2019/12/09
暗闇と悪夢の美しさ
スペイン・マドリードを拠点にするプロデューサーLoyalty XIXは、DJ Heroinとのコラボレーションや〈TAR〉からのリリースを経て、先月新作EP『Catrialis』を〈angoisse〉からリリース。マスタリングはJesse Osborne Lanthierが担当。11月22日には、バレンシアにてLouis Me (Jerome / Daga)、Otro (Midlife)、David M. Romero (angoisse)を迎えて本作のリリースパーティーが開催されている。今回は〈angoisse〉の協力の元、Loyalty XIXにインタビューを行った。
– どのように育ち、今までどんな道を辿ってきたのでしょうか?
Loyalty XIX – スペイン南部で育って、13歳の時マドリードに引っ越したんだ。その後16歳でアメリカに行って、マイアミとプエルトリコを行き来して4年間過ごした。それからもいろいろな所で過ごしたんだけど、今はマドリードに戻っていて、ここでグループDagaと何か特別なものを創りたいと思ってるよ。
– 楽曲制作を始めたきっかけは?
Loyalty XIX – 音楽にはずっと興味があって、ジャンルには関係なく興味を引かれたものは片っ端から聴いていたね。10代の頃は両親の聴いていたヘビーメタル、クラシックラップ、ソウル、ファンクなんかを何でも聴いてたよ。今もそうだけど参考になるような楽曲はたくさんあった。親友が僕のコンピューターに音楽のソフトウェアをインストールしてくれて、そこから曲を作り始めたって感じかな。
– 今回のEP『Catrialis』のどんな作品になりました?
Loyalty XIX – このEPには、僕の傍らにあった最近の作品から、暗闇や悪夢を思わせる美しさやサウンドを取り入れたかったんだ。僕はプロデューサーとして自分が行きたいところ、近づきたいところを表すようなサウンドをいつも探している。『Catrialis』では自分の思っていたことができたと思う。その表現にはとても満足しているよ。
– 今作はどのようなプロセスで制作されたのですか?
Loyalty XIX – 僕は曲作りにすごく迷っていて、やる気も起きず、自分のやってることに何の興味も持てなかった。そこで、やりたくないことや誇りの持てないことを無理にやるのは止めたんだ。今年になってようやくもう一度曲を作る気になった。僕の傍らには完成した、あるいはやりかけの曲やプロジェクトがいっぱいあったから、そこから「Catrialis」に入れるものを選んだんだ。
– 普段はどんなふうに過ごしていますか?
Loyalty XIX – モーショングラフィックスのデザイナーとして働いて、時間があれば曲を作っているよ。
– 今後の計画は?
Loyalty XIX – 音楽について言えば、僕が聴いて楽しんでる人たちの音楽をローカルシーンに持ってきたいと思っている。アンダーグラウンドミュージックのプロデューサーやDJたちをもっとスペインに呼びたいんだ。2020年には2019年よりたくさんの楽曲をリリースする予定だよ。それから2020年にはツアーもできればいいと思ってる。
– 理想の将来はどんなもの?
Loyalty XIX – やりたいことをやって、できるだけハッピーでいること。
〈Original〉
– Please tell me about your childhood. / Can you tell us about your personal history
Loyalty XIX – I was raised in southern Spain. Later at 13 years old I moved to the Madrid. And then at 16 y/o I moved to United States where I spent 4 years between Miami and Puerto Rico.
I’ve been moving since then but now I’m back in Madrid, where I want to create something special with my collective Daga.
– How did you get into making music?
Loyalty XIX – I was always interested in music. No matter the genre, I listened to everything that caught my attention. In my teenager days I listened to
all kind of heavy metal, classic rap, and soul and funk from my parents. I was discovering a lot of music references, just like now. My best friend installed a music software on my computer and I’ve been producing music since then.
– What is the concept behind your EP “Catrialis” ?
Loyalty XIX – I wanted to put the darkness and nightmarish aesthetic and sounds from my latest production aside. I’m always in search of a sound that defines
where I want to go or where I want to approach as a producer. With Catrialis I think I did what I had in mind and I’m very happy how it came out.
– Please tell me the process of production of “Catrialis” ?
Loyalty XIX – I was pretty lost making music and demotivated. I didn’t find anything interesting in what I was doing, so that’s why I stopped pushing myself to
something I wasn’t happy or proud of. This year I did finally find the motivation to start making tracks again so after finding myself with a bunch of finished and unfinished tracks and projects, I selected the ones that would be part of ‘Catrialis’.
– Usually what do you do?
Loyalty XIX – I work as a motion graphic designer and make music when I have time.
Do you have any future plans?
Loyalty XIX – Musically speaking I’d love to bring people I enjoy listening to the local scene. Bring more underground music producers and DJ’s to
Spain. I plan to release more music in 2020 that I did in 2019. And hopefully make a tour in 2020.
– What would your ideal future be like?
