーのリアルとは違うリアル、都会にいる今の自分が思うリアルを歌っています。ACE COOLというひとりの人間のリアルを象徴したというか、なんの変哲もない日常を曲にすることで、そのままの等身大な姿を表現してみました。『夢や希望は歌わない 俺の事 俺の底辺 俺の人生 俺の生涯』とリリックにもあるように、このアルバムの空気感を伝えている曲でもあります。
– ストーリーの序章のような雰囲気が伝わってくる曲ですが、末尾の声ネタはなんですか?
ACE COOL:TOKYOTRILLにとってのリアルを言ってもらいました。内容はお母さんやおばあちゃんを大事にすることと、EBT(アメリカの生活保護カードの名称)に関してです。声は無線機で録りました。
– 2曲目『EYDAY』はシングルでもリリースされてましたが、まさに現在のACE COOLといった感じがします。
ACE COOL:実はこの曲をシングルにする予定はなかったんです。レコーディング時、シングルにしてもいいんじゃないかとマネージャーの大滝にアドバイスもらったので、先にシングルとしてリリースしてみました。アルバムが完成する前に作った曲なので、全体の雰囲気とはちょっと異なる部分はあるけれど、みんなが思うACE COOLが出ていますね。また、いままでは淡々とスキルを見せつけるような曲が多かったんですが、『EYDAY』ではリズムや踏み方を変えてみたり叫んだりと、ライブの熱量に近い雰囲気もあります。
– 同じ曲でもアルバムとして聴くと、シングルとは違った印象がありました。
ACE COOL:そこは意識しました。最後の曲『FUTURE』もシングルとしてリリースしたんですけど、これもアルバムを通して聴き方が変わったらいいなと思っています。 EP『Present Progressive』を出した後、一昨年の10月くらいにアルバムの制作を始めたときは、もっと攻撃的でかっこいいACE COOLだけの作品を作ろうと考えてたんですよ。だけど『FUTURE』を作っていくうちに、かっこいいだけじゃ自分を深く知ってもらえないと感じ、違う雰囲気の曲も作り始めました。そのときあった曲を生かしながら、別の面を映した曲をはめこんでできたのがこのアルバムです。
– 裏表のような二面性ではなく、サイコロの面のような様々な角度からのACE COOL像が表れている気がします。
ACE COOL:人間って人前で自分を強く見せてるというか、強い人でも家帰ったら落ち込んだりするじゃないですか。そういった誰しもが持ってる違う姿を作品で表現したかったんです。たとえば『EYDAY』では強いのに、『SOCCER』ではいきなり弱々しくなる。強い自分と弱い自分が交互に来るような曲順にして、自分の多面性が伝わるようにしました。
– 3曲目『RAKURAI』も、強くてライブで盛り上がりそうな曲ですよね。
ACE COOL:まさにライブのために作りました。前のEPに入れようと思ったんですけど、雰囲気に合わなかったので残してたので今回のアルバムに入れてみました。『EYDAY』の立ち位置と近いというか、アルバムのつかみ的なイメージの曲で、キャッチ―さとラップの純粋なかっこよさを重視しています。 初めて聴く人にとってはパーソナルすぎる内容のアルバムなので、さらっと聴き流されないために、ここでちゃんと掴んで引き込んでおきたくて。
– 最後のボイスメッセージでより引き込まれてしまったのですが、こちらは誰の声ですか?
ACE COOL:母の声です。ボイスメモで送ってもらったのですが、お願いしたときは驚かれました。お風呂場で何度も練習してくれたそうです(笑)。
– 素の姿が垣間見えた気がします。次の4曲目『SOCCER』ではより素の姿が伝わってきました。
ACE COOL:この曲が素の自分に一番近いかもしれません。内向的な幼少期、ヒップホップと出会う前の自分について歌っています。
– サッカーはいつ頃からやってたんですか?
ACE COOL:小学3年生から中学3年生までです。別にサッカーが大好きだったわけでもなくて、サッカー好きの家族のためにやってました。サッカーってチームワークがすごい大事なスポーツじゃないですか。でも自分はチームワークも苦手だし、サッカーもそこまで上手くないのもあって、自信が持てず内向的になってました。サッカーを通じて感じた周囲との差や、社会と溶け込めなかった自分の姿をこの曲で表現しています。
– ポジションはどこだったんですか?
ACE COOL:サイドバックでした。ディフェンスの後ろで両サイドを走り回るポジションで、長友選手とかが出てきてサイドバックが注目されるようにもなったんですが、それまでは華やかなポジションではなかったです。当時は頑張ってましたけど、あまりチームで目立ったりはしませんでした。
– 『RAKURAI』のボイスメッセージで、小さい頃は絵を描いていたとのことでしたが、当時はサッカーをやりながらも絵を描いてたんですか?
