2025/03/27
人里離れた谷で過ごした10日間
Quadeは2ndアルバム『The Foel Tower』の制作のため、ウェールズの山間の谷に佇む古い石造りの納屋にこもった。
その谷は荒涼とした風が吹き抜け、日照時間も少ない場所だった。メンバーは毎晩、パチパチと音を立てる焚き火を囲みながら過ごした。「まるで社会の端っこに追いやられたような感覚だった」と彼らは語る。「私たちの背後には、最後の人里が広がり、その先には容赦のない荒れ果てた荒野がそびえていた。」
この環境は、バンドの音楽性を大きく形作ることになる。ブリストル出身の4人組、Barney Matthews、Leo Fini、Matt Griffiths、Tom ConnollyによるQuadeは、この地で特別な作品を生み出す。それは夢見心地でありながら哀愁を帯び、静かで優しいと同時に、力強さと衝撃を持ち合わせた。ウェールズの広大な丘を吹き抜ける風のようにジャンルを横断し、バンドが半ば冗談めかしながらも的確に表現する「ドゥーマー・サッド・ボーイ、アンビエント・ダブ、フォーク、実験的ポストロック」というサウンドにたどり着いた。
Quadeはバンドであると同時に、幼少期からの親しい友人同士でもあり、音楽を通じて互いの心の探求と繋がりを深めている。「ここ数年、メンバーそれぞれが多くの困難を経験してきたが、Quadeはそうした現実から避難する場でもあった」と彼らは語る。「だからこそ、私たちはお互いの悩みや問題について頻繁に話し合い、それが『The Foel Tower』の中心的なテーマにもなっている。」
この作品は、単なる作曲、編曲、録音の枠を超え、深く意味のある創作過程となった。「アルバムの重要なテーマのひとつは、私たちがなぜ特定の場所に深く惹かれるのかということ。」とバンドは説明する。「私たちはよく、人里離れた谷にこもり、個々の苦しみから逃れる。そこは、メンバー全員で浄化し、新たな希望を見出す場所となる。このアルバムは、私たちがそうした場で得た安らぎへの讃歌でもある。」
このアルバムは、Ursula La GuinやCormac MacCarthy、さらにはRS ThomasやYeatsといった文学・映画・音楽の影響を受けつつも、内省的で不安を抱えながらも、洗練され、繊細でありながらも力強い作品となった。
プロデューサーのJack OgborneとミキサーのLarry ‘Bruce’ McCarthyとともに制作された本作は、壊れやすく親密な一方で、パワフルで広がりのあるサウンドを実現している。内省的でありながらも壮大で、細やかでありながらも広大なスケール感を持つ。
アルバムタイトルの由来となった「Foel Tower」も、このアルバムに大きな影響を与えた。ウェールズのこの人里離れた谷には、貯水池の水位を調整し、最大110km離れたバーミンガムまで水を送ることができる石造りの建造物がそびえている。しかし、1800年代後半まではこの土地には何百もの農家や家族が暮らしていたが、英国政府が土地を買収し、住民を強制的に移住させてしまった。そして、この水は急速に発展するイングランドの工業都市へと供給されるようになった。バンドはこの歴史と政治を掘り下げ、それをアルバムのテーマと融合させた。「この緊張関係を、都会に住む私たちの視点から一方的に批判するのではなく、慎重に探求したかった」と彼らは言う。「そして、それが私たち自身にどう関係しているのかを考えた。環境と調和し、持続可能で誰もがアクセス可能な未来を、私たちはどう描くことができるのか。」
『The Foel Tower』は特定の時間、場所、状況から生まれた記録。この作品には、ウェールズの田舎で過ごした10日間のすべてが凝縮されている。バンドがその時抱えていた感情や不安が、奇跡的にテープに刻まれた。「このアルバムは、私たちにとってこの谷そのもののように感じられる」と彼らは言う。「ここで交わした会話や体験が詰まっており、それが強く胸を打つ。私たちが経験する苦しみから一時的に解放される場を象徴しているが、その刹那的な性質が逆に深い悲しみをも呼び起こす。実際、このアルバムには多くの哀しみが詰まっている。でも、それと同時に、どこか希望も感じさせる作品なんです。」
Quade – The Foel Tower
Label : AD 93
Release date : April 18 2025
Pre-order / Stream : https://ad93.lnk.to/TheFoelTower
Tracklist
1. Beckett
2. See Unit
3. Bylaw
4. Nannerth Ganol
5. Canada Geese
6. Black Kites
category:NEWS
tags:Quade
2020/02/07
