2023/12/13
みなさん光ってます
ロンドンからCOUCOU CHLOE、メキシコからMeth Math、そしてAVYSSに所縁のある(または未知の繋がりを求めて)国内アーティストが集うAVYSSの5周年記念パーティ「AVYSS X」(2023年11月18日 会場 WWW X + 4F)。
イベントから少し時間が経ちましたが、改めて参加してくれた皆さん本当にありがとうございました。写真で振り返りながら、あの夜のことを少しだけ思い出してみましょう。みなさん光ってます。
Photo by マ
category:FEATURE
2023/12/13
AVYSSの5年、ミニ反省と修正と実験と更新 2018年のローンチから早5年、ディレクターのCVNこと佐久間が個人ブログ的に始めたウェブマガジン・AVYSSは今や音楽をはじめとした多様なカルチャーに「光」を当てるプラットフォームへと進化した。個性がきらめくトピックを独自の視点でキュレーションし、インターネットを経由して創造的なコンテキストを探りながら新たな風景の広がりを見せるAVYSSだが、いかにして比類のない道筋辿ってきたのだろうか。ということで、AVYSSのはじまりから現在までの5年間を振り返るよもやま話を、5周年記念を祝してアーカイブ的に語ってもらいました。 Text by yukinoise & NordOst Photo by マ ー AVYSS Xお疲れ様でした。AVYSS誕生5周年を無事迎えた今の心境は? CVN(佐久間):ひとつのイベントが終わっただけなので、って感じです。関わってくれたみなさんに感謝です。 ー1周年からAVYSSのイベントに足を運んでいる身としては、この5年間を駆け抜けて音楽やオーディエンスの反応も多種多様なものになったなと思っていて。”AVYSS系”なんてワードも生まれたりしましたが、自身の中でAVYSSらしさが確立された実感はありますか? CVN:あるけど、ないみたいな。AVYSS系という言葉については僕も意味を知りたいです。 ー 当初インディーロックや脱構築的な領域から始まり、今は自然といろんなジャンルが網羅的に共存している状態がAVYSS系ってイメージを作り出しているような。しかも佐久間さん(CVN)の独自視点から多方面を包括的に交えていますよね。 CVN:初期の頃はジャンルを網羅するぞ、というより、個人のキュレーションでやってくぞってところで。だから偏りも出るし、これはあるけど、あれはないみたいな個人のレコード棚を見る感覚のようにそれを良しとしてやっていて。結果、メディアように見える個人ブログライクなプラットフォームに落ち着いています。軸の何かがあればスタイルは流動的であってもいいと思うので、今後はわかりませんが。1周年記念(2019/09/28 at WWW / WWWβ)のヒップホップと電子音楽の組み合わせが中心になったのもあのときのAVYSSのメディア的側面の可能性を探求してみたって感じでした。 ー 個人ブログ的なキュレーションだからこそ実現した面白い組み合わせでしたね。今ではひとつのメディアとしても認知されるようになったAVYSSですが、根底には常にインディペンデント性を保持されているかと思います。そういったスタンスが生まれたきっかけについて、佐久間さんがCVNとして音楽活動を始めるまでの物語から教えてもらえますか? CVN:物語、ですね。僕は三重県四日市市出身で、鍼灸師の資格を取るために(たぶん)2006年頃に上京しました。上京してすぐのころだと、KLAXONSやLarrikin Loveの来日公演とか行きましたね(遠い目)。ダイジェスト的に話していくと、ESCALATOR RECORDS(現・BIG LOVE RECORDS)で毎週のようにレコードを買いに行くようになったりして、そこで出会った仲間たちと〈Cuz Me Pain〉というレーベル兼パーティーを始め、僕のDJを見た松田“CHABE”岳二さんに「お前は音楽を作れる感じのDJだから作曲した方がいいよ」って言われて、MacbookのガレージバンドでDTMを始めて、そこからなんだかんだあり、、Jesse Ruinsという名義を作り、バンドスタイルでライブするようになり。世界はいわゆる10年代インディーブログ全盛期で、無数にある海外のブログ(現在はほとんどが閉鎖)を見てMP3をダウンロードしたり、チルウェイブやウィッチハウスが誕生して盛り上がっていく中で、僕もそれらに影響を受けていって。