2025/08/21
2025年8月15日 渋谷WWW
Text : つやちゃん
Photo : 米澤桃子
夢みたいだった。夢にあふれていたね。夢だったのかもしれない。
8月15日、渋谷WWWにて披露された、iVyのワンマンライブ「秘色庭園」。会場に入るといろいろなところに写真やイラストが貼られて、そこは天国になっていた。描かれた架空のキャラクター・iVyちゃんがきらきらと輝き、皆が写真を撮っている。物販の列は長蛇で、思い思いのスタイルに身を包んだ人たちがステッカーやZINEを買っている。楽園みたいだった。幸せにあふれていたね。楽園だったのかもしれない。
この日の公演はソールドアウト、フロアはぎゅうぎゅう。ステージで煌々と光る剣、マイクや機材に絡まるツタ=ivy。皆が静かに見守る中、二人が現れる。白を基調としたウィッシュコアな衣装に、天使の羽根。「秘色庭園」の世界観が具現化され、「ホワイト・リバー・ジャンクション」からライブは始まる。実写とイラストが入り混じった映像とともに、iVyは真剣にサウンドを奏でていく。「頭が真っ白なって/かたちつくっても/しょうがないの/真っ白真っ白/真っ白真っ白」と歌い、フロアの空気が純白に染まっていく。
アップテンポな「tea time mystery!」、浮遊感ある「楓桜」、サイケデリックな「ユーガッタメール」、ポエトリーリーディングが映える「pupu6」と、冒頭から次々とスイートでエネルギッシュな音像が披露され、観客は皆うっとりと見惚れる。随所で二人が顔を見合わせて、幸せを確かめ合う。その笑顔が幸福感に満ちていて、自然と涙があふれ出る。生で聴くiVyサウンドは思ったより豪快で、ベッドルームから生まれた脆い音楽が力を与えられ、むくむくと広がっているみたいだった。
シュールなVJとともに「ファミレスロック」で楽しくなる。テンションが上がったキーボード/ボーカルのpupuが、ボールを次々と客席に投げ入れる。会場の空気が和らいで、笑顔が満ち満ちて、ここからEP『幽泳プログラム』の「kirakirakiller」「ゆりコは樹海」が届けられる。ギター/ボーカルのfukiは、繰り返し「ありがとう」と言う。pupuはずっと笑顔だ。その後二人は新曲も楽しそうに演奏し、ユニットセットの最後を「ヴァンパイア」で締めた。どこか空想的で、現実のものとは思えないようなふわふわしたiVyの音楽に、手触りと匂いが与えられていく。あぁ、存在したんだ、と思う。iVyの音楽は、この世に在った。『幽泳プログラム』も、『混乱するアパタイト』も、夢じゃなかった。
転換でVlogのような二人の日常を捉えた映像が流れたのち、ライブは第2部のオーケストラセットへ。〜離、brain node、Cwondo、穂ノ佳、小松成彰、toulavi、ゆnovationら、インディペンデント・シーンの奇才たちオールスターがステージに集まり、楽団「iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪」として「ツキノカケラ」をジャム演奏する。スクリーンには演奏する皆の姿が映り、その楽しそうな表情を見ていると、二人だけの親密な関係がたくさんの人に伝播して広がっていくみたいで、心がほどける。キラキラした音、まばゆい音、華やかな音、さまざまな歪さの中でかけがえのない音が粒立って、fukiとpupuと穂ノ佳と小松成彰の声が重なって、「ツキノカケラ」がどんどん膨らんでいく。全員が、iVyの世界を祝福してる。
「秘色庭園」は、私たちをどこまでも連れていく。第3部はバンドセット。雪国の木幡徹己(dr)、京英一(g)、yonawoの田中慧(b)、ひとひら/その感激と記録の山北せな(g)が現れ、「any n○ise」から三本のギターで骨太なバンドサウンドを聴かせる。「Hello pihla!」や「カラクリ関係」「クラスルーム」といった、音源では軽やかで柔らかいテクスチャの楽曲も、強い感触と重層的な音圧でぐんとアップデートされる。iVyの衣装はカジュアルになり、天使のヘアピンは星に変わっていた。USインディのガールズバンド風のたたずまい? カッコいいiVyも素敵。fukiのボーカルもどんどん骨太になっていく。特に「SCF空蝉」は強烈で、どこまでも伸びる声と破裂しそうなシューゲイズサウンドが渾然一体となって、フロアの空気を切り裂く。
ドキドキしたまま本編が終わり、アンコールへ。たくさんの仲間とともに輪を広げたのちに、またiVyは二人だけの世界になって戻ってきた。なんと、今回のワンマンライブのために作ったという新曲を弾き語りで。照明がはっきりと二人をとらえて、繊細な音にいのちが注入されていくようだ。あと少しで、この夢のような楽園が終わってしまう。最後は、バンドメンバーを呼び戻して再びの「ホワイト・リバー・ジャンクション」。とんでもない演奏。オルタナティヴで、ドリームポップで、でもどこまでもシューゲイズで、頭が真っ白になる。「頭が真っ白なって/かたちつくっても/しょうがないの/真っ白真っ白/真っ白真っ白」。
