2021/10/22
4曲を差し替えたシン・ヴァージョン
電子音楽作家/ダクソフォン奏者の森山ふとしは、90年代の終わり、内橋和久のワークショップを介して即興演奏を始め、関西ゼロ世代の象徴となった新世界ブリッジ(2007年閉鎖)でソロ・ステージ・デビュー。西川文章とのかきつばた、アキビンオオケストラへの参加、栗原ペダル(neco眠る/NEW MANUKE)とオシロスコッティとのユニット、マイクロふとし等で活動し、その後、自身のワークショップも主催。そんな中、Birdfriendの日野浩志郎(YPY)のすすめで、初のソロ作品集『ゆうたいりだつ』が2015年にカセットで発売。今回リリースされる『ゆうたいりだつ ±』は、4曲を差し替え追加したシン・ヴァージョンであり、「永久保存版」である。
即興演奏を出自とする森山ふとしだが、本作に即興的なものは皆無で、むしろ構築された作品性の高さが際立つ。彼が『ゆうたいりだつ』で目指したのはオーケストラを取り入れた音楽で、しかもこれはブリッジ人脈の音楽に結びつきそうにないユニークな死角、そこからの跳躍であった。ひとり彼はパソコンのソフトウェア音源を使って、約一年かけて本作をものにした。
「にこエレクトロ」「タイムリミット」は国内外で評価される森山的宅録オーケストラの典型で、アルバムの中心には表題作「ゆうたいりだつ」や「やっかいな記憶」という長尺の2曲が据えてある。また、新たに差し替え追加した4曲が妙なオーケストラ感を補充する。挑発的な混淆にイメージされてきた関西ゼロ世代の暴力的な個性の中あって終始控えめな森山ふとしだったが、その内には<関西ゼロ世代に生まれたもっとも微妙な〔変〕>と言えるような特殊な作家性を秘めており、それが本作の摩耗しない作品強度に繋がっている。
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アーティスト名:森山ふとし(Futoshi Moriyama)
アルバム題名:ゆうたいりだつ ±(プラスマイナス)(Yūtai-ridatsu ±)
フォーマット:CD / LP / Digital
カタログ番号:EM1196CD/LP/DL
定価:CD版 2000円(税別)、LP版 2600円(税別)
制作発売元:エム・レコード (EM Records) https://emrecords.net/
マスタリング:Takuto Kuratani (CD)
VINYL用マスタリング&カッティング:Anne Taegart at D&B, Berlin
装丁:木村銀次(Ginji Kimura)
Ⓒ & Ⓟ 2021 EM Records
CD版/Digital版:2021年11月19日(金)
LP版:12月中の予定 ※昨今のVINYL工場の不安定な供給状態のため大幅に遅延する可能性があります。
=CD版=
・CD用マスタリング
・帯付き、通常ジュエルケース
=12″ LP版=
・VINYL用マスタリング
・3mm背シングル・ジャケット
=Digital 配信版=
・配信用マスタリング
・Bandcamp配信
Bandcamp:https://emrecords.bandcamp.com/
1. イントロ B (Introduction B)
2. にこエレクトロ (Nico Electro)
3. クエスチョン (Question)
4. きっかけ (Kikkake)
5. ゆうたいりだつ (Yūtai-ridatsu)
6. タイムリミット (Time Limit)
7. やっかいな記憶 (Yakkaina-kioku)
8. タコパーセントOK(ゆうたいりだつMIX)Taco Percent OK(Yūtai-ridatsu MIX)
9. くろ (Kuro)
category:NEWS
tags:森山ふとし
2019/12/04
