jvnpeyによる初個展「Final Shuffle」が開催

日常の奥に潜伏する像を再編集する

 

 

jvnpeyによる初個展「Final Shuffle」がスタジオ〈後光〉で12月19日〜28日の会期で開催。

 

jvnpeyはこれまでにミュージシャン Peterparker69 & Tennyson の楽曲「skyskysky」の公式アートワークの制作や、GEZAN with Million Wish Collective「i ai e.p.」では12インチレコードのジャケットアートワークを担当。電子音楽家 Kazumichi Komatsu と協働したイベント ACTIONS in Ambient Kyoto(京都新聞ビル地下)に参加し、Teebs(Brainfeeder)および Yuma Kishi と共演したライブパフォーマンス E.O.U + jvnpey(WWW X)にも出演するなど、音楽と視覚が交差する現場で存在感を示してきた。

 

近年、2020年代のインターネット以降のリアルなセンスを批評的に表現し、注目されてきた jvnpeyの作品はインターネット的な無文脈さや雑多さを背景に、日常の風景や身近なマテリアルを素材として扱い、現実と夢が自然に重なり合うようなイメージを立ち上げてきた。

 

彼のノスタルジアと未来感が漂うアートワークは、*ノードエディター的な感覚と特徴づけられる。スマートフォンで写真の明るさや色味をわずかに調整するだけで、同じ景色がまったく別の印象になることがあるが、ノードエディターは、その仕組みをより細かく、像の奥にある構造レベルから扱う方法です。3Dソフト上で、オブジェクトの光・影・色・質感といった見え方を構成する部品(ノード)を細かく分解し、それらを線でつなぎ直して視覚効果を組み立てる。つまり、見え方を決めるパラメータ(Parameter)に直接触れ、“世界のほうを組み替える行為”として理解すると最も近い。

 

jvnpey は風景や物体を一度、見え方の部品として分解し、光の落ち方、影の輪郭、素材の反射、視点の位置を微細に組み替えることで、日常に潜伏していた “もうひとつの現実” を静かに浮上させる。見慣れた景色の奥に突然、別の空間が開けるような──ポータルのような感覚が作品の随所に潜んでいる。

 

2023年に設立された後光(Gokou)は、ギャラリーでありながら住所は非公開とされ、展覧会へのアクセスはInstagramのDMを通じてのみ行われ、一方でアートフェアEASTEAST2025への参加や、Waku FukuiとTaito Itateyamaによる二人展「瞬き(MABATAKI)」をTHE PLUGにて開催するなど、作家の発表の場所を広げている。

 

本展「Final Shuffle」では、断片が離れ、漂い、再び結びついていく過程を追うことで、イメージが更新されていく瞬間そのものを、鑑賞者が身体的に体験できる展示。それぞれの断片は単独では完結せず、次の像へとつながっていく “小さなポータル” として開かれ続け、静けさと速度が交差しながら立ち上がる。

 

 

jvnpey 個展「Final Shuffle」

日時 : 2025年12月19日(金)– 12月28日(日)12:00-19:00

場所 : Gokou(住所非公開 / Instagramでの住所問い合わせ)

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