
2026/03/10
PANより

RHRのEP『GÍRIA』というタイトルは言葉以上の意味を持つ。それは、身体、歴史、そして本来その中に収まりきるはずのなかった音によって、言語そのものが歪み、変形していく様を指している。アフリカ系、先住民、クィア、ストリート、祖先的文化――そうした複数の言語や文化が擦れ合う場所から生まれた「GÍRIA」(ブラジル・ポルトガル語で“スラング”)とは、人々が自らをこの世界に翻訳し、存在させるための方法。
GÍRIAは、言語を転覆させる手段でもある。意味を隠し、読み取れる者同士のあいだで共有されるコードを作り出すこと。コミュニティと経験から生まれた暗号のようなものであり、集合的な知識によってのみ読み解かれる記号の体系でもある。GÍRIAで語るということは、意味に対する主導権を取り戻し、言葉を別のリズムで踊らせることを意味する。それはループし、変異し、そしてどこか同じ姿を保ったまま再び戻ってくる。カポエイラの輪や、スピリチュアルな「ジラ(gira)」のように、それは集団的な運動となる。
「この名前を選んだのは、GÍRIAが本質的に“意味を生み出すこと”に関わっているからです。言葉を作り替え、新しい意味を与えること。それは、私たちが人生の中で意味を探し求め、象徴や何度も立ち返る経験の中に意味を見出そうとすることと同じなのです」 – RHR
さらにGÍRIAという言葉は、ブラジル・ポルトガル語の「girar(回転する)」という言葉とも響き合う。作品全体のコンセプトは「運動」にある。円環的な動き、螺旋状のエネルギー、そして同じ地点へと戻りながらも変化していくという感覚。
「私の音楽は、カポエイラやブラジルの打楽器文化から常に影響を受けています。そこには身体的でリズミカルな回転、絶え間ない流れの感覚があるのです。」- RHR
このアイデアは、CAVALO-CAVALOによって制作されたビジュアル・アイデンティティにも拡張されている。アートワークカバーのためにアーティストのWaldomiro Mugreliseと共に制作された象徴的なアルファベットは、秘密の言語のように機能し、解読されて初めて理解されるもの。そこから「マンダラ」と「時間の螺旋」という概念が中心となり、反復と変容が視覚的素材へと翻訳されている。
マンダラの内部に配置されたそれぞれのシンボルは、文字であると同時に動く身体でもある。カポエイラのプレイヤーたちの特徴的な動きをもとに構成された、ジェスチャーのアルファベットなのだ。これらの「corpos-letras(身体=文字)」は、音楽を駆動させるロジックと同じものを体現している。回転する身体、変化する言語、リズムの中に折り重なる記憶。完成したマンダラは、ベルリンバウ(berimbau)の伝統的なコイン「dobrões」の制作を専門とするカポエイラ・アーティスト、Jefferson Dobrõesによって金属に刻印され、その後撮影されてジャケット・ビジュアルとして仕上げられた。
前作EP『En-Giro』のリリースに続く形で、『GÍRIA』は自然な流れで生まれた作品と言える。
「すべてのものは、何かの周りを回っている。人、サイクル、状況、リズム。そしてGÍRIAとはまさにそれなんです。動きについて、そして物事に名前を与え、意味を与える私たちの力についてのEP。世界を生み出す言葉であり、進む道を作り替える回転なのです。」
「私たちが生み出すすべてのものは、他者だけでなく自分自身にも何かを語りかけていると思います。内側を見つめることは、とても力強い行為です。それは進化の過程の一部であり、存在するとはどういうことか、ここに立ち続け、学び続けるとはどういうことかを理解していくプロセスです。私の作品が誰かに何らかの反応を引き起こすなら――どんな反応であれ――それはすでに私にとって成長です。何かが触れられ、見過ごされなかったということだからです。今の私の作品を定義しているのは、リズム、テクスチャー、そして音響的な哲学を融合させる方法です。私は世界中の音に対して好奇心を持ち、多くの地域のサウンドを探求しますが、常に敬意と自覚を持って向き合っています。グローバルサウス出身のアーティストとして、そしてブラジルの黒人として、文化的盗用がさまざまな形で起こりうることも理解しています。だからこそ、自分のものではない文化の“代表アーティスト”として振る舞うことはありません。私は、耳を傾け、学び、自分自身の視点を通して翻訳する者として立ち位置を定めています。そして技術的な面では、強烈なサウンドデザインに強く惹かれています。アグレッシブなミックス、力強いエンジニアリング、そしてその音色の中に土地の感覚を宿すテクスチャー。楽曲の中に場所が立ち現れる瞬間、音楽がその生々しさや衝撃、そして音色に刻まれた歴史によってあなたをどこかへ運んでいく――そんな瞬間が大好きなのです。」 – RHR

