2023/12/22
サ柄直生とKAIRUIプロデュース
バーチャル空間発のシンガー・πがREALITYで結成されたコレクティブ〈いむ電波.wav〉での活動を経て、ソロ活動をスタートさせる。その幕開けとして、1st EP『0rb/映像』を12月22日にリリース。またMVも同時公開。ボーカルとリリックはπが務め、「0rb」のプロデュースはサ柄直生、「映像」のプロデュースはKAIRUIが担当。
「0rb」はπが自分の中で一番人間らしく大切にしたい要素である、音楽と記憶の結びつきについて綴った楽曲。忘れてしまった大切な何かが音によって強く呼び起こされる瞬間への想いを、流体のように立ち上がるサウンドスケープに乗せて歌っている。
「映像」はフェルトピアノを駆使した温かみのあるサウンドで構成された楽曲。エレクトロニカを通過した音像が電脳空間の無機質さを表現しつつも、πの歌声とトラックが融和することで寒空の下かすかに差す陽の暖かさのような有機性を帯びている。
仮想空間「電波の海」で独り歌っていたπが、自身の歌を翼として外の世界へと飛び立っていく。本作『0rb / 映像』がその門出を飾る。
π – 0rb / 映像
Release date : December 22 2023
Stream : https://linkco.re/RpSNuxEt
vocal/lyric : π
「0rb」Prod :サ柄直生
「映像」Prod : KAIRUI
illust/animation : 浅見あさと
movie : yuiru
jacketdesign : 祈日/qi/hi
category:NEWS
tags:π
2024/03/14
ポップスへの「問い」 バーチャル空間発のシンガー・π(パイ)が2曲入りEP『0rb / 映像』に続くシングル「clarity」をリリース。 πは仮想空間「電波の海」で詩を歌う。2019年にライブ配信アプリ『REALITY』での活動を機に、謎のコレクティブ・いむ電波.wavを結成し、作業員(メインボーカル)として活動。今作は、いむ電波.wav出演のイベント「BLACKBOX³ + AVYSS Pre. Hyd immersive live」で初披露されている。 「clarity」は、aiver所属のakashiが制作したものを、同グループの青城希がアレンジ/作詞を加え「π」の世界観を創り上げた。点から立体へと次元を超越しながら歌う、彼女の複雑怪奇な存在が音楽にも反映されている一方で、サウンドは明朗さも感じられる。 “ポップス”の実態は闇鍋であり、さながら有象無象が飛び交う電子の海のようでもある。聞き手がその代物をポップスと呼び、あるいは作り手がそれをポップスと呼ぶとき、そこにはまだ言葉に固まりきっていない自明があるのではないか――彼女たちはそうしたポップスへの「問い」を楽曲に込めたという。 今作もミュージック・ビデオのディレクションはπ自身が手掛けており、今回はVTuberのMVを手掛けてきた映像クリエイティブスタジオ・PRISM STUDIO代表/スタジオDOTプロデューサーのCloAが制作を担当。作中にはリアルタイムジェネレートソフト「NOTCH」(ノッチ)を活用し、「電波の海」の波に流されるような映像美を実現した。MVに使用されたイラストはARiKEMが描いている。πは普段からイラストをネットで見ることを好んでおり、VOCALOIDを聞く機会が多いことから、ARiKEMの作品を気に入っており、デジタルチックで壮大な曲を出す際にオファーすることを決めていた。ミュージックビデオは3月14日(木)20時にπの公式YouTubeチャンネル「電波の海」にて、プレミア公開される。 π コメント 今回、いむ電波.wav live at “BLACKBOX³ + AVYSS Pre. Hyd immersive live”で披露したπのソロ曲「clarity」をリリースが決定しました。 まず、作品をリリースにあたって、関わってくださった皆様から日々学ぶことばかりでした。彼らの持つ素晴らしい技術力だけでなく、暖かさにも大変感銘を受けました。感謝しています。 そして、実はこの楽曲が形になったのは2022年で、「clarity」は自身が人生で初めてスタジオでレコーディングをした楽曲になります。 その頃は何となく始めたバーチャル配信で、「π」の姿を借りる形で深夜に好きな歌を歌っていて、そこで会ったメンバーといむ電波.wavを結成して活動をしていく傍らで自身は音楽が好きだと改めて確信しました。 (その頃からずっと見守ってくれている方々は本当にいい意味でとんでもないですし、同じように自身も見守っていますからね。いつもありがとうございます。) 次第に、ずっとずっと好きな歌を歌うのも素敵だけれど、「どうせ失うものがないのならば、これからは自分の中にある何かを形にしてみたい」と生きていくなかで初めて意思を持ったような感覚が芽生えました。 「π」という存在は私に大切な何かを教えてくれました。 「π」は私の中の篝火です。 なので、これからは私の持てるものすべてを使って、「π」がより多くの人にとっての篝火となるよう努力ができるようになりたい。そんな願いを込めて歌いました。 π – clarity Release date : March 14 2024 Stream : https://linkco.re/8BPpCb9n
