2024/05/16
6月1日 落合 Soup
美術図案家・現川美波のグラフィックシリーズ “ 熟彩 – 音を布にする実験 -” を軸としたインスタレーション作品。グラフィック、スポークンワード、音楽ライブ、灯り、ビデオによって構成される。電子音楽家の西山伸基が運営しているイベントスペース ・落合 Soup にて制作されるインスタレーション空間では、“ 熟彩 ” のきっかけにもなった ミュージシャン、ermhoi、高井息吹、没 a.k.a NGS 等のライブ演奏と共に、現川が制作時に没入していった音の感触や色彩を体験することができる。
〈本作品の見どころ〉
“JUKUSAI SHOW” は、” 聴く ” を多角的に体験し、核を握り直す時空間。起点となる ” 熟彩 ” グラフィックシリーズは、現川が emhoi の音楽と出会ったことをきっかけに、音を聴く行為を通して内省し、他者とのつながりを再認 識し、徐々に自己感覚を再生・把持していく期間の最中につくられた。落合 soup は、ドローンやノイズ、テクノ系 のアーティストが演奏することが多く、その音響もそれらのジャンルに非常に適したしたつくりになっており、過不 足なくクリアに音が空間に充満するこの音響は、現川が制作時に経験した、” 音に没入することで自己知覚する体験 ” を再現する装置となり、ライブ演奏で参加するミュージシャンたちの鮮やかで鋭く、大胆な音楽を生々しく響き渡らせ、グラフィックたちがそれらの振動に共鳴する。
熟彩 -CHIHARU- (2021)
熟彩 -ermhoi- (2021)
2020年秋、会社を辞めた。でも「わたし」はどこにもいなかった。そんな中、遭遇した ermhoi の thunder という楽曲。脳内で新たな扉が開いた気がして、その音を布にする実験を行った。生まれた物体を握りしめた時、異様な力強さを感じた。音に導かれて手を弄っていたら知らぬ間に自分の内臓を摑まされていた感じだ。
音を奏でる人のエネルギーが体を巡り、布が構築される。その布を楽曲の演奏者や
” 生きる ” をくれた人たちに握ってもらい、ポートレートを撮ったらどのようなものが出来上がるのか?そうして始めたのが “ 熟彩 ” シリーズだ。2021 年に出会い、私を救ってくれた人たち。彼女たちが奏でる音楽、あるいは本人が音楽家でない場合はその人が好む音を聴きながら、直感に従って布を作った。 写真家・垂水佳菜によって撮影されたポートレートには、被写体と私が混ざり合ってできた生気の塊りのようなものが映し出された気がした。
グラフィック制作時、その人独特の力強さを探り描いたつもりだったけど、本当はただ、 音や人の持つ振動に反応した自分の感覚を記録していただけだったのかもしれない。あるいは、ただの私の唸り声のようなものだったのかもしれない。
現川美波
“JUKUSAI SHOW”
2024年6月1日(土) 15:00 ~ 20:00
落合 Soup 〒 161-0034 新宿区上落合3丁目9− 1 0三笠ビル B1F
「松の湯」地下一階 東京メトロ東西線落合駅から徒歩2分
開場 15:00
LIVE 16:00
閉場 20:00
入場料 一般 3000 円
チケット予約 : https://ochiaisoup.com/?p=5391
【TIME TABLE】
15:00 DJ出来次第
16:00 現川美波 (spoken word w/ ermhoi)
16:05 ermhoi (live)
16:30 高井息吹 (live)
17:00 没 a.k.a NGS (live)
17:25 DJ 出来次第
18:15 没 a.k.a NGS (dj)
category:NEWS
tags:現川美波
2024/11/06
東京国立博物館・庭園内の4つの茶室にて 12/7(土)東京国立博物館・庭園内4つの茶室「春草廬・転合庵・六窓庵・九条館」にて、 aus、Ulla、Hinako Omoriによるインスタレーション「Ceremony」を開催。 ausによるキュレーションのもと、茶室における静寂と不在・作法から着想を得た3組による新作の音楽を公開します。 畳の上でのサイレント・リスニングを模したフライヤーデザインは、三宅瑠人が手がけている。 ※ Ulla、Hinako Omoriは当日会場におりませんので、ご了承ください。 ※ イベントは30分ごとの予約制となります。 ■ aus, Ulla, Hinako Omori「Ceremony」 日程:12/7(土) 会場:東京国立博物館・庭園内 茶室「春草廬・転合庵・六窓庵・九条館」 時間:11:30〜14:30 参加アーティスト: aus Ulla Hinako Omori ■ イベント詳細 https://flau.jp/event/ceremony/ ■ web予約 https://flau.stores.jp/items/6722eaf9df6a593750074418 aus 東京を拠点に活動するアーティスト。 10代の頃から実験映像作品の音楽を手がける。 テレビやラジオから零れ落ちた音、映画などのビジュアル、言葉、 長く忘れ去られた記憶、 内的な感情などからインスピレーションを受け、 世界の細かな瞬間瞬間をイラストレートする。 長らく自身の音楽活動は休止していたが、昨年15年ぶりのニューアルバム「 Everis」をリリース。同作のリミックス・ アルバムにはJohn Beltran、Li Yileiらが参加した。Craig Armstrong、Seahawksほかリミックス・ ワークも多数。 