iVyのワンマンライブ「秘色庭園」は、夢のような楽園だった。空想と現実を往復する幻想的なキャラクター性。ベッドルームから広がった音楽を強靭なものに変換する、ライブ・パフォーマンス。そして、仲間や観客を巻き込む祝祭コミュニティの中心にいる二人。iVyの音楽は、元来、脆く儚く、DIY的な小さな音楽だ。でも、そこを起点にしながら、ライブ空間では力いっぱいのエネルギーを帯びていく。仲間とともに、一定のフォーマットに収まらず、常に変奏しながら多面性を見せる。fukiとpupuの世界が、なぜ今これほどまでに熱狂を生み始めているのか。「秘色庭園」には、その答えが詰まっていた。
fukiは最後に、「こんなに暑い中、皆さんそれぞれ生活があるのに、今日この場を選んでくださってありがとうございました」と言っていた。恐らく、これからiVyは、もっとたくさんのそれぞれの生活の中に秘色庭園を作って、夢みたいな楽園をどんどん生み出していく。そこには、いろんな音楽や写真やイラストがあって、iVyちゃんも描かれていて、とてもとても幸せで。どうか、この夢がずっと続きますように。最高のライブでした。
iVy 1st oneman show “秘色庭園”
日付:2025年8月15日(金)
会場:WWW Shibuya
開場 18:30 / 開演 19:30
Supported by AVYSS
iVy Band set : iVy + Gt.京英一(雪国), Gt.山北せな(ひとひら/その感激と記録), Ba.田中慧(yonawo), Dr.木幡徹己(雪国)
iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪ : iVy, 〜離, brain node, Cwondo, toulavi, ゆnovation, 小松成彰, 穂ノ佳
VJ Direction : JACKSON kaki
VJ:Yo Oyama
Hair & Makeup : Lisa
Styling : Tatsuki Itakura / iVy
Staging : yoh / iVy
Still : momoko yonezawa / lisa nishikawa
– Flyer credits
Photo: マ
Styling: Tatsuki Itakura
Hair & Makeup: alien.melissa
Illustration: pupu
Graphic Design: Yosuke Tsuchida
Produced by AVYSS
category:FEATURE
tags:iVy
2025/06/18
1stアルバム『混乱するアパタイト』CD版発売決定 2023年結成、東京を拠点に活動するVo/GtのfukiとVo/KeyのpupuによるオルタナティブポップユニットiVyが初のワンマン公演を渋谷WWWにて8月15日(金)に開催する。開催発表に合わせて、一般前売りチケットとU22チケットが発売開始。 チケット購入URL : https://t.livepocket.jp/e/20250815ivy 本年4月11日に行われたiVy自主企画「まばらなパルス」から部屋を飛び出し、iVyのモチーフである架空の天国が繰り広げられるワンマンショー「秘色庭園」。本公演はAVYSSのサポートで開催される。iVyのユニークな世界観を視覚的にも堪能できる空間演出の中で、ユニットでのライブセット、フルバンドセット、「??????」の3部構成で演奏が行われる。当日会場では新たなマーチャンダイズも販売予定。バンドメンバーやマーチャンダイズ等の内容は後日発表される。 また、本日6月18日に配信リリースされた1stフルアルバム『混乱するアパタイト』のCD版も8月13日に発売決定。配信版とは別バージョンのアートワークを施したCD版は配信未収録の未発表曲がボーナストラックとして2曲追加されており、合計15曲収録。CDは全国のタワーレコードやレコードショップにて販売予定。店舗限定の特典も予定されている。 【iVy ョリ】 記憶は曖昧で、日は一瞬にして過ぎ去るも@。早送りできナィ、後戻りできない影絵芝居を繰り広げるようなも@。その刹那に生命の煌めきを感ι″ゑ。 