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罪悪/嫉妬/報復|Blackest Ever Blackがレーベル最後の作品をリリース

9年の歴史に幕

 

 

個人的にも2010年代初期に影響を受けたロンドンのレーベル〈Blackest Ever Black〉が9年の歴史に幕を閉じた。

 

ファウンダーのKiran SandeはRAのインタビューでレーベル立ち上げの理由を「罪悪、嫉妬、報復」といったネガティブな感情だと答えている。このRAのインタビューの中での「Blackest Ever Blackはあるひとりの男がタバコを止めようとする、その葛藤と苦しみをサウンドに置き換えたようなもの」、「俺は挑発されていたいし、夢を見ていたいし、愚かに混乱させられた状態のままでありたい」などKiran Sandeの発言はとても魅力的かつ、まさにBEBのサウンドそのものである。

 

そんな〈Blackest Ever Black〉の功績として、まず何と言ってもRAIMEの作品が挙げられる。レーベルに辿ってきた道はRAIMEの辿ってきた道と言っても過言ではないほどに本レーベルにとって最重要アーティストである。密室感のあるダークネスとスリル、そしてルーツのジャングルをドローン化するような構築方法は、数年前のテクノシーンのアンビエント化現象にも通ずるものもあるかもしれない。

 

 

BEBが輩出した才能として、もう1人挙げられるのがCamella LoboによるプロジェクトTropic Of Cancerである。初期はSilent Servantや、Dva DamasのTaylor Burchもメンバーとして作品に参加していたTropic Of Cancerは絶望のネオサイケギターと遠くで聴こえるCamella Loboのボーカルが特徴のインダストリアル / ポストパンク。Silent Servantが手がけたアートワークも注目された。

 

 

Dominick Fernow仕事の一つであるVatican Shadowの作品はほとんどが自身のレーベル〈Hospital Productions〉からだが、数少ない他人のレーベルから出た作品としてBEBのカタログ8番に『Iraqi Praetorian Guard』があったりもする。NYのレジェンドStuart Argabright率いるIke Yardの世界的な再評価に繋がるRegisがリミックスした『Loss』の12インチをリリースしたのもBEB(フランスのDesireと共同リリース)である。その後、Ike Yardの日本盤が〈Melting Bot〉からリリース。(〈Melting Bot〉のエッジは現在のWWW〈Local World〉へと受け継がれている。)他にも、レーベル初期から中期にかけてレーベル重要アーティストといえば、Shampoo Boy、Raspberry Bulbs、Secret Boyfriendなど。中期から後期にかけてはF Ingersや、F IngersのメンバーCarla dal Fornoのソロ、さらにOssiaやJabuなどブリストルのコレクティブ〈Young Echo〉のアーティストも共振し、レーベルを支えた。

 

 

そして、立ち上げから9年経ちKiran Sandeは、エレクトロニックシーンで最もダークだと称されたレーベルに幕を閉じる。最後の作品としてコンピレーション『A short illness from which he never recovered』がリリース。Carla dal Forno、Brainmanなどが参加した全10曲。

 

購入はこちら。デジタルとレコードでリリース。

 

 

VA – “A short illness from which he never recovered”

1. Scythe – Flower, Drop

2. Lightning In A Twilight Hour – The Munich Post

3. Unchained – Gray D’Aboukir

4. Hypnotic Sleep – De dröigen Blaar

5. Jam Money – Dawn Swoop

6. Bridget Hayden – Solace

7. Brainman – Kilonovo

8. Carla dal Forno – Blue Morning

9. Ian Martin – Missing Realism

10. The Fulmars – Fish On

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