2月22日開催 小岩BUSHBASHでレギュラー開催されるイベント「Discipline」が18回目を迎えて、今回は”崩壊”をテーマにさらに混沌としたラインナップで開催。 ——————————— 昨年12月、ドイツのインダストリアルテクノレーベルaufnahme + wiedergabe 主催のイベントにてライブを行った”顔がない”がライブ出演。工場や自動車の騒音など無機質な音響を再構築したトラックに大量の廃材や工具を撒き散らすショッキングなLiveパフォーマンスが話題となり、日本だけでなく世界的にも注目を集めている。そして、静岡よりBOKUGO、昨年リリースされたポーランド・ワルシャワを拠点にするレーベルIAからコンピレーション『Love Song』にも参加している。歌とアコースティックギターによる独創的な生命の叫びを堪能して欲しい。DJにはリョウコ2000としても活動し、幅広い音楽ジャンキーたちの欲望を満たしているnoripiが出演、彼のバックグラウンドにあるノイズ成分がこの出演陣の中でどんな起爆剤になるのか…!DJだけにとどまらず走馬灯映像コラージュ・ミックスSurfin’ L.S.Dをリリースした脳BRAINも初登場。CDJ、ターンテーブルを複数台同時に操りミキサーは常に真っ赤っか。フロアを混沌の快楽に導いてくれるでしょう。そしてDiscipline DjsよりLSTNGTがTrance Screwed Setを行います。 スクラップアンドビルドよりもっとドゥームな未来が見てみたい。是非東京のイーストエッジ小岩BUSHBASHに遊びに来てください。 Discipline #18 2020年2月22日(土) at KOIWA BUSHBASH OPEN / START 18:30 ¥2000+1d (UNDER23 ¥1000+1d) live: KAOGANAI BOKUGO KLONNS Dj: noripi 脳BRAIN LSTNGT(trance screwed set) Discipline Djs 《富烈、1797071、CVLTSL4VE、TIDEPOOL、Keigo Kurematsu》
2020/03/17
3月20日リリース サッドレイヴとトランス、剥き出しのエモーションでトラウマも未来も爆発させる 日本のプロデューサーLSTNGTが、2016年12月にリリースした前作『Boarding Gate』から3年半ぶりのニューアルバム『Cradle In The Geodesic Dome』を発表した。先行で「Leviathan feat. Constellation Botsu」をプレミア公開。 継承されたDA(浅倉大介)イズムの血液は手足の毛細血管まで行き渡り、以前より迷いなく鳴らされるシンセサイザーはLSTNGT新章の幕開けを祝う。Ignition Block MのAishaがボーカルをとる「Akroma」、カオティックノイズプリンスConstellation Botsuとコラボレーションした「Leviathan」を含む8曲入り。アートワークはDisciplineのフライヤーデザインでもお馴染みのKeigo Kurematsuが担当。 目の前の誰かの背中を少しでも押すことができたら、少しでも寄り添えたら。生きている内に、暗がりの中で、少しでも多く、異なる人生を見ることができたら。それだけでも少しずつ未来が開けるような気がする。たとえ煉獄に閉じ込められたとしても、ありえない空想のジオデシックドームだとしても。私はそのゆりかごの中で幼年期の終わりを迎えたい。いつか帰れる日を願って…。 by LSTNGT LSTNGT – “Cradle In The Geodesic Dome” Release Date : March 20 2020 Order : https://lstngt.bandcamp.com/ ※3/20 0:00よりデジタル販売 サブスクリプションも順次配信予定 Tracklist 1. The Last Sanctuary 2. Aquarius Core 3. Shoreline Eternal(Cradle Mix) 4. Aerial Rave 2 5. Leviathan feat.Constellation Botsu 6. 幼年期の終わり 7. Akroma feat.Aisha 8. Cradle In The Geodesic Dome Artwork by Keigo Kurematsu
2021/07/30
先行シングル「Idiot」のMV公開 オーストラリア出身、LAで活動するMartha BrownのソロプロジェクトBanoffeeが、2ndアルバム『Teartracks』の発表に伴い、ニューシングル「Idiot」をリリース。Phebe Schmidtが手掛けたMVも公開。 SOPHIE、umru、Empress Of、CupcakKeが参加し、Yves Rothmanとの共同プロデュースで制作されたデビューアルバム『Look at us now Dad』に続く今回の2ndアルバムについて、Banoffeeは「夜のドライブ中でも、シャワーを浴びながらでもいいけど、誰かに悲しい気持ちになりたいから『Teartracks』をかけようかなって思ってもらいたい。」と語っている。アルバムには〈PC Music〉のPlanet 1999、Charli XCXのツアーバンドメンバーCeci G、さらにPertoとのコラボレーションも収録されているとのこと。 アルバム発表と共にMVが公開された新曲「Idiot」でBanoffeeは、自分の過去の行動を振り返り、それらがどのように現在の鬱なエピソードに繋がっているのかを表現している。「家に閉じこもって気ままに過ごす必要があることを歌っています。」と彼女は語っている。 Banoffee- Idiot Release date : 29 July 2021 Stream : https://onerpm.link/idiot
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