
2025/12/18
CLUB QUATTRO SHIBUYA、WWW、WWWβの全出演者33組を紹介

来年1月23日(金)に開催を控えるAVYSS Circle 2026。この特集では、デイタイムを彩る各会場の全ラインナップについて一組ずつ魅力や見どころを紹介していきます(さらなる追加発表の可能性も)。
R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOXの出演者にフォーカスした特集に続く第三弾では、デイタイムのメインフロアとなるCLUB QUATTRO SHIBUYA (4F+5F)、WWW、WWWβの出演者について、バイオグラフィーや遍歴を交えつつ個々の魅力を音楽ライター・つやちゃんとNordOstが紹介していきます。
Ticket:https://eplus.jp/avysscircle-2026/
Text:つやちゃん+NordOst / 松島広人
Edit:NordOst / 松島広人
渋谷円環。渋谷という街の地理的な性質を借りながら、同時に、いまの私たちのあり方を語るコンセプト。これまで下北沢で円を描いてきたAVYSSの美学は、この日渋谷でより一層開かれたかたちをとる。
渋谷は、一直線に進む街というより、回遊しながら、気づけばまた別の場所へ戻っているような円環的な動線を持っている。AVYSS Circleが掲げる円環とは、その回遊性を単なる街歩きの比喩としてではなく、感覚やコミュニティが循環していく構造として捉え直す試みだ。成長や上昇の物語でもなく、メジャーとインディを直線的な縦関係に置くわけでもない。別種の密度が更新されながら、私たちは円のどこに立ち、どの半径で回っているかを、少しずつスライドさせていく。
たとえば、オンラインとオフラインの関係もまた円環化している。以前なら、ネットで拡散し現場へ向かう、という往復で語れたものが、いまでは部屋で作られた音楽が初めから現場の匂いを帯び、クラブの熱気がそのままタイムラインの質感になる。行き来する二地点ではなく、同時に重なった一つの環境。
円環とは、この重なった現在のなかで、点在する個々の感覚が一度だけ同じ軌道上に並び、またそれぞれの場所へと散っていく運動のことだ。登竜門でも、ショーケースでもない。むしろ序列を固定しないまま、街の上で、いくつもの速度と半径を持った個が交差する状況。そこで起きるのは、すれ違いと接続の更新であり、終点を持たない循環としての可視化である。
(つやちゃん)
【CLUB QUATTRO 5F】
daine
オーストラリア・メルボルン出身のdaineは、ミッドウェスト・エモの内省とブログハウス的な快楽主義を、垂直に組み合わせる現代のポップ・シャーマン。2022年に『Quantum Jumping』、2023年に『shapeless』、2025年に『i want the light to swallow me whole』と、これまで3枚のEPとシングル諸作を発表。同年、Ninajirachiのアルバム『I Love My Computer』に参加。
SoundCloud的なDIY精神を出自に、ハードコア的な衝動とダンス/クラブの官能を同居させるdaineのプロダクションは、単なるジャンル横断ではなく、感情のコラージュとして聴き手を刺激する。その在り方は、感傷と冷笑の狭間で揺れる私たちの様子を最も過激に表象する──傷つきやすさをさらけ出すと同時に、その傷をエンターテインメントとして可視化する現代の鏡として。
ほしのおと
ほしのおとは、naco gotohとchiho satohが旗を振るオルタナティブな音楽空間であり、単なるイベントシリーズにとどまらずDJユニットとして活動するなど、二人の感覚を鋭く切り取る共有装置としてインディペンデントなシーンで存在感を発揮する。
バンド/SSW/ラッパーからDJ、VJ、展示、POPUPまでを積極的に横断させるフォーマットは、シーンの断片化した孤独な惑星をつなぎ直す試みそのもの。ほしのおとは、ポスト・シーン時代における新しい共同体のプロトタイプでもある──閉じたコミュニティへの安住ではなく、あらゆる来場者に「自分の宇宙」を再発見してもらうために。
No Buses
2016年結成のバンド。日本のインディ・ロックにおいて長らく反復されてきた青春やエモーションの語り方を、2020年代以降の感覚で再定義した存在。音像は軽やかでも、感情の輪郭を急いで言語化しない慎重さがある。近年は日本語詞の比重も増え、曖昧さや機微がむしろ強度として立ち上がっている。
さらに重要なのがフロントマンである近藤大彗=Cwondoの神出鬼没で縦横無尽なソロ活動。Cwondo名義での精力的な制作/実験の蓄積がバンドへ跳ね返り、ポップネスと実験性を同時に更新する循環を作っている。No Busesの功績は、感情を叫ぶのではなく、編集して残すことをバンドサウンドの中心に据え直した点にあるのではないか。
トップシークレットマン
北浦和出身、4人組の「親にバレたくない」バンド。いまの時代の音楽的混沌と若者文化のエネルギーを、まるで生きたサンプルパックのように全方位取り込んで吐き出す存在。代表作である2023年作『漫喫、レイプされた先輩へ』は「普通にコンプラ引っかかって配信停止」されたとのこと。
彼らのサウンドは、パンク/ハードコアの爆発的衝動に加え、電子的躍動、100 gecs以降のハイパーポップ的過剰さを掛け合わせ、懐かしさと新鮮さが同居するカオスとして聴き手の感覚を揺さぶる。インタビューでもメンバー自身が「好きなジャンルを全部マッシュアップしているだけ」と語るように、その雑食性は表層的ではなく、身体性と電子性を同時に突き詰める思考実験として機能している。
雪国
2023年に結成された、東京を拠点に活動するスリーピースバンド。2024年発表の1stアルバム『photos』が『CDショップ大賞2025』で関東ブロック賞を受賞、2025年には〈FUJI ROCK FESTIVAL’25〉内「ROOKIE A GO-GO」ステージに出演するなど、シーンを超えた賞賛を呼んだ。現代的な感受性を、静けさの中の激しさとして可視化するバンドと言っても過言ではない。
彼らの音楽は、内省的でありながら自己開示に回収されず、抑制された音像と余白によって感情を配置する。都市のざわめきや孤独、言葉にならない違和感とバンド・サウンドを静かに接続し、聴き手の身体感覚へと沈み込んでくる表現が、渋谷の街でどのように受容されるのだろうか。
【CLUB QUATTRO 4F】
Emma Aibara
2020年代のエレクトロニック/ポップ以降のシーンにおいて、声と身体とテクノロジーの関係を再設計しているアーティスト。エモ、シーンコアといったジャンルを着想源に、20年代以降のブレイクコア・ムーブメントと呼応。アメリカ移住などを挟みつつ、2025年8月にはアルバム『u:phobia』を発表した。
クラブ・ミュージックやアンビエント、R&Bの語彙を参照しながら、自己は溶解と再構成を繰り返す流動的な存在として活動を続ける。AVYSSのコンピレーション『i.e』収録のTommy heavenly6「pray」では、ポスト・インターネット以降の不安定な自己感覚を、極めて現代的な解像度で表現した。
ikea
帰国子女とsz2uという2名の宅録系ミュージシャン同士が出会い、バンドとしての衝動を爆発させた新世代のポップ/ロック・ユニット。細野晴臣「薔薇と野獣」、フィッシュマンズ「BABY BLUE」といった楽曲のカバーを経て、初のEP『ikea』をリリースしたばかり。
かねてから自主制作を重ねてきた両者は、ikeaというプロジェクトについてSNSプロフィール上で「Japanese Digicore Band」と表明。既存のインディ・ロックやポップがしばしば記号的若さに耽る傾向にある中で、むしろその記号を逆手に取り、軽やかさと刹那の鮮度を同時に成立させる方法論を提示している。
Le Makeup
日本のオルタナティブ・ポップ~インディ・シーンにおいて感情や自己像を制作・編集・距離化を経て提示し続けてきたSSW/トラックメイカー/プロデューサー。関西ローカルにおいて後進へ多大な影響を与えてきた重要人物でもある。2019年に『Aisou』、2020年に『微熱』、2023年に『Odorata』、2024年に『予感』と、これまでに4枚のアルバムを発表。ほか、近作では柴田聡子+Elle Teresa「ときめき探偵」への参加、パソコン音楽クラブ『Love Flutter』での客演など、幅広いアーティストと共作を重ねている。
2024年のアルバム『予感』は、制作者の手触りが丁寧さとともに伝わる作品で、その誠実さはLe Makeupにしか醸し出せないもの。声や言葉は親密で柔らかいが、それは共感を即時に回収するためではなく、むしろ聴き手に解釈の余白を残すために表現されている。
Lilniina
日本のラップ/オルタナティブ以降のシーンで、感情の儚さや「kawaii」美学を戦略的に可視化してきた存在。2020年以降、複数のEPと多数のシングルを発表している。
TikTokでバイラルヒットした「cigirl」(prod. safmusic)等を聴くと分かる通り、彼女のスタイルは、エモ・ラップやクラウド的感覚、インターネット由来の断片性と地続きでありながら、単なる海外潮流の受容にはとどまらない。むしろ、サンリオキャラなどのキュートネスを取り込みながら、日本語の手触り、日常の脆さ、自己否定すら抱え込む語り口によって、ローカルな現実感を掴み取っている。
safmusic
「seasons and freqency」をコンセプトとするソロ・プロジェクト。2022年に『From this river, to the ocean』、2023年に『You are not rockstar, I’m not rockstar』、2024年に浅井杜人とのユニット・与謝野としてEP『明星』、2025年に『MASTERPIECE』と、これまで3枚のアルバムと1枚のEPを発表している。
safmusicの登場以降、日本のオルタナティブ/エレクトロニック以降のシーンにおいて、ジャンルで語ることの無効化はさらに進んだ。音楽性はIDM、アンビエント、エモ、ポップ、クラブ・ミュージックなど複数の系譜に接続しているが、感情と音響を同じ解像度で扱う態度によって、聴き手の感覚そのものが滞留する。2025年にドロップしたアルバム『MASTERPIECE』は、そのタイトル通り、複数のアティチュードを融解させた金字塔に。
死夏
mostin fantasyによる〈点灯〉、iichiro tayaによる〈Ott Yarris〉、池田貫太による〈SPEC〉などのイベントに代表される、コロナ禍以降札幌を中心に広がるオルタナティブ・シーンから登場したDJ、死没と夏至による北海道拠点のB2Bユニット。
