2022/04/25
東アフリカのポリリズムとモジュラー
「人間が完全に機能するためには、脳が働き、目や耳や腕がなければなりません。オシレーター、VCA、エンベロープがあります。意味のあるものを作るには、すべてが調和して機能しなければならない。」- Brian Bamanya (Afrorack)
Bamanyaは、アフリカでは珍しいDIYモジュラーシンセサイザーの製作を行なっている。自作のモジュールを巨大な壁にして、彼はプロジェクトの名前を「Afrorack」と名付けた。彼がプロジェクトに着手した理由は単純で、モジュラーシンセサイザーの世界を調べ始めたとき、ウガンダでその技術を手に入れるのは困難だったから。アフリカ全土でも販売店舗が少なく、そして高価だった。Bamanyaはネットで検索した後、必要な部品を現地で購入できることに気づき、独学で電子回路を学んでいくことになる。
「The Afrorack」はBamanyaのデビューアルバムであり、自由な創造性と慌ただしいエネルギーを表現している。彼はこれらのモジュールがヨーロッパとアメリカの音楽スタイルを念頭に置いて開発されたことを十分承知しており、システムを自分のニーズに合うように、独自の方法論と言語を開発した。Bamanyaは東アフリカのリズムと異なるスケールをこれらの構造に組み込み、それらをフラクタルな破片に分割している。「アフリカには独自の伝統音楽があるため、人々が手に入れられなかった新しいツールを手に入れ、それを異なる文脈で実験している地点にいると思う。」と、彼は語っている。
この姿勢はアルバム収録曲「African Drum Machine」で最も顕著に表れており、CV信号を多くの東アフリカの音楽形態に存在するポリリズム構造を模倣し、複雑なアルゴリズムパターンに分割した。よく聴かなければ4/4テクノのように聞こえるかもしれないが、注意して聴くと、異なるドラムレイヤーとギザギザのオシレータが互いに跳ね返り、催眠術のようなリズムを作り出しているのがわかる。さらに「Inspired」や「Last Modular」では、メタリックでありながら、猫の鳴き声やビデオゲームの要素を取り入れるなどの実験を行なった。ビートの少ないトラックではモジュラーミュージックの歴史に意識的に言及し、コズミックなムードに移行しながらも、東アフリカの特異なリズムでそれを補強している。それらを踏まえて、『The Afrorack』 は、長い間待たれていた会話の始まりであると称されている。
Afrorack – The Afrorack
Label : Hakuna Kulala
Release date : 27 May 2022
Pre-order : https://hakunakulala.bandcamp.com/album/the-afrorack
Tracklist
1. Osc
2. Last Modular
3. Inspired
4. Bass Plus
5. Rev
6. Why Serious?
7. Cowbell
8. African Drum machine
9. Desert
category:NEWS
tags:Afrorack
2020/07/30
8月28日リリース 先日のBoiler Roomでもレーベルショーケース的な配信を行なった上海のレーベル/コレクティブ〈SVBKVLT〉から、レーベルメンバーの1人Goooooseと、ベルリン拠点にするShigeru Ishiharaによるプロジェクトで、ゲームボーイブレイクコアレジェンドであるDJ Scotch Eggとのコラボレーション作品『JAC』が発表。 2019年のNyege Nyege Festivalで出会った2人は、COVID-19が本格的に世界に拡大する直前の今年1月に上海でレコーディングを行なったという。収録曲にはウガンダのMC Swordman Kitalaのボーカルをフィーチャーした「Goose Egg Dub」や、〈Hakuna Kulala〉を主宰し、東アフリカを代表するエレクトロニックプロデューサー Slikbackのリミックス、Seven OrbitsとTSVIによる共同リミックスも収録。 Gooooose & DJ Scotch Egg – “JAC” Label : SVBKVLT Release date : August 28 2020 Bandcamp : https://svbkvlt.bandcamp.com/album/jac Tracklist 1. JAC 2. Dengrouse 3. Goose Egg Dub feat. Swordman Kitala 4. Aphids 5. Rolex 6. Altered Destiny 7. JAC (Slikback remix) 8. Altered Destiny (Seven Orbits & TSVI remix)
2019/11/16
11月22日リリース NY地下で主にシンセウェーブやミニマルシンセなどをリリースする〈Wierd Records〉から作品を一枚残しているサイケデリックゴスバンドRøsenkøpfのメンバーだったSoren Roi。ソロに移行してからは、JS Aureliusなどが運営する〈Ascetic House〉を中心に〈Handmade Birds〉〈Primitive Languages〉などからマイペースにまとまった作品をアウトプット。また、NYのレジェンドIke Yardの中心人物Stuart Argabright率いるプロジェクトBlack Rainのサポートとしてギターも弾いている。 ダブルカセット仕様の前作『Retrograde Amnesia』に引き続き、今作もDJ SpeedsickやHontosなど、素晴らしいリリースが続く〈BANK Records〉から。2017年作『Macon』などにあったアブストラクトな側面は後退し、重くて速いキックや混沌とした電子音の渋滞がタイトル曲に表れているように、さらにフロアに向かっている。カバーの撮影はOK McCauslandが担当。 Pre-Orderはこちらから。レコード、カセット、デジタルでリリース。
2020/08/28
Nyege Nyege Tapesから 南アフリカのダーバンを拠点にするKhera、Malathon、Makan NanaによるGqomグループPhelimuncasiの2013年から2019年までのキャリアを総括するベストアルバムとも作品『Phelimuncasi: 2013 – 2019』が9月13日に〈Nyege Nyege Tapes〉からリリースされる。 初期GqomレジェンドであるDJ ScoturnとDJ MP3によるプロデュースを含む全9曲の今作は、南アフリカのデモ活動で使われるToyi Toyi(警察や治安部隊を威嚇するために足を踏み鳴らしたりする行為)を継承しており、ダークで陰鬱なビートの上にマントラのような歌詞のコール&レスポンスが乗る楽曲は、”会話”のようなスタイルとレーベルは説明している。先行で収録曲「Private Party」のMVが公開。 Phelimuncasi – “Phelimuncasi: 2013 – 2019” Label : Nyege Nyege Tapes Release date : September 13 2020 Bandcamp : https://nyegenyegetapes.bandcamp.com/album/phelimuncasi-2013-2019 Tracklist 1. Ngavele Ngagaxela (Prod by DJ Scoturn) 2. Umahlalela (Prod by DJ Scoturn) 3. Private Party (Prod by Menzi) 4. South Beach eWHEE Ft 004 Da Artist (Prod by DJ
『Lemuria』リリースパーティー開催
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第1弾としてANORAK!とillequalによる「Re:Re:」がリリース
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2024年記憶に残っている5つの何か
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