2025/03/27
トラウマとの対峙、カタルシスも解決もない
jinninの音楽は、コントロールの殻を破り、その下の生々しい神経を露出させる。彼女のサウンドはトラウマとの対峙であり、埋もれた記憶、被害の連鎖、吸収され、目撃され、暴力の執拗な発掘。ここにはカタルシスの幻想も解決もない。ただ、破壊と再生の可能性の間の緊張があるだけ。
彼女の前作となるEP『Sleet Comes Down』では、癒されていない傷を美学化し、歪んだレンズを通して記憶を再構築しようとした。シングル「Goner」では、喪失や痛み、死、それらの変容のプロセスを裸にする。アウトロの歌詞にある「足がなくなって、代わりに義肢をつけた」は比喩以上のマニフェスト。かつてあったものに戻ることはなく、ただ残骸から新しいものを創造する。
それでもjinninは自己破壊を見世物にすることに警戒心を抱いている。彼女は音楽を単なる苦しみの器としてではなく、変容が根付く空間として捉える。痛みは美学ではなく、降伏を要求するのではなく、再生の可能性を示唆する敷居。音楽的には、jinninの世界は両極端に存在する。洞窟から聴こえてくる歪んだシンセとベースとノイズの壁が、もろくも結晶のようなメロディーへと崩壊していく。反復と崩壊が一つに溶け合い、自己消去と再構築の絶え間ないサイクル。彼女は罪悪感から逃れようとするのではなく、罪悪の中に存在し、意味を書き換えることのできる空間を切り開こうとしている。
jinnin – Goner
Label : Perpetual Care
Release date: March 27, 2025
Bandcamp : https://jinnin.bandcamp.com/album/goner-single
Tracklist
1. Goner
2. Rip B
All tracks written, recorded, produced by: jinnin
Additional Production by: Water Clear
Mixed by: Joel Eel
Mastered by: Gustav Brunn @ GG All In Audio
Art Direction by: jinnin
Artwork Illustration by: Mitchel Peters
category:NEWS
tags:jinnin
2023/08/14
韓国・仁川の謎めいた声と何か 韓国・仁川の謎めいた声と何か。jinninは、2000年代のKポップ・ノスタルジアとインターネット・ミュージックの生々しい電子的エネルギーを取り入れた独自のサウンド・アイデンティティを通して揺るぎない自信を得た。 jinninの音楽は、過去と現在のシームレスな融合であり、彼女自身の旅と経験を映し出す。その豊かな芸術性は我々をパラレルワールドに誘う。 彼女が音楽の世界に足を踏み入れたきっかけは、SoundCloudでお気に入りのミックスをシェアすることだった。絶え間ない情熱で、彼女はプロデューサーとして、またヴォーカリストとして、大胆に芸術の地平を探求し、広げていく。彼女の抱える使命はリスナーが彼女のサウンドを通して、微妙で定義できない感情のデリケートな風景をナビゲートできるようにすること。 彼女はポップのデリケートな領域を巧みに操り、サウンドに生と深層電子のエネルギーを吹き込む。それは地球の核から湧き上がる、彼女の音楽の熱は泡立ち、噴出し、魅惑的な聴覚体験へと結晶化する。 jinnin – Sleet Comes down Label : Perpetual Care Release date: September 8, 2023 Bandcamp : https://jinnin.bandcamp.com/album/sleet-comes-down Tracklist 1. Bonbon 2. Sleet Comes Down 3. Butler 4. Celebrate Creative direction by: Joel Eel Artwork Illustration by: Sarah Lim Press Photos by Jihyun Woong All tracks written, recorded, produced by: jinnin Except track 3: written, recorded, produced by: jinnin, Water Clear Additional production by: Water Clear on tracks 1 &
2024/09/25