ACE COOL:サッカーやってないときは家で絵や漫画を描いてましたね。小学生の頃は、ろくでなしブルースやクローズ、ギャングキングが好きでした。学校でも流行ってたし、思春期の男の子ってああいう強いのに憧れる時期があると思うんですよ。でも普段の自分は弱くて自信もなかったから、漫画の中で主人公をめっちゃ強く描いて、憧れの姿を自分に重ね合わせてたんだと思います。
– 将来の夢についても問いかけている曲ですが、あの頃はどんな夢を抱いてましたか?
ACE COOL:特にこれといったなりたいものや将来の夢はなくて、ずっと漠然としてました。学校で将来の夢を聞かれたり進路を決めたりするけど、夢って他人から問いかけられて決めるものじゃないと思います。当時の自分はそれに気付いていなくて。なので、この曲では将来の夢について誰かから問いかけられ探すものではなく、ある日好きなものや打ち込んでいたものが自分の夢なんだと気づく、夢なんてそんなもんだということを歌っています。曲の終わり、コーラスが切れてから友達と遊びでラップしてる声を入れたんですけど、あれは『CADILLAC』にも登場するKICK THE CAN CREWのアルバム『VITALIZER』に入ってる曲なんですよ。ラップを好きになったきっかけのスキットをあえてここに入れて、ラッパーになりたいわけでもなく、ただ純粋に音楽が好きだった自分を経て『CADILLAC』に繋がっていく感じにしました。
– 曲の最後にスキットがあるというのもこのアルバムの特徴ですね。
ACE COOL:スキットのトラックを作りたくなかったというか、曲だけでいいと思ったので最後に少しだけ入れてます。曲聴いた後におまけみたいなのがあったら自分は嬉しいし、別物にしないでセットにすると曲やスキットの意図もより伝わりやすいかなと思って。
– 5曲目『BOTTOM』では一転、MuKuRoさん、Moment Joonさんの参加で一気に賑やかになりましたね。
ACE COOL:孤独で人と打ち解けられない曲の次に、ラッパーになってからの孤独を描くことで現在と過去をリンクさせてみました。『BOTTOM』は現在の曲の始まりでもあって、ここから上に上がっていくイメージの曲です。強い自分の姿もあるんですけど、いまのシーンで同じ立ち位置にいるラッパーのMoment JoonとMuKuRoをフィーチャリングに呼んでます。同い年で、まだまだ這い上がっていきたいマインドを持っている2人です。
– 同い年の2人とは日頃から仲良しなんですか?
ACE COOL:MuKuRoは地方のライブでよく会うくらいで、今回曲をやるのは初めてでした。Momentは自宅やスタジオに泊まりに来たり、普段から遊びで一緒に曲を作ったりしてたんで、流れでやってきたことがかたちになった感じです。自分は彼のファンだったので、ファーストアルバムを出すときは絶対入ってほしかったんです。『EYDAY』にもラップではなく合いの手で参加してもらったり、制作時のアドバイスをくれたりとMomentとは深く関わっています。アルバム『Passport & Garcons』の企画書を見せてもらったとき、自分も『GUNJO』の話をしたんです。したらMomentは、内容は違えど同じことをやろうとしてるラッパーが自分だけじゃなくて嬉しい、と言ってました。
– 6曲目『CADILLAC / FREE』もアルバムのキーである曲だと思います。
ACE COOL:自分の人生の中で重要だったエピソードを曲にしました。途中ビートが変わったあとは、ストーリーのあとがきみたいな、エピソードのその後の自分について歌っています。緩急のある2曲をひとつの作品にまとめて、大体バッドエンドになってしまう北野映画のようなストーリーを無意識に描いてました。
– ヒップホップに出会ったのも彼がきっかけなんですね。
ACE COOL:中学2年生で同じクラスになって、たまたま彼と音楽の話をしてたときにヒップホップを聴かせてくれたんです。今まで聴いてきた音楽と全然違う衝撃を受け、寝る前にCDの歌詞カードを見てラップを覚え始めたりと少しずつ自分が変わり始めました。当時、彼もヒップホップの話をする相手があまりいなかったらしく、そこから仲良くなっていきましたね。
– 彼とどんな音楽を聴いてましたか?
