マヤ文明の音楽をAIでかき鳴らす|Debitが新作アルバム『The Long Count』を発表

現代技術を使って歴史と対話し、追悼の儀式を行う

 

 

Quiet TimeやN.A.A.F.Iから作品を発表してきたメキシコ系アメリカ人プロデューサーDebitが、〈Modern Love〉より新作アルバム『The Long Count』を2月18日にリリース。『The Long Count』とは、不透明な先祖伝来の知識をAIがかき鳴らすフォグバンク、明日へと続く古代の儀式を起動させるエレクトロ・アコースティック・アーケオロジー。

 

DebitことDelia Beatrizが、マヤの管楽器(口笛、オカリナ、フルート、トランペット)を研究するために、メキシコ国立自治大学のマヤ研究機関のアーカイブを利用したことをきっかけに制作が始まった今回の作品。さまざまな音律や音階で演奏できるデジタル機材を開発したDelia Beatrizは、機械学習技術を用いてこれらの音を処理し、遠い過去を現存する芸術の世界に召喚した。メキシコの植民地時代以前の歴史を覗き込み、ミュージック・コンクレートや現代の電子音響音楽から得た複雑な音色にそれらのアイデアを織り込んだ。

 

 

『The Long Count』の10曲は、私たちの現在でも過去でもない、数歩先の時間の儀式を形成している。Delia Beatrizは、マヤの楽器を忘れ去られたというよりも、意図的に消去された世界の一部である、先祖伝来のテクノロジーと表現している。「マヤの音楽がどのように聴こえていたかを正確に知ることはできないが、現代技術を使って歴史と対話し、追悼の儀式を行うことは可能です」と語っている。

 

このサウンドスケープは、不明瞭な共通の記憶と何世紀にもわたって蓄積された感情に取り憑かれており、意図的で直接的かつ綿密に作られている。彼女の微分音による作曲は、その核心部分がサイケデリックであり、次元を超えて形を変え、複雑な心象風景を描き出している。『The Long Count』は機械によって育てられたが、そのDNAには人間の経験がコード化されており、数え切れないほどの世代を超えて囁かれる。

 

 

 

Debit – The Long Count

Label : Modern Love

Release date : February 18th, 2022

LOVE121 – LP / DL

“2nd Day” Stream : https://linktr.ee/ourmodernlove

 

Tracklist

1. 1st Day

2. 1st Night

3. 5th Night

4. 3rd Night

5. 2nd Day

6. 5th Day

7. 6th Night

8. 4th Night

9. 7th Day

10. 7th Night

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