RHR – GÍRIA
Label : PAN
Release date : March 6, 2026
Tracklist
1. RHR feat. Logan_olm – CICLONADA
2. RHR feat. BIGMAMMAZUKI – INNA COMBINATION
3. PULSAÇÃO
4. SÓ ENVOLVIDO
5. RHR & Skrillex feat. Me Jesmay, Lucas Swatch – SYRINX
category:NEWS
tags:RHR
2022/11/07
11/9来日し、韓国アクトショーケースに出演 LIM KIMがニューシングル「VEIL」をリリース。 また、11月9日に渋谷・Spotify O-EAST で開催される「KOREA SPOTLIGHT@JAPAN」の出演の為に来日し、パフォーマンスを披露する。 LIM KIMの表現力と存在感を持ち合わせ、その魅力を放った本作、 タイトルと歌詞に含まれたVEILは2種類の意味を持っているとのこと。1つはVEILのように刃が鋭くなった緊張感、そしてもう一つはさらに確かに姿を見ることができるようにVEILを脱ぐという意味。プロダクションにはHongsamman、 Will Not Fear、202Laurent、Suminが作曲に参加。作詞にはYeorum Moon、Hanbit Jangが参加し、曲の完成度を高めた。 https://www.youtube.com/watch?v=3xJOrztPDFw LIM KIM – VEIL Release date : 7 November 2022
2019/11/07
Aldaより アイスランド・レイキャビクを拠点にするラッパー / ビジュアルアーティストのCountess Malaiseが8曲入りのデビューEP『HYSTERÍA』を〈Alda〉よりリリース。 アイスランドのアンダーグラウンドシーンにおいて2015年頃から作品を発表し始めたCountess Malaiseのダークかつゴシックな作風はヨーロッパ圏内のオルタナティブ / クィアな会場に歓迎されている。2018年は「Sónar Reykjavík」にも出演するなど活動の幅はさらに拡大しており、今回待望のデビューEPのリリースとなった。Lord Pusswhipが多くの曲を手がけており、ゲストプロデューサーとしてZgjim Elshani、PSYCHOPLASMICS、さらに今年9月に〈Natural Sciences〉からアルバム『Home Invasion Anthems』をリリースしたMutant Joeもプロデュースで参加。Sega Bodega、coucou chloe、Shygirlらが所属するレーベル〈NUXXE〉のプレイリスト「NUXXE SELECTS」にも収録されるなど今後さらに注目のアーティスト。 『HYSTERÍA』のリンクはこちら。
2025/01/22
二面性がテーマの3rdアルバムより リヴァプール拠点のバンドCourtingが3月にリリースする3rdアルバム 『Lust for Life, Or: ‘How To Thread The Needle And Come Out The Other Side To Tell The Story’』より、先行シングル「After You」をリリース。Charlie Barclay Harrisが監督を務めたモノクロMVを公開。 前回の先行シングル「Pause At You」はダンスパンクの影響を感じさせるものだったが、「After You」では、よりダークで重層的で、アルバムの別の側面を示している。 「”AfterYou” はアルバムのために最初に書いた曲です。これは直接的な曲作りの練習で、とてもストレートなものを作ろうとした。ギターの壁とドラムが催眠術のように感じられるようにしたかったんです。このアルバムの多くは、二面性というアイデアについてで、歌詞はストーカーみたいな声にも、ロマンチックな声にも聞こえる。全てはあなた次第です。」 Courting – Lust for Life, Or: ‘How To Thread The Needle And Come Out The Other Side To Tell The Story’ Release date : March 14 2025 Pre-order / Stream :
5月23日 MORI.MICHI.DISCO.STAGE (遊園地エリア)
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