遠く離れた北の大地に位置しながら、幡ヶ谷FORESTLIMITや渋谷WWWβなどで展開される現行オルタナティブ・クラブシーンと強く共鳴しており、首都圏現場ともリアルタイムで同期した活動をマイペースに続けている。とくに現在はミニマル化を遂げたフットワークなどの実験的なクラブ・ミュージックへ熱視線を送っているようだ。
(NordOst)
XAMIYA
自身の内面や不安定さを隠さず引き受けるソングライティングと、キャラクター性を強く意識したビジュアル表現が一部でカルト的人気を誇るKAMIYA。プロデューサー/ソングライターとしてインディからメジャー・ポップまで幅広いアーティストに楽曲提供を行い、近年ではXGのプロダクションにも関与するなど、グローバル志向のポップ・フィールドとも接続してきたXANSEI。
XAMIYAは、その二人が結成したユニットだ。異なるバックグラウンドを持つ二人が出会い、音楽的な衝動を等価に扱いながら創り上げるサウンドは、単なる折衷ではなく、過去の聴覚装置を再起動するようなポップカルチャー/サブカルチャーのアップデートとして機能している。
諭吉佳作/men
2003年生まれの音楽家。これまでに4枚のEPと1枚のアルバムを発表するほか、ゲーム「学園アイドルマスター」への楽曲提供をはじめとするさまざまなコラボレーションを展開。2021年作品『からだポータブル』から2025年に発表したアルバム『テーブルテニスのゲームのレフィル』へと至る過程で一貫しているのは、違和感や途切れをそのまま残しながらポップに聴かせる編集感覚だろうか。
また、長谷川白紙や崎山蒼志をはじめとする若手クリエイター、でんぱ組.incやfishbowl、diigといったアイドルとのコラボレーションに見られるように、個として閉じるよりも、関係性の中で表現を更新してきた存在でもある。圧倒的な自己表現のユニークネスを保持しながらも、シーンの接続点として機能する稀有なポジショニングに痺れる。
yuzuha
現行インディ・シーンにおいて、エーテルな空気感をロックなサウンドを通して成立させる2000年生まれのポップ/ロック作家。アーティスト・チーム〈XPEED〉の一員として初期から活動を重ね、EP『feather』で見せた瑞々しい感触は、その後のアルバム『Love Notes』へと深化した。
ゼロ年代への憧憬やギターによる楽曲制作を軸にしながらも、サウンドは重さや衝動に回収されず、浮遊感と透明度を保ったまま感情の輪郭を描く。その編集感覚は、意識的なジャンル横断というよりも、ロックを“感覚”の媒体として再定義する試みに近い。
【WWW】
AssToro
SoundCloud上でかつてtrash angelsのメンバーとしてシーン黎明期を支え、現在はtmjclubの一員として活動。国内のハイパーポップ~デジコア以降のシーンを牽引してきた重要人物のひとり。2025年にはアルバム『現し世』をリリースし、今回出演する渋谷WWWを舞台にしたワンマンライブも成功させた。
デジタルに加工された声、過剰に歪んだビート、破壊的でありながら内省的なメロディ、飄々とした雰囲気とシリアスさの往復――インターネット美学をゴスや耽美的なフィルターで表現する態度は、単なる刺激やジャンル模倣にとどまらず、現代的な「主体の不安定さ」そのものを映し出している。
dodo
2010年代にデビューを飾ったラッパー。これまでに5枚のEP/アルバムを発表。ヒット曲「im」に象徴される通り、2010年代後半から現在に至る日本語ラップの流れの中で、「弱さ」や「どうしようもなさ」を誇張も演出もせず、そのままラップとして成立させてきた特異な存在だ。USヒップホップの影響を受けつつも、彼の表現はフロウの巧緻さやセルフブランディングに回収されない。
むしろ日常の停滞、劣等感、衝動的な思考の反復といった処理されない感情が、そのまま言葉として置かれる。dodoの功績は、日本語ラップを自己主張や成功の語りから引き剥がし、感情が未整理のまま存在できる場所をシーンに作り続けてきた点にある。ある種の先駆者が、AVYSS Circleに初登場する。
Effie
2hollisの韓国公演のサポートアクトを務めるなど、今やアジアを代表するハイパーポップ・アーティストへと成長した韓国のラッパー。10代の頃の生活への葛藤のなかで音楽へ救いを見出し、K-POPに影響を受けたどこまでもポップなメロディに乗せて歌う自己の物語は圧倒的な求心力を誇る。
一方で、国やジャンルを越えた共同制作にも意欲的な姿勢を見せており、とくに中国拠点のSEBiiをはじめとして、同じく中国のBillionhappyや韓国勢のThe Deep、日本のkegønとのコラボ曲など、シーンに数々のアンセムを生んできた。いわゆる“kawaiiカルチャー”のハイパー的解釈としても重要な役割を果たしており、MVで描かれるようなEffieならではの感性は必見。
iiso
韓国出身、K-POPともベッドルーム・ポップとも一線を画す、感情の質感をデリケートに編集するポップ・アーティスト。2023年にリリースした「Salad Days」がスマッシュヒットし一躍注目を集め、2025年3月にはEP『Ash』を発表。Planet Rave以降のダンスミュージックのフィーリングにY2K的なキュートさを掛け合わせつつ、透明感あるパッドと柔らかなビートで、親密さと身体性の境界を曖昧にするサウンドを作り上げている。
ジャズピアノ奏者というバックグラウンドを持ち、幼少期から絵画や手芸に親しんできた彼女は、その豊かな感覚を音楽に巧みに反映してきた。「癒し系テクノの妖精」とも形容される一方で、怒りや鬱といった内発的な感情すら柔らかい質感で反映する大胆さも持つ。
It’s US!!!!
2024年にSunny Only1が立ち上げた東京発の音楽クルー。フィリピンのルーツを持つitsKohkiに加え、Ryo Fukuro、Noah Cobreらとともに、R&B、ソウル、シティポップ、ヒップホップといったオールタイムな語彙をボーダーレスに溶かし込みつつ、メンバー全員が作詞・作曲・編曲を手がけるDIY精神を貫いている。
自己表現と共同編集の混成をポップとして提示し、個人の衝動とシーンの共有可能性を同時に立ち上る腕前は唯一無二。代表曲の「走れ」を聴くと分かる通り、It’s US!!!!の存在は、ポスト・ジャンル時代における集団での感受性の設計として聴き手の想像力を大いに刺激している。
kegøn
兵庫県出身で東京を拠点に活動するシンガー/プロデューサー/ラッパーであり、ジャンル横断的なポップとハイパーポップ/ラップを自家発電的に組み合わせる表現者。2025年のアルバム『DONTMIND』では、中国のBillionhappyや韓国のEffieらを客演に迎えるなど、アジア圏のクリエイティブとの接続も鮮やか。
活動初期からたえず作風に変化を与え続けており、現在はラップ、ロック、エレクトロニック、ハイパーポップ的断片を混在させながら、聴き手の感覚を引き裂くような速度と柔らかさを同居させている。2025年にはキャリア初となるワンマンライブを渋谷WWWXにて実現し、前述したAssToroと同じく成功に導いた。
lilbesh ramko
言わずと知れた次世代のスター。2025年には国内最大級のヒップホップ・フェス〈POP YOURS〉にも出演を果たし、同年8月には待望のEP『生活*1』をリリース。現在の国内ハイパーポップ・シーンにおいて、最も注目を集める存在のひとりであり、同時にその輪郭を決定づけてきた当事者でもある。様々なプロデューサーやアーティストとのコラボレーションを通じて、シーンを横断的につなぎ、点在していた日本のハイパーポップを一つの流れとして可視化した功績も大きい。
lilbesh ramkoの音楽性は歪んだビートや極端な加工、感情の断片化といったハイパーポップ的語法を用いながら、それらは単なる過剰さやアイロニーに回収されない。生活の不安、自己否定、関係性の揺らぎといったリアルな感情を、未整理のまま差し出すその態度が、ジャンルを“スタイル”から“居場所”へと変質させた。強さや成功を誇示しないまま中心に立つことで、この音楽を「今を生き延びるための表現形式」として定着させた象徴的存在といえる。
SxC Loser
DJ/ライターとして活動するNordOst、長年に渡りクラブシーンを見つめてきたYONEDAことゆうもぐによるDJユニット。AVYSS関連イベントのほか、幡ヶ谷FORESTLIMITや新宿SPACEなどで開催されてきたパーティーシリーズ〈第四の道〉、lilbesh ramko主催〈バビフェス〉への出演などで、ダンス・ミュージックとエッジーな現行のサウンド、キッチュなインターネット音楽などを荒々しくも両立させてきた。
ジャンルやキャラクターを固定せず、常に仮の姿で現れ続けるような二人のその姿勢は、ラベリングと消費が加速するシーンへの実践的な批評でもある。今回のAVYSS Circle 2026ではWWWのオープニング・アクトとして登場。負けて輝け、SxC Loser。
sysmo
2024年後半にかけて複数のシングルを発表、2025年2月にリリースしたEP『BYE-BYE KARAOKI!』が話題を呼び、デビュー直後から日本のエレクトロポップ/インディシーンに新しいダイナミクスを生んでいる3人組。シェアハウスという生活空間そのものを制作の核に据える姿勢で、「ステージと制作環境の分離」を解体してきた。
彼らのスタジオはリビングであり、音楽は生活と不可分に融合している。音像はポコポコとしたシンセから生まれる軽やかなエレクトロポップと、インターネット的カーニバル感を併せ持ち、SoundCloud由来の雑多さとポップの遊び心を同時に鳴らす。この、生活の断片がそのままサウンドになる方法論は、デジタル・ファーストで消費されるポップ感覚へのカウンターのようでもあり、インターネット感覚とリアルな身体感覚を揺らぎとして同時に保持する世代の音楽像を提示している。
Yoyou
2020年に突如デビューを飾ったスカム・ミューズ。2023年作『my Sta’』収録曲「 i to i」のMVがヨーロッパ最大級の国際的MVアワード「Berlin Music Video Awards 2025(BMVA)」の授賞式にて公式上映されるなど、近年は海外からの熱視線も浴びている。
日本オルタナティブ/ハイパーポップ以降のシーンにおいて、エモーションとフォーマットの関係を軽やかに組み替えてきた存在であり、シーン内外のアーティストと柔らかく接続しながら自身の輪郭を固定しないその姿勢は、ラベリングと消費が加速する現在への実践的なカウンターにもなっている。同時に、ギャル文化への憧憬とインターネット感覚を架橋し、曖昧で未整理な感情が居続けられる居場所としてシーンに提示した功績も大きい。水のような不定形なサウンドは、聴く者をどこまでも繊細に包み込む。
