2025/04/25
シングル「INSIDE MY DREAM」のMV公開
KAMIYAとXANSEIが、新ユニット・XAMIYA(ザミヤ)を結成した。 KAMIYAは2022年にソロ活動を開始した元XG候補生、ハイパーポップやヒップホップを軸とした音楽性に、ポップなストリートカルチャーの世界観を融合してきた。XANSEIは、KOHHやJP THE WAVYへのビート提供、XGはじめダンス&ボーカルグループのプロデュースにも携わってきた。KAMIYAの楽曲「デジャブ」をXANSEIがプロデュースしたことをきっかけに意気投合しユニットを結成した二人は、その後「HOTARU」「RON」「MONSTER」、そして最新曲「INSIDE MY DREAM」と次々にリリースを重ねている。ビジュアル面でも二人の世界観を思う存分表現し、すでに確固たるイメージを打ち出しつつあるXAMIYAに話を訊いた。今後どんなピンク色の革命が起こるのか、わくわくする。
TEXT : つやちゃん
──もともとお二人は、KAMIYAさんの「デジャブ」で一緒に曲を作られたんですよね。
KAMIYA(以下K):XANSEIが日本に来たとき、私がバイトしていた場所に遊びにきました。それがきっかけで、ちょっとずつ遊ぶことが増えて、曲作ってみよう!ってなりました。でもXANSEIはアメリカを拠点にしてたから、XANSEIが帰国した後はビデオ通話をしながら「デジャブ」を作りました。
XANSEI(以下X):こういうトップライン良いよね、って言いながら作ったのが「デジャブ」。
K:ピンクヘア同士、何かやったら面白いじゃん!って感じになって、そのまま「デジャブ」からのXAMIYA。
──KAMIYAさんはXANSEIさんと一緒にやってどういうところにビビっと来たんですか?
K:その場で絵本作るみたいな感覚で、わくわくしながら曲作りできたのは覚えてる。ハイパーポップなビートを探したり歌ったりすることが多かったけど、XANSEIがJ-POP / hiphopなデジャブのビートを送ってくれて歌ってみたらこういう歌い方や曲も楽しいなって思った。XANSEIは「まぁやってみよう!」って感じであたらしい世界見せてくれる。
──XANSEIさんは、それまでのKAMIYAさんの活動や作品をどのように見てましたか?
X:うん。やってみたって感じです。
K:何も思ってなかったってこと?
X:髪色ピンクだ、って。
K:それだけ?!
──ちなみに、「デジャブ」の音源はリリースされないんですか? いまMVだけが公開されてますよね。
K:そう。私のことをもっと知ってくれてるファンの方が探して聴いてくれたらうれしい。
X:あの曲を作って、良いのができたなと思った。自分はそれまでヒップホップばかり作ってて、あの曲もヒップホップビートといえばそうなんだけど……ちょっとエクスペリメンタルじゃないですか。途中、ディレイとリバーブで飛んでいくような。そういう、今までやったことないことをやってみるというスタンスでできて良かった。XAMIYAは型にはまらずいけるんじゃないかなって。
──そうやってXAMIYAをスタートさせる時に、初めに決めたコンセプトなどはあったんでしょうか。
X:絶対ヒップホップビートはやりたくないって思った。(笑)音楽的にもっと新しいことをしたかったし、自分らだって思えるサウンド。それで何やろうって考えてた時に自分の好きだった音楽を聞き返していたら、インディロックやポップスとかUKからの音楽、昔のJ-POP/ROCKにビビっ!てたんですよ。「HOTARU」は電子音のドラムのループから作って、ちょっと懐かしい感じの好きなコード進行考えて。後日、僕の友達のTaydex (Joji “Die For you”, Ye)とJuliana Chahayedも入ってもらって一緒に作りましたね。
──XANSEIさんはこの2、3年くらい色んな人に曲提供をされてきたからこそ、ちょっと反動もあったということですか?
