2023/02/08
時の移ろいの抒情性
日本の文化から徐々に失われつつある、過去の時代の雰囲気を「失日本」と呼び、現代的なサウンドテクニックで日本古来の印象を融合させた私的でコンセプチャルな音楽を生み出す広島在住の作曲家。近年のアンビエント・ミュージックの特異点。冥丁が二十四節気をテーマに、ミニマル・ピアノ・アンビエント作品『室礼』をリリース。
日本古来の印象をモチーフにしたサウンドで脚光を浴びる音楽家・冥丁が、古の文化を現代に訳し、その概念を届ける”WARA“のために制作した小曲集。日本の伝統と感性を反映させた世界を創作する”WARA“の思想を体現する音楽として制作した本作「室礼(しつらひ)」。日本の四季をさらに6つに分けた暦「二十四節気」の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」をテーマに、時の移ろいの抒情性を表現。EPのタイトルとなった言葉「室礼」(※飾りつけること、設け整えること)。その概念を体現するように、間に重きを置きながら、冥丁自らがピアノを演奏、録音、そして細心の注意を払った編集とアレンジによって仕立てられた。繊細なピアノ・サウンドと自然音やエレクトロニクスなどの様々なテクスチャーがデザインされた4曲のトラックは、15分という短い時の中で、小さな変化を繰り返しながら小宇宙のように広がる。また、本作のピアノは、季節が変わるごとに新しい環境に囲まれる冥丁個人の存在のメタファーとしての役割も担っている。失われつつある日本の情緒を再解釈するという、冥丁の探求するテーマは根幹にありつつも、本作では、これまでの作品とは異なる新しい視点から、冥丁独自の音世界を垣間見ることできる。
WARA
“余白をしつらふ”
わらに触れることで 瞑想に近い感覚を覚える
時や場のみでなく心のしつらふことを大切に活動
わらのしつらひから茶の世界にいたるまで 余白の概念を届ける
https://www.instagram.com/wara_japan/
冥丁 – 室礼
Label : KITCHEN. LABEL
Release date : Feb 4th 立春
Stream : https://kitchenlabel.lnk.to/6rP8pFyR
Tracklist
1.立春
2.立夏
3.立秋
4.立冬
category:NEWS
tags:冥丁
2022/03/02
「LOST JAPANESE MOOD」最新作 日本の古い文化をモチーフにする広島在住の音楽プロデューサー、冥丁が最新作『古風 Ⅱ』のリリースツアーを全国6都市で開催。 「LOST JAPANESE MOOD」(失われた日本のムード)をテーマに、アンビエントやミュージック・コンクレートを融合させながら、時とともに忘れ去られる日本の古い歴史の瞬間をノスタルジックな音の情景に再構築した3部作『怪談』『小町』『古風』で高い評価を得てきた冥丁が、最新作『古風 Ⅱ』のリリースを記念した国内ツアーを前橋、 京都、東京、豊田、和歌山、札幌の全国6都市で開催。(※前橋公演は『赤城SUN do』に 出演。) 冥丁 “古風 Ⅱ” RELEASE TOUR 2022 3/19(土)前橋 『赤城SUN do』 三夜沢赤城神社 3/21(月・祝)京都 METRO 3/22(火)京都 ふくや 3/24(木)東京 WWWX 3/28(月)豊田 VINCENT 3/29(火)和歌山 あしべ屋妹背別荘 4/9(土) 札幌 PROVO 詳細:http://inpartmaint.com/site/34306/ ※新型コロナウイルス感染症対策は各公演MORE INFOのホームページをご確認ください。
2020/08/31
9月27日リリース デビューアルバム『怪談』がPitchfork2018年度の「ベスト・エクスペリメンタル・アルバム」に選出、そして翌年2019年発表の2ndアルバム『小町』も国内外で高い評価を獲得するなど、日本の古い文化をモチーフにした唯一無比のオリジナリティーで一躍世界のエレクトロニック~アンビエントシーンに躍り出た広島在住のアーティスト冥丁(Meitei)が、待望の3rd アルバムをシンガポールKITCHEN. LABEL よりリリースする。 前二作『怪談』『小町』に続き、本作『古風』でも再び日本の古い文化に焦点を当て、” 日本の古い美学への風刺” をテーマに「LOST JAPANESE MOOD」(失われた日本のムード)を描き出す3部作を完結。