Ulla ベルリンを拠点とする実験音楽家。Ullaのアルゴリズミックなテクスチャは精密なアンビエントとジャジーなエレクトロニクスの間を揺れ動く。彼女の作品はエレクトロ・アコースティックやグリッチに焦点を当てており、Quiet Time、Experiences Ltd、West Mineral Ltd、Motion Ward、Longform Editions、3XLといった人気レーベルからリリースされている。現行のアンビエント〜アヴァンギャルドにおける最重要アーティストの一人。 Hinako Omori 横浜出身、ロンドンを拠点に活動するコンポーザー。クラシックピアノを習い、サウンドエンジニアリングを学ぶ。クラシック、エレクトロニカ、アンビエントを取り入れたサウンドスタイルで、Houndstoothから2枚のアルバムをリリース。キーボーディスト / シンセシストとして、宇多田ヒカル、Ed O’Brien(レディオヘッド)、Floating Pointsなどのツアー、レコーディングに参加。ロンドン・ナショナル・ギャラリー、テート・モダン、バービカン・センター、ICA、Pola Museumなどパフォーマンス多数。
2019/05/31
6月15日、connect galleryにて。 自主企画のプロジェクトの発案・運営・管理から、アーティストマネジメント、各イベントコーディネートやアートディレクションを行うチームGRIDIN’が、アートコレクティブ〈SIDE CORE〉に見出された芸術家BIENと、昨年には〈UNDERCOVER〉のショーの音楽も担当したDJ/プロデューサーMars89の2人によるアートインスタレーションを企画。 展示初日は、Mars89がロングセットによるライブDJプレイから始まる。幻想的かつ、重厚な音の侵略を体験しつつ、踊るという行為=外界への身体的な働きかけに着目。会場内には、BIENによる物語を紡ぐための仕掛けが設けられ、そこには、来場者によるフィジカルな参加が生み出す、破壊の痕跡を可視化させる狙いがある。そして、BIENはそれらの残留物を用いて、再生を暗示させるような制作への挑戦を展示の2日目にかけて試みる予定、とのこと。 極めて短い時間で、異なる表現方法を軸に、瞬間的な変化が多発する同展は、起こりうる全て出来事を切れ目のない創作の循環へと収斂させる実験とも言えます。そして、今回の展示が単なるコラボレーションという枠を超え、私たちの中に潜在的な知覚の力を呼び起こす機会へと昇華されることを願っています。 GRIDIN’ Presents “Hole in the View” BIEN × MARS89 日時:2019年6月15日(土)18:00-23:00 、16日(日)12:00-20:00 会場:connect gallery 〒150-0011 東京都渋谷区東1丁目29−1(渋谷ブリッジ内) 入場料:1day 1000yen / 2days 1500yen 協力: A MACHINE × DAIKEI MILLS
2022/03/29
7つの振り子の群れ ■展示説明 人類による「自然そのものを理解する」ための探究活動は、これまで、科学や芸術などに細分化されながら発展してきました。一方で、自然の中にはいずれの分野でも掬いきれない未分化な領域が潜んでいることも事実です。Creative Label nor(ノア)は、科学と芸術の間にあるジレンマに焦点をあて、いずれをも否定することなく新たな価値を創造するべく活動を行っています。 本展”syncrowd – seven chorus(シンクラウド – セブンコーラス)”では、会場内に大小様々な7つの振り子の群れ”syncrowd”が点在しています。”syncrowd”は、ホタルの発光や集団での拍手の同期など、日常でもしばしば見られる「同期現象」という物理現象を利用したキネティック・サウンドインスタレーションです。各振り子は、フレームの振動を通じて互いに干渉しあいながら「振り子の群れ(crowd)」を形作っており、その中で各振り子は物理法則に則ってまるで制御されているかのように同期(sync)していきます。 会場内の7つの”syncrowd”は、大きさによってそれぞれ独自のテンポで同期/非同期を繰り返しています。振り子がもたらすシンプルな音の反復が、干渉/揺らぎ(chorus)によって連続的にパターンを変化させ、会場全体で永続的に変化し続ける複雑な音のうねりを生み出します。その様は一見すると、より原初的な聖歌/合唱(chorus)のようでもあり、統制されたオーケストレーションのようでもあります。しかし本作品では、絶対的な統率力であるコンダクター(指揮者)不在のなか、自己組織的な在り方でそれを形作ります。物理現象が作る有機的な視覚・聴覚体験の中で歩き回ったり立ち止まったりしながら、森羅万象を司る自然の摂理に耳を澄ませ、体感することで、自由な想像と独自の発見をしていただければ幸いです。 ■展示概要 会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール 会期:2022年4月2日(土)〜 4月10日(日)※2022年4月6日(水)は休館 プレスビュー:2022年4月2日(土) WEBサイト:https://nor.tokyo/syncrowd-seven-chorus
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