X:作家としての仕事は、そのアーティストが実現したいことになるべく近づけるのがミッションで、それはそれでやりがいや楽しさはあるのですが、次は作りたいものを作って自分らで出そうっていうこともやってみたくなって。新しいことやってみたかったし。
K:KAMIYAでは今までハイパーポップで「ジャンジャン!私についてきて!突っ走るぜ!」って感じで作ってたんだけど、XAMIYAを始めるくらいの時に鬱になって、その時はハイパーポップなキラキラKAMIYAモードになれなかった自分がいたんだよね。ちょうどその頃に、XAMIYAでセッションをやって、寄り添いあえる場ができて良かった。インディロック系をやったのは初めてだったけど、ありのままに感じるままに歌えて、楽しい!って感覚が戻ってきた。いつもはコンピュータに向かってタイプビート探したりトラック作ってもらったりしてたわけで、XAMIYAのセッションで新しい世界を知れた感じ。 みんなが生楽器使ってジャムしながらビートができて行って、Julianaと「そのトップラインいいね!」って話してるうちにどんどんパズルがハマっていったというか。私はハマっていくと色が見えてくるんだけど、その時もどんどん見えて、XAMIYAって暖かいないいなって感じた。
X:リアルミュージックを追求したいなって思ってXAMIYAの曲作っています。今もうPCでパパって作って配信して、みんな二週間後には忘れてるから。ヒップホップに限らずかもしれないけど、最近の曲は特にそうで、大量に作って、リリースして、はい次、みたいな。昔の曲って今でも名曲なものあるし、もっと一曲ずつを大事に作ってた気がする、振り返って聴いた時にも感動できるようなものにしたい。英語と日本語を混ぜてやってるんだけど、世界に届けたい。まだまだ模索中だけど。
──TaydexやJulianaさんらを入れて一緒にセッションをやっているのは、海外でも聴いてもらえる曲を作りたいという観点もありますか?
X:そうかも。音楽という言語で国境を超えて音楽を作って。なんか聴いたことないようなものできるかもって思った。そこで仲のよかったTayとかJulianaとか、今までのセッションで仲良くなった作家の人達とかには入ってもらってる。でもどちらかというと難しいことはあまり考えずに遊び感覚で作ってるかな。図工の時間みたいな。でももちろん世界共通でXAMIYAの曲を聴いて、感じてもらえるような曲を作るのがゴール。
──あとXAMIYAは、MVやアートワーク、衣装などビジュアル面のインパクトがすごいですね。
K:音楽だけでなくファッションも、ひとつのジャンルにハマらずに色んな表現をしていきたいから。私はよくアイドルなんですか? ダンサーですか? インフルエンサーですか? って色々聞かれることが多くて。でも、私はKAMIYAだし。型にはめて安心したいのは分かるけど、ひとつの鳥かごに入れてガチャって閉めないでほしい。私は翼広げていろんな色のカゴに飛び回りたい。可能性は無限大だから。
X:ジャパニーズならではのミクスチャー文化っていうのがあると思ってる。ヒップホップもロックンロールも他のジャンルも国外から来たものだけど、それをどう混ぜていくか。
K:XAMIYAはカラフル!ピンクと思ったら次はめっちゃ青じゃん! とか、宝箱開けてるみたいな楽しさを感じてもらいたい。宝箱の中っていろんなストーリーが詰まってると思う。蓋を開けたら過去の温度や匂いまで思い出せてワクワクしたり笑ったり恥ずかしくなったり、手紙とか見て泣いちゃったり。けどその宝箱を開けて感じてる瞬間は過去ではなく今を感じてる。XAMIYAの曲を聴いて懐かしさの中に新しさを感じて欲しい。
──ディレクターやヘアメイクといったスタッフも世界観に合わせて毎回変えていて、そのセレクトも絶妙ですよね。そのあたりもお二人でされているんですか?
