2023/09/06
音割れ亡霊ヒップホップ?
Honourは何者か。皆が噂をしている。20年代のHype Williamsか。音割れエモーショナル・エクスペリメンタル・亡霊ヒップホップ?
Honourのデビューアルバムは、ラゴスからロンドン、そしてニューヨークへと伸びる靭帯であり、ディアスポラを横断し、ブルース、ヒップホップ、フリー・ジャズ、アンビエント、ゴスペルの暗い色合いと、キリスト教の神話やヨルバの民間伝承をブラッシュアップしている。絵画的であると同時に映画的でもある『Àlàáfíà』は、生、死、愛というテーマについての瞑想であり、神の詩的な深遠さ、記憶に残る夢、思いがけない何気ない会話、フィールド・レコーディング、文学、エフェメラ、個人的なアーカイブからインスピレーションを得ている。
『Àlàáfíà』は、オーバードライブしたビート、急降下するオーケストラの爆音、コーラスの破裂音、耳をつんざくようなファズによって切り取られたゴシックな風景を描き出し、そこでは肉体と精神の領域が交じり合っている。Honourの亡き祖母に捧げられたタイトル・トラックは、2人が最後に抱擁を交わした後に形になり始めた。ラゴスで始まり、2年3ヵ月後のロンドンの煙に包まれた街並みで終わる、テープに彩られたこの曲は、彼女の影響と精神が色濃く残っている。夢のようなこの作品は、アーティストの悲しみから生まれたもので、こうした喪失への対処法として作られた。伸びやかなギターのドローンと淀みないループの下で、彼らの祖母が共有していた信仰が表面に湧き上がってくる。
「When Angels Speak of Love」は、それぞれSun Raとbell hooksの2つの作品からタイトルを借りている。賛美音楽のエコーを、シロップのようなDJ Screw風のブレイクとメランコリックなギターの鋭い破片で穿孔された幻惑的なスパイラルに彫刻した「When Angels Speak of Love」は、後期思想家の両霊とのコンセプチュアルな対話に関与し、彼らをHonourの祖先のガイドのパンテオンに折り込んだ。アルバムの9曲目、「Giz’Aard ($uckets) 」は、早すぎる死なのか生涯の愛なのかわからない悲痛なメロディーが吹雪のように吹き荒れる中、規則正しいドラムがこの物悲しいメロディーを支えている。このアルバム唯一の叙情詩「Pistol Poem (Lead Belly)」は、”He went through hell and back/ came back/ 2 get the strap “というダークでユーモラスな小節から始まり、Philip “Hot Sauce” Championの伝説にインスパイアされた呪術的な寓話へと膨らんでいく。
ヒップホップ、R&B、ジャズ、ゴスペルといった音楽の核となる原理を非時代的なサウンドスケープとコンポジションに設定することで、Honourは矛盾の中に潜むレコードを作り上げた。このエモーショナルなデビューアルバムほど、アーティストの肩にのしかかる亡霊が目に見えるものはない。
Honour – Àlàáfía
Label : PAN
Format : LP / Digital
Release date : 03 November 2023
U&Me (decemberseventeen) : https://pan.lnk.to/U-Me
Tracklist
01. Hosanna (Greeting2MYPPL) (Meridian)
02. First Born (Redeemed)
03. When Angels Speak of Love
04. dubbleUpptown (La Rocque)
05. W-I-S (Above Every Other)
06. Pistol Poem (Lead Belly)
07. Whip Appeal V6 (PIPN8EZ)
08. Seven Trumpets
09. Giz’aard ($uckets)
10. Helpmeet (Iyadunni)
11. FLIR2A
12. U&Me (decemeberseventeen)
13. ILLBETHERE,4EVERANDEVER
14. Àlàáfíà (Cita’s World)
category:NEWS
tags:Honour
2023/01/19
