2024/11/23
虚ろな都市のフラグメンツ
アーティストのAmuxax(distortion)とDJ/プロデューサーのikill(samejima)によるブレイクコアデュオ〈ethenal ethereal city〉が1st EP『Eternal Heaven』をリリース。アートワークは関西を中心に活動するコレクティブ〈WiNG*〉所属のkobeyaが担当した。
デビューアルバム『endandstart』で注目を集めたアーティスト・Amuxaxと、プロデューサーやDJとして各所で活躍するikillは、パンデミック以降のSoundCloudで頭角をあらわし、〈DEMONIA〉や〈バビフェス〉などで舞台をともにする盟友。
〈ethenal ethereal city〉は、同郷人である二人が、田舎と東京を往復する中で覚えた閉塞感から、distortion(Amuxax)/samejima(ikill)というアバターで「架空の都市」の都市開発を行うべく結成された。1stシングルとして「Tokyo Imaginary Girl」をリリースしているほか、11月にはliQuidとSPACEによる共催イベント〈たのしいひ〉への出演が決定している。
『Eternal Heaven』では、2020年代にインターネットで復興したブレイクコアを手がかりに、東京という街に対する遠距離の幻影と、二人の目に認識されるゼロ距離の絶望とを織り交ぜたフィクショナルな都市空間を展開する。砕けて接がれて割れて縫われて再び壊れる都市の姿に、現実とも天国ともつかない永遠を見る。
【Amuxax(distortion) コメント】
東京と地元の田舎を往復する中で、どちらにも拭えない閉塞感や息苦しさを感じていました。地元の町に帰ってきた時にikillと2人で車に乗って、デジタルゲームの背景のような工業地帯をアクセル踏み切って通り過ぎても、どこにも行けないような気がしました。東京の街は、色々なビルや建物が液晶が星のように光っていて、どこに目をやっても人に人に人。ここには何でもあるけれど、それ以上に何もない。いつでも、どこでも、僕たちは重いベールのような何かに閉じ込められていて、この町からこの世界から抜け出すことができない。だから、架空の都市を作ろうと思いました。絶えず音で、世界を壊して再構築するのがこの都市の公共事業です。人種・思想問わず誰でも出入りができます。この街は言語を介さない音楽で繋がって、全てに目を瞑ります。ですが、ここが安寧の地であるかは保証しかねます。1st EPの「Eternal Heaven」はこの町を天国だと信じて止まない少女の話です。心臓が飛び出しそうになるようなbpmの音の濁流に、彼女も僕達も激しい鼓動と安らぎを覚えて夢をみます。ここは果たして天国なのか、この音のデータはぼくらをどこへ運ぶのか。それはあの聳え立つ電波塔だけが知っているのです。
ethenal ethereal city (distortion & samejima) – Eternal Heaven
Release date : November 23 2024
Link: https://linktr.ee/eternaletherealcity
Master: samejima
Artwork: kobeya
Tracklist:
ellie (prod. distortion)
tokyo imaginary girl (prod. distortion)
lost my voice (prod. distortion)
digital fragments (prod. distortion)
404 not found (prod. distortion)
never forget (prod. samejima)
category:NEWS
2023/10/01
悪夢に迷い込み、再び浮上する 山口県出身でパンデミック以降のSoundCloudシーンで活躍するアーティスト・Amuxaxがデビューアルバム『endandstart』をリリース。 Amuxaxは閉塞したコロナ禍の現実逃避として音楽活動を始め、「endcore」と称するベッドルーム的カタストロフを描いてきた。そのほかUztamaのアルバムへの参加や、lilbesh ramko主催フェス〈バビフェス〉でのアクトなど確かな存在感を放つ。 『endandstart』は、自室に迷い込んだ悪夢のような想念と共に深い暗闇に落ちこんでいき、再び浮上するまでを口述するドキュメント的なコンセプトアルバムとなっている。ドリーミーに歪んだ音風景にハイハットの楔を打ち込み、変調したボーカルで自問自答する孤独な幽体的流離譚を通してAmuxaxは再帰を図る。 今作のマスタリングは同郷のトラックメイカー/DJのikillが、アートワークはグラフィックデザイナーのイトウアラタが担当。 Amuxax – endandstart Release Date : October 1st 2023 Mastering : ikill Artwork : イトウアラタ Stream : https://linkco.re/Bp0GCtGS Tracklist 1.愛憎(end) 2.胎動(new translation) 3.壊放(distortion) 4.邂逅(abyss) 5.回想(nightmare) 6.相棒(demon) 7.残響(silence in harmony) 8.埋葬(telepathy) 9.体温(angel) 10.怪鳥(raven) 11.再動(this is start)
2025/06/25
BHS Svve、yahiko参加 札幌出身のラッパー・ORCOが5曲入のEP『VESTIGE』を6月25日にリリース。マスタリング・Editはikill (discordsquad2k)が手がけた。アートワークは映像作家の水島賽を中心としたコレクティヴ・PINK PROPAGANDAが担当。リリースに先立ち、アートワークと同じくPINK PROPAGANDAがディレクションを担当したリードトラック「YUKI w/BHS Svve」のMVが公開されている。 本作『VESTIGE』のタイトルは「痕跡」を意味する単語。自身の札幌から東京への上京、その過程における葛藤や苦難など、さまざまな感情がリリックに投影されている。ビートメイカーとしてikill、nathin、1wayOut、The Ushanka Boyが参加し、客演にはロックからの影響も色濃いyahikoと同郷の盟友・BHS Svveを招いている。 ORCO – VESTIGE Release Date : July 25, 2025 Stream : https://linkco.re/NxQPcF5r Tracklist 1. Raven (prod. ikill) 2. Grab (prod. nathin) 3. YUKI w/ BHS Svve (prod. 1wayOut) 4. 637 feat. yahiko (prod. The Ushanka Boy) 5. Carry on (prod. ikill) Mixed by ORCO Mastered, Sound edited by ikill Artwork by PINK PROPAGANDA
2024/12/15
薄れゆく記憶の中で〈あなた〉の声を捉える 山口県出身でパンデミック以降のSoundCloudシーンで活躍するアーティスト・Amuxaxがシングル「say something」をリリース。 Amuxaxは閉塞したコロナ禍の現実逃避として音楽活動を始め、「endcore」と称するベッドルーム的カタストロフを描いてきた。Uztamaのアルバムへの参加や、lilbesh ramko主催フェス〈バビフェス〉でのアクト、ikillとのブレイクコアユニット〈eternal ethereal city〉など、同世代アーティストとのコラボレーションを展開するほか、2023年にはデビューアルバムとなる『endandstart』を発表した。 「say something」はこれまでのトラップを基調とする音楽性から一転し、一人バンド形態となった作品。薄れゆく記憶の中で〈あなた〉の声を捉えようと藻掻く多重のリダイレクト・エラーが、轟音のギターサウンドに変換されるデジタル・シューゲイズとなっている。また、忘却をさらに遅延させる努力としての「slowed + reverb ver.」も同時収録。本作のマスタリングはikillが、アートワークは315udnが担当した。 Amuxax – say something Release Date : December 15 2024 Mastering : ikill Artwork : 315udn Stream : https://linkco.re/ZEB4V7ex
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Text : つやちゃん more