
2026/03/13
飛翔とストレスの間で揺れる自己内省

otuyyutoがアルバム『DiSTRESSED JEANS』をリリース。
アンダーグラウンド・ラップ作品『優人』、そして“飛ぶこと(flight)”をテーマにしたプロジェクト『Y LIFE 2』を経て生まれた本作は、キャリアの勢い、個人的なストレス、そして深い自己内省が重なり合った時期に制作された。そうした経験を通して、otuyyutoは「ラッパー」という枠組みを越え、単なるジャンルではなくミュージシャンとしての自分を再定義していく。
複数の国で育ち、言語や文化を横断してきたotuyyutoにとって、自分の人生経験はとても具体的で個人的なものだという。だからこそ彼は、それを無理に普遍的な形へと簡略化するのではなく、感情や体験という言語を音へと翻訳する行為として音楽制作に向き合っている。その結果として生まれた『DiSTRESSED JEANS』は、エネルギーが爆発するような楽曲から、どこか懐かしさを感じさせる静かな瞬間まで、幅広いサウンドを行き来する作品となっている。記憶やストレス、自己内省の揺れ動きを、そのまま音として映し出すようなダイナミックなアルバムとのこと。
アルバムの冒頭では、その流れが実際の音として現れる。『DiSTRESSED JEANS』で最初に聴こえるのは、クラシックなスーパーマン作品の有名なフレーズ 「Look! It’s a bird! It’s a plane! No — it’s Superman!」 というサンプルの上に重なるotuyyuto自身の声だ。これは『Y LIFE 2』のエンディングから直接続くような演出となっており、飛翔というモチーフを引き継ぎながら、本作のテーマを提示している。otuyyutoはこの1年を振り返り、キャリアの勢いによって自分が思っていた以上に高くまで押し上げられた感覚があったと語る。まるでステージから飛び上がり、そのまま会場の天井付近の“ラフター”まで届いてしまったような感覚だという。そのイメージが、本作のオープニング曲 「NOSEBLEEDS」 のタイトルにも繋がっている。
そのメタファーは成功だけを意味するものではない。時には、想像以上に高く跳ぶことで、天に近づき、神に近づき、そして何かを理解したうえで地上へ戻ってくることもある。この「高く上がること」と「地上に戻ること」の緊張関係が、アルバム全体を通して流れるテーマとなっている。
先行シングルとして発表されていた 「CINDERELLA」「WABI SABI」「iT iS」 は、そうした感情の方向性を示す楽曲だ。これらの楽曲は、otuyyutoが自身のストレスや長く抑え込んできたトラウマと向き合っていた時期に制作された。
『DiSTRESSED JEANS』の制作は、彼自身の中にあるパターンや問題を初めて正面から見つめるプロセスでもあった。その体験は、まるでセラピーの最初のセッションのようだったと彼は語る。まだ問題を解決する段階ではなく、まずは状況を理解するために自分の話をしていく時間のようなものだ。つまりこのアルバムは、解決ではなく気づきの瞬間を記録した作品でもある。
また本作は、「自分の人生は誰にも理解されないのではないか」という感覚にも触れている。人それぞれの経験は確かに異なる。しかし、「理解されないかもしれない」という感覚そのものは、多くの人が共有しているものでもある。
『DiSTRESSED JEANS』では、その矛盾をそのまま受け入れながら、非常に個人的な感情と、誰もが共感できる人間的な感覚の両方を同時に描き出している。アルバムの中心にあるメッセージは、まず自分自身に向き合うことの重要性だ。飛行機の安全説明で「まず自分の酸素マスクを装着してから他人を助けてください」と言われるように、他人を支える前に、自分自身を整える必要がある。
「誰だってヒーローになりたいと思うものだと思います。 もしかしたら僕のことを、手の届かない存在のように見ている人もいるかもしれない。ステージとフロアの距離みたいに。でも実際は、僕もあなたと同じ人間ですし、あなたも僕と同じです。僕にも問題があるし、きっとあなたにもある。 このアルバムを通して、アーティストも人間なんだということを感じてもらえたら嬉しいです。このアルバムを作るのは本当に大変で、正直リリースするのも怖かった。でも、自分の内側を見つめて、自分と向き合うと何が起きるのか、それを見せたかったんです。」 – otuyyuto

otuyyuto – DiSTRESSED JEANS
Release date : March 13, 2026
Stream : https://too.fm/distressedjeans
category:NEWS
tags:otuyyuto