Tirzah「Gladly」をサンプリングした新曲公開 Ed RusselとTom Russelによる兄弟エレクトロニックデュオOvermonoが、キャリアを総括するデビューアルバム『Good Lies』を〈XL Recordings〉よりリリースする。レコード/CD各種が予約開始。 アルバム発表に合わせて、Tirzahの「Gladly」をサンプリングした最新シングル「Is U」を公開。ビデオでは長年のコラボレーターであるRollo Jacksonが撮影・監督している。『Good Lies』は、魅惑的なボーカルカットと共に陶酔とメランコリーの間を行き来し、ダンスフロアの領域を拡張する。 「この2年間できる限り音楽を作りながら、多くの時間をツアーに費やしてきた。常に移動することは本当に刺激的で、たくさんの実験をして、コードを作ったり、ボーカルを刻んだり、ピッチを変えたりして楽しんでいた。このアルバムは、これまでの旅に捧げる愛の手紙であり、私たちがこれから進むべき道を示してくれているんだ。」 Overmono – Good Lies Label : XL Recordings / Beat Records Release date : May 12 2023 Pre-order : https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13234 Tracklist 01 Feelings Plain 02 Arla Fearn 03 Good Lies 04 Walk Thru Water 05 Cold Blooded 06 Skulled 07 Sugarushhh 08 Calon 09 Is U 10 Vermonly 11 So U Kno 12 Calling Out 13. Dampha *Bonus Track For Japan
2023/05/24
Sam Smith、Nicki Minaj、BANKS参加 ドイツ・ケルン出身、LGBTQ+コミュニティポップアイコン、Kim Petrasがデビューアルバム『Feed The Beast』をプライド月間にリリースすることを発表。彼女はこれまでにも曲数で言えばアルバムとも言える作品をいくつかリリースしてきているが本作が公式な?デビューアルバムとのこと。 アルバムには、Sam Smithとのコラボ曲「Unholy」、Nicki Minajをフィーチャーした「Alone」など近年のヒット曲に加えて、BANKSをフィーチャーした新曲「BAIT」など全15曲を収録。 Kim Petras – Feed The Beast Label : Republic Records/Amigo Records Release date : June 23 2023 Stream : https://kimpetras.lnk.to/feedthebeast Tracklist 1. Feed The Beast 2. Alone (feat. Nicki Minaj) 3. King of Hearts 4. Thousand Pieces 5. Uh Oh 6. Revelations 7. BAIT (feat. BANKS) 8. Sex Talk 9. Hit It From The Back 10. Claws 11. Minute 12. Coconuts 13. Castle In The
2018/09/27
Mexican Summer、Big Loveからのシングル/EPリリースから8年、ついにアルバムリリース。 The Sampsがなんとデビューアルバム『Breakfast』をアナウンス。まさかの帰還に驚きを隠せない。8年前にMexican Summer、Big LoveなどからEPを数枚リリースし、そのプロジェクトを終えたと思っていたのだが。中心人物のCole M. G. N.はBeck、Snoop Dog、Blood Orangeをはじめ数々のアーティストの作品にプロデューサーとして参加、3度もグラミー賞を受賞している。これがリアルアメリカンドリームか、とあの頃感じた人も多いはず。 昨年Cole M. G. N.は4曲入りの『Cole M. G. N. EP』なるものをリリースしており、これがもしかしたら今回のアルバムに繋がる作品だったのかもしれないが、アルバムの全貌がまだ明かされていないのでわからない。編集のセンス、万人に対応する音の肌触りの良さは彼らしいが、今のヒップホップのビートとサンプリング解釈で曲が出来上がっているのが最高で、この路線でもアルバムを出してもらいたい。 今回のリリースアナウンスでリードシングル『Hit n Run』が公開されている。アルバムはCole M. G. N.の妻であるNite JewelのレーベルGloriette Recordsから11/23にリリースされる。 プレオーダーはこちら。
第1弾としてANORAK!とillequalによる「Re:Re:」がリリース
more
2024年記憶に残っている5つの何か
more
2024年記憶に残っている5つの何か
more