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SPEED, be pure ambitious!

シークレット野外レイヴ『PURE2000 by SPEED』レポート

 

 

2020年11月14日、都心郊外のとある工場地帯の一角にて開催されたシークレット野外レイヴ『PURE2000』。バンドシーン発のコレクティヴ・SPEEDが贈る一夜限りの楽園に集った若者たちは、思い思いに着飾った姿でありのままの飾らないハートを胸に夜明けまで踊り続けた。星輝く澄み切った空の下、ひんやりとした潮風が漂う大地に広がったピュアな狂宴を写真と共に振り返る。

 

Text by yukinoise

Photo by toshimura

 

 

ネオオルタナティブロック・パンクバンドのLUXY(ex. Us)とWaaterによるコレクティヴ集団・SPEED。”速さ”をキーワードに、2019年より定期イベントの開催やレーベル主宰などシーンの枠を飛び越えた活動でユースカルチャーをリードする彼らは今回、野外レイヴという新たなステージにアクセルを踏み込んだ。

 

 

今回出演したアーティストは、babyiqing / Cemetery / CHAOS / EUREKA / JACKSON kaki / JUBEE / Lil Soft Tennis / LUXY / Mari Sakura / MIRU SHINODA(yahyel) / Mt.Chori / Psychoheads / 玉名ラーメン / Ultrademon / Waater / ykah / yuzuhaの総勢17組。開催に際し公開された以下のステートメントにも綴られているように、多種多様なスタイルで成されたSPEEDならではの感性がうかがえるラインナップが出揃っている。

 

「これまでにもSPEEDで挑戦してきた、ジャンルの壁を超えた純粋たる音楽空間の構築を再解釈し、バンド、MCライブ、DJによる全方位的なハイブリッド・レイヴ・パーティーの実現を目指します。」

 

 

すっかり日が落ちた午後6時過ぎ、Usからの改名後初舞台となるバンド・LUXYの登場でPURE2000の幕が上がる。SPEEDの主宰でもあるフロントマンのKen Truthsが開幕を告げたオープニングアクトから、 Negative CloudのDJ、EUREKA、EP『Feather』を先日リリースしたばかりのシンガーソングライター・yuzuha へとバトンが渡され、芝生に覆われた広大なフロアにはたちまちSPEEDの再来に燃える非日常的な熱気が立ち込みはじめた。

 

 

 

 

同じくSPEEDからEP『Lost Everything』をリリースしたPsychoheadsが、ロックの粗削りな初期衝動を響かせる中、DJのCHAOSやMiru Shinodaが精彩に満ちたプレイを絡ませることでパーティーのボルテージはさらに上昇してゆく。細分化されたジャンルのサウンドがあちこちで鳴れども、音楽とはひとつの繋がりであるということを圧巻のライブで示したラッパー・JUBEEは、ボーダーレスな遊び場と化した音楽空間でもみくちゃに踊るオーディエンスを見て「遊び方を分かっている」とMCで語った。

 

 

 

 

 

その言葉に共鳴するかのように、サイケデリックなVJ活動で注目を浴びるMt.ChoriのトランシーなDJ後にはネオパンクバンドの革命児・Waaterが登場し、 音楽に魅せられた若者たちの衝動を突き動かすライブパフォーマンスを披露。ひっきりなしに渦巻くカラフルなモッシュは、アンダーグラウンドからユースカルチャーの最前線まで駆け抜けながら進化していったSPEEDの軌跡を辿る走馬灯のごとくきらめき、発足から1周年を迎えた彼らの集大成をまぶしく祝福した。

 

 

 

 

日付が変わったあとも熱狂はまだまだ続く。JACKSON KakiのDJではガバをふんだんに浴びたオーディエンスが歓声を上げ、続くLil Soft Tennisはバンドセットでめくるめく佇まいの印象的なステージを魅せた。その一方では新進気鋭のコレクティヴ・etherを運営するDJユニットのbabyiqing + sudden starが次世代のエッジなサウンドで会場を激しく包み込み、玉名ラーメンのライブでは一転し真夜中の静寂とマッチした荘厳な雰囲気が漂う。終盤にはしっとりと聴き入るオーディエンスの真ん中に飛び出し“angelnumber”を熱唱、ライブアクトのラストを美しく飾る大胆なパフォーマンスでオーディエンスをふたたび沸かせた。

 

 

 

 

 

夜明けから朝方にかけてはUltrademon、Mari Sakurai、CEMETARYとレイヴさながらの精鋭たるDJ陣が登場。今年イチの強烈な印象を残したレイヴ・SLICKを彷彿させる現代的なハードなサウンドがオンパレードに飛び交う。その上空では太陽が少しずつ顔を出し、PURE2000が非日常ではなく日常の延長線に生まれたDIY的な居場所であることを参加者の記憶に刻みこませるかのように照らしていった。

 

 

 

 

 

開始から半日以上が経ち、日が燦々と輝きはじめパーティーもいよいよ終演に近づく。エンディングを務めたykahのDJでは、夢から覚めるのを惜しむかのようにじわじわとしたダブステップで独特のスローな踊りを見せる若者もちらほら。その姿を横目に、朝日を浴びながら疲れ果てて眠る仲間とのおしゃべりを楽しむ者、ゴミを拾い集め踊りながら帰路へと向かう者などと、それぞれのかたちで最後までパーティーを楽しんだ。

 

 

 

 

ロック、パンク、ヒップホップ、テクノ、ドラムンベース、トランス、ガバ…多種多様な音楽との出会いに満ち溢れていたPURE2000。様々なジャンルが交差する空間であったがそれらを分断するような壁は一切なく、たくさんの音と人々が交差しながらも混沌とはかけ離れた雑じり気のない熱狂がただひたすらに巻き起こっていた。音が生む内なる衝動に突き動かされ、ビートを刻みギターをかき鳴らし歌い、子供のように無邪気に踊ったあの一夜は音を素直に楽しむという音楽体験の本質へと回帰させられた気がする。

 

また、ジャンルや表現方法は違えどここにいる誰もに共通してある音楽への一途な愛、音楽が持つ可能性の追求に燃えるまっすぐな想いこそが、SPEEDの掲げる“速さ”の原動力であるとも実感させられた。シークレットレイヴ・PURE2000という大迫力のステージで、SPEEDの神髄をシーンに伝えた彼らはこの先も止まることなく疾走していくだろう。いつまでもどこまでも、果てしなくピュアな大志を抱いて。

 

 

 

 

 

 

〈SPEED Artists〉

 

LUXY

 

 

Waater

 

 

Psychoheads

 

 

yuzuha

 

 

 

VenusⅡ

2021.Feb.14 (Sun.)

At Forestlimit

¥2,000 

open/start: 18:00

 

Mt.Chori

Ultrademon

Waater 

 

VJ: Hana Watanabe

Shop: Ли лин ю Rusty

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