2024/11/05
未発表音源収録
日本最初期ハードコア・テクノ・コレクティブ〈KAK-A Recordings〉の作品が未発表音源を加えて再発。以下、リリース元の〈MURDER CHANNEL〉より。
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1970~80sに築かれた旧来のメインストリームに対するオルタネイティヴで自由なアンダーグラウンド・ミュージックのカッティングエッジとして“テクノ”の3文字が数多のメディアを飾ったミッド90s。ソ〇テクの隆盛に象徴されるその“シーン”を、マキシマムに攻撃的かつ実験的なサウンドと洗練された逆張りスピリットを以ってシニカルに断罪した猛者たちがいた。彼らが根城にした異形レーベル「KAK-A Recordings」の傑作群が今、未発表音源と共に蘇る。
某レコード・ショップが東京・渋谷の聖地・宇田川町にかつて構えたテクノ店の片隅。“Gabba / Hardcore”の仕切り板は申し訳なさげに奥行30cmほどのコーナーを設け、Rotterdam Records、Mokum Recordsをはじめ、Drop Bass Network、Industrial Strength Records、Shockwave Recordingsなどのヴァイナルが詰め込まれていた。つまりテクノという“オルタネイティヴ・ミュージック”のサブジャンル内においてもガバ / ハードコア・テクノはオルタネイティヴなフィールドであったわけだが、そこへ現れたホワイトレーベルと見紛う謎のレコードは、さらに異質の存在感を放っていた。スタイリッシュなのか、小学生の落書きレベルなのかを判別し難い怪しさ満点のロゴ、ダイレクトに原子爆弾を想起させる「1995 GEN PRODUCTION PIKA DON-GROUP」の文字列には、前情報がなければただただギョッとするであろう。それが、関西のOUT OF KEYと双璧を成す関東ハードコア・テクノのパイオニア・HAMMER BROS(DJ Big The Budo + Tatsujin Bomb + Tokyuhead)が創始したレーベル「KAK-A Recordings」だ。
グレイスケールのヴィジュアル、ゼロックス・メイドの手書きジン『裏口入学 ’83』の刊行に代表される表現形態や、アーティスト単位でのグローバルな交流などはハードコア・パンクやオールドスクールなノイズ / インダストリアルのそれを想起させるものだが、どギツい風刺の効いたアティテュードは70sパンクに近似する。日本特有のアニメ、ドラマなどをサンプリングするスタイルは、今でこそひとつの“文化”として受容される洗練を遂げているが、リアルタイムで「広域重要事件117号」に触れた世代にとってはカウンターでしかなかったのだ。オランダのレイヴ・カルチャーに端を発するガバ / ハードコア・テクノをベーシックとしながらも、かつてのジャパノイズに通ずる露悪的なムードを纏う音楽面にもその感覚が見て取れる。記号的に判断するのであれば、ノイズ / インダストリアルの要素が色濃い近年のエクスペリメンタル・ダンス・ミュージックとの接続も容易であるということだ。
HAMMER BROSやその別名義である10 YARD FIGHT、KAK-A SHADOW AUGUSTAをはじめ、メンバー・DJ Lib(Tokyuhead)& MC Shit B(DJ Big The Budo)、OilHead(Tatsujin Bomb)の楽曲を収める本作は、当時のスタイルそのままにカセットテープでリリースされる。ハードコア・パンクやノイズ、はたまたミックステープの世界では一般的なそのフォーマットが、当時も、そして今現在も面倒臭い物体であり、故に環境も包括した多くの情報量を含んでいるという点も込みで楽しんでいただきたい。
V.A. – KAK-A Rec. Rave Classics vol.1 The Phuture
Label : MURDER CHANNEL
Format : Cassette Tape(DLコード付)
