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Age Factory 清水英介 × JUBEE interview

2人を繋ぐ唯一無二のロックマインド

 

 

奈良発の3人組ロックバンド・Age Factoryはデビュー以降ロックバンドとして一点の曇りもないサウンドをストレートに表現し、確かな足取りで存在感を高めている。先日リリースされた4th Album『Pure Blue』には彼らの中にある純朴な想いが込められており、前作「EVERYNIGHT」にて物語った青さとは異なるコントラストで描き出した。

 

サウンドの進化がめまぐるしい時代において、揺るぎない信念で奏で続けるAge Factoryの勢いはバンドだけに止まらない。疾走感溢れる本作にはJESSE(The BONEZ/RIZE)とJUBEE(Creative Drug Store/Rave Racers)が客演として参加、突き抜けたスピリットを追求するアーティストと共鳴し合うことで新たな挑戦に臨んでいる。収録曲の中でもひと際アグレッシブな楽曲「AXL」でコラボを果たしたJUBEEと、現代にバンドの魅力を強く伝えていくAge Factoryのフロントマン・清水英介のシンクロ率はきってのもの。本作でお互いのエナジーをアクセル全開で引き出しあった彼らを繋いたマインドについてシングル「AXL」を中心に語り合ってもらった。

 

text by yukinoise

photo by Yui Nogiwa

 

清水英介(以下:英):コロナ禍でライブができなくなったから配信ライブをやろうと思って。配信上でコラボしたいアーティストをジャンル関係なく探してた頃に、JUBEEくんがリリースした『Mass Infection2』を地元のRY0N4と聴いて盛り上がった流れで、当時全く面識なかったけどDMから連絡入れたのがファーストコンタクト。

 

JUBEE(以下:J):声かけてもらった後に渋谷のContactでも会ったよね。英介とRY0N4もいて、そこでやっとつながってから配信ライブに参加させてもらった。

 

– 最近のヒップホップシーンの中ではJUBEEのミクスチャー・バンドサウンド的なキャラがしっかりと立ってきていますが、実際にバンドシーンでがっつり活動中のAge Factoryから直々に声がかかった際の心境はいかがでしたか?

 

J:自分のルーツがやっぱりミクスチャーやラップロックだったからそういう表現をやりたいとはずっと頭では考えていたけど、英介と知り合った2年前くらいはまだバンドシーンと接点がなかったから声をかけてくれてめっちゃ嬉しかった。今でこそバンドとの繋がりは増えたものの、最初のきっかけをくれたのはAge Factoryだね。

 

:ライブハウスでやってるくらいのバンドだとヒップホップシーンと繋がることが本当に少ないんだよね。

 

– たしかに。次世代のアーティストやリスナーの間ではシーンがクロスオーバーしていようとも、2,3年前だと箱や演者単位で見ると今に比べて分離していた印象です。

 

:でもいまだにうまく混ざり合えてるのは少ないよね、いい感じのはないかも。

 

J:バンド側からヒップホップやトラップの要素を取り入れてこっちに来てくれることはあるけど、ヒップホップ側からバンドにアプローチするってのはあんまりない。だからこそ俺はヒップホップベースでバンドサウンドをやるってよりか、バンドベースでラップをやっていきたくて。

 

:サウンドのタッチや概念が異なるからヒップホップのアーティストとコラボするのってそう簡単じゃない、マインドの部分で繋がったり時代の流れを汲み取ったりした上でクロスオーバーしなきゃいけない。リアルな音楽って意外とヒップホップだけじゃなくロックにもあるのに、わかりやすく海外に憧れる要素が強くて、日本ならではの良さやオリジナリティを持ってるバンドが少なくなってるから僕らも特殊な存在。JUBEEくんもヒップホップの中では異質なアーティストだからこそマインドで繋がってかっこいいものが作れたし、いまの時代に価値のあることができたと思ってるかな。

 

Age Facctory live at YAGI

 

– Age Factoryのヒップホップへのアプローチは「CLOSE EYE」のリメイク版にフィーチャリングでKamuiさんを起用したあたりから始まっていますが実際、今作の制作にあたりどのような共通点やお互い一致するマインドがありましたか?