当時Pitchforkと同じぐらい大きな影響力があったGORILLA VS. BEARってブログにJesse Ruinsが掲載されたのをきっかけに、アメリカのレーベル〈Captured Tracks〉(Beach FossilsやDIIVが所属していたレーベル)と契約することになりました。契約のときも色々ありましたけど、ここではあれなので、またどこかで会ったとき聞いてください。 ー たしか同時期に契約したアーティストにMac DeMarcoがいましたよね。その当時、日本のインディーアーティストが海外レーベルと契約するって今に比べてかなり大きな出来事だったんじゃないですか? CVN:Mac DeMarcoはほぼ同期でした。曲を作り始めたばかりでDTMの技術も知識もない状態の頃なのに、自分自身がよくレコードを買っていた大好きなレーベルからのお誘いだったので、(天変地異的に)何かが起きてしまうんじゃないかと信じられないぐらい動揺しました。与えられてた側なのに与える側になるの!?、みたいな困惑の世界線?、その後予定通りデビューしたのですが、(最初は)逆輸入的に日本国内に広がっていくこともなく、想像以上に狭い世界であることも含め、現実を理解させられたというか。まぁ見えない誰かに期待しすぎた反動なのですが、音楽活動に対する(美)意識は一度リセットされ、自分のやれることを続けていこうスタンスに、少しづつ冷静を取り戻していく感じで。 ー なるほど。今でこそ半歩引いた広い視点を持っているような佐久間さんでも、昔はもっとインディー的な美学が強かったんですかね。 CVN:美学というか思い込みというか、今も根底にあるものはあまり変わらないと思います。Cuz Me PainやJesse Ruinsの頃の10年代にその心持ちを構築していって、そこをベースに修正とアップデートの繰り返しで今の自分がいると思います。過度に期待しないとか、自分ができることとできないことも少しづつ理解していって、そのスタイルで更新していくしかないし、まぁ精神的にニュートラルでいることはそもそも得意だったのかもしれませんが。 ー AVYSSを通じて、そういった野心的にならずあくまで背伸びをしない自然体であることを大事にするというスタンスを伝えたいという思いはありますか? CVN:伝えたいという気持ちはないです。僕自身がその感じで過ごしてるというだけであって。かつてイギリスのThe GuardianにJesse Ruinsが取り上げられた際、一つの楽曲の中に暗さと明るさが同時に存在すると書かれたように、僕にも野心はあり、それと隣り合わせで、諦めもあって。2つが付かず離れずでいて自分のバランスをとっている感じです。AVYSSで言い換えれるかわからないけど、会社の中での事業として存続させていくために、規模や動員のことを考えないといけないときはあります。一方で小箱の中で起きることも信じ続けたい。AVYSS BOXのような実験はやめずに進みたいです。 ー 実はAVYSSがひとつの事業だということ意外と知られてませんよね。どういった経緯でAVYSSが事業として発足したんですか? CVN:AVYSSの運営会社は、僕が所属している株式会社シーエムバーです。名古屋にあります。僕も名古屋に住んでて。主にはウェブやデザインを制作している会社なんですけど、5年前に新規事業を立ち上げる会議があって、そこで僕個人ができることや知ってること、あと会社ができることを組み合わせて考えてみて、音楽を中心にしたメディアの側面を持つプラットフォームみたいなものを事業として提案してみたという流れです。僕は音楽ライターや編集者を目指してたわけじゃないし、今も興味はなくて、自分の周りにいる人や、僕の見える範囲で、ですが新しく音楽とか何かを始める人、新しい生まれるコミュニティなどに(出来る限りで)フォーカスすること、彼らにとって前向きな還元ができればいいなって思いつつ、というか自分1人きりで実務的な運営を続けていかなければならないというのもあって、まずは自分の知っていることしか無理だよなと。無理をせずに無理もするというか。 ー AVYSSを本格始動させていく過程はやはり大変でしたか?数ある音楽系Webメディアの中でも登場した際は類を見ないアンダーグラウンド、インディーさが心を掴んだと思うのですが前例がない分かなり試行錯誤されたのではないかと思います。 CVN:当初は、僕の音楽活動や「CVN」を通して始まった部分もあって、最初は僕がリリースさせてもらってるレーベル・Orange Milkのオーナーのインタビューを掲載したり、サイトの公開もたまたま同時期に企画されていたOrange Milkのジャパンツアーに合わせたり。