監視資本主義とコメディアン|Marie Davidsonがアルバム『City Of Clowns』を発表

Soulwax共同プロデュース

 

 

フランス系カナダ人プロデューサーのMarie Davidsonがアルバム『City of Clowns』をDEEWEE / Because Musicより2月28日にリリースする。Soulwaxと、彼女のパートナーのPierre Guerineau (Essaie pas, L’Œil Nu, Feu St-Antoine)による共同プロデュース。Soulwaxのレーベル〈DEEWEE〉よりCDとレコードも発売。

 

6作目のスタジオアルバム『City of Clowns』は、クラブへの回帰を意味する。2018年リリースのアルバム『Working Class Woman』のテクノ的なサウンドと辛辣なスポークンワードがところどころで復活しているが、2020年リリースの「Renegade Breakdown」のポップな構成とメロディックなセンスも残っている。Marie Davidson自身の基準からしても「奇妙な」音のブレンド。

 

「パンデミック以前に私がやっていたことに間違いなくリンクしているけれど、少し進化している」と彼女は語る。このアルバムのサウンドと精神はMarie Davidsonに新たな敵対者が現れたことによっても形作られている。彼女の自意識を狙っているのはクラブ・カルチャーではなくビッグ・テック。

 

2022年の夏、Marie DavidsonはShoshana Zuboff著書『監視資本主義』に夢中になった。彼女にとってこの本は憂慮すべきものであると同時に、インスピレーションの大きな源となった。『City of Clowns』では、曲名や歌詞の引用、クリエイティブな選択を通して、この本のテーマを示唆している。

 

「(私がこの本を読んでから)時間が経つにつれ、人々はこの問題がいかに深いものであるかを認識するようになった。それは文字通り、私たちの種を変えようとしているのです。」

 

2021年初頭から2024年夏にかけて制作された『City of Clowns』は、ソロ・プロジェクトとしてスタートし、共同プロデューサーのGuerineauやSoulwaxと組むことで徐々に拡大していった。彼らは、より広範な影響力を結集させ、Marie Davidsonの生来のスタイルを、人を丸ごと飲み込んでしまうような巨大なものへと作り上げた。

 

また、2022年にDJを始め、それが『City of Clowns』の推進力に影響を与えた。「人々を踊らせることができるか?」という観点からトラックについて考えるようになった。

 

デジタル・ライフと監視資本主義の暗い影は、スタンドアップ・コメディの影響によっても相殺されている。ユーモアは常にMarie Davidsonの音楽に強い力を与えてきたが、2023年、彼女はBill Hicks、Wanda Sykes、George Carlinといったコメディアンに夢中になった。DJの役割を、エンターテイナーでありペルソナであるという似たような線から考えてみると、彼女はピエロのイメージを使って社会の「不適合者」を表現している。

 

彼女が惹かれたスタンダップ・コメディアンのように、『City of Clowns』は、噛みつき、冗談を言い合う。アーティストとして、女性として、そしてエンターテイナーとして、世界における自分の位置をナビゲートするツールとして作品を使い続ける。ハイ・コンセプトであると同時にオープン・ハートでもある彼女は、エレクトロニック・ミュージックの境界線を押し広げ、現代における最も緊急な問いを消化している。

 

 

Marie Davidson – City Of Clowns

Label : DEEWEE / Because Music

Release date : 28th Feb 2025

Pre-order : https://mariedavidson.lnk.to/cityofclowns

 

Tracklist

1. Validations Weight

2. Demolition

3. Sexy Clown

4. Push Me Fuckhead

5. Fun Times

6. Statistical Modelling

7. Y.A.A.M.

8. Contrarian

9. Unknowing

10. Y.A.A.M. (Soulwax Version)

category:NEWS

tags:

RELATED

FEATURE