2024/08/30
アートワークはフリンマッハが担当 πとMilkyが共作シングル「transcendent scales」をリリース。アートワークは2023年にπのカバー曲のイラストを手がけたフリンマッハが担当。 「transcendent scales」は物理的なものや触れることのできるものを超越し、より高次の何かを求める旅を描いた。精神的・感情的なスケールが私たちを持ち上げ、奥深くに在る感情が日常を超越した周波数で共鳴する世界を垣間見るようなストーリーを追求している。壮大なメロディと深遠なリリック、儚くも芯のあるπとMilkyの歌声により表現される本楽曲は、言わば”崇高で無限の世界への賛歌” である。 π & Milky – transcendent scales Release date : August 30 2024 Stream : https://linkco.re/3Yd9myMH Vocal/Lyric:Milky, π Music/Mix/Mastering:Milky Illust:フリンマッハ
2022/12/12
β版アバター・いむと4人の作業員 現実世界の持つ物性と仮想空間に広がる現象の垣根が本格的に崩れ始めた現在、その潮目と呼応するかのようにバーチャルライブ配信アプリ「REALITY」上で2020年に結成されたコレクティブ、いむ電波.wav。音楽に留まらず3Dモデリング、グラフィックデザイン等さまざまなフォーマットでマイペースな活動を続けているものの、未だ謎多き存在である。 しかしながら、水面下で着々と進行するクリエイションは今にも外界へと大きく飛び出しそうな予兆を感じさせる。A/V/Y/S/S MASSACRE出演も控える今、いむ電波.wavの「作業員」として目下活動を牽引しているakashi(aiver)・π・ikidawの3名へ謎を解き明かすヒントを伺った。 text: NordOst photo: omega collage: いむ電波.wav ―まず、いむ電波.wavについて全容をまだ把握していない方々にも伝えるため、グループとしてのコンセプトや現在のメンバーについてなど、簡易的な自己紹介をお願いします。 akashi :(メンバーは)基本的には4人ですね。本日は席を外していますが、グラフィックデザインやコンセプト設計、作曲を担っているルカって子がいて。そこにVJ/グリッチ作家のikidaw、歌い手のπ、調整役やサウンドデザイン周りのサポーターとして俺(akashi)が参加してる感じです。ただ、すごく厳密に人数を決めているというよりは、あくまでも”暫定的”に4人という感じなんですけど。(いむ電波.wavは)所謂音楽グループやユニットではなく、コンセプチュアルなコレクティブみたいな存在って感じですかね。 π : 私たちはそこに所属する作業員で、メインビジュアルの子、いむちゃんっていうんですけど、あのアバターをみんなで製造しているようなイメージですね。 ikidaw : 今のいむちゃんはまだβ版で未完成なんです。だからイメージイラストには文字化けとか、グリッチみたいな加工を加えてます。 ―なるほど、たしかにお聞きした「作業員」という距離感のある表現がフィットしますね。各人の出会いの場としてメタバースアプリ「REALITY」(※1)の存在が大きかったようですが、結成までの経緯もお聞かせください。僕はもっぱら自撮り用アプリとして使ってばかりで、積極的に交流の場としては利用していないので逆に新鮮だったりしまして。。。 (※1)REALITY…iOS/Android用のバーチャルライブ配信アプリ。スマホ1台のみでVRアバターのメイキングやライブ配信などが体験できる2018年誕生の新興プラットフォーム。事務所に所属しない、いわゆる「個人勢」と呼ばれるVTuber的な存在はもちろん、筆者含むライトユーザーでもすぐに始められる気軽さから人気を博す。自分次第で無限に可愛くなれる可能性も秘めている。https://reality.app/ akashi : それ、松島さんの使い方が独特なだけです(笑)。 ―ですよね…(笑) akashi : そもそも俺がREALITY自体と関係が深い、というのもあるんですが、今よりユーザー数もそう多くない黎明期はもっとユーザー同士の距離感が近くて、ワチャワチャ遊ぶみたいな雰囲気があって。その時期に、ルカさん、πちゃん、ikidawがそれぞれに面白そうなことをしてたので、それぞれと仲良くなったんですよね。 ―なるほど! akashi : で、3人それぞれと仲良くしてるとき、「この3人はどうやら波長合いそうだな」と感じて。実際引き合わせてみたら、ただの遊びを越えて表現活動に取り組めそうなポテンシャルを感じて。ルカさんはマルチな表現が出来たし、πちゃんは歌えるし、ikidawは謎グラフィック作ってるし(笑)。なのですぐにコレクティブとしてドライブしていって、自然にまとまっていきましたね。