 

:ミクスチャーやハードコアバンドのサウンドが好きなのは知ってたけど、JUBEEくんは意外とエモも分かるっていう。スクリーモっぽいUKバンドとかを教えたりするとかなり喰らってくれて、ラッパーだけど根はロックキッズだなって感じがした。

 

J:英介が教えてくれる曲めっちゃいいんだよね、俺が普段ヒップホップをあまり聴かないのを知ってるからそういうサウンドに近いかっこいいアーティストも教えてくれる、最近だとJames Ivyとか。

 

:James IvyやLil AaronみたいなUSの打ち込み系、DTMから派生したロックをやってるアーティストとか絶対好きやろ。そういうところや目指していきたい方向は結構通じるよな、制作中も打ち合わせの延長線上でzoomや電話ばっかしてたし。

 

J:画面共有で曲を教え合ったり喋りながらYouTubeとか見たりしたね。BlieANの話とか(笑)。

 

:BlieANはかなり喰らったなー。たまたま何かのコンピレーションで知った長崎の2ピースバンドで、JUBEEくんの声にちょっと近くて一緒に聴いたらふたりとも電撃走ったっすね。「サヨナラ」って曲がヤバすぎる。

 

J:声が渋くてめっちゃかっこいいんだよね、CD5枚買ったもん。
英:JUBEEくんが多分いま日本で1番BlieANのCD持ってるかもな、長崎のライブハウスの人曰くもう彼らは活動してないらしいし。

 

– お互い教えあったアーティスト以外で、好きなものや影響を受けたもので共通した点はありましたか?

 

英・J:THE MAD CAPSULE MARKETSじゃね?(声を揃えて)

 

– やっぱりそこなんですね(笑)

 

:THE MAD CAPSULE MARKETSとヘルメットでしょ。

 

J:俺が配信のときヘルメットのTシャツ着ててその話もしたね。だからAXLはMADっぽさがあっていいんだよね。あの曲ではヒップホップじゃなくてMADみたいなフロウを目指したラップをあえてやってみた。乗せ方をちょっとずらしたり。

 

:MADやRIZEみたいなバンドってあんまり関西にいないからね、ああいうバンドは関東ってイメージ。関西はもっとエモくなっちゃう、人情的なあったかさがあるというか。そこが良さでもあるんやけど。

 

 

 

– 同じジャンルでも東と西で色が違うのも面白い点ですよね。サウンド面やマインドの共通点を踏まえ、どのような流れで「AXL」の制作に挑みましたか?

 

J:配信ライブの時点ですでに話は出てた。俺はいままでバンドの話できる人が周りにいなかったから、配信終わってから興奮気味で英介に話しかけたんだよね。好きなものを語り合ったバイブスでじゃあ一緒に曲やろうってその場で決定、みたいな。

 

:当時僕らもライブのセットリストを考えるとき、MAD的なノリがある曲を入れたくて、そういう感じのオケをちょうど作ってて。それを送ったらJUBEEくんがラップを乗せてくれたっていう。今回の曲はバンドだけどスタジオワークで一度も作ってないから、人がやってるけどデジタルな質感がある。そのフィジカルな雰囲気がいい感じに浮き出るようにライブテイストなMVを目指した。

 

J:あの撮影は楽しかったね。ラッパーだとリップシーンやひとりで映ることが多いから、バンドと一緒にいる映像ができたのはすごい嬉しい。いままでどう頑張ってもJUBEEの活動でそういう作品は作れなかったから。

 

– お互い初めての試みだった分、これまでの作品とは違った反響がありそうですね。周囲からの反応やそれぞれのクリエイティブに変化はありましたか?

 

:いつものAge Factoryが好きなリスナーからはライブを観てかっこいいと思ってくれている感じが伝わってきたし、ミクスチャーをやってるバンドからも結構いい反応があったり一連のストーリーがあるセットリストより漫画みたいな展開がある方が好きだから、「AXL」は分かりやすくバトルモードに突入するテンションがあってかなりいい感じ。

 

J:あの曲はかなり攻撃的だもんね。俺も同じく、自分のファンや普段Creative Drug Storeが好きなリスナーにとっては新しい体験になったし、ずっとやりたかった表現をAge Factoryのおかげでできたからバンドの人たちにもJUBEEって名前を知ってもらえるようになった。本来好きだったものをやっと提示できたかな。

 

:制作面だと、JUBEEくんからは踊れるバイブスをもらえた。Age Factoryのライブではお客さんが暴れてくれたら嬉しいけど、JUBEEくんとBIMくんとの曲にはダンサブルでチャーミングな要素や良い意味でポップなバイブスがめっちゃいいなって思った。この前のHEAVENのパーティーで『AXL』を2人でバンドセットじゃなくDJセットで演ったときも、お客さんの盛り上がり方が新鮮で面白かったし。

 

J:急に英介の出演決まったけど楽しかったでしょ(笑)。 クラブでバンドサウンドをやるってほとんどないし、そういうパフォーマンスが今後もっと増えてきたら楽しくなるね。