【WWWβ】
Amuxax
山口県出身、現在は東京を拠点としつつパンデミック以降のSoundCloudシーンで活躍するアーティスト。コロナ禍にはコレクティブ〈trash angels〉にて活躍。クラブ/エレクトロニック以降の感覚をベースに、バンド音響と身体の関係を鋭く更新してきた。
近年はヒップホップ領域よりもシューゲイズ・リバイバルやインディースリーズといったムーブメントと共鳴するような動きを見せており、抽象度の高いサウンドでありながら、実験性に閉じない多角的なグルーヴ設計が印象的。現行クラブ文脈とアート的志向を自然に往復する存在といえる。
荒井優作
京都を拠点とする音楽家。HIPHOP/R&Bに影響を受け、10代の頃より活躍。映画や舞台、ファッションショーへの楽曲提供や、美術・テキストなど音楽以外の領域でも活動するマルチ・アーティスト。ピアノを基軸においたアルバム『a two』、ラッパー・DEKISHIの2ndアルバム『CULT』のリミックス盤のCD限定販売など、独自のスタイルでリリースを重ねている。
日本語の抑制された響きと素朴なメロディを用い、感情を説明せず“置く”ことで、聴き手に解釈の余白を残す作風が特徴的。butajiとのユニット・butasakuをはじめ、dodoとの「she got」やGOODMOODGOKU(GOKU GREEN)とのEP『色』など、コラボレーション作品も多い。
iga
福井県鯖江市出身、現在は東京を拠点にする2005年生まれのアーティスト。2022年にSoundCloud上のコレクティブ〈iii〉にてシングルを発表、2023年8月に1st EP『Aft』をBandcamp上でリリース。同年よりライブ/DJ活動を開始し、ラッパー・Tek Lintowe初来日イベントにてデビュー。
2024年7月に2nd EP『BLUESKYFISH』を〈KAOMOZI〉より発表、2025年3月には3rd EP『our』を自主リリース。ほか複数のシングルをリリースしつつ、Telematic Visionsやsafmusic、aryyらとの共作を重ねる。インディーロックやヒップホップからの影響を元に、ハイパーポップ以降のサウンドデザインを踏まえつつ、インターネット的断片性とクラブ的身体感覚を同時に成立させる注目の存在。現在1stアルバムを制作中とのこと。
in-mark
東京都出身のラッパー/SSW。コロナ禍前夜に活動を開始し、2020年4月にEP『In My Head』、2022年10月に1stアルバム『air』、2025年1月に2ndアルバム『I』、同年11月に3rdアルバム『凸凹&FLAT』を発表。dp (Hannibal Anger)、vq、aeoxve、tmjclubといったアーティストやコレクティブとも共作しつつ、あくまでも孤を貫き独自のスタイルを貫徹している。
2025年作『I』ではTarah KikuchiやYoyou、Number Collectorなどを招き、ほぼ全曲を自身でプロデュースしてシンガーソングライター的な感覚とラップの境界線上に立つような重厚な表現を見せた。かと思えば、最新作『凸凹&FLAT』ではikill (discordsquad2k)によるjerkにインスパイアされたビートやWeb上のタイプビートを用い、自身が「嘘の象徴」と見なすスカイツリーから着想を得た「嘘ラップアルバム」をコンセプトとするなど、強いニヒリズムを発揮。ある種の諦念すら感じさせる世界観は、悲しみとも怒りともつかない感情を聞き手に与える。
(NordOst)
LAUSBUB
Rico IwaiとMei Takahashiによって高校在学中の2020年に結成された、北海道出身のニューウェーブ・テクノポップ・バンド。2022年10月に1st EP『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』を、2024年7月に1stアルバム『ROMP』を発表。2025年には札幌に加え東名阪を巡るツアーを成功させたほか、〈FUJI ROCK FESTIVAL ’25〉や〈森、道、市場2025〉などの大規模フェスにも出演。
LAUSBUBの軽やかなサウンドの背後には、市的な違和感や距離感が潜み、単なる心地よさに終わらない。近年はCLUB QUATTRO 4Fに出演する死夏などと同じく札幌ローカルで加熱するエクスペリメンタルな電子音楽/クラブシーンとも呼応してか脱構築的なフットワークなどにも影響を受け、従来のモードに新たな変化が生じているよう。現行インディ・ポップ~エレクトロ・ポップの成熟を示す存在か。
Saren
ラッパーでありながらプロデューサー、DJ、サウンドエンジニア、さらには文筆家として幅広く活動を続ける2002年生まれのアーティスト。kegønやLillieの作品へ客演参加するほか、コレクティブ〈CHAVURL〉や〈Mana Online〉のコアメンバーとしても暗躍する。
Sarenはメインストリーム・ヒップホップからの影響を、自身の確固たる個性とともに表現する稀有な存在といえる。2025年10月にマイアミのレジェンド・ラッパーの名を冠したEP『RICK ROSS』をリリース。t[hug]=サグが内包するハグをコンセプトに、内省的な感覚とヒップホップの雄々しさが同居した表現を続けるリリシスト。
serah trax
関西を拠点に活動する音楽家・mareno!とolfaによる謎多きユニット。クラブミュージックの文脈を参照しながら匿名性と身体性の間を行き来する作風が印象深く、AVYSS Circle 2026の目指す「個」の感覚を色濃く表現する存在ともいえる。
2025年にリリースしたEP『can I be happy with my soul?』は、機能性と実験性を同時に成立させたエッジーな作品として記憶に新しい。ライブ/DJ表現の垣根を融解させるかのような謎めいたパフォーマンスに期待がかかる。
宇宙チンチラ
千葉県某所の廃プールで開催された〈night pool〉をはじめとするシークレット・レイヴの開催に代表されるように、現行のクラブシーンにおいて神出鬼没な活動で独特の存在感を発揮し続けるDJ。2025年10月にはProtest Rave × WAIFUによる「E is 4 EMPATHY -KKR FREE ROOM-」へ出演するなど、アンダーグラウンドな領域で柔和な姿勢を崩さずカウンターを続けている。
バイレファンキかけ子、moemiki、pìccolo、mionnに加え幽霊部員としてCVNも参加するDJクルー・tomodachi100でも活動中。ユニークな視点で重ねられた豊富なディグに基づいたプレイにはキッチュさもサイケデリックさも硬派さも内包し、いつしかピーキーなフロアに欠かせない重要なピースに。
uku kasai
DTM以降の感覚で、音と空間の関係を探る実験的なエレクトロニック・ポップに取り組むプロデューサー/シンガー。2020年に現名義での活動を開始し、2021年7月に〈Maltine Records〉より1st EP『SIINA』を発表、同年12月に2nd EP『aslightfever』を自主リリース。2022年12月に1stアルバム『coldsmokestar』を、2024年11月に2ndアルバム『Lula』を発表し、ベッドルーム・サウンドにとどまらずUKベースなどの先鋭的なクラブ・ミュージックへのアプローチを見せた。
ほか、Cwondo (No Buses)とのバンド・Oniでの活動やYUKIのリミックス・アルバムへの参加、国内外の美術展示への楽曲提供など、さまざまな領域で活動を続ける。AVYSS Circus 2026への出演はおよそ1年ぶりのライブとなる。

◆公演名:AVYSS Circle 2026
◆公演日:2026年1月23日(金)
◆開場/開演:【DAY】18:00【NIGHT】24:00
◆会場:渋谷 CLUB QUATTRO 4F・5F / WWW・WWWβ / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX (5会場・7フロア)
◆出演者 (A-Z)
■ DAY
【CLUB QUATTRO 5F】
daine (AUS)・ほしのおと・No Buses・トップシークレットマン・雪国
【CLUB QUATTRO 4F】
Emma Aibara・ikea・Le Makeup・Lilniina・safmusic・死夏・XAMIYA・諭吉佳作/men・yuzuha
【WWW】
AssToro・dodo・Effie (KR)・iiso (KR)・It’s US!!!!・kegøn・lilbesh ramko・SxC Loser・sysmo・Yoyou
【WWWβ】
Amuxax・荒井優作・iga・in-mark・LAUSBUB・Saren・serah trax・宇宙チンチラ・uku kasai
【R Lounge】
AOTO・discordsquad2k・goku sasaki・lazydoll・Mishaguzi・Number Collector・otuyyuto・PAX0・Siero・Yog*
【SUPER DOMMUNE】
cyber milkちゃん・DJ HOSHIMIYA TOTO・DRIFT CREW・ひがしやしき・Magnolia Cacophony・おそロシア革命
〈TALK〉 千代田修平 + JACKSON kaki + ~離・MC : NordOst
トークテーマ「すべてがミームになっていく時代に、インターネットはアンダーグラウンドたりえるか」
【PBOX】
DjuBumba・eijin・fui w/ innerscape by ITOAOI・百年の孤独・いむ電波.wav・小松成彰 うーたん・うしろ(Ritual Workshop Set)・MON/KU
〈PODCAST〉 AfterParty 公開収録 ゲスト:つやちゃん
トークテーマ「AVYSS的なシーンの拡張性・可能性」
〈AVYSS COLLABORATION〉 BALMUNG・chloma・GB MOUTH
※コラボ内容後日発表
■ NIGHT
【CLUB QUATTRO 5F】
iVy・SleepInside・Texas 3000・and more…
〈VJ〉 Higurashi・JACKSON kaki
【CLUB QUATTRO 4F】
CVN・E.O.U・imai・in the blue shirt・killwiz・KOCHIKESA・nano odorine・nerdcamp.com・食品まつり a.k.a foodman
【WWW】
Dos Monos・JUN INAGAWA・music fm・Oli XL (SWE)・釈迦坊主・wagahai is neko
〈VJ〉 naka renya・O.G.I
【WWWβ】