2025/08/29
Reo Shimotaniが監督を担当 otuyyutoがアルバム『優人』から収録曲「MAX AMMO」のMVを公開。 「MAX AMMO」はDMV(ワシントンD.C./メリーランド/バージニア)スタイルで、かつて自身にディストラックを出したライバルに対するフレックスを描いた。相手に注目を与えないため名前は伏せつつ、otuyyutoはその状況を自信、力、支配力を示す自己顕示の場に変え、日本のアンダーグラウンドラップシーンにおける自身の影響力を再確認する、とのこと。 「‘MAX AMMO’は全力で挑むこと、迷わずに、躊躇なく行動することを表している」「この曲は、自分が築いてきたもの、自分が象徴するもの、このシーンでここまで来た自分を示す作品だ。」 – otuyyuto 「MAX AMMO」のミュージックビデオはReo Shimotaniが監督・編集を担当。鋭い演出とテンポの速い編集によって、楽曲の尖ったエッジが映像で具現化されている。 otuyyuto – 優人 Label : AMBI Release date : August 22, 2025 Stream : https://too.fm/yasashiihito
2025/09/28
監督は藤中デヴァン幸生が務めた otuyyutoがアルバム『優人』から「RAPPER C」のMVを公開。 本作の監督は、長年にわたりクリエイティブパートナーとして活動を共にしてきた藤中デヴァン幸生(Devan Yukio Fujinaka)。彼の映像表現とotuyyutoのサウンドが融合し、アーティスト性の核心を映し出す映像作品。 8月にリリースされたアルバム『優人』の収録曲「RAPPER C」は、個人的なストーリーテリング、大胆なプロダクション、ジャンルを超えた音楽性を体現する一曲であり、今回の映像公開によってotuyyutoの包括的でシネマティックな世界観がさらに拡張される、とのこと。 otuyyuto – 優人 Label : AMBI Release date : August 22, 2025 Stream : https://too.fm/yasashiihito
2025/08/12
自己の二面性を表現 ハワイで育ち、現在日本を拠点に活動するotuyyutoがアルバム『優人(やさしい ひと)』を2025年8月22日にリリースする。本作は自身が率いるグループ「AMBI」から配信リリースされる。 全20曲中19曲をotuyyuto本人がプロデュース、1曲をksr:3が担当。ミックスも全曲本人によるセルフワーク。なお、タイトルの「優人」はotuyyutoのミドルネーム “Yuto” であり、自身のルーツとアイデンティティを象徴しているとのこと。Kenshiro Sekiya、jellyy、you geek、Worldwide Skippa、Lil Mafuyu、Nyture、Manaka、SpiderWeb、Saggypants Shimba、ksr:3、c4dd3l、lymphが参加。 以下、概要とコンセプト 『優人』は、2025年5月の日本移住後に制作された、otuyyutoにとっての“第二章”とも言える作品です。 本作は、日米のハーフとしてのアイデンティティ、音楽キャリアへの挑戦、家族や恋愛の葛藤をテーマに、自信と内省、二つの感情が交差する構造を持っています。 アルバム前半は、来日直後に芽生えた「成功できる」という確信と、それに伴うエゴを大胆に表現したトラップサウンドが中心。中でも「GOAT」では「I’m the goat fosho」という自己宣言で圧倒的な自信を見せつけます。 中盤(10曲目)では、母親との間に生まれた距離感を描きます。来日後、母親が日本を訪れた際に衝突し、人生で最も長く会話をしなかった時期がありました。普段は非常に近い関係だからこそ、その沈黙は大きな試練であり、大人になるための通過儀礼のように感じられました。 終盤では、過去2作で描いてきた失恋後の“愛の喪失”を乗り越え、新たな恋人と出会う物語へ。トラック18「東京」には、その恋人であり、本作がデビューとなるアーティスト c4dd3l が参加し、二人の新たな章の幕開けを象徴しています。 アルバム全体はヴェン図のような構造を持ち、自己の二つの側面—感傷的な面と、エゴに満ちた自信家な面—が交わる瞬間を描いています。これは、日米ハーフという自身の背景にも通じる二重性であり、音楽的にも日本語と英語のラップを行き来することで表現されています。 otuyyuto – 優人 Label : AMBI Release date : August 22, 2025
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