JS Aurelius|インタビュー

Nine Inch Nailsの新作のアートワークを手がけるデザイナー、Ascetic House共同ファウンダー、s.M.i.L.e.レジデント、Destruction Unitのギタリスト、そしてソロとして。

 

 

2015年にSacred Bonesからリリースされた「Negative Feedback Resistor」以来の新作が待たれているインディとサイケとノイズが混ざり合ったバンドDestruction Unitは、メンバーそれぞれのソロ活動も近年活発になってきている。特にドラマーAndrew Floresのテクノ/ハウス名義Jock Clubのここ数年のリリースラッシュ、そして今回の主人公、ギタリストのJS Aureliusは数々のプロジェクトを同時にこなし、シーンの枠を縦軸にも横軸にも切り開いて進んでいっている。彼は同じくDestruction UnitのメンバーNick NappaとともにMarshstepperとしてUKミニマル/インダストリアルテクノ名門Downwardsからレコードをリリースしたり、自身も共同ファウンダーとして運営するレーベルAscetic HouseやHelmのAlterなどからソロ名義としてのリリースも重ねている。2017年には同年に発足したアンダーグラウンドにおいて今最も注目されているイベント/コレクティブs.M.i.L.e.のレジデントメンバーになり今までになかった横のシーンの繋がりを見せている。

さらに、ここ数年デザイナーとしてメインストリームから注目され始めており、グラミー賞もアカデミー賞も受賞経験のある大御所Trent ReznorことNine Inch Nailsの今年6月リリースの新作のアートワークをTravis Brothersと共に担当している。2年前にはJay Zが創設したストリートブランドRocawearが彼のデザインを盗用したのではないかというニュースが音楽メディアやSNS上で話題になったこともあったし、今も新たにメインストリームのデザインワークを行っているという噂もある。そんな多忙を極める中、6月にソロ名義としての初来日が決まったJS Aureliusにメールインタビューを行った。インタビューと共に彼のデザインも振り返っていきたい。

 

 

– あなたはミュージシャンとしてDestruction Unitのギタリスト、Nick NappaとのユニットMarshstepper、ソロ名義などでの活動、さらにレーベルAscetic Houseの共同ファウンダーとしての活動など、複数のプロジェクトを並行して行っています。それぞれどのようにスタートしたのでしょうか?

 

JS Aurelius (以下JSA)– 小さい時に音楽を始めたんだけど、すぐに幻滅してやめてしまった。18歳になって新たにPigeon Religionというバンドを友達何人かと始めた。アンチミュージックを目指していて、主にギターのフィードバックとドラムで構成されたノイズロックバンドだったんだ。当時はみんなに本当に嫌われていた。けど、今でも続いている友人関係のほとんどが、そのバンドの頃のものなんだ。Ascetic House、Marshstepper、それに自分のソロ。Pigeon Religionで築き上げた道を進んでいなければ、どれも存在してなかったはずだ。そうは言っても、子供の頃、アリゾナにはコアな音楽のコミュニティが存在していて、すごく盛り上がっていた。子供ながらに、ハードコアやグラインドコアのショーを見にいっていたよ。Graves At Seaや、Rotozaza、Warfair?と言った地元のバンドを見て、自分でも主にパンクやハードコアのバンドのショーをブッキングし始めた。その後すぐにノイズのシーンを発見して、次はノイズバンドとパンクバンドを一緒にブッキングしたんだ。当時同じようなことをしている人が数人いて、本当に素晴らしいショーや音楽につながる相互作用を生み出していたんだ。Destruction Unitは、僕がメンバーに加わるずっと前にRyanが始めていたんだけど、そう言った様々な音楽シーンが一緒になり始めた頃に僕たちは出会って、ジャムセッションするようになった。そして今、僕たちはこうして、基本的にはその頃とおんなじことをしているんだ。

 

 

– 音楽を制作するときは何を考えていますか?何かに影響されますか?

 

JSA – サウンドというのは、エネルギーが存在しているという表れの1つにすぎないんだ。そして音楽というのは、僕たちが音の配列を自覚しているというだけ。僕たちの心と体は共鳴する分子から成り立っていて、だから単に、目に見える形での音が表れているにすぎない。このことを念頭において、サウンドを積極的に追求することを決めたんだ。捉えにくい微細なものから分かりやすいものまで、サウンドが変化をもたらす可能性を僕は理解している。僕たちのDNAそのものが、チューニングしたり、拡張できるんだ。このことを自覚していると、音楽を爆発させることができる。

 

 

– あなたが参加している新しいコレクティブs.M.i.L.e.について詳しく聞かせてください。どのような経緯で参加することになったのですか?とても興味深いメンバーが揃っているように見えます。新しいシーンが作られているのでしょうか?

 

JSAs.M.i.L.e. は、x/o、Baby Blue、Jade Statues、Sebastian Ruslanが2017年5月に結成した。この4人は長年にわたって、最高のショーをブッキングし、演奏してきた。 s.M.i.L.e. を始めてすぐに、彼らは私にメンバーに加わりたいか尋ねてきたんだ。バンクーバーで彼らがやってきたことに対してすごくリスペクトしていたから、イエスというしかなかった。魔法のような出来事だったよ。s.M.i.L.e.や NuZiSacred Sound Clubがバンクーバーで育もうとしているコミュニティは生き生きとしてるし力強い。これからが本当に楽しみだよ。

 

– あなたのアートワークはシーンに良い影響を与えていると思います。どうやってインスピレーション得ていますか?

 

JSA – ビジュアルアートの無限の限界を探ることだね。

 

 

– Nine Inch Nailsの新作「Bad Witch」のアートワークを担当していますが、なぜその仕事をすることになったのですか?

 

JSA – そんなに立派な裏話はないんだ。友人の1人で、優れたアーティストでクリエイティブディレクターのHassan RahimがプロジェクトでTrentと働いていたんだ。そして僕とTravisに協力したいか聞いてきた。もちろん断れないプロジェクトだよ。Nine Inch NailsやHassan Rahim、Travis Brothersのような偉大な人たちとコラボレーションなんて滅多にできるものじゃないからね。

 

 

– 初来日が目前ですが、何か楽しみにしていることはありますか?

 

JSA – その質問にどこから答えていいかわからないよ。色々見たり、体験したりしたいと思っているよ。日本のアート、音楽、文化が僕のアーティストとしての成長にどれだけ影響を与えたかは伝えきれない。DiscloseのKawakamiの墓にお参りするのを楽しみにしている。10年以上もずっとしたいと思っていたんだ。あとToshiji Mikawaとの共演も楽しみにしている。彼の仕事には畏敬の念を抱き続けているんだ。同じように、日本でともに演奏するすべての人についてワクワクしている。同じステージに立てることを光栄に思うし、謙虚な気持ちも持っているよ。大阪の Punk And Destroyのお店についに行けるのも楽しみだ。本当にキリがないよ。

 

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