細工された灯籠 蝋燭の熱は体 光源は私達の中に そして貴方達の中にあります iVy 1st oneman show “秘色庭園” 日付:2025年8月15日(金) 会場:WWW Shibuya 開場 18:30 / 開演 19:30 料金:ADV ¥3,500 / U22 ¥2,500 チケット:https://t.livepocket.jp/e/20250815ivy Supported by AVYSS VJ Direction : JACKSON kaki VJ:Yo Oyama Hair & Makeup : Lisa Styling : Tatsuki Itakura / iVy Staging : yoh / iVy Still : momoko yonezawa / lisa nishikawa Flyer credits Photo: マ Styling: Tatsuki Itakura Hair & Makeup: alien.melissa Graphic Design: Yosuke Tsuchida Illustration : pupu Produced
2025/07/08
iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪としての演奏も披露 2023年結成、東京を拠点に活動するVo/GtのfukiとVo/KeyのpupuによるオルタナティブポップユニットiVyが初のワンマン公演を渋谷WWWにて8月15日(金)に開催する。先日の開催発表に続き、今回はバンドセットのメンバーとの詳細が発表となった。U22チケットは開催発表後に即完売しており、現在は一般前売りのみ販売中となっている。当日会場では新たなマーチャンダイズも販売予定。 チケット購入URL : https://t.livepocket.jp/e/20250815ivy 今年4月11日に行われたiVy自主企画「まばらなパルス」から部屋を飛び出し、iVyのモチーフである架空の天国が繰り広げられるワンマンショー「秘色庭園」。AVYSSのサポートにより開催される本公演はiVyのユニークな世界観を視覚的にも堪能できる空間演出の中で、通常のユニットでのライブセット、フルバンドセット、iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪の3部構成で演奏が行われる。 バンドセットのメンバーにはGt.京英一(雪国)、Gt.山北せな(ひとひら/その感激と記録)、Ba.田中慧(yonawo)、Dr.木幡徹己(雪国)が参加。そして、セッション形式で披露されるiVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪のメンバーには、〜離、brain node、Cwondo、toulavi、ゆnovation、小松成彰、穂ノ佳が参加。iVyの多彩な交友関係が育んだ、多様なパフォーマンスの在り方が表現される。 また、6月18日に配信リリースされた1stフルアルバム『混乱するアパタイト』のCD版も8月13日に発売決定。配信版とは別バージョンのアートワークを施したCD版は配信未収録の未発表曲がボーナストラックとして2曲追加されており、合計15曲収録。CDは全国のタワーレコードやレコードショップにて販売予定。限定の特典も予定されている。 iVy 1st oneman show “秘色庭園” 日付:2025年8月15日(金) 会場:WWW Shibuya 開場 18:30 / 開演 19:30 料金:ADV ¥3,500 + 1D チケット:https://t.livepocket.jp/e/20250815ivy Supported by AVYSS iVy Band set : iVy + Gt.京英一(雪国), Gt.山北せな(ひとひら/その感激と記録), Ba.田中慧(yonawo), Dr.木幡徹己(雪国) iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪ : iVy, 〜離, brain node, Cwondo, toulavi, ゆnovation, 小松成彰, 穂ノ佳 VJ Direction : JACKSON kaki VJ:Yo Oyama Hair & Makeup : Lisa Styling : Tatsuki Itakura / iVy Staging
2025/07/24
