零度poolが3rd EP『Pale Pagan』をリリース

本当の孤独が作り出す音は、いつだって誰かを呼ぶためのもの

 

 

多数の文学賞の受賞歴を持つ歌人/詩人でネオンネウロン/放電加工少女など複数の名義で旺盛な活動を続ける木田昨年と、ゴシック/耽美的人形作家であるeerie-eeryの別名義ljÅによる無政府状態ポストシューゲイザー・ユニット零度poolが、自主レーベルである〈Lade Pool Records〉から、通算3作目のEP『Pale Pagan』をリリース。

 

『Pale Pagan』は、無政府状態ポスト・シューゲイザーという零度poolのコンセプトに沿った、零度poolのアイコンでもあるレイドちゃん、彼女の『家出』をナラティブとして据え置きながら、人が誰しも抱える「拭えない孤独感」について描き出した作品である。「本当の孤独から発される声や音は、いつだって誰かを呼ぶためにあるものだと僕は思います」と木田昨年が述べるように。

 

─作品コンセプト─

 

今作もまた、レイドちゃんの物語を中核に据えた音楽になります。

レイドちゃんは家出します。

彼女は何故家出をしたのか、退屈なのか、倦怠なのか、問題から遠ざかっているのか、遠くへ行きたいのか、知らない土地を見てみたいのか、その遠さは、何を意味しているのだろうか。

もしくは、あらかじめ決められた出生への、環境や、彼女の名前に付いての必然性、子どもだけに科せられる、運命に似ているが運命ではない、重りのようなものから、遠く逃れる軽やかな逃避行なのでしょうか。

軽やかさ、

それはまさに木田昨年とljÅの音楽、零度poolに遍在するもので、

遠さ、

遠くへ行きたいこと、それもまたそうで、(ポスト)シューゲイズでもあるでしょう。

この作品を、レイドちゃんの逃亡劇の音楽を、是非お聴き下さい。

 

─レーベルによるコメント─

 

呼ぶ声がする、何処かで。

ひかりのような、くぐもった美しい呻きのような、囁き声の私性の、響きとナラティヴを持った、優しく感情が溢れる、大きな叫びのような、小さく綺麗な声が。

知らない土地を夢見ながら歩くような、揺れ動きつつあいまいに想念がゆれることに似たアンビエンス、リズム、そこに浮かぶしずかな、だが昏い想念。

家出というのはある意味で、逃走劇である。痛みから、環境から、沈む日常から。

そして、他の何から?

恐らく自分の生年や、生まれてそこにいること、そこが既に決定されていることの変えられないことから。自分を抱えて自分が決定せずに決定されたことから、決定されたものの美的感覚との不和から。

そして、ひとは自らの名のように、そのようなものを愛し、戸惑い、触れ、それらからすこし離れたり、完全に逃げてしまうことが家出の本質だろう。

また帰るかもしれず、もう帰らないかもしれない。

その戸惑い愛しつつ、触れながら優しく撫で、離れながら想うような、家出という事象。

そして、レイドちゃんのパーソナルな響きと、語り掛ける木田昨年、歌うljÅ

この音楽はレイドちゃんの家出についての劇であり、音楽である。

であるから、木田昨年と ljÅの「私」の姿から発露するものがある。

彼女、彼は何から逃げたかったのだろうか。

そして彼女、彼が今いるところは、綺麗な土地で、音楽と言葉に溢れたところであるが、彼女、彼らはどこから来たのか、そして、運命的な非決定の出生の、自分のままで居る為の物語はどのような終りを辿るのか。

この音楽を、無政府状態的な、レイドちゃんの家出についての新しい音楽を是非お聴き下さい。

 

 

零度pool-  Pale Pagan

Label : Lade Pool Records

Release date : March 24 2025

https://ladepool0.bandcamp.com/album/pale-pagan

https://linkco.re/2rbD8dh8

 

Tracklist

1.Parasite city

2.Parasol skirt

3.Pale Pagan

4.Paranoid orgel

5.PC tells you to die.

 

music,lyric / 木田昨年

vocal / lj∮Å,木田昨年

artwork / lj∮Å

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