ACE COOL:中学のときはキングギドラの『公開処刑』や『平成維新』を覚えたらかっこいいんじゃないかと思って、2人でマイクを持ってカラオケで歌ったり、高校のときは彼がウェッサイのDJをし始めたので、クラブやイベントにも行くようになりました。まだ高校生だから行っても居場所がわからないし、当時のシーンには年上しかいなかったので少し怖かったのをお覚えています。
– 当時の広島のシーンについて教えてください。
ACE COOL:広島はとうかさんというお祭りが盛んなので、その日は暴走族が集まって走り出すみたいな治安の悪さがありましたね。それは別なんですけど、当時のシーンは上下関係がすごい厳しかったです。今のヒップホップシーンみたくカッコよければ上に行けるんじゃなくて、先輩に気に入られてたりチケットを捌けたりしないと上がれないし、MVを撮るのにすら許可がいるような感じでした。
– 『CADILLAC』の後半部分では彼との再会が描かれてますが、ちょうどその頃くらいの話でしょうか。
ACE COOL:自分がラップをし始めたくらいに偶然再会したんですけど、かつての彼の姿はありませんでした。一緒に遊んでた時は同い年の僕らからすると際立っておしゃれな友人だったんですけど、広島に戻ってきてからはずっと作業着を着ていて。再会時、もう変わってしまったと思い彼のキャデラックに乗ったら、昔DJしてたときのウェッサイの曲が車内でかかってたんですよ。見た目は違えどすべて変わってしまったわけではないと嬉しくなりました。いまだに彼がどこにいるかは不明なのですが、いまは東京にいるらしいという噂です。
– 東京にいたらまたどこかで会えるかもしれないし、もしかしたらこの曲を聴いているかもしれませんね。
ACE COOL:勝手に歌にするなとキレられるかもしれないですが、この曲を聴いて連絡が来たら嬉しいですね。彼がいなかったら自分はラップをしていなかったと思うので、そういう意味でもこれは重要な作品です。
ACE COOL – “GUNJO”
Now on listen
link : https://linkco.re/2M0nrX8a
= Tracklist =
1. REAL
2. EYDAY
3. RAKURAI
4. SOCCER
5. BOTTOM ft. MuKuRo, Moment Joon
6. CADILLAC / FREE
7. FAMOUS
8. AM 2:00
9. ABUNAI / I KNOW ft. Riou Tomiyama
10. 27
11. 東京
12. FUTURE
参加アーティスト
Riou Tomiyama (Jinmenusagi) 、Moment Joon、 MuKuRo、⽟名ラーメン(tamanaramen)
参加プロデューサー
Riou Tomiyama 、TOKYOTRILL、 DubbyMaple、NF Zessho、Atsu Otaki
Echill x ACE COOL Official Tee
link : https://echill.official.ec/items/28161021
48時間限定受注販売
期間 : 5/1(金)18:00~5/3(日)18:00まで
¥6,000+tax
(受注生産の為、発送は5月下旬~6月上旬となります。)
※利益の半分はアーティスト側に支払われます。
是非、着用して応援しましょう。
Cotton100%
サイズ:M.L.XL.XXL
御注文後のキャンセル、サイズ変更、同梱等は出来かねますのであらかじめご了承下さい。
category:FEATURE
tags:ACE COOL
2020/06/05
孤高の男、ここに生きる 先日、自身の半生を投影した”短編映画的コンセプトアルバム”『GUNJO』をリリースしたラッパー・ACE COOL。ファーストアルバムとなる本作では、内向的な幼少期やヒップホップに出会うまでの過去を遡りながら、孤高の存在としてシーンに君臨する現在の姿までが濃厚に描かれている。今回のインタビューでは、AVYSS GAZE vol.2にも出演したACE COOL本人より、『GUNJO』の収録曲について解説していく。収録曲『REAL』から『CADILLAC / FREE』までの想いやエピソードを紐解いた前編に続き、後編ではラッパーとしての葛藤が描かれた『FAMOUS』から、本作のラストを飾る『FUTURE』までの楽曲群を巡る話を訊いた。 Text by yukinoise – 7曲目『FAMOUS』あたりから、作品の舞台が徐々に現在へと近づいていった印象です。 ACE COOL:もっと外の広い世界に目を向けるようになったというか、活動していくにつれ、数字やシーンなど他者を意識せざるを得ない状況になっていきました。この曲では、シーンの中で有名になりたいという理想と、そうなるために現実で自分はどうしていくべきかという葛藤を描いているので、ネガティブな面も曝け出したリリックになっています。 – ネガティブな面を曝け出すことに抵抗はありませんでしたか? ACE COOL:さらにACE COOLの奥行きを見せたかったので、特に抵抗はありませんでした。GUNJOを作る上ではネガティブな面も出さないと他の面の深みが出ないような気がして。浅いところよりもどん底から這い上がったほうが感動的になると思い、人間としてダメな部分も見せてみました。そういった葛藤を抱えて迷いながらも、曲が終盤に近づくにつれ、〈作品を作り続けていく〉という答えに辿り着いていきます。 – その答えに辿り着いた理由を教えてください。 