12月5日、6日開催 ロンドンを拠点にするヴィジュアルアーティスト Jesse Kanda の音楽プロデューサー名義 Doon Kandaが〈Hyperdub〉からデビューアルバム『Labyrinth』を先月末にリリース。12月7日にWWWで開催される〈Hyperdub〉の15周年記念パーティーへの出演も控える中、12月5日と12月6日にオーケストラ編成でのライブ、さらにJesse Kandaとしての展示の開催も発表。 D.K.O. (Doon Kanda Orchestra)のメンバーはMarie Suga、Kotaro Nagano、Reison Kuroda、Manami Kakudo。instagramでは演奏のプレビュー映像も公開されている。 https://www.instagram.com/p/B5kc47MA8wR/ 会場は中目黒のカレー屋「香食楽(kakura)」。両日ともにチケットはカレー付きの25人限定となる。またJesse Kandaのエキシビジョンも同時に開催がスタートするようだ。(12月7日以降は無料) 12月5日のチケットの購入はこちら。 12月6日のチケットの購入はこちら。
2020/02/14
3月20日リリース YPYやgoatでの活動、またVirginal VariationsやGEISTといったプロジェクトを手がけ、海外の実験音楽シーンでも絶大な信頼を得る音楽家、日野浩志郎が運営するD.I.Y.レーベル〈Birdfriend〉が初のレーベル・コンピレーション『Bird Cage: Birdfriend Archives』を発表。 名前ではなく「音」で選ぶ徹底した作家基準で、エレクトロニクスや自作改造楽器クリエイター達のD.I.Y.音楽をリリースし続けてきた本レーベルから少部数リリースされた12アーティスト計18曲を2枚組アルバムに編集。各アーティストのプロフィールを日本語・英語掲載、ディスコグラフィーとアーティスト写真も併載。 このBirdfriendの仲間達を主催である日野の職権乱用で一ヶ所に収める<実験>を試みたのが、〈Birdfriend〉初のレーベル・コンピとなる本作『Bird Cage(鳥かご)』。今こそ得体の知れないバードフレンド達の偉業(異形)を高らかに世に問う。これを聞けば貴方はなんだかよく分からない気持ち(感動?)に包まれ、そしてたぶん無性に創造したくなる。 「実験的、挑戦的すぎてリリースするのが難しいがそれでも素晴らしいものはたくさんある」(日野浩志郎談) Various Artists – “Bird Cage: Birdfriend Archives” 発売日:3月20日 フォーマット:CD2枚組、LP2枚組 仕様:日本語・英語解説、写真、ディスコグラフィ掲載 制作発売元:エム・レコード (EM Records) http://emrecords.net/ Disc 1 A1. Sofheso – “M.N.L” A2. 湿った犬 – “Bird Peck at Dead Dog” A3. NEW MANUKE – “Fastest Motor” A4. YPY – “BFMIX B-3” A5. JMT Synth Pinosaku – “Tansun” B1. 湿った犬 – “Dog is Surrounded by Birds” B2. UNBE – “Vector Milk” B3. YPY – “The Damo UFO” B4.
2023/06/16
ルーズに清廉、腰パンでアンビエンス 謎多きベッドルーム・SSW、Sarenが1stシングル「なつのほしのうた」をリリース。アートワークは〈CHAVURL〉の活動でも知られるeijinが85%ほど仕立て、残る15%をSarenが担当。 「なつのほしのうた」は、静/興奮の両面を感じさせるトランシーなサウンドに、不器用さと繊細さを織り交ぜたフロウが溶け合う、夏の一夜をモチーフとした美しい一曲。脳裏に焼き付くようなSupersawの奔流は、自由奔放かつファンタジックに叙事的なイメージを表現する”狂詩曲 / ラプソディ”としても咀嚼できる。 寡黙さと清廉なパーソナリティを保ちながら昨年末にリリースされた「オレンジレンジ (Tohji,ry0n4,Yoyou,Gummyboy,lil soft tennis,saren)」でのスピット、先日開催された〈chavrulove〉でのアクト等で確かな存在感を示すSaren。当人曰く「腰パンでアンビエンスを追求するみたいな」ラフさと美しさを折衷するスタンスが、クラウド・ラップ以降のポップスの新たな在り方を提案。 Saren – なつのほしのうた Release date : June 16 2023 Stream: https://linkco.re/ff4t57Cn
受け手の自由に寄り添う作品
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