不都合な真実と向き合う物語|Nothingがアルバム『a short history of decay』を発表

血の匂いがするシューゲイズ

 

 

2026年2月にWhirrと共に来日が決まっているNothingが通算5作目のアルバム『a short history of decay』のリリースを発表。血の匂いがするシューゲイズを軸に、ブレイクビーツやインダストリアル・ゲイズの要素を含むとされるアルバムからシングル「cannibal world」をリリースし、MVを公開。

 

2010年フィラデルフィアにて、Domenic “Nicky” Palermoによるベッドルーム・ソロ・プロジェクトとして始まったNothingは、常に人間の感情の全域、轟く怒りから囁くような悲しみまで音に刻んできた。 通算5作目のアルバムであり、Run For Cover Recordsからの初リリースとなる『a short history of decay』は、その視野をさらに広げ、これまでで最も高解像度なNothing像を描き出す。 これまで以上に壮大に響き、これまで以上に親密で誠実。

 

流動的なNothingの現在のラインナップは、ギタリストのDoyle Martin(Cloakroom)、ベーシストのBobb Bruno(Best Coast)、ドラマーのZachary Jones(MSC, Manslaughter 777)、3人目のギタリストはCam Smith(Ladder To God/Cloakroom)が揃った。Whirrのギタリスト、Nicholas Bassettと共同で作曲・プロデュースを行い、Sonny Diperri(DIIV, julieを手掛けてきた)が追加プロダクションとミキシングを担当している。

 

『a short history of decay』は、Nothingのカタログの中でも最も進化した音楽的声明。「cannibal world」や「toothless coal」といった楽曲は、My Bloody Valentineを思わせながらも、より極端な方向へと突き抜けた、機械化されたインダストリアル・ゲイズ。一方、対照的な「purple strings」は、ハープ奏者であり、Nothingの作品に二度参加しているMary Lattimoreによる美しいストリングス・アレンジを特徴とする、華麗で悲哀に満ちている。そのバロック的な繊細さは、アルバムの他のハイライトにも通底している。「the rain don’t care」──Mojave 3のような擦り切れた優美さをたたえる穏やかなバラード、 そして「nerve scales」──Radioheadを思わせる、非現実的な空気感と人間的な緻密さが同居する軽やかなビート。

 

Domenic “Nicky” Palermoはこの新作を「最終章」だと語る。それはNothingの終わりではなく、2014年のデビュー作『Guilty of Everything』から続いてきた物語──時間、後悔、そして不都合な真実と向き合う物語──の一つの完結を意味する。『a short history of decay』は、Palermoの過去を切り取ると同時に、Nothingの未来への跳躍となる、とのこと。

 

 

 

Nothing – a short history of decay

Label : Run For Cover Records

Release date : February 27, 2026

Pre-order : https://bandofnothing.lnk.to/cannibalworld

 

Tracklist

1. never come never morning

2. cannibal world

3. a short history of decay

4. the rain don’t care

5. purple strings

6. toothless coal

7. ballet of the traitor

8. nerve scales

9. essential tremors

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