ピアノや和楽器の音色、フィールドレコーディング、わらべ歌や民謡の破片を、遊び心を伴った冥丁の稀有な感性で組み合わせ、想像上の過去と現在を繋いだノスタルジックかつ幻想的な音の情景が描き出されている。連作となる「花魁 I」(M-3)と「花魁 II」(M-8)では、古いドラムや金属の音を加工した疾走感のあるヒップホップのリズムで、これまでにない緊張感揺らめくサウンドを構築。さらに、意味がわからないまで解体された声のサンプル使いは、宮崎駿氏の「世の中にはロジックで物事を考えるべきではない瞬間もある」という概念に共感し、言葉を超えた別の何かを生み出している。また、家父長的な日本社会で長年苦しんできた労働者階級の女性たちに捧げた「女房」(M-6)や、梅毒が蔓延する過酷な労働環境で働く遊女たちを描いた「花魁」(M-3, 8)など、昔の日本社会において自由がなかった女性たちを取り上げ、溝口健二監督のようなアプローチで彼女たちの想像を絶する痛みを優しさをもって形にしている。 本作をもって冥丁は日本の忘れ去られた過去の文化への探求に別れを告げるが、『古風』は世界から完全に切り離された歴史の一部を日本のみならず海外のリスナーにも語り継いでいくことができる作品である。 冥丁 – “古風” Label : KITHCEN. LABEL Release date : September 27 2020 国内流通盤:http://www.inpartmaint.com/site/30396/ TRACKLIST 1. 金継ぎ 2. 万葉 3. 花魁 I 4. 貞奴 5. 縁日 6. 女房 7. うらめしや 8. 花魁 II 9. 音二郎 10. 少年 11. 郷愁 12. 幻影 13. 数寄
2021/11/02
現代社会の中で日本はどこへ向かうのか? 「LOST JAPANESE MOOD」(失われた日本のムード)をテーマに、アンビエント・ミュージックやミュージック・コンクレートを融合させて、時とともに忘れ去られる日本の古い歴史の瞬間をノスタルジックな音の情景に再構築した3部作『怪談』『小町』『古風』で非常に高い評価を得てきた冥丁。前作『古風』をリリース後、冥丁は『古風』制作のために完成させたトラックがまだ47曲ほどあることに気づき、『古風』の世界観をさらに拡張しながら、より深く日本人のアイデンティティーについて思いを巡らせた本作『古風 II』を制作した。 アルバムは陽気な口笛から虫の音や和楽器などの賑やかなハーモニーで幕を開ける。続く「八百八町」(M-3)ではピッチシフトしたボーカル・サンプルやユニークなビートでかつての江戸の活気を表現し、メランコリックな雰囲気の「カヲル」(M-4)では、冥丁が亡き祖母に捧げたアルバム『小町』制作時のセッションを用いて彼女に送る最後のレクイエムを奏でている。アルバム後半の「茶寮」(M-10)では、一音一音が筆の運びのようなシンセ音の繰り返しの中に静けさを感じさせる。この曲は、冥丁が祖母の家で眺めていた水墨画からインスピレーションを得たもので、彼が以前訪れた茶室の印象と結び付けたという。「朽ち果てた土壁や色褪せた畳に感動を覚え、その小さな部屋に漂う宇宙的な時間の流れを音楽にしてみようと思った。」と冥丁は語る。また、非常にドラマチックな展開を見せる「黒澤 明」(M-11)では、日本の豊かな伝統と第2次世界大戦後の混乱を等しく描いた黒澤作品と深く共鳴している。 冥丁は長年に渡り、彼の思い描く日本らしさや日本人らしさを見つけ出そうとしてきたが、過去3枚のアルバムでその答えを求めた後、本作でさらに多くの疑問を投げかけている。過去を振り返ることで、より明確な現在を得ることができるのか?「LOST JAPANESE MOOD」をとらえた後、現代社会の中で日本はどこへ向かうのか?『古風Ⅱ』は、さまざまなムードと質感のある音の断片の中で、我々に過去との関係を見直すことを提案している。 冥丁 – 古風 Ⅱ Label : KITCHEN. LABEL CD / Release date : 10 December 2021 LP / Release date : 1 January 2022 日本盤 : http://www.inpartmaint.com/site/33438/ Tracklist 1. め組 2. 東海道 3. 八百八町 4. カヲル 5. 落武者 6. 吉原 7. 修羅雪姫 8. 忍 9. ありんす 10. 茶寮 11. 黒澤 明 12. 爺
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