破滅的気候変動、自己実現、愛|Evita Manjiがデビューアルバム『Spandrel?』を発表

シングル「Body/Prison」リリース

 

 

進化生物学において、「スパンドレル」とは、生存のために開発されていない、一見すると何の目的も持っていない生物の特徴を指す。この言葉は、アーチの角にある三角形の空間を表す建築用語から取られたもので、対称性を与え、境界を画定する小さな美的要素である。Evita Manjiは、このデビューアルバムで不透明な問いを投げかけ、巨大な喪失に直面して、自分自身のどの要素が耐久力になるのか、どれが単なる装飾なのかを考える。現代のクラブミュージック、バロックポップ、そして実験的なサウンドデザインから生み出されたトラックは、Evita Manjiが世界全体と内面との関係を考察し、コントロールシステムを解体し、相互の繋がりを強調する手段となっている。

 

Evita Manjiはここ数年、シーンにおける幽玄な存在として、サウンドアーティストとクリエイティブディレクターの両方として、数多くのアーティストとコラボレーションしてきた。昨年は、自身のプラットフォーム〈MYXOXYM〉を立ち上げ、『Spandrel?』からの2枚のシングルをデビューさせ、Rainy Miller、Palmistry、Cecile Believeなどが参加したコンピレーションを組み、ギリシャの野生動物基金ANIMAへの寄付を集めた。Unsound、Lunchmeat、Rhizomなどのフェスティバルで世界各地でパフォーマンスを行い、2022年のShape+プラットフォームの代表にも選ばれている。これらの経験が『Spandrel?』に反映されており、地球規模の気候変動による破滅、自己実現、愛、身体的自律性のテーマのバランスを図りながら、複雑な芸術タペストリーを織りなしている。

 

そのボーカルはサイバネティックなメランコリアで、世界のリズムとハーモニーのテーマをフィルターにかけ、高度なサウンドに支えられたクラブ的ポップに仕上げられた。教会、もしくはダンスフロアを思い起こさせながら、それぞれの要素のパワーを犠牲にすることなく、死についての瞑想を表現する。「Oil/Too Much」では、闇が内側から外側へと押し出され、動物界から見た石油産業についての解説であると同時に、現代の鬱屈をネオン色で表現している。「Body/Prison」では、トランスに影響を受けた焼け付くようなシンセとグロテスクなパーカッションの上で、人生の最も暗い瞬間について正直に話し、深い感情を告白している。

 

『Spandrel?』は紐解くのに時間がかかるアルバムで、Evita Manjiのテーマはポップミュージックよりも古い歴史の中で共鳴している。悲劇的でロマンチック、そして詩的で、この時代の最も緊急な問題から目をそらすことを断固として拒否する。

 

 

Evita Manji – Spandrel?

Label : PAN

Release date : 30 January 2023

Pre-order : https://evitamanji.bandcamp.com/album/spandrel

Body/Prison : https://pan.lnk.to/Body_Prison

 

Tracklist

1. Spandrel?

2. Pitch Black

3. Oil/Too Much

4. Closer to Midnight

5. Body/Prison

6. Lies?

7. Eyes/Not Enough

8. The Lungs of a Burning Body

9. XYZ/Labyrinth

10. Black Hole

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