K:普段からファッションやヘアメイクを見るのが好き。Instagramで見てて好きなメイクしてたり何か一緒にやって見たなと思う方に連絡とってます。昔、練習生だった頃は自分でスタイリングを想像してビデオにしてたけど、それが今は実際に組み立てて好きなように作っていけるのが楽しい。
──「HOTARU」の葉月さんのメイクとか、めちゃくちゃ素敵ですよね。
X:そうそう。
K:わたしがイメージを伝えたら想像以上の物を作ってくれた!菜月さんは魔法使いみたいにあっという間に超可愛くしてくれた。Instagramのコンテンツも面白くていつも見てます。今の時代には沢山オリジナルに自分で生み出したり発信している人がいて刺激もらえる。
──あと、「MONSTER」のビデオが大変なことになっている(笑)。
X:メッセージがある曲だから、今までとは違ってちゃんと意味とかが伝わるMVにしたいねって話してたんですよ。それで、最初はNathalie Scarletteさんっていうブランデー戦記やゆるふわ(ギャング)のMVを撮ってる人がいたのでお願いしようとしたんだけど、ナタリーさんが「私よりこの子の方がいいかも」って紹介してくれたディレクターが、アニーシャ, Anisha Kapoorさん。イギリスのアート系の大学を卒業したとかで、イメージボードを渡したら面白いアイデアがすぐに来たて。いいね、やろう! ってなって、衣装は自分たちで集めて毛糸を買ったりしてマスクとかをもデコったりした。セットに貼った習字も自分たちで書いたりして。
K:完全に図工(笑)。
X:XAMIYAは、そうやって自分たちで作るのが楽しいよね。
──新曲の「INSIDE MY DREAM」も、ドリーミーな曲で新境地に感じました。この曲は、ユニークなエピソードがあるそうで……。
K:作ってた時にエアビに泊まってて、2階にベットがあってその上が屋根裏だったんだけど、歌詞考えてる時に屋根裏からネズミの走る足音が聞こえて。天井裏でダンスしてるじゃん! 動物や虫と一緒に踊れたら楽しいなって想像して、そっから広がって歌詞を書きました!
X:ストロークスみたいな”ドッカドッドカ!”ってドラムビートをで曲作りたくて、でもただのロックじゃ面白くないから、Critter & Guitari POCKET PIANOっていうちっちゃいアナログシンセを使って音入れていきました。チープな音が出る。(と言いながらアナログシンセを見せる)julianaはアナログギアオタクなんですが前セッションで持ってきてて、衝撃を受けて書いました。結構使ってます。
──ピンクで可愛い! やっぱりXAMIYAのテーマカラーはピンクなんですね(笑)。
X:ほんとだ(笑)。
──先日は、XAMIYAとしてSXSW2025にも出演していました。盛り上がっている動画が公開されていて観ましたけど、現地ではどうでしたか?
X:二回やったんですけど、一回目は僕のコンピューターが変になっちゃったんですよ。それで何回も曲が止まっちゃって。最後の方、戦意喪失した。
K:しかも日本でそういう音響トラブルって一回もなかったから、曲が止まった時の対処法が難しかった。
X:そういうこともあって、二回目はちゃんと新しい機材を買って準備したら大丈夫でした。あと、KAMIYAがステージを降りるところはみんな好きだよね。
K:「INSIDE MY DREAM」でステージを降りるんだけど、私はいつもみんなとINSIDE MY DREAMでロカビリーダンスを踊りたい!と思ってる!SXSWは本当にいろんな国の人がお客さんにいた。最初はお客さんとの距離を感じたけど、最後には会場一体になって盛り上がってくれて本当に嬉しかった。笑顔になっていく人、歌ってくれる人踊ってくれる人が増えていくのを肌で感じた。国籍、人種が違くてもXAMIYAの曲を通じてこんなに通じ合えるんだって思って。めっちゃ嬉しかった。
X:日本もそうなってくれたらいいよね。何回かXAMIYAで日本でもライブやったけど、まだお客さん15人とかだったから(笑)。
K:初めて吉祥寺WARPでやった時は、ほぼ0人だった(笑)。
X:でも、そういうところからやりたいなって思ってたから。バンドやりたいけどやったことなかったし、本当に0のところから始めていくのって面白いなって。
K:そうだね。
──今後のXAMIYAの構想は、どういったことを考えてるんですか?
X:いい曲がいっぱいできてるから、どんどん出していきたい。懐かしさをけっこう大事にしてて、上の世代もそうだし、小学生にも聴いてもらいたい。どんどんライブをやって、ステージにXAMIYAワールドを作れるようにしていきたい。
──音楽性も、次どんな曲が出てくるか全然想像がつかないですよね。
X:そう思ってもらえるのは嬉しい。
K:まだベイビーXAMIYAだから!これからたくさんリリースします!