8/15に渋谷WWWにてワンマンを開催 東京を拠点に活動するVo/GtのfukiとVo/KeyのpupuによるオルタナティブポップユニットiVyが、今年6月にリリースした1stアルバム 『混乱するアパタイト』に収録されている「ヴァンパイア」の手作りMVを公開。 iVyの活動はYouTubeに自主制作動画を投稿したことから始まっており、今回のアルバムテーマであるメモリアルに基づいて2人で互いに撮影し合ったMVを自主制作した。一見明るい音楽に聞こえる中で、不可思議さや陰のある歌詞、pupuのイラストレーションがiVyの幻想的な存在を顕著に現す映像となっている。 初のワンマン公演は渋谷WWWにて8月15日(金)に開催される。前売りチケットはU22チケットが開催発表後に即完売しており、現在は一般前売が発売中となっている。 チケット購入URL : https://t.livepocket.jp/e/20250815ivy また、1stフルアルバム『混乱するアパタイト』のCD版も8月13日に発売決定。配信版とは別バージョンのアートワークを施したCD版は配信未収録の未発表曲がボーナストラックとして2曲追加されており、合計15曲収録。CDは全国のタワーレコードやレコードショップにて販売予定。限定の特典も予定されている。 iVy 1st oneman show “秘色庭園” 日付:2025年8月15日(金) 会場:WWW Shibuya 開場 18:30 / 開演 19:30 料金:ADV ¥3,500 + 1D チケット:https://t.livepocket.jp/e/20250815ivy Supported by AVYSS iVy Band set : iVy + Gt.京英一(雪国), Gt.山北せな(ひとひら/その感激と記録), Ba.田中慧(yonawo), Dr.木幡徹己(雪国) iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪ : iVy, 〜離, brain node, Cwondo, toulavi, ゆnovation, 小松成彰, 穂ノ佳 VJ Direction : JACKSON kaki VJ:Yo Oyama Hair & Makeup : Lisa Styling : Tatsuki Itakura / iVy Staging : yoh /
2025年8月15日 渋谷WWW
Text : つやちゃん
Photo : 米澤桃子
夢みたいだった。夢にあふれていたね。夢だったのかもしれない。
8月15日、渋谷WWWにて披露された、iVyのワンマンライブ「秘色庭園」。会場に入るといろいろなところに写真やイラストが貼られて、そこは天国になっていた。描かれた架空のキャラクター・iVyちゃんがきらきらと輝き、皆が写真を撮っている。物販の列は長蛇で、思い思いのスタイルに身を包んだ人たちがステッカーやZINEを買っている。楽園みたいだった。幸せにあふれていたね。楽園だったのかもしれない。
この日の公演はソールドアウト、フロアはぎゅうぎゅう。ステージで煌々と光る剣、マイクや機材に絡まるツタ=ivy。皆が静かに見守る中、二人が現れる。白を基調としたウィッシュコアな衣装に、天使の羽根。「秘色庭園」の世界観が具現化され、「ホワイト・リバー・ジャンクション」からライブは始まる。実写とイラストが入り混じった映像とともに、iVyは真剣にサウンドを奏でていく。「頭が真っ白なって/かたちつくっても/しょうがないの/真っ白真っ白/真っ白真っ白」と歌い、フロアの空気が純白に染まっていく。
アップテンポな「tea time mystery!」、浮遊感ある「楓桜」、サイケデリックな「ユーガッタメール」、ポエトリーリーディングが映える「pupu6」と、冒頭から次々とスイートでエネルギッシュな音像が披露され、観客は皆うっとりと見惚れる。随所で二人が顔を見合わせて、幸せを確かめ合う。その笑顔が幸福感に満ちていて、自然と涙があふれ出る。生で聴くiVyサウンドは思ったより豪快で、ベッドルームから生まれた脆い音楽が力を与えられ、むくむくと広がっているみたいだった。
シュールなVJとともに「ファミレスロック」で楽しくなる。テンションが上がったキーボード/ボーカルのpupuが、ボールを次々と客席に投げ入れる。会場の空気が和らいで、笑顔が満ち満ちて、ここからEP『幽泳プログラム』の「kirakirakiller」「ゆりコは樹海」が届けられる。ギター/ボーカルのfukiは、繰り返し「ありがとう」と言う。pupuはずっと笑顔だ。その後二人は新曲も楽しそうに演奏し、ユニットセットの最後を「ヴァンパイア」で締めた。どこか空想的で、現実のものとは思えないようなふわふわしたiVyの音楽に、手触りと匂いが与えられていく。あぁ、存在したんだ、と思う。iVyの音楽は、この世に在った。『幽泳プログラム』も、『混乱するアパタイト』も、夢じゃなかった。