 

– たしかに、曲でシーンがクロスオーバーしてもパフォーマンスがクロスするってあまりなかった気がします。バンドはラッパーに比べて動きづらいけど、もっと身軽にシーンを行き来していいかもしれません。パーティーにも出演したHEAVENのように、ロックやミクスチャーをすでに持っているような新世代の勢いはおふたりの目にどう映っているのでしょうか。

 

:良い意味で制作にフィジカルが伴わない世代だなと。彼らはスタジオに入らずともプラグインの音から想像して曲を作れるけど、自分だったらスタジオ入って制作したほうがカッコいいと思ってしまう。HEAVENはポップさがありながらも良さを更新していくし、新しい当たり前を作っていってる。

 

J:デジタル感が強くて進化系って感じがする。同じように「AXL」はスタジオワークじゃないから、次はAge Factoryと一緒にスタジオで制作するのが楽しみ。

 

:デジタルな制作スタイルになってきてるのは時代の流れもあるのかな、いまは1人でも音楽を作れる時代だし。自分達の世代は音楽をやるにも人を集めなきゃいけなかったし、JUBEEくんみたいなスタイルがあってもラップって手法を取るしかなかった。それでも今の時代にバンドとして存在してるからこそ、僕らはバンドとしてフィジカルにかっこいいことをやっていきたい。

 

– 制作スタイルの主流が変化してきたからこそ、バンドや他のシーンのアーティストと共存してやっていく意味も重要になるし、その意味自体も変化していく気がします。

 

J:だからこそバンドのツアーに参加させてもらったのはすごい良い経験になった。普段ならバックDJがいて、歌っててもオケに声が入ってるけどバンドのライブだと生感やセッション感がある今までにない体験ができたから。1人でもPC1台でも音楽ができる時代の逆張りで面白いパフォーマンスができているのは幸せなことかも。

 

:日本でかっこいいバンドをやりながらオーバーグラウンドに向けて発信するのは難しいけど、それを諦めずにバンドである魅力やロックのかっこよさを自分たちから伝えていけたらいいなって。バンドをやり始める人が1人でも増えるのを目指してやってるから、JUBEEくんとEP出せたらライブハウスツアーとかやりたいね。

 

J:いいね、めっちゃやりたい。ラッパーにもロックが好きでちゃんと芯を持ってやっているアーティストがいることをヒップホップだけじゃなくバンドシーンの人たちにも届けていきたい。

 

:バンドを続けて生まれる音楽の良さや奇跡みたいなのを伝えたいね。これからはロックを知らない若い世代も出てくるはずだから、衝撃を与えたり心に残り続けるものを今後は作っていかないと。

 

JUBEE live at XPEED

 

– JUBEEさんはラッパーですがバンドマン的なバイブスも持ち合わせてる印象です、ギターの代わりにマイクを持っているような。フロントマン気質なところがおふたりの共通点なのかもしれません。

 

J:やっぱりDragon AshやTHE MAD CAPSULE MARKETS、hideから影響を受けてるし。

 

:ライブの感じ見ててもメロコアバンドマン的なバイブスあった。MCもしっかり話すしクラブのノリとは違う熱を伝えてたね。

 

J:逆に英介はライブもMCでもクールにキメてる。俺はそういう感じじゃなくて、どちらかというとあんちゃん系。Age Factoryでは初めましてのお客さんも多いし、あんないかつい曲やってる分ちゃんと自己紹介したり自分のいい部分をMCで見せきゃなって。

 

– では「AXL」が収録されているアルバムの話を伺いたいのですが、JUBEEさんにとって『Pure Blue』はどんな作品でしたか?

 

J:『Pure Blue』は 聴くたびに好きな曲が変わるんだよね、最初は「OVER」が好きでいまはMVが出た「Feel like shit today」が好き。Age Factoryのいいところは楽曲自体は渋めでもアートワークや映像、マーチとかのビジュアル面が洗練されてるところ。自分がやってる音楽もわりかし渋めな分GUCCIMAZEさんのアートワークで攻めたりしてるから、そういう印象付けをしてるとこもバイブスが共通してるなって思う。

 

– 今回のアルバムに参加されているThe BONEZ / RIZEのJESSEさんも、おふたりが影響を受けたアーティストの共通の1人ですよね。

 

J:同じ作品に参加できて本当に光栄です、こんなこと夢みたいなことあるんだな。

 