FELINE (ナードコアセット)・okadada・らりる連合・TORIENA
〈AVYSS Cup〉(テーマ:元気)
loli主語・前澤・seaketa・ ~離・MC : 徳利
Organize:AVYSS / CLUB QUATTRO
Cooperation:WWW / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX
Supported by melting bot
Partner:GALLERIA / THE DAY
Key Visual : QINGYI
Design & Layout : naka renya
Staging : yoh
Food : Geek Eggs Food Team XD
◆TICKET
URL:https://eplus.jp/avysscircle-2026/
◆チケット料金:
【通し券】前売:10,000円 / 早割:9,000円
【DAY】前売:7,900円 / 早割:6,900円 / U-18:5,900円
【NIGHT】前売:4,800円 / 早割:3,800円
(税込/スタンディング/整理番号付/ドリンク代別)
◆注意事項
※U-18の対象者は公演当日2026.1.23時点で18歳以下の方。ID/身分証の確認ができない場合、当日差額分をいただきます。
※NIGHTは深夜公演です。20歳未満は入場不可。要写真付きID。ID/身分証の確認ができない場合、入場をお断りする場合がございます。
※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。予めご了承ください。
※DAYとNIGHTは入れ替え制。(通しチケットお持ちのお客様も一度ご退場いただきます。)
◆お問い合わせ:渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750
category:FEATURE
tags:AVYSS Circle
2025/11/20
1/23 DAY & NIGHT / 渋谷 5会場・7フロア使用 20年代以降のジャンルやカテゴリーを超越する感覚を、AVYSSの視点で包括するサーキット・イベント「AVYSS Circle 2026」が、2026年1月23日に渋谷5会場・7フロアを利用して過去最大規模で開催。今回の発表で、第一弾ラインナップが公開。フロアのムードを反映したキャラクターのビジュアルは、中国出身のイラストレーターで過去にはYOASOBIのジャケットも手がけたQINGYIが制作し、レイアウトはnaka renyaが担当した。現在前売りチケットが発売中。 前売りチケット : https://eplus.jp/avysscircle-2026/ 「AVYSS Circle」は、これまで2022年と2024年に下北沢で開催されてきたマルチ・ヴェニュー型イベント。今回は渋谷CLUB QUATTROとの共催のもと約1年半ぶりにカムバック。CLUB QUATTRO 4F & 5F、WWW & WWWβ、R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOX、合計5会場・7フロアを同時利用し、DAY & NIGHTの2部構成で行われる。 今回の「AVYSS Circle 2026」では国内勢に加え、スウェーデンからOli XL、オーストラリアからdaine、韓国からEffieとiisoが来日し、パフォーマンスを披露する。Oli XLは、近年のエレクトロニック・ミュージックを象徴するカルト・クラシック『Rogue Intruder, Soul Enhancer』を経て、現在は2ndアルバムをマルチパートシリーズとして発表中。 daineは、Oliver Sykes(Bring Me The Horizon)やNinajirachiとのコラボレーションリリースを行い、Charli XCXや100 gecsのサポートアクトなどで注目を集める、ミッドウェスト・エモを音楽的ルーツに持つしたフィリピン系オーストラリア人シンガー。 Effieは、K-POP、ドリル、オルタナティヴ・ロック、クラウド・ラップなどをハイパーコラージュした楽曲で、ソウルのユース・ヒップホップ・シーンを現在進行形で先頭に立って開拓中。 iisoは、planet rave以降の感覚にY2Kカルチャーのキュートネスをブレンドし、オルタナティブK-POPの新しい可能性を切り開いている。 各フロアでライブやDJが次々と展開される一方で、別軸な展開を含むフロアも準備されている。 渋谷PARCO内のSUPER DOMMUNEでは、本フロアのみ当日の生配信を予定。ライブやDJに加え、漫画編集者・千代田修平氏を迎えたトークセッションも実施する(トークテーマは後日発表)。 同じく渋谷PARCOの最上階・PBOXでは、ファッションポッドキャスト「AfterParty」の公開収録(ゲスト:つやちゃん)に加え、ファッションブランド BALMUNG、chloma、GB MOUTH とAVYSSの特別なコラボレーションが展開される(内容は後日発表)。 さらに、WWWβのナイトでは賞金をかけたバトルパーティー「AVYSS Cup」が開催。前回に引き続きMCに徳利を迎え、「元気」をテーマに“誰が一番元気なのか”を競う。優勝者はオーディエンスの歓声と拍手のみで決定される。 「今回のAVYSS Circleは、ローカルで育まれてきた小さな円環が、ゆっくりと着実に外側へ同心円状に広がっていくのを想像しています。地理や距離を横断する“横軸”と、音楽から周辺のカルチャーへ潜る“縦軸”が交差し、ローカルとワールド、リアルとオンラインが同じような地平で融解します。そこに集まる表現は、わかりやすい線引きではなく、流れついた「個」の感覚の連なりです。雨の日も雪の日も、毎日積み重ねてきたキュレーションの螺旋ループがレイヤーの外側に接続し、静かに拡張していくことを目指します。」 – Nobuyuki Sakuma (CVN) ◆公演名:AVYSS Circle 2026 ◆公演日:2026年1月23日(金) ◆開場/開演:【DAY】18:00【NIGHT】24:00 ◆会場:渋谷 CLUB QUATTRO
2025/12/04
No Busesなど4組が追加 20年代以降のジャンルやカテゴリーを超越する感覚を、AVYSSの視点で包括するサーキット・イベント「AVYSS Circle 2026」が、2026年1月23日に渋谷5会場・7フロアを利用して過去最大規模で開催。今回の発表では第二弾出演者が公開。先日渋谷CLUB QUATTROでのワンマンを成功させたNo Buses、e5や嚩ᴴᴬᴷᵁと共にDr.Anonのメンバーとしても活動していたkillwiz、「ラップスタア」でも注目を浴びたRyunoshin Saiki擁するヒップホップクルーKOCHIKESA、阿佐ヶ谷DRIFTの従業員達によるDRIFT CREW、4組の追加が発表された。各フロアのムードを反映したキャラクターのビジュアルは、中国出身のイラストレーターで過去にはYOASOBIのジャケットも手がけたQINGYIが制作し、レイアウトはnaka renyaが担当した。只今よりチケットの一般販売が開始。 チケットURL : https://eplus.jp/avysscircle-2026/ 「AVYSS Circle」は、これまで2022年と2024年に下北沢で開催されてきたマルチ・ヴェニュー型イベント。今回は渋谷CLUB QUATTROとの共催のもと約1年半ぶりにカムバック。CLUB QUATTRO 4F & 5F、WWW & WWWβ、R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOX、合計5会場・7フロアを同時利用し、DAY & NIGHTの2部構成で行われる。 今回の「AVYSS Circle 2026」では国内勢に加え、スウェーデンからOli XL、オーストラリアからdaine、韓国からEffieとiisoが来日し、パフォーマンスを披露する。Oli XLは、近年のエレクトロニック・ミュージックを象徴するカルト・クラシック『Rogue Intruder, Soul Enhancer』を経て、現在は2ndアルバムをマルチパートシリーズとして発表中。 daineは、Oliver Sykes(Bring Me The Horizon)やNinajirachiとのコラボレーションリリースを行い、Charli XCXや100 gecsのサポートアクトなどで注目を集める、ミッドウェスト・エモを音楽的ルーツに持つしたフィリピン系オーストラリア人シンガー。 Effieは、K-POP、ドリル、オルタナティヴ・ロック、クラウド・ラップなどをハイパーコラージュした楽曲で、ソウルのユース・ヒップホップ・シーンを現在進行形で先頭に立って開拓中。 iisoは、planet rave以降の感覚にY2Kカルチャーのキュートネスをブレンドし、オルタナティブK-POPの新しい可能性を切り開いている。 各フロアでライブやDJが次々と展開される一方で、別軸な展開を含むフロアも準備されている。 渋谷PARCO内のSUPER DOMMUNEでは、本フロアのみ当日の生配信を予定。ライブやDJに加え、「すべてがミームになっていく時代に、インターネットはアンダーグラウンドたりえるか」をテーマに漫画編集者・千代田修平、JACKSON kaki、〜離によるトークセッションを実施。 同じく渋谷PARCOの最上階・PBOXでは、ファッションポッドキャスト「AfterParty」の公開収録を実施。ゲストに、文筆家つやちゃんを迎えて「AVYSS的なシーンの拡張性・可能性」をテーマにトークセッションを行う。また、ファッションブランド BALMUNG、chloma、GB MOUTH とAVYSSの特別なコラボレーションが展開される。 さらに、WWWβのナイトでは賞金をかけたバトルパーティー「AVYSS Cup」が開催。前回に引き続きMCに徳利を迎え、「元気」をテーマに“誰が一番元気なのか”を競う。優勝者はオーディエンスの歓声と拍手のみで決定される。 「今回のAVYSS Circleは、ローカルで育まれてきた小さな円環が、ゆっくりと着実に外側へ同心円状に広がっていくのを想像しています。地理や距離を横断する“横軸”と、音楽から周辺のカルチャーへ潜る“縦軸”が交差し、ローカルとワールド、リアルとオンラインが同じような地平で融解します。そこに集まる表現は、わかりやすい線引きではなく、流れついた「個」の感覚の連なりです。雨の日も雪の日も、毎日積み重ねてきたキュレーションの螺旋ループがレイヤーの外側に接続し、静かに拡張していくことを目指します。」 – Nobuyuki Sakuma (CVN) ◆公演名:AVYSS Circle 2026 ◆公演日:2026年1月23日(金) ◆開場/開演:【DAY】18:00【NIGHT】24:00 ◆会場:渋谷 CLUB QUATTRO
