2025/02/21
レーベル〈Lade Pool Records〉も発足
歌人/詩人/音楽家でありネオンネウロンや放電加工少女など複数の名義で活動を続ける木田昨年と、ゴシック~耽美的人形作家であるeerie-eeryの別名義・lj Å∮が2025年1月26日に結成したポスト・シューゲイズユニット・零度 poolが、自主レーベル〈Lade Pool Records〉より1stアルバム『絶対零度の夏の骨』を2月22日にリリース。
『絶対零度の夏の骨』はリスナーを包む柔らかい布のようなポスト・シューゲイズであり、電子音楽の先鋭的な実験であると同時に、「レイドちゃん」という音楽や文学を愛する翳のある厭世的な少女を作中の主体とする作品であるとのこと。
〈Lade Pool Records〉は、主に木田昨年、lj Å∮による作品のリリースを主な目的として発足。創作における自発性、楽しさ、美しさ、自由を前提として設立された。同レーベルは『絶対零度の夏の骨』のフィジカルリリースも年内に予定している。
零度pool – 絶対零度の夏の骨
Release Date : February 22, 2025
Label : Lade Pool Records
Stream : https://linkco.re/4sxzuSde
Tracklist :
1. 冷徹になれたら
2. 完璧な学級崩壊
3. 微風、快晴、はしる、噴水
4. プラチナ製の眼球
5. 或る水兵
6. 窓からプールの授業が見える
7. lade
8. がっこういかなくていいよ
9. 通学路
Credits
music, lyric / 木田昨年
vocal / lj Å∮, 木田昨年
artwork / lj Å∮
teaser / サクラフ・キコ
category:NEWS
tags:零度pool
2020/09/14
10月30日リリース 〈Deathwish inc.〉に所属していたHORROW SHOWのメンバーDomenic Palermoを中心に結成されたフィラデルフィア拠点のシューゲイズバンドNothingが4thアルバム『The Great Dismal』を引き続き〈Relapse Records〉より発表。 Nothingは不安、憂鬱、苦しみなどをテーマに制作する楽曲がメディアからの評価も高く、インディからメタルまで共演者の音楽性も幅広い。同郷のブルータルハードコアパンクバンドJesus PieceのフロントマンAaron Heardをベーシストに迎えた編成になってから2作目、トータルでは4作目となる今作は彼らの混沌とした人生観を忠実に再現したアルバムとなっている。先行シングル「Say Less」がMVと共にリリースされた。 Nothing – The Great Dismal Label : Relapse Records Release date : October 30 2020 Bandcamp : https://nothing.bandcamp.com/album/the-great-dismal Tracklist 1. A Fabricated Life 2. Say Less 3. April Ha Ha 4. Catch a Fade 5. Famine Asylum 6. Bernie Sanders 7. In Blueberry Memories 8. Blue Mecca 9. Just a Story 10. Ask The Rust
2023/01/17
初のライブイベント「nevv you」開催 日本のシューゲイズ/ドリームポップにフォーカスしたZINE『nelll you』Vol.2刊行。Vol.0のpolly、Vol.1の揺らぎを経て、表記を『new you』から『nelll you』(※小文字のエル3つ)へ変更したVol.2は、2022年11月16日に約2年ぶりの3rdアルバム『(image for) drawing on canvas』をリリースしたSPOOLを単独特集。初公開となるこばやしあゆみのソロインタビューや、こばやし自身の執筆によるアルバムのセルフライナーノーツと「My Best Shoegaze」に加え、計6作品のディスクレビューを書き下ろし。 また、『nelll you』から派生した定期ライブイベント『nevv you』の初回も2月5日に開催。SPOOL『(image for) drawing on canvas』のリリースパーティーとなる。共演にはre:lapse、MoritaSaki in the pool、butohesが決定。開場・転換時のDJとして、夏bot(For Tracy Hyde / エイプリルブルー)、知識あるサケ(Sleep like a pillow / nelll you)も出演。 なお、Vol.2は1月下旬に発売(後日告知)。1月13日(金)よりディスクユニオンにて先行予約開始。合わせて、polly主催のライブイベント「Lakk」の初回(17歳とベルリンの壁とSPOOLも出演)を特集したSpecial Issueの予約も開始。いずれも『nevv you』の物販でも販売される。 さらに、現在制作中のVol.3は2月以降発売。また『nelll you』とは別軸のプロジェクト『pygmalion』も進行中。詳細は後日、順次告知予定。 – nelll you Vol.2 ◆ 特集 SPOOL ◆ 収録内容 Interview:幾重にも旋律に刻まれた、人生の機微 Disc Review:2013 – 2022 Self Liner Notes:(image for) drawing on canvas My Best Shoegaze:こばやしあゆみの5枚 ◆ 執筆 小野肇久(DREAMWAVES) 辻友貴(cinema staff / peelingwards / LIKE A