ACE COOL:一時的に消費されるだけでなく、聴いた人の心にずっと残るようなアーティストや作品が好きなので。自分がずっと聴いている作品だと、ラップを始めた頃にリリースされたKendrick Lamarの『good kid, m.A.A.d city』。このアルバムからラップや作品の重要性を学びました。 – 8曲目『AM2:00』ですが、この時間にはどんな意味や想いがありますか? ACE COOL:この曲は広島の工場でクレーンに乗っていた時期を題材にしていて、夜2時は当時の飯休憩の時間です。周りの人は自分がラップしていることを知っていたので、休憩所にテレビの深夜番組でヒップホップがかかると「ラップ流れてるぞ~」とよく声をかけられたりしたんですけど、当時流れていたラップってあんまりかっこいいと思えなくて。それを見て自分のほうが上手くできると思ったり、「こんなのヒップホップじゃないですよ」って返したりしてましたが、実際は今いる場所から抜け出せないまま。そういう想いを抱えながら、クレーンの中でひとりリリックを書いていた夜明け前の時間をタイトルにしてみました。 – そこから抜け出すきっかけが、AKLOさんのライブだったんですね。 ACE COOL:当時の活動に限界を感じていた自分の方向性を示してくれたきっかけが、広島で観たAKLOさんのライブだったんです。 AKLOさんは当時USで流行っていたミックステープを日本でやり始めた方で、フリーのミックステープで有名になったり、巧みなラップスキルで上がっていったりというスタイルは、上下関係が厳しいシーンにいた自分にとって衝撃的でした。広島でライブを観た際、ミックステープから地方でライブするほどまで上がっていった姿に惹かれると同時に、自分の方向性に近いものを感じたのを覚えています。 – 『SOCCER』『CADILLAC / FREE』に続き、コーラスで参加されている玉名ラーメンさんを起用したきっかけを教えてください。 ACE COOL:制作時に何曲かコーラスを入れたいと思っていたあたりに、ちょうど玉名さんとKATO MASSACERのコラボイベントにオファーをいただいて、彼女の曲をよく聴いていたんです。中でも『organ』を聴いて、アルバムに参加して欲しいと思い声を掛けました。 https://open.spotify.com/album/2C69uEWnWgyjilLEct6F8X – 9曲目『ABUNAI /I KNOW』では、トラックを手掛けたRiouTomiyama(Jinmenusagi)さんが客演に参加されてますね。 ACE COOL:〈ソウル行って食うトッポギ〉とリリックにあるように、以前Jinmenusagiとライブで韓国に行ったときの話を入れたり、普段から家でゲームしたりスタジオで曲を作ったりと彼とはよく遊んでいます。 – RiouTomiyama(Jinmenusagi)さんとどういうゲームをやるんですか? ACE COOL:格闘ゲームのUFCや大乱闘スマッシュブラザース。スマブラのキャラクターだと、自分はよくリュウやネスを使ってます。実はこの曲にネスの声も入っているんです。 – 作品に遊び要素も取り入れた一方、後半ではグッと雰囲気が変わりますね。 ACE COOL:これは『FAMOUS』の雰囲気に近い、強い自分と弱い自分がひとつになった曲です。ヒップホップのシーンにいると、 周りと比べて自分の立ち位置を考えてしまったり、ブレそうになったりすることがあります。それでも自問自答を繰り返して、やっぱり作品を作り続けて本物のラッパーになる、自分のありたい姿を見つけ出していく。そういったことを後半の『I KNOW』で歌っています。 – ACE COOLさんが思う本物のラッパー像を教えてください。 ACE COOL:Kendrick Lamar、J Cole。日本だとSEEDAさん、Moment Joonです。 – 10曲目『27』では上京後から27歳までの姿が描かれていますが、実際に上京してみてどうでしたか? ACE COOL:1.2バース目にあたる上京して4年くらいの期間は、ずっとライブをしたり知ってるラッパーが出るクラブに行ったりしてました。自分が思う日本のヒップホップシーンと、当時自分がいたシーンとの差に悩んでた頃で、インターネットで発表していたミックステープをCDに焼いて配ったり、出待ちで渡したりしてました。そのミックステープがKEN THE 390さんの手に渡って、DREAM BOYというレーベルに所属する流れになりました。 – その期間から27歳まではどのように過ごされてましたか? ACE COOL:まだそこまで世間に知られる前にアルバムを作っていたんですけど、いまは出すタイミングでないとボツになってしまったことがあったんです。その期間を無駄にしないためにも、『RAGE』や『鏡花水月』などMVを出して自分から行動するようにしたら、以前よりもリスナーが増えました。今回の制作に参加しているTOKYOTRILLと出会ったのもこの時期です。 – これまでの積み重ねの結果を実感したのが27歳という年齢だったんですね。 ACE COOL:ロックスターは27歳で亡くなることが多いですが、ノトーリアス・B.I.G.
2024/06/06
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2024/08/09
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