2025/12/12
R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOXの全出演者23組を紹介 来年1月23日(金)に開催を控えるAVYSS Circle 2026。この特集では、そのデイタイムを彩るCLUB QUATTRO SHIBUYA (4F+5F)、WWW、WWWβ、R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOXの全ラインナップについて魅力や見どころを紹介していきます(さらなる追加発表の可能性も)。 AVYSS CUP解説記事に続く第二弾では、デイタイムを彩るR Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOXの3会場に出演する23組のバイオグラフィーや遍歴、魅力などを解説。中編ではCLUB QUATTRO SHIBUYA (4F+5F)、WWW、WWWβ、後編ではナイトタイムの出演者について、全アクトの「個」に根ざした表現の形について触れていく予定。 ストリートの路地裏もインターネットの深奥も、等しく「ローカル」であるという観点から、日本と世界、辺境と中心、リアルとオンラインが同化するようなイメージは、すべて「個」の感覚の連なりから時間をかけて築かれたもの。そしてこれらは、あくまでそうした同時多発的な動きの一端でしかない。 その上で、そうしたインディペンデントな音楽活動やムーブメントを2018年の設立以来見つめてきたAVYSSが、過去最大規模の挑戦として「点在する個性を渋谷の街に集約する」という試みが、今回のAVYSS Circle 2026です。 Ticket:https://eplus.jp/avysscircle-2026/ Text / Edit:NordOst / 松島広人 【R Lounge】 コロナ禍における世界的なハイパーポップ/デジコアというムーブメントのなかで急成長した存在から、そうした流れの反動のように加熱する新たなヒップホップ・シーンをリードする存在まで、さまざまなアーティストが一同に介するAVYSSなりの「オルタナティヴ・ラップ」をテーマとするフロア。過去のAVYSS Circleにも出演経験のあるアーティストから初登場のアーティストまで、多種多様なバックボーンを持つ才能が集っています。 AOTO 東京を拠点に活動するラッパー。2022年頃から活動をスタートし、コロナ禍後期の下北沢SPREAD、恵比寿BATICA、CIRCUS TOKYOなどを賑わせたジャパニーズ・アンダーグラウンド・ラップ~デジコアシーンの立役者のひとり。その後徐々に自身のスタイルであるラフな風通しの良さを確立し、才能をさらに開花させ進化を続ける。 現在はオルタナティブな観点を崩さぬまま日本語ラップシーンにも切り込み、2025年には〈RAPSTAR〉出演などを経て水面下で着実に支持を集めている。大きな変革期を迎えた今、彼の現時点でのムードは見逃せないところ。 discordsquad2k SoundCloudを中心に活動するプロデューサー・ikillと〈DEMONIA〉を主催するDJ・fogsettingsによる”INTERNETMUSICSWAG”ユニット。ライブメインの本ステージ唯一のDJアクトとして、2020年代の日本におけるデジコア/ハイパーポップ以降のムーブメントを草創期から支えてきた中心人物たち。 jerkやrageを基調にハイエナジーなテクノ、ポスト・シューゲイズといった流れを汲んだDJセットを各所で展開中の彼らは、次なる5年に向けた新たなクラブ感覚を提案してくれるはず。バイラルヒットからクラシック、果てはキッチュなインターネット・ブートレグまでを網羅したプレイに期待。 goku sasaki 青森出身、現在は京都を拠点に活動する2006年生まれのアーティスト。miahouse (fka U chu)とのユニット・Annniiiiimmaaaaaaとしても活動中。寡黙ながら多作でもあり、高校在学中の2024年頃にキャリアをスタートさせながら『#APG』 (2024)『High School Complex』『inorganic music』『sid and goku』 (2025)と、既に4枚のアルバム/ミックステープを発表している。 jerkやpluggに類する最新形のビートメイクを得意としつつも、その背景にはヒップホップだけでなく日本のサイケデリック・ロックなどが深く影響しており、ライブではこれまでにFISHMANSや踊ってばかりの国、ゆらゆら帝国といったバンドのカバーを披露。まさしく「日本のアンダーグラウンド」を体現する存在であり、妖艶な立ち振舞も相まって、現場で目撃することに深い意味のある注目のアクト。 lazydoll 2005年生まれのラッパー/プロデューサー。謎多きコレクティヴ・tmjclubの中心人物。初回のAVYSS Circleにはコレクティヴ・trash angelsとして出演。これまでに3枚のアルバム/ミックステープを発表しており、最新作のリリースも控えている。 ティーンエイジャーの頃から既にSoundCloud上で活動をスタートしており、2020年代のデジコアにおけるクラシック「entropy」などが未だ記憶に新しい。デジコア/ハイパーポップの反動として生じたambient plugg的な潮流をいち早く掴み取り、エレクトロニカ的な繊細なサウンドデザインも得意としつつ、現在のモードは「新しいラッパー像」の確立にあるように見え、今後の動きも見逃せないJアンダーグラウンド最重要人物のひとり。 Mishaguzi DJとして〈KOMA〉や〈XPEED〉、〈K/A/T/O MASSACRE〉をはじめとするアンダーグラウンドなパーティーへの出演からキャリアをスタートさせ、トライバルなグルーヴのなかにクラウドラップ愛を滲ませる独自のセレクトが光るアーティスト。 2025年より突如としてラッパーとしての活動をスタートし、SoundCloud上に複数のトラックを発表。同年10月に没 aka NGS主催〈Premiere〉にてデビューを飾った。その全容はいまだ未知数ながら、リリース曲は浮遊感とグルーヴを両立した独特なクラウドラップなど、注目に値するトラックが揃う。 (2025/12/17更新:MishaguziはDJセットでの出演となります) Number Collector 上述したlazydoll、Mishaguziなどと呼応しつつも、独自のスタイルを活かしアンダーグラウンドを主戦場に活動するラッパー。2024年10月に1stアルバム『Collector』を、2025年7月に2ndアルバム『Bit World』を発表。ビートメイカーとしてアメリカのxaviersobasedなどのプロデュースも手掛けるendrenも関わっており、日本のアンダーグラウンド・ラップにおいて独特の存在感を発揮している。 代表作「Asobi Mind Gang」のMVには海を超えて世界各地の感度の高いヘッズから熱のこもった反応が寄せられカルト的な人気を獲得。脱力感とともに遊び心にあふれたリリックとフロウを駆使して各所のコアなパーティーに出演している。今回の出演は、SoundCloudをハブとした国内クラウドラップ・シーンの最深部を体感する絶好の機会か。 otuyyuto otuyyuto(オツイユウト)はハワイ出身、現在は日本を拠点に活動する日系アメリカ人のラッパー/プロデューサー。2025年1月に『GRACE』、同年4月に『17』、8月には『優人(やさしい ひと)』と、突如として頭角を現し3枚のアルバムを発表。セレクトショップ〈PAT MARKET〉のコアメンバーやSaggypants Shimba、Spiderwebなども擁するクルー・YeYan(エエヤン)によるミックステープ『YeYan CAMP』への参加も話題を集めた。 ラッパー然とした堂々たる立ち振舞もさることながら、出自に裏打ちされたスキルフルなライブを得意とする注目の存在。日英のスラングを織り交ぜつつ展開される独自の世界観の裏には、感情をむき出しに吐露するエモーショナルな一面も。叙情的なリリックと力強いフロウのコントラストに期待。 PAX0 千葉県佐倉市出身、2006年生まれのラッパー/プロデューサー。コレクティブ〈+81NINJA〉に参加するほか、後述するSieroやjellyy、Sad Kid
CLUB QUATTRO SHIBUYA、WWW、WWWβの全出演者33組を紹介

来年1月23日(金)に開催を控えるAVYSS Circle 2026。この特集では、デイタイムを彩る各会場の全ラインナップについて一組ずつ魅力や見どころを紹介していきます(さらなる追加発表の可能性も)。
R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOXの出演者にフォーカスした特集に続く第三弾では、デイタイムのメインフロアとなるCLUB QUATTRO SHIBUYA (4F+5F)、WWW、WWWβの出演者について、バイオグラフィーや遍歴を交えつつ個々の魅力を音楽ライター・つやちゃんとNordOstが紹介していきます。
Ticket:https://eplus.jp/avysscircle-2026/
Text:つやちゃん+NordOst / 松島広人
Edit:NordOst / 松島広人
渋谷円環。渋谷という街の地理的な性質を借りながら、同時に、いまの私たちのあり方を語るコンセプト。これまで下北沢で円を描いてきたAVYSSの美学は、この日渋谷でより一層開かれたかたちをとる。
渋谷は、一直線に進む街というより、回遊しながら、気づけばまた別の場所へ戻っているような円環的な動線を持っている。AVYSS Circleが掲げる円環とは、その回遊性を単なる街歩きの比喩としてではなく、感覚やコミュニティが循環していく構造として捉え直す試みだ。成長や上昇の物語でもなく、メジャーとインディを直線的な縦関係に置くわけでもない。別種の密度が更新されながら、私たちは円のどこに立ち、どの半径で回っているかを、少しずつスライドさせていく。
たとえば、オンラインとオフラインの関係もまた円環化している。以前なら、ネットで拡散し現場へ向かう、という往復で語れたものが、いまでは部屋で作られた音楽が初めから現場の匂いを帯び、クラブの熱気がそのままタイムラインの質感になる。行き来する二地点ではなく、同時に重なった一つの環境。