2023/08/04
ポスト・ディストピア百合SF ゴキロウチことLily FuryによるEP『Hinemosphere』がリリース。 ミュージック・マガジンやレコード・コレクターズなどで執筆する音楽ライターで、『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』(DU BOOKS)の監修、編集も務める門脇綱生が提唱する新時代に向けた審美眼/コレクティヴである「遠泳音楽」(Angelic Post-Shoegaze)をテーマとしたレーベル〈Siren for Charlotte〉より。 『Hinemosphere』は ”宇宙で行方不明になった有人宇宙飛行線に取り残された、少女とアンドロイドの二者関係についてのSFであり、美しい愛と滅びの物語” というコンセプトを持った、ポスト・シューゲイズ、近未来都市遠景(レーベル共同主宰の門脇綱生が提唱する、近未来の都市性、審美性、 人間の生などの要素を持つ新しい音楽概念)、ポスト・メロディック・ハードコア、ポスト・ロック、 ポスト・インターネット・ミュージックなどの要素をひとつに縫い合わせる新しい音楽で、ポスト・ シューゲイズとThe Spellbound、The Novembers、toeが統合されたような音楽とも言える、とのこと。 ─Lily Furyとレーベルによるコメント─ ポスト・シューゲイズの俊英、ゴキロウチことLily Furyの最新作である『Hinemosphere』を公開いたしました。宇宙で行方不明になった有人宇宙船に取り残されたふたり、人間の少女とアンドロイドが、滅びまでの時間を”あなた”の横顔を愛しながら、静かに消えてゆくまでの物語を抱える、ポスト・シューゲイズとして、近未来都市遠景の音楽としての美しい結晶であり、現代の音楽シーンにおける、もしくは百合を主題として掲げる音楽における、現時点でも類を見ない達成です。ポスト・シューゲイズとThe Novembers、The Spellbound、toeがひとつの音楽の石として交錯し、強い叙情性を持って高密度に展開する音楽。周回軌道から離れた、虚空の果に向かうふたりの物語は、ひとしく彼の音楽の、シーンから見た特異性と比喩的に重なる。美しい、だが滅びの物語としての百合、つまりひとが営むなかでも最も崇高な関係性である二者関係の物語がポスト・ディストピアSFとして響き、ポスト・メロディック・ハードコアとしての熱情、ポスト・ロックへの更新、ポスト・インターネット・ミュージックの最新形、前述したポスト・シューゲイズの幻景を青年の叙情が縫い止め、ひとつの愛の物語として、新しく美しい音楽として響かせる瞬間を是非ご体験下さい。 ──Siren for Charlotte 文学ジャンルとしての「百合」という言葉を聞いた時、ほとんどの人は恐らくGL(ガールズ・ラブ)のことを考えるでしょう。しかし、GL は百合という概念の単なる一側面に過ぎません。親密な関係がそこに見出せるのであれば、その繋がりが友情であれ、血縁であれ、因縁であれ、一様に「百合である」と定義することが可能なのです。つまり百合という言葉/概念は女性同士の多様な関係性の中から、共通に見られる強い感情を発見する営みであると考えることができます。もしこれと同じことが音楽にも言えるとしたらどうでしょう。例えばオルタナティヴメタルやメロディックハードコアやなどの動的な音楽と、ポストロックやアンビエントなどの静的な音楽が完全に平行線であるということは無く、それらを共通の価値観でもって再定義することは可能です。遠泳音楽や近未来都市遠景の概念は、それらから「手が届かないもの」や「存在しない景色/記憶」への憧憬といったイメージを抽出し、見事体系化するに至ったのだと認識しています。本作はそうした音楽と百合の共通部分を意識して制作しました。アンドロイドの少女によるモノローグと、それに追随するかたちで展開される楽曲を通して、彼女たちの歩みを追体験し、自身にとって「存在しない記憶」としての感情の揺らぎなどを想起していただければ幸いです。最後に、本作を形にする上で私自身がイメージとして最も参考にした偉大な詩の冒頭を引用して終えたいと思います。 “愛するものが死んだ時には、自殺しなけあなりません。 愛するものが死んだ時には、それより他に、方法がない。 けれどもそれでも、業(?)が深くて、なほもながらふことともなつたら、 奉仕の気持に、なることなんです。 奉仕の気持に、なることなんです。” ──中原中也『春日狂想』より ──Lily Fury Lily Fury – Hinemosphere Label : Siren for Charlotte Release date : August 4th 2023 Bandcamp : https://eneiongaku.bandcamp.com/album/hinemosphere Stream : https://linkco.re/NgruP0HZ Tracklist 1. Introduction for Hinemosphere 2. Hinemosphere 3. Stealth-Raider 4. Lilium Aquarium 5. Down by the Salley Gardens
人工的な音像と、動植物的世界を結びつけるピュアな視点
2/23 渋谷STUDIO FREEDOM
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photo by Elsa Kostic more