電子音楽カルトヒーロー初来日|ChushiとJames Matthewを迎え特別版memoir開催

4/20 桜台pool

 

 

 

memoirは桜台の名ヴェニュー「pool」を舞台とした特別な一夜を提案します。2025年4月20日(日)17:30開場、22:00終演となります。

 

アンダーグラウンド文化への愛を貫き通しながら2019年に惜しまれつつ停止した米メディア「Tiny Mix Tapes」が示した世界、Bandcamp〜SoundCloud等のWebインフラが拡充したことで数多の宅録音楽家にとって新たな地平が切り開かれ爆発した創造性、つまり雑誌的価値観とオンラインの美学がクロスオーバーした時代=2010年代における、電子音楽カルト・ヒーロー2組の待望の初来日を用意しました。

 

本会の主役となるのはロシアから招聘するChushi、アメリカから招聘するJames Matthewの2人。彼らのことを知らない人も多いと思うので説明します。

 

Chushiはロシア出身の音楽家で、2010年代初期にBandcampの台頭と同期する時流のなかキャリアを開始しました。アンビエント、ドローン、エレクトロ・アコースティック、ミニマル・ウェイヴ、テクノ、そしてインストゥルメンタル・ヒップホップ……それらが複雑に織りなす座標上で滑らかに点描する音楽性が彼の特徴です。またロシアらしく、ヒップホップ本流であるUSからの距離感と似る形でジャンルに対しての希薄な帰属意識を示しつつ、自由な発想と独特な配置のサンプリングで「電子音楽的アプローチのヒップホップ」をモダンに更新し、より深い位置へと沈める作業をした人物のひとりと言えるでしょう。

 

数多くの作品を残している彼ですが、当時/fと名乗っていた”デジタル・シャーマン”であり美術家のLyla Perryがファウンダーとなり、Bug Bus Piano、Brrd、emamouse、Madegg(現Kazumichi Komatsu)ほか、別名義を包含すると誰が誰なのかも見当がつかないくらいに夥しい量のリリースを重ね、デジタル空間を侵食していた〈Psalmus diuersae〉から発表したアルバム『1-34』『raw』『Return III』などが主な活動歴として挙げられます。

 

宅録音楽家にとって革命的存在であったBandcampのブーストにより急速的にコア化した2010年代のアンダーグラウンド・シーンにおいて、Lyla Perryのキュレーションやそこに付随する作品群は象徴的事象であり、その中心人物でもあったChushiの掴みきれないサウンドは後進となるDos Monosの没 AkA NGSなどに深く影響を与えることとなります。

 

また2020年代以降は音楽作品のリリース頻度も緩やかとなっていましたが、reisenのメンバーである東京在住のuxyagkcolbgofとの共作アルバム『A-lie-O』を今年発表するなど、次世代へとそのサウンドが受け継がれています。

 

 

James MatthewはLA出身の音楽家で、Chushiと同じく2010年代初期にキャリアを開始しました。生粋のビートメイカーと言える彼はサウンドの位置が抽象的であるChushiとは異なり、インストゥルメンタル・ヒップホップのモダニズムを地下から開拓してきた人物と言えます。

 

盟友aaronmaxwellとのユニットFamily Event結成のほか、彼らがファウンダーを務める〈El Sereno Records〉ではdpee、RITCHRD、NIPPLE TAPES、ILLSUGIとのスプリット作品などでも知られるyagiの作品リリースを手掛けるなど、LAローカルを基点にバラエティ豊かなビートを発信してきました。トラップの隆盛に伴い時代遅れのアートとされつつあったSP-404ベースなサンプリング・ビートを、Chushiらと近接する形で電子音楽領域に持ち込み再解釈したことが彼の大きな功績でしょう。

 

現在はJames Rene名義でZoe Ghertner、Nadine Ijewere、Brianna Capozzi、Zora Sicherなど数多くの著名フォトグラファーとコラボレーションする有力なセットデザイナーとして活躍しており、Dazed、i-D、Britich Vogueなどで彼のセットが披露されています(上述の没 AkA NGSはJames Matthewのことが好き過ぎて渡米した過去あり。そこでSP-404のレクチャーを受けたとか)。

 

 

国内勢はChushiやJames Matthewを以前よりフェイバリットに挙げる人物で固めました。レーベルメイトでもあり、クラブとギャラリーを行き来する作家Kazumichi Komatsu、文学や映画から影響を受けた音楽を制作し、EUツアーを経て成熟味を増すMetoronori、今回のブッキングを最も情熱的に取り組んでくれた彼らのNo.1ヘッズKenshi、2014年にChushiとJames Matthew両名を収録したコンピレーション・アルバム『Meili Xueshan』を編纂した私Kenji (ユニットpopoでも活動するtirucoとのセッション)という座組です。

 

非常に狭い世界かもしれませんが、深大なインスピレーションを与えてくれた彼らに会えることを私達は非常に楽しみにしています。本会は我々memoir、Kazumichi Komatsu、Metoronoriら同世代の音楽家にとって10年の時間における一つの結実であり、二度とは再現出来ない夜になることでしょう。我々にとってはもちろんのこと、彼らを初めて知る人たちにとっても、忘れられない時間にしたい!春の訪れと共に奏でられる音楽にぜひ耳を傾けに来てください、待っています!

 

(Text by Kenji)

 

 

𝙢𝙚𝙢𝙤𝙞𝙧: 𝙘𝙝𝙪𝙨𝙝𝙞 & 𝙟𝙖𝙢𝙚𝙨 𝙢𝙖𝙩𝙩𝙝𝙚𝙬

2025 April 20th (Sun) 17:30 – 22:00

at POOL Sakuradai

(Silver building B2F, Sakuradai 1-7-7, Nerima-ku)

DOOR: ¥2,500 + 1drink (¥500)

 

・Chushi 🇷🇺

・James Matthew 🇺🇸

・Kazumichi Komatsu

・Metoronori

・Kenji with tiruco

・Kenshi

flyer: Chushi

 

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