円環とは、この重なった現在のなかで、点在する個々の感覚が一度だけ同じ軌道上に並び、またそれぞれの場所へと散っていく運動のことだ。登竜門でも、ショーケースでもない。むしろ序列を固定しないまま、街の上で、いくつもの速度と半径を持った個が交差する状況。そこで起きるのは、すれ違いと接続の更新であり、終点を持たない循環としての可視化である。
(つやちゃん)
【CLUB QUATTRO 5F】
daine
オーストラリア・メルボルン出身のdaineは、ミッドウェスト・エモの内省とブログハウス的な快楽主義を、垂直に組み合わせる現代のポップ・シャーマン。2022年に『Quantum Jumping』、2023年に『shapeless』、2025年に『i want the light to swallow me whole』と、これまで3枚のEPとシングル諸作を発表。同年、Ninajirachiのアルバム『I Love My Computer』に参加。
SoundCloud的なDIY精神を出自に、ハードコア的な衝動とダンス/クラブの官能を同居させるdaineのプロダクションは、単なるジャンル横断ではなく、感情のコラージュとして聴き手を刺激する。その在り方は、感傷と冷笑の狭間で揺れる私たちの様子を最も過激に表象する──傷つきやすさをさらけ出すと同時に、その傷をエンターテインメントとして可視化する現代の鏡として。
ほしのおと
ほしのおとは、naco gotohとchiho satohが旗を振るオルタナティブな音楽空間であり、単なるイベントシリーズにとどまらずDJユニットとして活動するなど、二人の感覚を鋭く切り取る共有装置としてインディペンデントなシーンで存在感を発揮する。
バンド/SSW/ラッパーからDJ、VJ、展示、POPUPまでを積極的に横断させるフォーマットは、シーンの断片化した孤独な惑星をつなぎ直す試みそのもの。ほしのおとは、ポスト・シーン時代における新しい共同体のプロトタイプでもある──閉じたコミュニティへの安住ではなく、あらゆる来場者に「自分の宇宙」を再発見してもらうために。
No Buses
2016年結成のバンド。日本のインディ・ロックにおいて長らく反復されてきた青春やエモーションの語り方を、2020年代以降の感覚で再定義した存在。音像は軽やかでも、感情の輪郭を急いで言語化しない慎重さがある。近年は日本語詞の比重も増え、曖昧さや機微がむしろ強度として立ち上がっている。
さらに重要なのがフロントマンである近藤大彗=Cwondoの神出鬼没で縦横無尽なソロ活動。Cwondo名義での精力的な制作/実験の蓄積がバンドへ跳ね返り、ポップネスと実験性を同時に更新する循環を作っている。No Busesの功績は、感情を叫ぶのではなく、編集して残すことをバンドサウンドの中心に据え直した点にあるのではないか。
トップシークレットマン
北浦和出身、4人組の「親にバレたくない」バンド。いまの時代の音楽的混沌と若者文化のエネルギーを、まるで生きたサンプルパックのように全方位取り込んで吐き出す存在。代表作である2023年作『漫喫、レイプされた先輩へ』は「普通にコンプラ引っかかって配信停止」されたとのこと。
彼らのサウンドは、パンク/ハードコアの爆発的衝動に加え、電子的躍動、100 gecs以降のハイパーポップ的過剰さを掛け合わせ、懐かしさと新鮮さが同居するカオスとして聴き手の感覚を揺さぶる。インタビューでもメンバー自身が「好きなジャンルを全部マッシュアップしているだけ」と語るように、その雑食性は表層的ではなく、身体性と電子性を同時に突き詰める思考実験として機能している。
雪国
2023年に結成された、東京を拠点に活動するスリーピースバンド。2024年発表の1stアルバム『photos』が『CDショップ大賞2025』で関東ブロック賞を受賞、2025年には〈FUJI ROCK FESTIVAL’25〉内「ROOKIE A GO-GO」ステージに出演するなど、シーンを超えた賞賛を呼んだ。現代的な感受性を、静けさの中の激しさとして可視化するバンドと言っても過言ではない。
彼らの音楽は、内省的でありながら自己開示に回収されず、抑制された音像と余白によって感情を配置する。都市のざわめきや孤独、言葉にならない違和感とバンド・サウンドを静かに接続し、聴き手の身体感覚へと沈み込んでくる表現が、渋谷の街でどのように受容されるのだろうか。
【CLUB QUATTRO 4F】
Emma Aibara
2020年代のエレクトロニック/ポップ以降のシーンにおいて、声と身体とテクノロジーの関係を再設計しているアーティスト。エモ、シーンコアといったジャンルを着想源に、20年代以降のブレイクコア・ムーブメントと呼応。アメリカ移住などを挟みつつ、2025年8月にはアルバム『u:phobia』を発表した。
クラブ・ミュージックやアンビエント、R&Bの語彙を参照しながら、自己は溶解と再構成を繰り返す流動的な存在として活動を続ける。AVYSSのコンピレーション『i.e』収録のTommy heavenly6「pray」では、ポスト・インターネット以降の不安定な自己感覚を、極めて現代的な解像度で表現した。
ikea
帰国子女とsz2uという2名の宅録系ミュージシャン同士が出会い、バンドとしての衝動を爆発させた新世代のポップ/ロック・ユニット。細野晴臣「薔薇と野獣」、フィッシュマンズ「BABY BLUE」といった楽曲のカバーを経て、初のEP『ikea』をリリースしたばかり。
かねてから自主制作を重ねてきた両者は、ikeaというプロジェクトについてSNSプロフィール上で「Japanese Digicore Band」と表明。既存のインディ・ロックやポップがしばしば記号的若さに耽る傾向にある中で、むしろその記号を逆手に取り、軽やかさと刹那の鮮度を同時に成立させる方法論を提示している。
Le Makeup
日本のオルタナティブ・ポップ~インディ・シーンにおいて感情や自己像を制作・編集・距離化を経て提示し続けてきたSSW/トラックメイカー/プロデューサー。関西ローカルにおいて後進へ多大な影響を与えてきた重要人物でもある。2019年に『Aisou』、2020年に『微熱』、2023年に『Odorata』、2024年に『予感』と、これまでに4枚のアルバムを発表。ほか、近作では柴田聡子+Elle Teresa「ときめき探偵」への参加、パソコン音楽クラブ『Love Flutter』での客演など、幅広いアーティストと共作を重ねている。
2024年のアルバム『予感』は、制作者の手触りが丁寧さとともに伝わる作品で、その誠実さはLe Makeupにしか醸し出せないもの。声や言葉は親密で柔らかいが、それは共感を即時に回収するためではなく、むしろ聴き手に解釈の余白を残すために表現されている。
Lilniina
日本のラップ/オルタナティブ以降のシーンで、感情の儚さや「kawaii」美学を戦略的に可視化してきた存在。2020年以降、複数のEPと多数のシングルを発表している。
TikTokでバイラルヒットした「cigirl」(prod. safmusic)等を聴くと分かる通り、彼女のスタイルは、エモ・ラップやクラウド的感覚、インターネット由来の断片性と地続きでありながら、単なる海外潮流の受容にはとどまらない。むしろ、サンリオキャラなどのキュートネスを取り込みながら、日本語の手触り、日常の脆さ、自己否定すら抱え込む語り口によって、ローカルな現実感を掴み取っている。
safmusic
「seasons and freqency」をコンセプトとするソロ・プロジェクト。2022年に『From this river, to the ocean』、2023年に『You are not rockstar, I’m not rockstar』、2024年に浅井杜人とのユニット・与謝野としてEP『明星』、2025年に『MASTERPIECE』と、これまで3枚のアルバムと1枚のEPを発表している。
safmusicの登場以降、日本のオルタナティブ/エレクトロニック以降のシーンにおいて、ジャンルで語ることの無効化はさらに進んだ。音楽性はIDM、アンビエント、エモ、ポップ、クラブ・ミュージックなど複数の系譜に接続しているが、感情と音響を同じ解像度で扱う態度によって、聴き手の感覚そのものが滞留する。2025年にドロップしたアルバム『MASTERPIECE』は、そのタイトル通り、複数のアティチュードを融解させた金字塔に。
死夏
mostin fantasyによる〈点灯〉、iichiro tayaによる〈Ott Yarris〉、池田貫太による〈SPEC〉などのイベントに代表される、コロナ禍以降札幌を中心に広がるオルタナティブ・シーンから登場したDJ、死没と夏至による北海道拠点のB2Bユニット。
遠く離れた北の大地に位置しながら、幡ヶ谷FORESTLIMITや渋谷WWWβなどで展開される現行オルタナティブ・クラブシーンと強く共鳴しており、首都圏現場ともリアルタイムで同期した活動をマイペースに続けている。とくに現在はミニマル化を遂げたフットワークなどの実験的なクラブ・ミュージックへ熱視線を送っているようだ。
(NordOst)
XAMIYA
自身の内面や不安定さを隠さず引き受けるソングライティングと、キャラクター性を強く意識したビジュアル表現が一部でカルト的人気を誇るKAMIYA。プロデューサー/ソングライターとしてインディからメジャー・ポップまで幅広いアーティストに楽曲提供を行い、近年ではXGのプロダクションにも関与するなど、グローバル志向のポップ・フィールドとも接続してきたXANSEI。
XAMIYAは、その二人が結成したユニットだ。異なるバックグラウンドを持つ二人が出会い、音楽的な衝動を等価に扱いながら創り上げるサウンドは、単なる折衷ではなく、過去の聴覚装置を再起動するようなポップカルチャー/サブカルチャーのアップデートとして機能している。
諭吉佳作/men
2003年生まれの音楽家。これまでに4枚のEPと1枚のアルバムを発表するほか、ゲーム「学園アイドルマスター」への楽曲提供をはじめとするさまざまなコラボレーションを展開。2021年作品『からだポータブル』から2025年に発表したアルバム『テーブルテニスのゲームのレフィル』へと至る過程で一貫しているのは、違和感や途切れをそのまま残しながらポップに聴かせる編集感覚だろうか。
また、長谷川白紙や崎山蒼志をはじめとする若手クリエイター、でんぱ組.incやfishbowl、diigといったアイドルとのコラボレーションに見られるように、個として閉じるよりも、関係性の中で表現を更新してきた存在でもある。圧倒的な自己表現のユニークネスを保持しながらも、シーンの接続点として機能する稀有なポジショニングに痺れる。
yuzuha
現行インディ・シーンにおいて、エーテルな空気感をロックなサウンドを通して成立させる2000年生まれのポップ/ロック作家。アーティスト・チーム〈XPEED〉の一員として初期から活動を重ね、EP『feather』で見せた瑞々しい感触は、その後のアルバム『Love Notes』へと深化した。