以前インタビューしてもらったことがあったele-kingの野田さんに相談してみたり。もうずっとそうかもですが、ミニ反省と修正の繰り返しです。 ー 2018年にメディアがローンチされた翌年には1周年記念のイベントをやってましたよね。実際に1周年に足を運んだ身からすると電子音楽とヒップホップが共鳴する当時では先鋭なラインナップだったこと、AVYSSがリアルな空間に実在することを体感した衝撃的なイベントでした。今や恒例のアニバーサリーをはじめ、メディアの枠を飛び越えてAVYSSならではのコミュニティがあの日を起点に広がっていったように感じますが、オフラインでの展開は佐久間さんにとって思い切った試みだったのでしょうか? CVN:お世話になってるメディアの方々もたくさんいらっしゃるのであれですが、僕個人は所謂オンラインだけの音楽メディア(ウェブマガジン)というものに心の底からは寄り添えなくて信じれなかった自分が以前はいました。誰が見てるのだろうとか、その人たちの顔が見たかったというか、みんなって誰やねん、という感じでイベントを始めました。そもそも収益もウェブ広告は難しいだろうというところで、オフラインでの接点や、できることを探したくて、何かしらヒントがもらえるかなと。インターネットやアカウントの向こう側にはメカじゃなくて人間がいることが多いじゃないですか。AVYSSは僕が1人でやってて、記事あげて、毎週プレイリスト作って、ショップの在庫発注から梱包と発送をやって、タグ付け間違えたり、記事あげてから誤字見つけて修正したり、転がりながらやってますけど、それこそ二人(yukinoiseとNordOst)ともオフラインでの接点で繋がりが強くなっていき、そこから色んなプロジェクトが生まれていったわけで。オンラインで完結してたらこの関係性もなかったと思うし。 ー CVN=佐久間さんという生身の人間がやってるからこそ、キュレーションに偏りが出ることもあれば客観性もちゃんと含まれてることもあってAVYSSの味が出ているのに、その実態をあまり知らない人からするとAVYSSの中にも人間がいると伝わってないこともありそうですね。実は編集部もないし、ライター陣もあくまでサポートメンバーなのになんだか巨大な事業として捉えられることもありそう。 CVN:アビスAIがいてバーチャル佐久間がやってるみたいなことはなくて、実際は家では小さなテーブルの上で、会社では窓際で、記事の予約投稿に失敗したりしてます。 ー バーチャル佐久間と言えば、メタバース領域にいち早くチャレンジした2年目もAVYSSのターニングポイントでしたよね。 CVN:やはりキーになったのがJACKSON kakiで、彼はAVYSSにとって大きなきっかけを作ってくれました。それがバーチャルパーティーを模索したAVYSS GAZEです。DOMUNNEとのコラボはそれまでの実験を推し進めた内容で、DOMUNNEのスタジオを使って国外のアーティストやクリエイターと繋がりながらバーチャルプラットフォームも用意して複数の入口と方法で参加できるイベントを作りました。全てがスムーズに機能したわけじゃなかったけどそれも実験であり、コロナ禍真っ只中の時期にあれを開催できた意義は大きかったと思います。 ー 国外アーティストの来日どころか音楽イベントそのもの自体が境地に追い込まれた時期でしたが、バーチャル空間や配信だからこそ国内外問わず新たにアーティストを発見したり掬い上げられたんじゃないでしょうか。2020年という年じゃなきゃ成立しないことでしたし、何よりもパーティーバラモンのJACKSON Kakiをバーチャルバラモンに仕立てあげたのも佐久間さんの功績だと思います。 CVN:バーチャルバラモンと名付けただけで、kakiは自分の足で成長していったし、それを見ているのは頼もしいし嬉しい気持ちになりました。 ー さらにその後は、ippaida strageが現れたり、コロナ禍でローカルにやっていくしかない時にも映像出演でyeuleやDorian Electraが映像出演したりと、コロナ禍でいろんな人の道が閉ざされた中で新たな提案をしていきました。 CVN:それはAVYSS GAZEやってきたからできたことなのかなと思います。あれで培ってきた経験や肌で感じてきたことがあったから、映像出演というものに対して僕もkakiも価値を見出せることができるようになってきてて。 ー コロナ禍が徐々に明け始めた3周年イベントではyeuleとLil Marikoが映像出演してましたが、映像なのにメインフロアがすごい盛り上がってて驚きました。コロナ禍で配信コンテンツを楽しむ習慣がカジュアルに根付いてきた時期なのもあり、AVYSSならではの映像表現がリアルな現場と噛み合った奇跡的な音楽体験だったと思います。その翌年は先述のAVYSS