「BLOOM」のMV公開 ポップミュージックの文脈で聴かされる3拍子というものは、往々にして4拍子というメインディシュの端に置かれた「付け合わせ」の野菜である。幼少からの食事習慣により、3拍子とは”バラード”であり、”ブルース”であり、”リラックス”であり、何よりも”ワルツ”であるという認識が植え付けられる。それは「決まり切った定番料理」であり、もっと味の濃い料理を望む人ほど「変拍子」というエスニックに手を伸ばす。よって3拍子の可能性を信じたり、その拡張性にかけてみようなどと考える者は、これまでも一部の変わり者*を除いて存在しなかった。 佐藤あんこが初の音源集となる本作で試みるのは、こうした3拍子に対する認識のアップデートであり、ゲームチェンジ。もともと4拍子だった楽曲を、強引に3拍子にコンバートする手法で制作された本作は、『4から3へ』というアルバム・タイトルのとおり、われわれを3拍子の新たな地平へいざなう。 もっとも、南米ベネズエラの「踊れる3拍子」音楽であるガイタ(Gaita Zuliana)との偶然の出会いがなければ、本作は生まれなかったと佐藤は言う。ガイタのエッセンスを吸収しつつも、単なる「文化の盗用」ではない独自の音楽を生み出すことは容易ではなく、本作の制作には中断期間を含め4年を費やした。しかしながら、1991年生まれの佐藤にとって、「33歳」となる2024年に本作がリリースされることは、きっと偶然以上の意味を持つに違いない。アルバムのラストを飾る楽曲「光陰計器」には、佐藤が以前楽曲提供した縁から、姫乃たまがゲスト歌唱で参加している。 本日夜20時にはリードトラック「BLOOM」のMVが、KAOMOZI公式YouTubeから公開。監督はこれまでに八十八ヶ所巡礼、クリープハイプ、cinema staffなどの作品を手掛けた丸山太郎が担当。ポップで軽快な楽曲に合わせてカメラやCGが縦横無尽に動き回り、ニューウェイブとJ-POPを横断するような映像となる。 – 以下、佐藤あんこ コメント 四角い部屋に住み、四角い電車に乗り、四角い端末を操作して、四角いベッドで眠る。 我々の日常は「4」で成り立っている。 4という数字の持つ無意識性は、決して無意味なものではない。 しかしながら、この日常には4が溢れすぎていないか? もっと「3」があっても良いのではないか? 3という数字が持つ意識性もまた、決して無意味なものではない。 本作は3拍子ポップスのアルバムである。 それは、ポップスにおける3拍子というリズムの可能性を追求したという面において。 そして、詩・メロディ・リズムという「三拍子」が揃ったという面において。 本作は3拍子ポップスのアルバムである。 佐藤あんこ – 4から3へ Label : KAOMOZI Release date : September 11 2024 https://ultravybe.lnk.to/4to3 Tracklist 1. BLOOM 2. ブランダン 3. 花火 4. あの国 5. ガーデンロケット・ワードサラダ・ランチ 6. unhappy together 7. 叡智ttp://wisdom×3 8. 光陰計器(feat.姫乃たま)
2024/05/03
新レジデント・パーティ開始 ポスト脱構築のネオから聴こえるオーガニックの鼓動、 新レジデント・パーティ虯(キュウ)がWWWβにて始動。”アジアン・ドラム”をテーマに京都からRILLA、札幌からyodel、ローカルからyuhaをゲストに、Ichiro Tanimoto、Shu Tamiya、Eichi Abe一同出演。 東アジアの電子音楽を開拓する上海-UK拠点SVBKVLTから京都のRILLA、札幌からロンドン拠点NTSラジオのFoodmanレジデント番組にてE.O.Uとジョイント・ミックスを披露したyodel、ローカルからKenjiキュレーションのミックス・チャンネルBlue Xpに登場した電子テクノ・オーガニックの硬派yuhaをゲストに、アジア・ツアーから帰国したみんなのきもちからGenome 6.66 Mbpからアルバムを発表したIchiro TanimotoとShu Tamiya、Eichi Abeの一同が出演。テクノ/トランス・オーガニックな趣のある電子音楽を軸とした”アジアン・ドラム”をテーマに第1回目が開催。 虯 (キュウ) 2024/05/11 SAT 23:00 at WWWβ U23 ¥1,500 / ADV ¥2,000 / DOOR ¥2,500 (+1D) TICKET https://t.livepocket.jp/e/20240511wwwb Eichi Abe Ichiro Tanimoto RILLA [SVBKVLT / Set Fire To Me] Shu Tamiya yodel yuha supported by melting bot Over 20 only・Photo ID required
AVYSSからRojuuへ13の質問 more
5月24日 MORI.MICHI.DISCO.STAGE (遊園地エリア) more
JAPANESE OTAKU ROOM (FULL SET)
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