ゼロ年代への憧憬やギターによる楽曲制作を軸にしながらも、サウンドは重さや衝動に回収されず、浮遊感と透明度を保ったまま感情の輪郭を描く。その編集感覚は、意識的なジャンル横断というよりも、ロックを“感覚”の媒体として再定義する試みに近い。
【WWW】
AssToro
SoundCloud上でかつてtrash angelsのメンバーとしてシーン黎明期を支え、現在はtmjclubの一員として活動。国内のハイパーポップ~デジコア以降のシーンを牽引してきた重要人物のひとり。2025年にはアルバム『現し世』をリリースし、今回出演する渋谷WWWを舞台にしたワンマンライブも成功させた。
デジタルに加工された声、過剰に歪んだビート、破壊的でありながら内省的なメロディ、飄々とした雰囲気とシリアスさの往復――インターネット美学をゴスや耽美的なフィルターで表現する態度は、単なる刺激やジャンル模倣にとどまらず、現代的な「主体の不安定さ」そのものを映し出している。
dodo
2010年代にデビューを飾ったラッパー。これまでに5枚のEP/アルバムを発表。ヒット曲「im」に象徴される通り、2010年代後半から現在に至る日本語ラップの流れの中で、「弱さ」や「どうしようもなさ」を誇張も演出もせず、そのままラップとして成立させてきた特異な存在だ。USヒップホップの影響を受けつつも、彼の表現はフロウの巧緻さやセルフブランディングに回収されない。
むしろ日常の停滞、劣等感、衝動的な思考の反復といった処理されない感情が、そのまま言葉として置かれる。dodoの功績は、日本語ラップを自己主張や成功の語りから引き剥がし、感情が未整理のまま存在できる場所をシーンに作り続けてきた点にある。ある種の先駆者が、AVYSS Circleに初登場する。
Effie
2hollisの韓国公演のサポートアクトを務めるなど、今やアジアを代表するハイパーポップ・アーティストへと成長した韓国のラッパー。10代の頃の生活への葛藤のなかで音楽へ救いを見出し、K-POPに影響を受けたどこまでもポップなメロディに乗せて歌う自己の物語は圧倒的な求心力を誇る。
一方で、国やジャンルを越えた共同制作にも意欲的な姿勢を見せており、とくに中国拠点のSEBiiをはじめとして、同じく中国のBillionhappyや韓国勢のThe Deep、日本のkegønとのコラボ曲など、シーンに数々のアンセムを生んできた。いわゆる“kawaiiカルチャー”のハイパー的解釈としても重要な役割を果たしており、MVで描かれるようなEffieならではの感性は必見。
iiso
韓国出身、K-POPともベッドルーム・ポップとも一線を画す、感情の質感をデリケートに編集するポップ・アーティスト。2023年にリリースした「Salad Days」がスマッシュヒットし一躍注目を集め、2025年3月にはEP『Ash』を発表。Planet Rave以降のダンスミュージックのフィーリングにY2K的なキュートさを掛け合わせつつ、透明感あるパッドと柔らかなビートで、親密さと身体性の境界を曖昧にするサウンドを作り上げている。
ジャズピアノ奏者というバックグラウンドを持ち、幼少期から絵画や手芸に親しんできた彼女は、その豊かな感覚を音楽に巧みに反映してきた。「癒し系テクノの妖精」とも形容される一方で、怒りや鬱といった内発的な感情すら柔らかい質感で反映する大胆さも持つ。
It’s US!!!!
2024年にSunny Only1が立ち上げた東京発の音楽クルー。フィリピンのルーツを持つitsKohkiに加え、Ryo Fukuro、Noah Cobreらとともに、R&B、ソウル、シティポップ、ヒップホップといったオールタイムな語彙をボーダーレスに溶かし込みつつ、メンバー全員が作詞・作曲・編曲を手がけるDIY精神を貫いている。
自己表現と共同編集の混成をポップとして提示し、個人の衝動とシーンの共有可能性を同時に立ち上る腕前は唯一無二。代表曲の「走れ」を聴くと分かる通り、It’s US!!!!の存在は、ポスト・ジャンル時代における集団での感受性の設計として聴き手の想像力を大いに刺激している。
kegøn
兵庫県出身で東京を拠点に活動するシンガー/プロデューサー/ラッパーであり、ジャンル横断的なポップとハイパーポップ/ラップを自家発電的に組み合わせる表現者。2025年のアルバム『DONTMIND』では、中国のBillionhappyや韓国のEffieらを客演に迎えるなど、アジア圏のクリエイティブとの接続も鮮やか。
活動初期からたえず作風に変化を与え続けており、現在はラップ、ロック、エレクトロニック、ハイパーポップ的断片を混在させながら、聴き手の感覚を引き裂くような速度と柔らかさを同居させている。2025年にはキャリア初となるワンマンライブを渋谷WWWXにて実現し、前述したAssToroと同じく成功に導いた。
lilbesh ramko
言わずと知れた次世代のスター。2025年には国内最大級のヒップホップ・フェス〈POP YOURS〉にも出演を果たし、同年8月には待望のEP『生活*1』をリリース。現在の国内ハイパーポップ・シーンにおいて、最も注目を集める存在のひとりであり、同時にその輪郭を決定づけてきた当事者でもある。様々なプロデューサーやアーティストとのコラボレーションを通じて、シーンを横断的につなぎ、点在していた日本のハイパーポップを一つの流れとして可視化した功績も大きい。
lilbesh ramkoの音楽性は歪んだビートや極端な加工、感情の断片化といったハイパーポップ的語法を用いながら、それらは単なる過剰さやアイロニーに回収されない。生活の不安、自己否定、関係性の揺らぎといったリアルな感情を、未整理のまま差し出すその態度が、ジャンルを“スタイル”から“居場所”へと変質させた。強さや成功を誇示しないまま中心に立つことで、この音楽を「今を生き延びるための表現形式」として定着させた象徴的存在といえる。
SxC Loser
DJ/ライターとして活動するNordOst、長年に渡りクラブシーンを見つめてきたYONEDAことゆうもぐによるDJユニット。AVYSS関連イベントのほか、幡ヶ谷FORESTLIMITや新宿SPACEなどで開催されてきたパーティーシリーズ〈第四の道〉、lilbesh ramko主催〈バビフェス〉への出演などで、ダンス・ミュージックとエッジーな現行のサウンド、キッチュなインターネット音楽などを荒々しくも両立させてきた。
ジャンルやキャラクターを固定せず、常に仮の姿で現れ続けるような二人のその姿勢は、ラベリングと消費が加速するシーンへの実践的な批評でもある。今回のAVYSS Circle 2026ではWWWのオープニング・アクトとして登場。負けて輝け、SxC Loser。
sysmo
2024年後半にかけて複数のシングルを発表、2025年2月にリリースしたEP『BYE-BYE KARAOKI!』が話題を呼び、デビュー直後から日本のエレクトロポップ/インディシーンに新しいダイナミクスを生んでいる3人組。シェアハウスという生活空間そのものを制作の核に据える姿勢で、「ステージと制作環境の分離」を解体してきた。
彼らのスタジオはリビングであり、音楽は生活と不可分に融合している。音像はポコポコとしたシンセから生まれる軽やかなエレクトロポップと、インターネット的カーニバル感を併せ持ち、SoundCloud由来の雑多さとポップの遊び心を同時に鳴らす。この、生活の断片がそのままサウンドになる方法論は、デジタル・ファーストで消費されるポップ感覚へのカウンターのようでもあり、インターネット感覚とリアルな身体感覚を揺らぎとして同時に保持する世代の音楽像を提示している。
Yoyou
2020年に突如デビューを飾ったスカム・ミューズ。2023年作『my Sta’』収録曲「 i to i」のMVがヨーロッパ最大級の国際的MVアワード「Berlin Music Video Awards 2025(BMVA)」の授賞式にて公式上映されるなど、近年は海外からの熱視線も浴びている。
日本オルタナティブ/ハイパーポップ以降のシーンにおいて、エモーションとフォーマットの関係を軽やかに組み替えてきた存在であり、シーン内外のアーティストと柔らかく接続しながら自身の輪郭を固定しないその姿勢は、ラベリングと消費が加速する現在への実践的なカウンターにもなっている。同時に、ギャル文化への憧憬とインターネット感覚を架橋し、曖昧で未整理な感情が居続けられる居場所としてシーンに提示した功績も大きい。水のような不定形なサウンドは、聴く者をどこまでも繊細に包み込む。
【WWWβ】
Amuxax
山口県出身、現在は東京を拠点としつつパンデミック以降のSoundCloudシーンで活躍するアーティスト。コロナ禍にはコレクティブ〈trash angels〉にて活躍。クラブ/エレクトロニック以降の感覚をベースに、バンド音響と身体の関係を鋭く更新してきた。
近年はヒップホップ領域よりもシューゲイズ・リバイバルやインディースリーズといったムーブメントと共鳴するような動きを見せており、抽象度の高いサウンドでありながら、実験性に閉じない多角的なグルーヴ設計が印象的。現行クラブ文脈とアート的志向を自然に往復する存在といえる。
荒井優作
京都を拠点とする音楽家。HIPHOP/R&Bに影響を受け、10代の頃より活躍。映画や舞台、ファッションショーへの楽曲提供や、美術・テキストなど音楽以外の領域でも活動するマルチ・アーティスト。ピアノを基軸においたアルバム『a two』、ラッパー・DEKISHIの2ndアルバム『CULT』のリミックス盤のCD限定販売など、独自のスタイルでリリースを重ねている。
日本語の抑制された響きと素朴なメロディを用い、感情を説明せず“置く”ことで、聴き手に解釈の余白を残す作風が特徴的。butajiとのユニット・butasakuをはじめ、dodoとの「she got」やGOODMOODGOKU(GOKU GREEN)とのEP『色』など、コラボレーション作品も多い。
iga
福井県鯖江市出身、現在は東京を拠点にする2005年生まれのアーティスト。2022年にSoundCloud上のコレクティブ〈iii〉にてシングルを発表、2023年8月に1st EP『Aft』をBandcamp上でリリース。同年よりライブ/DJ活動を開始し、ラッパー・Tek Lintowe初来日イベントにてデビュー。
2024年7月に2nd EP『BLUESKYFISH』を〈KAOMOZI〉より発表、2025年3月には3rd EP『our』を自主リリース。ほか複数のシングルをリリースしつつ、Telematic Visionsやsafmusic、aryyらとの共作を重ねる。インディーロックやヒップホップからの影響を元に、ハイパーポップ以降のサウンドデザインを踏まえつつ、インターネット的断片性とクラブ的身体感覚を同時に成立させる注目の存在。現在1stアルバムを制作中とのこと。