:僕的にはアルバムってバンド史だと思っていて。根底にあるものはずっと変わらずとも反映される時代背景でサウンドがどんどん変わっていくように、このタイミングでJUBEEくんとJESSEさんが参加している時点でAge Factoryにとって『Pure Blue』は未来から見ても価値のある作品になっていくはず。だから今後もこのアルバムを越えていくようなアーティストたちをもっと呼んでいきたい。

 

– なるほど、逆に英介さんはJUBEEさんの作品にどのような印象を持っているか知りたいです。

 

:最近だとVaVaくんとのシングルもだし、tokyovitaminやRave RacersのEPもちゃんとチェックしてる。特にRave Racersはグループとして1番かっこいいなと思った、テロ的に踊らせて高速で帰る集団って感じ。

 

J:Rave Racersはグループ内でもメンバーの世代がバラバラで、その中にはダフトパンクみたいな2人組やB2Bのエレクトロが流行ってた世代の人もいるんだよね。レイヴサウンドの集団って今の時代にいないから面白い存在になれたらいいなと思ってる。

 

:そういうのを踏まえた上で、展望としてはJUBEEくんが持ってるヒリヒリした部分に到達できるような作品を一緒に作っていきたい。「AXL」を起点としてアイデアやイメージをもっとブラッシュアップさせて、耳に電撃走らせるくらい最高のバンドサウンドをやれたらいいなって。

 

J:作る前にTHE MAD CAPSULE MARKETSのライブ映像一緒に見ような、かっこいいし絶対バイブス上がるから。

 

:その後はThe Prodigy見て、ATARI TEENAGE RIOTも見よう。

 

 

– シーンも活動拠点も異なるおふたりを繋ぐ縁の強さは、持ちうるバイブスに匹敵するくらいのパワフルなサウンドにあるようですね。制作やツアーを共にして、お互いの異なる点や違いに気づくことはありましたか?

 

J:ツアーで初めて打ち上げに参加したこと。ヒップホップだとライブの後は打ち上げじゃなくてクラブ行ったりDJしたりでアフターパーティーになることがほとんどだから、そこで文化の違いに気づいたっていう。Age Factoryもアフターパーティーやってほしいな、お客さんとも交流できるしライブとは違った面白さがあるよ。

 

:ライブ後にアフターパーティーできるほどの体力ない(笑)。でも、YAGIみたいなパーティーに参加させてもらってからライブハウスとは違うパーティーの概念に触れて、バンドシーンにもクラブみたいな自由なノリや楽しみ方がもっとあってもいいと思った。バンドのスタイルやロックのカルチャーが変われどオリジナリティをどれだけカッコよく出していくかが大事で、従来の楽しみ方を踏襲し続ける必要はない。だから僕らもJUBEEくんも自由にやっていくし、1月に奈良でやるライブでは初のアフターパーティーをやる予定。

 

– それは楽しみですね。最後になりますが、お二人がバンドサウンドを追求し続けられるピュアな原動力となってるものは一体何でしょう。

 

:改めて言うのも恥ずかしいけど、それがロックなんじゃない?

 

J:そうだね、いいよねロックは。ずっとかっこいい。

 

:ロックに惹かれるのは唯一無二の感覚、だからこそこれからの時代もバンドをやる楽しさを持ち続けていたいし未来にもその感覚を残していきたい。

 

 

Age Factory – Pure Blue

Label : DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT INC.

Release date : 24 November 2021

Stream / CD : https://agefactory.lnk.to/pureblue

CD Price : ¥2,500

 

Tracklist

1. OVER

2. SKY

3. Say no more

4. Feel like shit today

5. My own world

6. AXL feat.JUBEE

7. Light off feat.JESSE

8. Sleep under star

9. Blink

10. Pure Blue

 

[初回封入特典]

ドキュメンタリー映像ストリーミングカード

 

■Tシャツ付初回限定盤

・Tシャツ付【Mサイズ】初回限定盤

品番:UKDZ-0208-M

価格:¥4,180(税込価格)

JAN:4514306018981

 

・Tシャツ付【XLサイズ】初回限定盤

品番:UKDZ-0208-XL

価格:¥4,180(税込価格)

JAN:4514306018998

 

※ CDは、初回特典のドキュメンタリー映像ストリーミングカードが封入されています。

 

 

Age Factory ONEMAN “Pure Blue” Release TOUR

 

2022/2/11(金・祝)岡山CRAZYMAMA KINGDOM

2022/2/13(日)福岡BEAT STATION

2022/2/19(土)仙台Rensa

2022/2/21(月)名古屋BOTTOM LINE

2022/3/06(日)大阪なんばHatch

2022/3/10(木)Zepp DiverCity TOKYO

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