XAMIYA – INSIDE MY DREAM
Release date : April 25, 2025
Stream : https://linkco.re/bF7pVYQ9
category:FEATURE
tags:XAMIYA
2025/04/24
MVも公開予定 KAMIYAとXANSEIによるユニットXAMIYAが4thシングル「INSIDE MY DREAM」を4月25日にリリースする。 前作「MONSTER」に続き、今作もインディーロックのサウンドが特徴。ギターのリズムとメロディが交錯し、心地よく浮遊するような幻想的な雰囲気が漂う。作詞はKAMIYA, Juliana Chahayed, Miranda Glory、作曲はXANSEIとDavid Arkwrightが担当。エレクトロニックなテクスチャーとギターのサウンドが絶妙に絡み合い、どこか懐かしさと新しさを感じさせる楽曲に仕上がっているとのこと。MVはXAMIYAの2ndシングル「RON」を手掛けたSleepxtiteが担当している。 XAMIYA – INSIDE MY DREAM Release date : April 25 Stream : https://linkco.re/bF7pVYQ9
2022/11/25
アートワークはAsahiNaが担当 MANON、4ヶ⽉連続配信の第2弾シングル「aura」をリリース。 今春以降は、アメリカのプロデューサー集団、six impalaとのコラボレーション曲「TROLL ME」や、タイのインディーズ・シーンで活動するPANPAN YEEYEEとのコラボレーション曲「Lazy Bandits」など、ジャンルを横断したリリースが話題に。最近では、イギリスの公共放送BBC World Newsに日本のファッションアイコンとして出演した他、日本テレビ「歌のシン・トップテン」地上波音楽番組で初歌唱するなど、国内外で存在を放っている。そして、第1弾「Fake Friends」に続く、4ヶ月連続配信リリース第2弾「aura」が、本日より配信がスタート。今作は、前作に続くトラックメイカーのkirakuと、MANONの髪の色がピンク色な事からインスパイアされ作った楽曲。MANONが憧れる人を想い歌った、儚くも強い“aura” をイメージしたメッセージソングとなっている。 アートワークは、3DCGアーティストAsahiNaにMANONが直接声をかけた事で実現した他、前回に続くMark Robinsonが担当した。 <MANONコメント> 4ヶ月連続リリースの第二弾はaura。 この曲は前作に引き続きトラックメイカーkirakuとの曲で、彼女が私と制作する時に、私の髪の毛の色がピンクなことからピンクをイメージして作ったもの。 この曲を聴いてると私はなんとなくピンクと水色が思い浮かぶ。それってオーラのような感覚だなって思ってauraってタイトルにしました。 私がその人になれたらいいのに…ってくらいに憧れてる人について歌ったよ。 その人は私のストーリーの中では、いなくなってしまうくらいに儚くてでも強いauraがあって、みんなにもきっとそういう存在の人はいると思うからぜひ聴いてみてほしい。 ロゴはMark Robinson、アートワークは、私がずっとご一緒したいと思ってたAsahiNaさんにお願いしました。AsahiNaさんの作品をみて、auraのイメージとぴったりだと思っていたから嬉しいです。 みんな楽しんでね^_^ MANON – aura Release date : 25 November 2022 Lyrics:MANON / Prod.:kiraku Stream : https://ssm.lnk.to/aura
2023/09/21
6人に1人のクソが私をうんざりさせる ピンクを纏ったメタルの未来と怒り。Scene Queenが新曲「Pink Push-Up Bra」のMV公開。音楽業界における性的虐待を訴えた「18+」に続く単独シングル。 彼女は叫んでいる。「6人に1人のクソが私をうんざりさせる。」 これはアメリカ最大の反性被害団体〈RAINN〉が発表した 「アメリカの女性の6人に1人が、一生のうちに未遂を含めたレイプ被害にあっている」という統計に言及している。 「私は、最終的にあなたが正義を得ることについて歌いたかった。というのも、それが多くの女性にとって実現されていないことに気づいたから。この曲のアイデアは、スタジオ・セッションの準備をしているときのシャワーを浴びているときに思いつきました。そのせいでセッションに1時間遅れてしまったけど、すぐに書けると思った。2時間半くらいかかった。おそらく、この曲は私の最も怒りに満ちた曲で、最もヘビーな曲の一つです。この曲に共感した人たちが、その人たちにふさわしい正義を手に入れるか、少なくとも暴行というトラウマに伴う複雑な感情のはけ口としてこの曲を使うことができることを願っている。」 Scene Queen – Pink Push-Up Bra Label : Hopeless Records Release date : Sep 20 2023 Stream : https://ffm.to/pinkpushupbra
