3拍子ポップスフロンティア|佐藤あんこが1stアルバム『4から3へ』をリリース

「BLOOM」のMV公開

 

 

ポップミュージックの文脈で聴かされる3拍子というものは、往々にして4拍子というメインディシュの端に置かれた「付け合わせ」の野菜である。幼少からの食事習慣により、3拍子とは”バラード”であり、”ブルース”であり、”リラックス”であり、何よりも”ワルツ”であるという認識が植え付けられる。それは「決まり切った定番料理」であり、もっと味の濃い料理を望む人ほど「変拍子」というエスニックに手を伸ばす。よって3拍子の可能性を信じたり、その拡張性にかけてみようなどと考える者は、これまでも一部の変わり者*を除いて存在しなかった。

 

佐藤あんこが初の音源集となる本作で試みるのは、こうした3拍子に対する認識のアップデートであり、ゲームチェンジ。もともと4拍子だった楽曲を、強引に3拍子にコンバートする手法で制作された本作は、『4から3へ』というアルバム・タイトルのとおり、われわれを3拍子の新たな地平へいざなう。

 

もっとも、南米ベネズエラの「踊れる3拍子」音楽であるガイタ(Gaita Zuliana)との偶然の出会いがなければ、本作は生まれなかったと佐藤は言う。ガイタのエッセンスを吸収しつつも、単なる「文化の盗用」ではない独自の音楽を生み出すことは容易ではなく、本作の制作には中断期間を含め4年を費やした。しかしながら、1991年生まれの佐藤にとって、「33歳」となる2024年に本作がリリースされることは、きっと偶然以上の意味を持つに違いない。アルバムのラストを飾る楽曲「光陰計器」には、佐藤が以前楽曲提供した縁から、姫乃たまがゲスト歌唱で参加している。

 

本日夜20時にはリードトラック「BLOOM」のMVが、KAOMOZI公式YouTubeから公開。監督はこれまでに八十八ヶ所巡礼、クリープハイプ、cinema staffなどの作品を手掛けた丸山太郎が担当。ポップで軽快な楽曲に合わせてカメラやCGが縦横無尽に動き回り、ニューウェイブとJ-POPを横断するような映像となる。

 

 

以下、佐藤あんこ コメント

 

四角い部屋に住み、四角い電車に乗り、四角い端末を操作して、四角いベッドで眠る。

 

我々の日常は「4」で成り立っている。

4という数字の持つ無意識性は、決して無意味なものではない。

しかしながら、この日常には4が溢れすぎていないか?

もっと「3」があっても良いのではないか?

3という数字が持つ意識性もまた、決して無意味なものではない。

 

本作は3拍子ポップスのアルバムである。

 

それは、ポップスにおける3拍子というリズムの可能性を追求したという面において。

そして、詩・メロディ・リズムという「三拍子」が揃ったという面において。

本作は3拍子ポップスのアルバムである。

 

 

佐藤あんこ – 4から3へ

Label : KAOMOZI

Release date : September 11 2024

https://ultravybe.lnk.to/4to3

 

Tracklist

1. BLOOM

2. ブランダン

3. 花火

4. あの国

5. ガーデンロケット・ワードサラダ・ランチ

6. unhappy together

7. 叡智ttp://wisdom×3

8. 光陰計器(feat.姫乃たま)

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