in-mark
東京都出身のラッパー/SSW。コロナ禍前夜に活動を開始し、2020年4月にEP『In My Head』、2022年10月に1stアルバム『air』、2025年1月に2ndアルバム『I』、同年11月に3rdアルバム『凸凹&FLAT』を発表。dp (Hannibal Anger)、vq、aeoxve、tmjclubといったアーティストやコレクティブとも共作しつつ、あくまでも孤を貫き独自のスタイルを貫徹している。
2025年作『I』ではTarah KikuchiやYoyou、Number Collectorなどを招き、ほぼ全曲を自身でプロデュースしてシンガーソングライター的な感覚とラップの境界線上に立つような重厚な表現を見せた。かと思えば、最新作『凸凹&FLAT』ではikill (discordsquad2k)によるjerkにインスパイアされたビートやWeb上のタイプビートを用い、自身が「嘘の象徴」と見なすスカイツリーから着想を得た「嘘ラップアルバム」をコンセプトとするなど、強いニヒリズムを発揮。ある種の諦念すら感じさせる世界観は、悲しみとも怒りともつかない感情を聞き手に与える。
(NordOst)
LAUSBUB
Rico IwaiとMei Takahashiによって高校在学中の2020年に結成された、北海道出身のニューウェーブ・テクノポップ・バンド。2022年10月に1st EP『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』を、2024年7月に1stアルバム『ROMP』を発表。2025年には札幌に加え東名阪を巡るツアーを成功させたほか、〈FUJI ROCK FESTIVAL ’25〉や〈森、道、市場2025〉などの大規模フェスにも出演。
LAUSBUBの軽やかなサウンドの背後には、市的な違和感や距離感が潜み、単なる心地よさに終わらない。近年はCLUB QUATTRO 4Fに出演する死夏などと同じく札幌ローカルで加熱するエクスペリメンタルな電子音楽/クラブシーンとも呼応してか脱構築的なフットワークなどにも影響を受け、従来のモードに新たな変化が生じているよう。現行インディ・ポップ~エレクトロ・ポップの成熟を示す存在か。
Saren
ラッパーでありながらプロデューサー、DJ、サウンドエンジニア、さらには文筆家として幅広く活動を続ける2002年生まれのアーティスト。kegønやLillieの作品へ客演参加するほか、コレクティブ〈CHAVURL〉や〈Mana Online〉のコアメンバーとしても暗躍する。
Sarenはメインストリーム・ヒップホップからの影響を、自身の確固たる個性とともに表現する稀有な存在といえる。2025年10月にマイアミのレジェンド・ラッパーの名を冠したEP『RICK ROSS』をリリース。t[hug]=サグが内包するハグをコンセプトに、内省的な感覚とヒップホップの雄々しさが同居した表現を続けるリリシスト。
serah trax
関西を拠点に活動する音楽家・mareno!とolfaによる謎多きユニット。クラブミュージックの文脈を参照しながら匿名性と身体性の間を行き来する作風が印象深く、AVYSS Circle 2026の目指す「個」の感覚を色濃く表現する存在ともいえる。
2025年にリリースしたEP『can I be happy with my soul?』は、機能性と実験性を同時に成立させたエッジーな作品として記憶に新しい。ライブ/DJ表現の垣根を融解させるかのような謎めいたパフォーマンスに期待がかかる。
宇宙チンチラ
千葉県某所の廃プールで開催された〈night pool〉をはじめとするシークレット・レイヴの開催に代表されるように、現行のクラブシーンにおいて神出鬼没な活動で独特の存在感を発揮し続けるDJ。2025年10月にはProtest Rave × WAIFUによる「E is 4 EMPATHY -KKR FREE ROOM-」へ出演するなど、アンダーグラウンドな領域で柔和な姿勢を崩さずカウンターを続けている。
バイレファンキかけ子、moemiki、pìccolo、mionnに加え幽霊部員としてCVNも参加するDJクルー・tomodachi100でも活動中。ユニークな視点で重ねられた豊富なディグに基づいたプレイにはキッチュさもサイケデリックさも硬派さも内包し、いつしかピーキーなフロアに欠かせない重要なピースに。
uku kasai
DTM以降の感覚で、音と空間の関係を探る実験的なエレクトロニック・ポップに取り組むプロデューサー/シンガー。2020年に現名義での活動を開始し、2021年7月に〈Maltine Records〉より1st EP『SIINA』を発表、同年12月に2nd EP『aslightfever』を自主リリース。2022年12月に1stアルバム『coldsmokestar』を、2024年11月に2ndアルバム『Lula』を発表し、ベッドルーム・サウンドにとどまらずUKベースなどの先鋭的なクラブ・ミュージックへのアプローチを見せた。
ほか、Cwondo (No Buses)とのバンド・Oniでの活動やYUKIのリミックス・アルバムへの参加、国内外の美術展示への楽曲提供など、さまざまな領域で活動を続ける。AVYSS Circus 2026への出演はおよそ1年ぶりのライブとなる。

◆公演名:AVYSS Circle 2026
◆公演日:2026年1月23日(金)
◆開場/開演:【DAY】18:00【NIGHT】24:00
◆会場:渋谷 CLUB QUATTRO 4F・5F / WWW・WWWβ / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX (5会場・7フロア)
◆出演者 (A-Z)
■ DAY
【CLUB QUATTRO 5F】
daine (AUS)・ほしのおと・No Buses・トップシークレットマン・雪国
【CLUB QUATTRO 4F】
Emma Aibara・ikea・Le Makeup・Lilniina・safmusic・死夏・XAMIYA・諭吉佳作/men・yuzuha
【WWW】
AssToro・dodo・Effie (KR)・iiso (KR)・It’s US!!!!・kegøn・lilbesh ramko・SxC Loser・sysmo・Yoyou
【WWWβ】
Amuxax・荒井優作・iga・in-mark・LAUSBUB・Saren・serah trax・宇宙チンチラ・uku kasai
【R Lounge】
AOTO・discordsquad2k・goku sasaki・lazydoll・Mishaguzi・Number Collector・otuyyuto・PAX0・Siero・Yog*
【SUPER DOMMUNE】
cyber milkちゃん・DJ HOSHIMIYA TOTO・DRIFT CREW・ひがしやしき・Magnolia Cacophony・おそロシア革命
〈TALK〉 千代田修平 + JACKSON kaki + ~離・MC : NordOst
トークテーマ「すべてがミームになっていく時代に、インターネットはアンダーグラウンドたりえるか」
【PBOX】
DjuBumba・eijin・fui w/ innerscape by ITOAOI・百年の孤独・いむ電波.wav・小松成彰 うーたん・うしろ(Ritual Workshop Set)・MON/KU
〈PODCAST〉 AfterParty 公開収録 ゲスト:つやちゃん
トークテーマ「AVYSS的なシーンの拡張性・可能性」
〈AVYSS COLLABORATION〉 BALMUNG・chloma・GB MOUTH
※コラボ内容後日発表
■ NIGHT
【CLUB QUATTRO 5F】
iVy・SleepInside・Texas 3000・and more…
〈VJ〉 Higurashi・JACKSON kaki
【CLUB QUATTRO 4F】
CVN・E.O.U・imai・in the blue shirt・killwiz・KOCHIKESA・nano odorine・nerdcamp.com・食品まつり a.k.a foodman
【WWW】
Dos Monos・JUN INAGAWA・music fm・Oli XL (SWE)・釈迦坊主・wagahai is neko
〈VJ〉 naka renya・O.G.I
【WWWβ】
FELINE (ナードコアセット)・okadada・らりる連合・TORIENA
〈AVYSS Cup〉(テーマ:元気)
loli主語・前澤・seaketa・ ~離・MC : 徳利
Organize:AVYSS / CLUB QUATTRO
Cooperation:WWW / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX
Supported by melting bot
Partner:GALLERIA / THE DAY
Key Visual : QINGYI
Design & Layout : naka renya
Staging : yoh
Food : Geek Eggs Food Team XD
◆TICKET
URL:https://eplus.jp/avysscircle-2026/
◆チケット料金:
【通し券】前売:10,000円 / 早割:9,000円
【DAY】前売:7,900円 / 早割:6,900円 / U-18:5,900円
【NIGHT】前売:4,800円 / 早割:3,800円
(税込/スタンディング/整理番号付/ドリンク代別)
◆注意事項
※U-18の対象者は公演当日2026.1.23時点で18歳以下の方。ID/身分証の確認ができない場合、当日差額分をいただきます。
※NIGHTは深夜公演です。20歳未満は入場不可。要写真付きID。ID/身分証の確認ができない場合、入場をお断りする場合がございます。
※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。予めご了承ください。
※DAYとNIGHTは入れ替え制。(通しチケットお持ちのお客様も一度ご退場いただきます。)
◆お問い合わせ:渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750
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MC兼ゲームマスター徳利からのメッセージも
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