Loyalty XIX – Being the happiest possible, doing what I love.
category:FEATURE
tags:angoisse / Loyalty XIX
2018/07/10
CemeteryとCONDOMINIMUMの目指す未来。更新と継続。 CemeteryはKota Watanabeのソロプロジェクトである。知り合った頃はCemeteryでもBatman Winksでもないインディバンドのメンバーとして活動を行なっていたが、コペンハーゲンのレーベルPosh Isolationに魅せられた彼は次第にサウンドもスタイルも変貌していく。2015年頃に彼は仲間と共にイベント/コミュニティのCONDOMINIMUMを始動させ、DYGLやCairophenomenonsら同世代のアーティストと共に東京のシーンを築いていった。2017年にはCONDOMINIMUMのレーベルラインであるCNDMMもスタートさせ、CVN、Cemetery、Suburban Musïkの7インチをリリースした。その年には雑誌POPEYEに見開き2ページに渡って紹介されるなど、アンダーグラウンドを超えて、その勢いは拡大するかのように見えたが、現在CONDOMINIMUMとしての動きはほぼ止まっているように見える。その反面、Cemetery個人の活動は絶好調だ。昨年アメリカはインディアナの老舗レーベルSacred Phrasesから『Vessels』、スペインはバルセロナのレーベルangoisseから『excoriation 瘢痕』を立て続けにリリースし、今年は映画『ガーデンアパート / The Garden Apartment』の音楽を担当、さらに今後も新作のリリースが予定されているという。CONDOMINIMUMの現状は一体どうなっているのか、Cemeteryとしての活動は今後どのような動きを見せるのか、渋谷の喫茶店で甘いものを食べながら話を聞いた。 – 食べるものとかいらない? Cemetery – 大丈夫です。食べるものってなんかあります? – あるよ。(メニューを見せる) Cemetery – あ、じゃあ僕ケーキ食べていいですか。 – どうぞ。 Cemetery – ショコラ食べます。お昼食べてないんですか? – いや、食べたよ。(店員さんに向かって)ショコラと、ハニートーストください。えっと、じゃあCemeteryさんでいいですか? Cemetery – Cemeteryさんでいいですかってなんですか。(笑) – 去年の話からで、たくさんリリースしてると思うんだけど。5月にSacred PhrasesからEP、7月にCONDOMINIMUMから7インチ、9月にangoisseからEP。 Cemetery – そうですね。 – リリースがあんなにポンポンポンって続いたのって初じゃない?いろいろ用意していたのが重なっちゃった感じ? Cemetery – そんなに意識的にやっていたわけじゃないんですけど。それこそ多分去年くらいに佐久間さんにも相談したんですけど、海外にどんな感じに音源送るんですかって聞いていて。海外から音源出している人にどうやったら繋がれるのかっていう話を聞いていて、録り溜めてた曲をレーベルに送っていったら、タイミング良く重なってコンスタントになっていった感じです。狙って一気に出そうというのはなかったですね。 – あれはリリース順の感じに作ってるの? Cemetery – そうですね、5月のSacred Phrasesのやつは、Cemeteryを始めた当初くらいに作っていたものです。 – そういうことね。 Cemetery – 機材変えたりとかもあったので。 – 制作環境はどんな感じなの? Cemetery – まず、DAWはCubaseで。そろそろ変えようと思ってるんですけど。でも、慣れちゃったら変えるの怖くて。みんな使ってるableton使いたいなってのはあるんですけど。現状慣れちゃったのでめんどくさいんですよね。 – 絶対そうだよね。また最初から使い方覚えるのもめんどくさいよね。それすごいわかる。 Cemetery – 佐久間さんはLogicでしたっけ? – DAWは録り機っていうか、サンプリングした素材やシンセで作った素材をひたすら使える素材として、伸びたり縮めたり加工してストックをフォルダに溜めて、制作するときに引っ張り出して、並べたり。で、それをライブの時にリアルタイムでポンポン出せるようにもストックしているっていう。 Cemetery – それだとあんまりDAW関係なくていいですね。 – 曲にもよるけどね。これはAya(Gloomy)ちゃんにも話したんだけど、日本よりも中国の方が、自国の文化のテイストをアートワークであったりとか、フレーズに打ち出す人が増えてきて。おそらく日本の方が後だと思うんだよね。それをクールだという空気ってあるじゃないですか。わかりやすい例だと、TzusingのL.I.E.S.から出たアルバムとか。タイトルも漢字だし。 Cemetery – そうですよね。使ってる楽器も打楽器とかすごい多いですよね。 – Tzusingは最初はそうじゃなかったけど、だんだんとあのテイストが出てきて、それが日本にも広がったと思うんだけど。Ayaちゃんも日本語で歌い始めてるし。Cemeteryのangoisseからリリースされた作品のタイトル『excoriation (瘢痕)』とか、収録曲の『Unknown stains in yr memory』も、そういうテイスト入れたのかな?って思ったけど、実際どうかな? Cemetery
2018/06/21
バルセロナのangoisseからリリースされるMace.の新作よりCVNのリミックスが先行リリース。 昨年ジャパンショーケースツアーを行ったバルセロナのレーベルangoisseが、Mace.の新作リリースをアナウンスした。angoisseからは2作目のリリースとなるMace.の新作はTシャツに新曲のダウンロードコードが付属したEPとなっており、その中から先行でCVNのリミックスをフリーダウンロードでリリースした。 以下のSoundcloudからダウンロードできる。 さらにこの後Corinによるリミックスもリリース予定だ。 またアートワークはangoisseオーナーのDavid M. RomeroとWes Soが手がけている。
2019/07/30
2017年以降のサウンドトラック。 Mace.はイタリアを拠点にするプロデューサーEnrico Cesaroによるプロジェクト。2017年に、David M. Romero主宰のバルセロナのレーベル〈angoisse〉からEP『Life, Intelligence, Joy, Breathing.』をリリースしている。 最初のリリース発表から約1年の期間を経て、Mace.の約2年ぶりの新作EP『Exor』が〈angoisse〉から本日リリースとなった。〈Bedouin Records〉からニューアルバム『Manifest』をリリースしたCORINと、〈Orange Milk〉からニューアルバム『I.C.』をリリースしたCVNによるリミックスを含む5曲入り。マスタリングはAdam Jankowski、アートワークはDavid M. Romeroが担当。悪夢から覚めて、まだ意識が朦朧とする中で聴くSci-Fiエレクトロニック / テクノ。 購入はこちらから。
受け手の自由に寄り添う作品
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東京・大阪を回るジャパンツアー開催
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