https://mxcxshop.cart.fc2.com/
Tracklist
Side A
01. KAK-A SHADOW AUGUSTA – Da fat with no hat
02. KAK-A SHADOW AUGUSTA – Haus of GPYS
03. KAK-A SHADOW AUGUSTA – 1234 all the ladies on the floor
04. KAK-A SHADOW AUGUSTA – release Yo’ DELF (Yo ARENA,U SAY Ho!)
05. OIL HEAD – RAVE IN HIROSHIMA (TOUR 1989)
06. OIL HEAD – PAUL THE POWER
07. 10 Yard Fight – Nokori 6 Yard
08. Johnny Key – We Are Here
Side B
01. DJ Lib & MC Shit B – Somethin 4 Ya Mind
02. DJ Lib & MC Shit B – Bataan Death March
03. DJ Lib & MC Shit B – Its Tight Like That(TRU-LIVE)
04. DJ Lib & MC Shit B – Most Famous MF(Jump)
05. DJ Lib & MC Shit B – South Side
06. HAMMER BROS – Calling Enola Gay “Jump A Little Higher”(Remixed By Mike Coldrave)
07. HAMMER BROS – Let It Be Harder
All Tracks built and tested by KAK-A Wolves
Recorded at KAK-A Underground Lab(WASHINO)
Made in K-Town
Design by GraphersRock
Mastering by ENA
Executive Producer – Yuta Umegatani (Murder Channel)
category:NEWS
2023/09/15
9/16 新宿SPACE ハードテクノ、ハードコアをプレイする女性DJたちにフォーカスしたイベント〈MEDUSA〉が9月16日(土)23時より新宿SPACEにて開催。 高BPMと激しいサウンドが特徴のハードテクノ・ハードコアや、スピード感溢れるドラムンベースを武器に都内を中心に支持を集める6名の女性のDJが参加。MIDI War、HALU、DJ EYELASH、M!nase、Wapico、mayumassがラインナップされている。 – MEDUSA #02 at SPACE SHINJUKU 〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目4−1 新宿Qフラットビル B1 START 23:00 END 5:00 charge 2000yen+1drink 出演 MIDI War HALU DJ EYELASH M!nase Wapico mayumass
2023/03/22
3/25 SPACE ハードテクノ、ハードコアをプレイする女性DJにフォーカスしたイベント「MEDUSA」が来る3月25日に新宿SPACEにて開催。クラブシーンで世界的な盛り上がりを見せる高BPMと激しいサウンドが特徴のハードテクノ・ハードコアを武器に都内を中心に支持を集める6名の女性DJたちが出演。 一言でハードサウンドとは言えども、より無機質で機械的なインダストリアル系や、アッパーで明るいハッピーハードコアの流れをくむスタイルなどサブジャンルも多種多様。今回のイベントでは4つ打ちのハードテクノ・ハードコアのなかでも幅広いスタイルが楽しめるラインナップとなっている。 出演DJは主催Kent Alexanderの呼びかけのもと集められた。ハードコアDJとして数々のクラブや野外パーティーに出演を重ねるMIDI War。ハードテクノパーティー&レーベル〈VIXLATIXN〉を主宰し、昨年はフジロックフェスティバルにも出演を果たしたEVE。〈VIXLATIXN〉を共同でオーガナイズしDJとしても東京アンダーグラウンドシーンで精力的に活動するImeru。オランダのハードコアレーベルThe Third MovementからのEPリリースやハードコアの本場ヨーロッパでのDJ出演経験も多数あるプロデューサー/DJのMiyuki Omura。ポップさとハードさを併せ持ち幅広いシーンで活動するM!NASE。そして20年以上の歴史を持つハッピーハードコアサウンドと文化の伝道師Wapico。 – MEDUSA 2023.03.25 sat VENUE : SPACE START : 23:00 DOOR : 2000JPN+1D MIDI War EVE Miyuki Omura Imeru M!NASE Wapico
2021/11/02
ディストーション・無機質な機械音|インダストリアル編 今年7月にパブリブから出版された『ハードコア・テクノ・ガイドブック: オールドスクール編』の続編として、『ハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編』が11月10日発売。 ディストーション・無機質な機械音、技術力とセンスが必要とされ、近年はハード・テクノ/インダストリアル・テクノとの邂逅でファン層を拡大させ、進化し続けるハードコア・テクノのサブジャンル「インダストリアル・ハードコア」を軸に「クロスブリード/ハードコア・ドラムンベース」、「エクストリーム」、「ジャパニーズ・ハードコア」、「エクスペリメンタル・ハードコア」にフォーカスした一冊。 インダストリアル・ハードコアも深く関わる2000年代に登場したドラムンベースとハードコア・テクノの混合スタイル「クロスブリード/ハードコア・ドラムンベース」のチャプターでは、2000年代から2010年代に放たれた革新的な作品を148枚ピックアップし、ドイツ、イギリス、アメリカ、オランダのアンダーグラウンド・シーンで巻き起こっていた刺激的なドラムンベースとハードコア・テクノの融合を今また振り返る。 デス/ブラック・メタルを飲み込んだスピードコアやフラッシュコアといった超高速で展開する攻撃的なハードコア・テクノのサブジャンルにフォーカスした「エクストリーム・ハードコア・テクノ」、ハードコア・テクノの原点である実験精神に重きを置き挑戦を恐れずに固定化しない自身のスタイルを追い求めた「エクスペリメンタル・ハードコア」のチャプターも収録。 Masayoshi Iimori、GraphersRock、鶴岡龍(LUVRAW)、Hiro “BINGO” Watanabeが参加したチャート企画、さらに関係者達がそのリアルな体験を語った「ハードコア・テクノ/Rave ミュージックとドラッグ」と、国内のハードコア・シーンの発展に注目した「日本ハードコア史」もあり、『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』よりも更に深いところに切り込んでいく。 インタビュー/対談には以下のアーティストが参加: Ophidian Eye-D (The Outside Agency/Ghost in The Machine) [KRTM] Tripped DJIPE Kilbourne Somniac One Thrasher (PRSPCT Recordings) DJ Akira OZIGIRI DieTRAX & DJ Sharpnel & DJ Technorch DJ Myosuke & RedOgre Somatic Responses 版元ドットコムにて目次と前書きが公開中 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784908468544 Murder ChannelのWebショップ 「MxCx Online Store」 では特典を用意して11月8日頃から販売予定 http://mxcxshop.cart.fc2.com/
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