2024/06/11
長い一日をランダムに振り返る Photo by いのジ 2024年6月8日に開催されたAVYSSによる2年ぶり2回目のサーキットイベント「AVYSS Circle 2024」。インディ、ヒップホップ、エモ、シューゲイズ、エレクトロニック、アンビエント、ナード、現代魔女儀式、サウンドクラッシュバトル、などが個人キュレーションで感覚的に寄り添ったり、離れたり、連携共有したりしなかったり。 「当日は昼からSPREADに皆さん集合してもらって、ドリンクチケットを手作業でカットしたり、休憩したり、yohくんによるサークル設置の作業やリストバンド仕分けたり、休憩したり、コーヒー飲んだり、アイス食べたり。次回はいつ開催できるのかなとか、そもそも次回があるのかなとか、まだ何も考えてません。ありがとうございました。」 – CVN 「いのジ」撮影による写真で長い一日をランダムに振り返る。また、「exp(x)」によるドキュメンタリームービーも後日公開予定。
2021/12/16
深淵から希望・共存・繭へと進化するストーリー 2021年11月、音楽を中心とした国内外のエッジなカルチャーを発信するプラットフォーム・AVYSS Magazineの設立記念パーティーが2年ぶりに開催された。今年でめでたく3周年を迎えたAVYSSを祝福するパーティー・プロジェクトのテーマは〈希望と共存と繭(コクーン)〉。渋谷asiaにて開催されたアニバーサリー・パーティー「AVYSS 3rd Anniversary」ではAVYSS Magazineと親交深いセンセーショナルなアーティストやDJらが20組以上がラインナップ。アフターパーティー「C/O/C/O/O/N MASSACRE」ではオンラインプロジェクト「AVYSS GAZE」にてこれまで培ったアイデアや技術を最大限に活用し、リアルとバーチャルを循環する音楽体験の進化を追求した。 いまや国内外、リアル・バーチャルワールド問わず日本において先鋭的なカルチャーの表現を拡張するプラットフォームとなったAVYSS。3周年記念に際し、これまでのAVYSSの軌跡をアニバーサリーパーティーのフォトレポートと共に振り返る。 Text by yukinoise Photo by ミツタロウ AVYSS Magazineの誕生は2018年のこと、Jesse Ruinsの活動を経たCVNが新たな試みとして、所属する会社で音楽メディアの立ち上げを決意したことから始まる。立ち上げ時に「日本の音楽メディアは多くの人が知ってる音楽しか紹介しない。」という旨のツイートを偶然目にし、このツイートが以前より音楽活動を行う中で感じていた自身の疑問とも一致したCVNは、個人的なキュレーションで新しい音楽やカルチャーを中心にフォーカスしつつ、メディアにこだわらないプラットフォーム化を目指してAVYSS Magazineのスタートを切った。 このいくつかのキーワードのもとカルチャーシーンを解釈し、ジャンルレスに新しい価値観を組み合わせた情報発信で国内外に向けアプローチをインターネットから重ねてゆき、2019年にはWWW / WWW βで開催された1周年記念パーティーを開催。国外ではベルリンの〈PAN〉からM.E.S.H.、TOXE、国内からは釈迦坊主、TYOSiN、LSTNGT、リョウコ2000、PHOTON POETRY、Dove、荒井優作、lIlI、speedy lee genesisと、当時のアンダーグラウンドを彩るアーティストが出演。AVYSSは音楽メディアだけではなく、日本において自由度の高いカルチャーを先導する新たなプラットフォームとしての役割を担っていく未来をリアルに示した一夜となった。 音楽業界だけでなく世界中がコロナ禍の影響を大いに受けた2020年、AVYSSも例外でなく存続の危機に追いやられる。だがそれでもAVYSSはエネルギーと希望を失わぬよう、音楽体験の可能性を仮想空間に見出し、JACKSON kakiによる3DCGで緻密に構成された世界観が広がるバーチャルワールドやゲームを舞台にしたライブパフォーマンス配信・オンラインプロジェクト「AVYSS GAZE」の開催を重ねてゆく。