シングル「INSIDE MY DREAM」のMV公開
KAMIYAとXANSEIが、新ユニット・XAMIYA(ザミヤ)を結成した。 KAMIYAは2022年にソロ活動を開始した元XG候補生、ハイパーポップやヒップホップを軸とした音楽性に、ポップなストリートカルチャーの世界観を融合してきた。XANSEIは、KOHHやJP THE WAVYへのビート提供、XGはじめダンス&ボーカルグループのプロデュースにも携わってきた。KAMIYAの楽曲「デジャブ」をXANSEIがプロデュースしたことをきっかけに意気投合しユニットを結成した二人は、その後「HOTARU」「RON」「MONSTER」、そして最新曲「INSIDE MY DREAM」と次々にリリースを重ねている。ビジュアル面でも二人の世界観を思う存分表現し、すでに確固たるイメージを打ち出しつつあるXAMIYAに話を訊いた。今後どんなピンク色の革命が起こるのか、わくわくする。
TEXT : つやちゃん
──もともとお二人は、KAMIYAさんの「デジャブ」で一緒に曲を作られたんですよね。
KAMIYA(以下K):XANSEIが日本に来たとき、私がバイトしていた場所に遊びにきました。それがきっかけで、ちょっとずつ遊ぶことが増えて、曲作ってみよう!ってなりました。でもXANSEIはアメリカを拠点にしてたから、XANSEIが帰国した後はビデオ通話をしながら「デジャブ」を作りました。
XANSEI(以下X):こういうトップライン良いよね、って言いながら作ったのが「デジャブ」。
K:ピンクヘア同士、何かやったら面白いじゃん!って感じになって、そのまま「デジャブ」からのXAMIYA。
──KAMIYAさんはXANSEIさんと一緒にやってどういうところにビビっと来たんですか?
K:その場で絵本作るみたいな感覚で、わくわくしながら曲作りできたのは覚えてる。ハイパーポップなビートを探したり歌ったりすることが多かったけど、XANSEIがJ-POP / hiphopなデジャブのビートを送ってくれて歌ってみたらこういう歌い方や曲も楽しいなって思った。XANSEIは「まぁやってみよう!」って感じであたらしい世界見せてくれる。
──XANSEIさんは、それまでのKAMIYAさんの活動や作品をどのように見てましたか?
X:うん。やってみたって感じです。
K:何も思ってなかったってこと?
X:髪色ピンクだ、って。
K:それだけ?!
──ちなみに、「デジャブ」の音源はリリースされないんですか? いまMVだけが公開されてますよね。
K:そう。私のことをもっと知ってくれてるファンの方が探して聴いてくれたらうれしい。
X:あの曲を作って、良いのができたなと思った。自分はそれまでヒップホップばかり作ってて、あの曲もヒップホップビートといえばそうなんだけど……ちょっとエクスペリメンタルじゃないですか。途中、ディレイとリバーブで飛んでいくような。そういう、今までやったことないことをやってみるというスタンスでできて良かった。XAMIYAは型にはまらずいけるんじゃないかなって。
──そうやってXAMIYAをスタートさせる時に、初めに決めたコンセプトなどはあったんでしょうか。
X:絶対ヒップホップビートはやりたくないって思った。(笑)音楽的にもっと新しいことをしたかったし、自分らだって思えるサウンド。それで何やろうって考えてた時に自分の好きだった音楽を聞き返していたら、インディロックやポップスとかUKからの音楽、昔のJ-POP/ROCKにビビっ!てたんですよ。「HOTARU」は電子音のドラムのループから作って、ちょっと懐かしい感じの好きなコード進行考えて。後日、僕の友達のTaydex (Joji “Die For you”, Ye)とJuliana Chahayedも入ってもらって一緒に作りましたね。
──XANSEIさんはこの2、3年くらい色んな人に曲提供をされてきたからこそ、ちょっと反動もあったということですか?