転換でVlogのような二人の日常を捉えた映像が流れたのち、ライブは第2部のオーケストラセットへ。〜離、brain node、Cwondo、穂ノ佳、小松成彰、toulavi、ゆnovationら、インディペンデント・シーンの奇才たちオールスターがステージに集まり、楽団「iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪」として「ツキノカケラ」をジャム演奏する。スクリーンには演奏する皆の姿が映り、その楽しそうな表情を見ていると、二人だけの親密な関係がたくさんの人に伝播して広がっていくみたいで、心がほどける。キラキラした音、まばゆい音、華やかな音、さまざまな歪さの中でかけがえのない音が粒立って、fukiとpupuと穂ノ佳と小松成彰の声が重なって、「ツキノカケラ」がどんどん膨らんでいく。全員が、iVyの世界を祝福してる。
「秘色庭園」は、私たちをどこまでも連れていく。第3部はバンドセット。雪国の木幡徹己(dr)、京英一(g)、yonawoの田中慧(b)、ひとひら/その感激と記録の山北せな(g)が現れ、「any n○ise」から三本のギターで骨太なバンドサウンドを聴かせる。「Hello pihla!」や「カラクリ関係」「クラスルーム」といった、音源では軽やかで柔らかいテクスチャの楽曲も、強い感触と重層的な音圧でぐんとアップデートされる。iVyの衣装はカジュアルになり、天使のヘアピンは星に変わっていた。USインディのガールズバンド風のたたずまい? カッコいいiVyも素敵。fukiのボーカルもどんどん骨太になっていく。特に「SCF空蝉」は強烈で、どこまでも伸びる声と破裂しそうなシューゲイズサウンドが渾然一体となって、フロアの空気を切り裂く。
ドキドキしたまま本編が終わり、アンコールへ。たくさんの仲間とともに輪を広げたのちに、またiVyは二人だけの世界になって戻ってきた。なんと、今回のワンマンライブのために作ったという新曲を弾き語りで。照明がはっきりと二人をとらえて、繊細な音にいのちが注入されていくようだ。あと少しで、この夢のような楽園が終わってしまう。最後は、バンドメンバーを呼び戻して再びの「ホワイト・リバー・ジャンクション」。とんでもない演奏。オルタナティヴで、ドリームポップで、でもどこまでもシューゲイズで、頭が真っ白になる。「頭が真っ白なって/かたちつくっても/しょうがないの/真っ白真っ白/真っ白真っ白」。
iVyのワンマンライブ「秘色庭園」は、夢のような楽園だった。空想と現実を往復する幻想的なキャラクター性。ベッドルームから広がった音楽を強靭なものに変換する、ライブ・パフォーマンス。そして、仲間や観客を巻き込む祝祭コミュニティの中心にいる二人。iVyの音楽は、元来、脆く儚く、DIY的な小さな音楽だ。でも、そこを起点にしながら、ライブ空間では力いっぱいのエネルギーを帯びていく。仲間とともに、一定のフォーマットに収まらず、常に変奏しながら多面性を見せる。fukiとpupuの世界が、なぜ今これほどまでに熱狂を生み始めているのか。「秘色庭園」には、その答えが詰まっていた。
fukiは最後に、「こんなに暑い中、皆さんそれぞれ生活があるのに、今日この場を選んでくださってありがとうございました」と言っていた。恐らく、これからiVyは、もっとたくさんのそれぞれの生活の中に秘色庭園を作って、夢みたいな楽園をどんどん生み出していく。そこには、いろんな音楽や写真やイラストがあって、iVyちゃんも描かれていて、とてもとても幸せで。どうか、この夢がずっと続きますように。最高のライブでした。
iVy 1st oneman show “秘色庭園”
日付:2025年8月15日(金)
会場:WWW Shibuya
開場 18:30 / 開演 19:30
Supported by AVYSS
iVy Band set : iVy + Gt.京英一(雪国), Gt.山北せな(ひとひら/その感激と記録), Ba.田中慧(yonawo), Dr.木幡徹己(雪国)
iVy コンテンポラリー・パーク・オーケストラ♪ : iVy, 〜離, brain node, Cwondo, toulavi, ゆnovation, 小松成彰, 穂ノ佳
VJ Direction : JACKSON kaki
VJ:Yo Oyama
Hair & Makeup : Lisa
Styling : Tatsuki Itakura / iVy
Staging : yoh / iVy
Still : momoko yonezawa / lisa nishikawa
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Photo: マ
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Illustration: pupu
Graphic Design: Yosuke Tsuchida
Produced by AVYSS
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