まだ孤独なときに、私を見つけて|mari parkがデビューEP『closeness』を発表

先行シングルとして「sustain」公開

 

 

ミズーリ州セントルイス出身のアメリカ人SSW/プロデューサー・mari parkが、デビューEP『closeness』を〈ZOOM LENS〉より8月1日にリリース。先行シングルとして「sustain」が公開。

 

韓国とチリにルーツを持つmari parkは、現在オーバリン音楽院でクラシックギターの演奏とTIMARA(音楽と関連芸術におけるテクノロジー)を学んでいる。デビュー作の『closeness』には、クラシックと現代的な要素の間で対比的な時間軸を持つmari parkの、さまざまな矛盾の探求が表れている。

 

先行シングルの「sustain」は、ASMRのようなボーカルとデジタルのアーティファクトを結びつけたトラック。収録曲のすべてがジャンルだけでなく「存在感」そのものにおいて、従来の音楽リスナーの体験をぼかすことを意図している、とのこと。

 

 

mari parkは、以下のように述べている。

 

「私は“模擬的な親密さ”という考えを探求したくて、とても“近い”音、つまり小さなアーティファクトや、衣擦れの音や、チャリンという音など、一見ミスのように聞こえる音をあえて取り入れました。それはリスナーであるあなたに、私がこの曲を作っている部屋の中にいるかのように感じてもらうためなんです。」

 

この「closeness(近さ/親密さ)」というテーマをさらに掘り下げる形で、parkの音楽は、同世代に対する洞察であり、ある種のラディカルな癒しのプロセスでもあり、政治的ジレンマの外在化でもある作品に仕上げられている。

 

「私たちの世代は混乱し、迷い、周囲の世界で目にする抑圧に屈しやすく、希望を失ってしまうこともある。そういった抑圧の力にとって都合が良いのは、私たちが人間らしさややわらかさを手放し、世界から心を閉ざすことです。私の音楽の目標は、“共感”を抱きしめること。私の音楽は、“繊細すぎる”とラベルを貼られた人々、薬で感情を鈍らされ病理化された人々、そして同時に無防備で見えなくなっていると感じる人々のためのものです。」

 

そんな”closeness”の精神は、EPの冒頭を飾る「closing」に最もよく表れている(のかもしれない)。EPの始まりでありながら終わりも示し、物語に新たな可能性を開く楽曲。最後のリリックはグリッチしてループし、歪みに変わって爆発し、すぐに小さな声へと戻りゆく。

 

その声は、絶望ではなく、痛みを反転させた強さとして現れる――find me when you’re still lonely(まだ孤独なときに、私を見つけて)

 

e.e.カミングスの詩「somewhere i have never travelled, gladly beyond」では、恋人の繊細な指によって花が開かれ、雪に包まれるというイメージが描かれている。この「親密さと孤立」の呼び起こしの中で、「close(近さ/閉じる)」という言葉に二重の意味が生まれる。

 

このことが、mari parkのデビューEP『closeness』における、近さと繊細なバランスをめぐる物語の全体的なテーマを形作っている、とのこと。

 

 

mari park – sustain

Label : ZOOM LENS

Release Date : May 5th 2025

https://zoomlens.bandcamp.com/album/sustain-single

 

 

mari park – closeness

Label : ZOOM LENS

Release Date: August 1st, 2025

 

Tracklist

1. closing

2. sustain

3. birthday

4. fleet

5. system

6. ditch lily

7. bloom

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