同年の9月には、渋谷PARCOとSUPER DOMMUNEをバーチャル化し、世界各国からアーティストを集結させ、仮想空間でのライブパフォーマンス、展示、ゲーム性を織り交ぜたハイブリッド・コラボレーションパーティーを開催。またSUPER DOMMUNEでは、VR/AR/MRクリエイティブプラットフォーム・STYLYとAVYSSメンバーによる〈COVID-19以降のバーチャル/配信の現在と未来〉についてトークセッションも行われた。 そして無事3周年を迎えた2021年。怒涛の2年間を経て、カルチャー・プラットフォームとしてのヴィジョンを凝縮したAVYSSは今回、リアルとバーチャルの双方向にアプローチしたパーティープロジェクトに臨んだ。まずアニバーサリーパーティーの開催に先駆け、開催会場の渋谷asiaをバーチャル化したゲーム空間「AVYSS COCOON」で”繭”を仮想空間上にて提示。ここでは〈YEAR0001〉の厳選されたアートワークを巡るギャラリースペース、オーディオ/ビジュアルプラットフォーム〈Mizuha 罔象〉による新時代のエコ・エキシビション、増殖し過ぎたバーチャルバラモン・JACKSON kakiを倒すミッションが楽しめ、〈希望と共存と繭(コクーン)〉という3周年のテーマ・ストーリーに触れるさまざまなヒントが詰まっている。 現実空間・渋谷asiaでのパーティーには海外からはLil Marikoとyeuleが映像出演、国内からはバイレファンキかけ子、BBBBBBB、CVN + friends(没 a.k.a. NGS/RIA/Yoyou)、Dove、Ichiro Tanimoto、JUMADIBA、Le Makeup、Lil Mofo、松永拓馬、NordOst、PICNIC YOU、Prettybwoy + lIlI、リョウコ2000、tamanaramen、宇宙チンチラ、YNZ VALENTINE、Yoyouと若手からベテランまで注目を集める多数のアーティストとDJが集結。2フロアどちらも1秒たりとも見逃せないタイムテーブルが用意され、オーディエンスはときに荘厳なライブで息を呑み立ち尽くし、ときに熱く暴れ馬のように踊り狂う。それぞれの個性でステージを彩るアーティストたちは、AVYSSとこの褻にも晴れにもの時代を振り返る圧巻のパフォーマンスを披露。ステレオタイプに逆らうのではなく、無邪気ながらも一貫した美学を通じてエンターテイメントに挑んでゆき、自らの物語を描きオーディエンスを飛び込ませていった。 またたく間に祝祭は夜を駆け抜けたAVYSSの物語はそこで終わることはない。BPM2億の楽曲で華々しくラストを飾ったヴィクトリーハードコアユニット・BBBBBBBが「まだ音止まってないよ!」と最後までMCで叫んでいたように、宴の終焉を知らぬAVYSSの仕掛け人・CVNは夢の中に留まり続け、ついに仮想空間へ身を潜ませてしまう。アニバーサリー・パーティープロジェクト最終章はNordOstによる仮想空間から現実へとCVNの帰還を辿る壮大なストーリーと共に、電脳世界の精鋭たちが待ち構える「K/A/T/O MASSACRE」とのコラボアフターパーティー「C/O/C/O/O/N MASSACRE」へと向かうのであった…。 ─ 「C/O/C/O/O/N MASSACREの物語」 Concept : CVN / Text : NordOst 3周年記念パーティーを終えても尚、CVNは夢の中に留まることを望んだ。形而上の繭(コクーン)は現実と仮想を包み込み、ふたつの世界を紡ぐ。「現実」とは誰にとっての現実か?安全な空間とは?国境、伝染病、諍い。現実を縛る枷から解き放たれたオンライン・コクーンで、CVNは電脳世界の精鋭たちFax Gang、Himera、DJ SHARPNELと邂逅する。一方、現実世界ではバーチャル・バラモンJACKSON kakiが朱音、Dirty Dirt、Luna Woelleらの協力の元、CVNの奪還を画策していた。リアルワールドの番人KATOとNEXTMANも見守る中、現実と仮想を繋ぐ扉が森林限界<FORESTLIMIT>にて開かれる。 ─ リアルとバーチャルが共鳴するアニバーサリープロジェクトは幕を閉じたが、AVYSSが贈るハイブリッドな音楽体験の扉はいまもなお開かれている。今回映像出演した各アーティストのライブ映像、オリジナルゲーム「AVYSS COCOON」、「C/O/C/O/O/N
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