X:作家としての仕事は、そのアーティストが実現したいことになるべく近づけるのがミッションで、それはそれでやりがいや楽しさはあるのですが、次は作りたいものを作って自分らで出そうっていうこともやってみたくなって。新しいことやってみたかったし。
K:KAMIYAでは今までハイパーポップで「ジャンジャン!私についてきて!突っ走るぜ!」って感じで作ってたんだけど、XAMIYAを始めるくらいの時に鬱になって、その時はハイパーポップなキラキラKAMIYAモードになれなかった自分がいたんだよね。ちょうどその頃に、XAMIYAでセッションをやって、寄り添いあえる場ができて良かった。インディロック系をやったのは初めてだったけど、ありのままに感じるままに歌えて、楽しい!って感覚が戻ってきた。いつもはコンピュータに向かってタイプビート探したりトラック作ってもらったりしてたわけで、XAMIYAのセッションで新しい世界を知れた感じ。 みんなが生楽器使ってジャムしながらビートができて行って、Julianaと「そのトップラインいいね!」って話してるうちにどんどんパズルがハマっていったというか。私はハマっていくと色が見えてくるんだけど、その時もどんどん見えて、XAMIYAって暖かいないいなって感じた。
X:リアルミュージックを追求したいなって思ってXAMIYAの曲作っています。今もうPCでパパって作って配信して、みんな二週間後には忘れてるから。ヒップホップに限らずかもしれないけど、最近の曲は特にそうで、大量に作って、リリースして、はい次、みたいな。昔の曲って今でも名曲なものあるし、もっと一曲ずつを大事に作ってた気がする、振り返って聴いた時にも感動できるようなものにしたい。英語と日本語を混ぜてやってるんだけど、世界に届けたい。まだまだ模索中だけど。
──TaydexやJulianaさんらを入れて一緒にセッションをやっているのは、海外でも聴いてもらえる曲を作りたいという観点もありますか?
X:そうかも。音楽という言語で国境を超えて音楽を作って。なんか聴いたことないようなものできるかもって思った。そこで仲のよかったTayとかJulianaとか、今までのセッションで仲良くなった作家の人達とかには入ってもらってる。でもどちらかというと難しいことはあまり考えずに遊び感覚で作ってるかな。図工の時間みたいな。でももちろん世界共通でXAMIYAの曲を聴いて、感じてもらえるような曲を作るのがゴール。
──あとXAMIYAは、MVやアートワーク、衣装などビジュアル面のインパクトがすごいですね。
K:音楽だけでなくファッションも、ひとつのジャンルにハマらずに色んな表現をしていきたいから。私はよくアイドルなんですか? ダンサーですか? インフルエンサーですか? って色々聞かれることが多くて。でも、私はKAMIYAだし。型にはめて安心したいのは分かるけど、ひとつの鳥かごに入れてガチャって閉めないでほしい。私は翼広げていろんな色のカゴに飛び回りたい。可能性は無限大だから。
X:ジャパニーズならではのミクスチャー文化っていうのがあると思ってる。ヒップホップもロックンロールも他のジャンルも国外から来たものだけど、それをどう混ぜていくか。
K:XAMIYAはカラフル!ピンクと思ったら次はめっちゃ青じゃん! とか、宝箱開けてるみたいな楽しさを感じてもらいたい。宝箱の中っていろんなストーリーが詰まってると思う。蓋を開けたら過去の温度や匂いまで思い出せてワクワクしたり笑ったり恥ずかしくなったり、手紙とか見て泣いちゃったり。けどその宝箱を開けて感じてる瞬間は過去ではなく今を感じてる。XAMIYAの曲を聴いて懐かしさの中に新しさを感じて欲しい。
──ディレクターやヘアメイクといったスタッフも世界観に合わせて毎回変えていて、そのセレクトも絶妙ですよね。そのあたりもお二人でされているんですか?
