2022/08/01
スピリチュアルエクササイズ
イタリア出身のHeithは自身のレーベル〈Haunter Records〉からリリースした過去の作品において、音の精神的側面とその宇宙論的可能性を探ってきた。
儀式的なアニミズムの研究を通して意識の質感を探求し、文化や音の影響に対して雑食的で普遍主義的なアプローチを取り続けた。『X, wheel』は、Heithのデビューアルバムであり、PANからの最初のリリースでもある。このアルバムは、アートと人生が切り離せない、彼のクリエイティブでスピリチュアルな実践への深いダイブ。
2019年3月から2020年1月にかけて、ミラノ、ローマ、フィレンツェの異なるスタジオで作曲・録音された11曲は、サイトランス、フリーフォーク、ストーナーメタル、ノイズ、初期電子音楽まで、様々なスタイルの世界を循環しながら、ヴィジョンの一部であることを保っている。
「Letter 4」では、コラボレーターであるLeonardo Rubboliの曲がりくねったギターのメロディーがよろめき、2曲目の「Dero」では、様々なサイン波のラインと西洋のダイアトニックスケール以外のトーンシステムの層が循環している。『X, wheel』は、不協和音と多様性の渦の中心に静かに鎮座し、様々なアイデア、ムード、感情のスペクトラムを簡単に移動する。「Stoned Witch」では、リバーブとディストーションの不協和音からJesse Osborne-Lanthierのシンセのメロディーが見え隠れする。「Ensemble For Somnambulists」では、Aase Nielsenの孤独なサックスがノスタルジックなヒプナゴジックノワールを彷徨う。
Heithは、様々な哲学やフィクションを、直線的な時間の外側に存在する音のタブローにまとめ上げる。タイトルのホイールが回転するとき、それは繰り返しをもたらすのではなく、むしろ絶え間ない変化と動きをもたらし、無限大へと螺旋を描く。この作品が持つ催眠的な性質は、アルバムのライナーノーツに反映されている。これは、Heith自身の日記をもとに、非音声的アルファベットと、Pietro Agostoniと開発した言語実験「Angel’s Hair」で構成された、ある種のコラージュ。ZUのドラマーJacopo Battagliaとディジュリドゥ奏者Fabio Goldanigaの参加により、『X, wheel』はスペクトルの振動を意識に変えるエクササイズとなった。
Heith – X, wheel
Label : PAN
Release date : 7 October 2022
Your Element (a spell of equality) : https://pan.lnk.to/YourElement
Tracklist
1. Heith, Leonardi Rubboli – Lettera 4
2. Dero
3. The hermit
4. a Venus flytrap in the circus lodge
5. ()()(), 21, wheel of fortune
6. Psychic Mathrooms
7. Enter Lemuria
8. Your Element (a spell of equality)
9. Stoned Witch
10. Heith, Leonardi Rubboli – Interlude
11. Heith (ft. Aase Nielsen) – Ensemble For Somnambulists
category:NEWS
tags:Heith
2024/04/03
PANより Heithのデビューアルバム『X, wheel』は、長い旅の始まりであり、意識と精神の曲がりくねった探求へのスタートだった。一方、今作『The Liars Tell…』は、一種の休息、次元移動の疲れからの瞑想と小休止の瞬間のように感じられる。まるで旅人が馬車を降り、岐路に戸惑いながら立ち、遠い場所の響きに耳を傾けるかのように。限界空間を占拠、何千もの矛盾した物語、ひとつの理解しがたい歌。 このEPが歌声に重点を置いているのは、それ自体が気軽なものではなく、言葉に関する研究だから。人間の声は、最も壊れやすい楽器として扱われ、テクノロジーに助けられ物質化された幽霊のような存在。Heithの加工された歌声の音色の曖昧な美しさは、聖なる霊感の内在的な知恵を模倣すると同時に、大ざっぱなトリックスターに属している。神の嘘が夢遊病者の耳に囁きかける。危険な知識の誘惑を煽る。 Heith – The Liars Tell… Label : PAN Release date : May 10 2024 https://heith.bandcamp.com/album/the-liars-tell Tracklist 1. <>e 2. INVERTED VERTIGO 3. medicine boy 4. The Circus Lodge (Orchestroll Version)
2018/10/16
新作EP『Laguna』をリリースしたばかりのHaunter RecordsのHeithが来日。 イタリアはミラノのレーベルHaunter RecordsからファウンダーHeithの新作EP『Laguna』が10インチとデジタルでリリース。 Haunter Recordsと言えば、Constellation Botsuの『ファカすっかもじゃんかよ』もリリースしており、個人的にはNoumeno、Somec、Cage Suburbiaなどをよく聴いていた。 そんなHeithの来日、今週のK/A/T/O MASSACREに出演することが決まっている。さらにRAのMixが素晴らしいLil Mofo、『End Of The Death』も好調のMars89なども出演。 以下、詳細。 10/17(wed) 【K/A/T/O MASSACRE vol.192】 at FORESTLIMIT OPEN 19:00 DOOR 1500yen(w1D) LIVE Hôy la sofheso 中川裕貴 DJ Heith(Haunter Records) LIL MOFO Mars89 https://soundcloud.com/y-153/maria-feat-weightausend https://soundcloud.com/bokeh-versions/bkv-021-mars89-end-of-the-death#t=0:00 ちなみにHaunter Recordsの前作、AARの『FirstGrade』も個人的に好み。
2020/11/23
2月14日リリース ミニマルテクノの代表的なアーティストの一人であるTroy Pierceと、コロンビアのオーディオビジュアルアーティストNatalia Escobar(aka Poison Arrow)のコラボレーション・デビューアルバム『Shatter』が、2021年の2月14日にリリース。 今作はギリシャ神話のEchoとNarcissusにインスパイアされ、夢遊病ダブ、ブロークンビート、空間の微妙な陰影を作品の細部で形成する。ダークなダンスフロアにおいて、重く打ち付けられるリズムの抑制が象徴的な作品でもある。今回のプロジェクトで二人が特にこだわったのは、空間へのアプローチであるとのこと。それは没入感のあるサウンドデザインに表れており、乱れた音と波打つ低音のプールの揺らぎが感じとれる。また、Konrad BlackとdBridgeがゲスト参加しており、薄暗い照明の中、そのシームレスに広がるテクスチャーは絶妙な彫刻のようにアクセントとなっている。 Pierce with Arrow – “Shatter” Label : Dais Release date : February 19, 2021 Pre-order : https://smarturl.it/piercewitharrow Tracklist 1. Echo 2. Dissolving To A Voice 3. She Pined Away 4. Obsidian Glass ft. Konrad Black 5. A Tight Passage 6. His Rejection 7. The Night Is Ending 8. In The Depths Of His Eyes 9. It’s A Love Story, After All… ft. dBridge 10.
受け手の自由に寄り添う作品
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