ただセッティングだけして俺はすぐどっか行っちゃったんですけど…(笑)。 ―きっかけをセッティングしたのはakashiさんで、ほか3名の関係性は最初から近かったわけでは無いんですね。 akashi : 初期のREALITYってまだまだユーザーが少なくて、直接的な関わりが無くても「あ、この人また配信してるな」みたいに自然と認知し合っていくような草の根的な結びつきがあって。なのでお互いの配信にフラッと足を運んだり、お互いがやってることを何となく把握していたり、みたいなことはあったみたいです。とにかく、そんな中でも特別この人たち面白いな、ってことはすぐに伝わってきました。いいタイミングでCluster(※2)との連携も始まって。 (※2)Cluster…VR空間上でのアバターを介したコミュニケーションを楽しむためのメタバースプラットフォーム。PC版、VRデバイス版のほかスマートフォン向けにも提供されており、2020年6月からはREALITYアバターとの連携機能も実装された。さまざまなオブジェクトを組み合わせて自身のVR空間をメイキングするワールドクラフト機能やイベント機能などもあり、拡張性に富んでいる。 ―ああ!やっぱりそのアップデートが大きかったんでしょうか。REALITYアバターのまま、別のより開かれた空間に行ける、みたいな。 akashi : そうですね。それでみんなでClusterの色んなワールドに遊びに行ったりとかして。九龍城砦っぽいワールドとかに行って「良いな」ってインスピレーション受けて曲を作ったりとか。 π : ああ、あったねえ~。そうですそうです。 akashi : Clusterって色んな「世界観ドリブン」みたいなワールドがあって。しかもちょっとオールドインターネットっぽい感じの。そういう所に遊びに行って、「かわいいね~」みたいなことを皆で言いながらワイワイしながら遊んでました。 ―緊急事態宣言などもありリアルな交流は一時絶たれましたが、仮想空間上でならいくらでも遊びに行けたわけですね。初期のコミュニティにおける共通項だと思うんですが、やはり草の根的な交流ならではの純度ってありますよね。 π : 活動はめちゃめちゃバーチャル的なんですけど、コミュニケーションとしてはすごい温もりある感じですよね。我々。 akashi : そもそもみんなREALITY使うのが早かったもんね。お互い「よくこんな初期の段階で見つけるな…」って感じで(笑)。そういう謎のdig力、みたいなものは今に繋がってるのかなと思います。 ―話題は変わりますが、いむ電波.wavの作業員各位の音楽的な趣向やバックボーンなども知りたいですね。 akashi : 共感ポイントみたいなものは結構あるんですけど、みんな辿ってきた道は違う感じですね。 π : 私は2010年代半ばのマルチネとかkawaii future bassみたいなネットミュージックに影響を受けてクラブに通いはじめました。asiaとか。future bass系の音楽のアートワークから辿って行った結果、ブレイクコアとかにも行き着いたり。あと、いわゆるボカロ系の音楽もずっと聴いてましたね。今はそれこそAVYSSのプレイリスト更新は楽しみにしてますし、参考にもさせていただいてます! ikidaw : 私はシューゲイザーとかオルタナティブロックがルーツです。 πちゃんに配信で「禁断の多数決歌って!」ってリクエストしたりしてました。バンドをやっていた経験もあって、インスト系のサウンドに影響受けましたね。 π : 私は軽音楽部入ってすぐやめる、みたいなことを繰り返してました…(笑)。 akashi : 俺はルーツはミクスチャーロックとヒップホップなんですけど今はOPNが一番好きで、自分の音楽観にもかなり影響を与えてる存在です。あとはBon Iverとか宇多田ヒカルとか。ルカさんはYMOだったり昭和歌謡曲にも影響を受けつつ、Deconstructed Clubやアンビエントが今の好みの中心らしいです。yeuleや(Hyperdubからリリースもしている)ayaが好きって話も聞きました。 ―皆さんの経てきたジャンルやシーンはバラバラですが、AVYSSでも紹介されるような国内外の現代的なエレクトロニック・サウンドが共通項として存在しているわけですね。 akashi : それもK/A/T/O MASSACREやAVYSSの影響が大きいかもです。国内外の前衛的なエレクトロニカだったり、よりアンダーグラウンドな音に意識が向き始めたきっかけですね。 π : 私もyeuleが大好きなんですけど、〈AVYSS 3rd ANNIVERSARY〉の映像出演をきっかけにAVYSSというプラットフォームを知りました。 akashi : 実際、AVYSSのおかげでみんな「この辺が好きなんだな」って気づけたよね?yeuleのインパクトも大きかったですし、みんなで「AVYSS出たいね~」って話もしたり。 π : 言ってた!AVYSS出たい出たい、って…(笑)。なので、この間の〈AVYSS
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