K:普段からファッションやヘアメイクを見るのが好き。Instagramで見てて好きなメイクしてたり何か一緒にやって見たなと思う方に連絡とってます。昔、練習生だった頃は自分でスタイリングを想像してビデオにしてたけど、それが今は実際に組み立てて好きなように作っていけるのが楽しい。
──「HOTARU」の葉月さんのメイクとか、めちゃくちゃ素敵ですよね。
X:そうそう。
K:わたしがイメージを伝えたら想像以上の物を作ってくれた!菜月さんは魔法使いみたいにあっという間に超可愛くしてくれた。Instagramのコンテンツも面白くていつも見てます。今の時代には沢山オリジナルに自分で生み出したり発信している人がいて刺激もらえる。
──あと、「MONSTER」のビデオが大変なことになっている(笑)。
X:メッセージがある曲だから、今までとは違ってちゃんと意味とかが伝わるMVにしたいねって話してたんですよ。それで、最初はNathalie Scarletteさんっていうブランデー戦記やゆるふわ(ギャング)のMVを撮ってる人がいたのでお願いしようとしたんだけど、ナタリーさんが「私よりこの子の方がいいかも」って紹介してくれたディレクターが、アニーシャ, Anisha Kapoorさん。イギリスのアート系の大学を卒業したとかで、イメージボードを渡したら面白いアイデアがすぐに来たて。いいね、やろう! ってなって、衣装は自分たちで集めて毛糸を買ったりしてマスクとかをもデコったりした。セットに貼った習字も自分たちで書いたりして。
K:完全に図工(笑)。
X:XAMIYAは、そうやって自分たちで作るのが楽しいよね。
──新曲の「INSIDE MY DREAM」も、ドリーミーな曲で新境地に感じました。この曲は、ユニークなエピソードがあるそうで……。
K:作ってた時にエアビに泊まってて、2階にベットがあってその上が屋根裏だったんだけど、歌詞考えてる時に屋根裏からネズミの走る足音が聞こえて。天井裏でダンスしてるじゃん! 動物や虫と一緒に踊れたら楽しいなって想像して、そっから広がって歌詞を書きました!
X:ストロークスみたいな”ドッカドッドカ!”ってドラムビートをで曲作りたくて、でもただのロックじゃ面白くないから、Critter & Guitari POCKET PIANOっていうちっちゃいアナログシンセを使って音入れていきました。チープな音が出る。(と言いながらアナログシンセを見せる)julianaはアナログギアオタクなんですが前セッションで持ってきてて、衝撃を受けて書いました。結構使ってます。
──ピンクで可愛い! やっぱりXAMIYAのテーマカラーはピンクなんですね(笑)。
X:ほんとだ(笑)。
──先日は、XAMIYAとしてSXSW2025にも出演していました。盛り上がっている動画が公開されていて観ましたけど、現地ではどうでしたか?
X:二回やったんですけど、一回目は僕のコンピューターが変になっちゃったんですよ。それで何回も曲が止まっちゃって。最後の方、戦意喪失した。
K:しかも日本でそういう音響トラブルって一回もなかったから、曲が止まった時の対処法が難しかった。
X:そういうこともあって、二回目はちゃんと新しい機材を買って準備したら大丈夫でした。あと、KAMIYAがステージを降りるところはみんな好きだよね。
K:「INSIDE MY DREAM」でステージを降りるんだけど、私はいつもみんなとINSIDE MY DREAMでロカビリーダンスを踊りたい!と思ってる!SXSWは本当にいろんな国の人がお客さんにいた。最初はお客さんとの距離を感じたけど、最後には会場一体になって盛り上がってくれて本当に嬉しかった。笑顔になっていく人、歌ってくれる人踊ってくれる人が増えていくのを肌で感じた。国籍、人種が違くてもXAMIYAの曲を通じてこんなに通じ合えるんだって思って。めっちゃ嬉しかった。
X:日本もそうなってくれたらいいよね。何回かXAMIYAで日本でもライブやったけど、まだお客さん15人とかだったから(笑)。
K:初めて吉祥寺WARPでやった時は、ほぼ0人だった(笑)。
X:でも、そういうところからやりたいなって思ってたから。バンドやりたいけどやったことなかったし、本当に0のところから始めていくのって面白いなって。
K:そうだね。
──今後のXAMIYAの構想は、どういったことを考えてるんですか?
X:いい曲がいっぱいできてるから、どんどん出していきたい。懐かしさをけっこう大事にしてて、上の世代もそうだし、小学生にも聴いてもらいたい。どんどんライブをやって、ステージにXAMIYAワールドを作れるようにしていきたい。
──音楽性も、次どんな曲が出てくるか全然想像がつかないですよね。
X:そう思ってもらえるのは嬉しい。
K:まだベイビーXAMIYAだから!これからたくさんリリースします!
XAMIYA – INSIDE MY DREAM
Release date : April 25, 2025
Stream : https://linkco.re/bF7pVYQ9
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