行こうぜ、日本!|KARAN! & TToten interview

ブラジリアンファンクは愛、音楽、ダンス、全て幸福に繋がる

 

 

世界から大きな注目と支持を得るようになったバイレファンキ。そのファンキを中心としたブラジルのミュージックシーンは現在ものすごい速さで進化を遂げている。5月20日のDOMMUNEの出演を皮切りに初のジャパンツアーを決行するブラジルのKARAN!とTTotenは、そのファンキにベースミュージックの革新的なアイディアを取りんだ 「ファベーラベース」と言われる音楽の代表的な若手アーティストだ。ブラジリアンミュージックの最前線を走る2人に、パーソナルな質問からブラジルの音楽シーンについてまで、7つの質問に答えてもらった。


Text by バイレファンキかけ子

 

 

──小さい頃は何を聴いていましたか? その頃からファンキは身近にありましたか?

 

TToten子供の頃は色々なものを聴いて育ちました。家族のほとんどはカントリーミュージックを聴いていて、私もしばらくはそれを聴いていました。その後にヘヴィメタルとロックンロールにハマってレイヴにも行くようになりました。初めてエレクトロニックミュージックを聴いたのは、サイトランスのようなもので、本当に楽しかったですね。ブラジリアンファンキはしばらくの間頭の片隅にありました。なぜなら私はスラム街の近くに住んでいて、友達のほとんどはいつもブラジリアンファンクを聴いて、バイレファンキに遊びにいってたからです。それが普通のことでした。それで自分も聴き始めて、それがとても楽しかったので制作を始め今に至ります。

 

KARAN!私はそれとは全然違う感じです。私は長い間小さな町で暮らしていたので、ブラジリアンファンクには全く馴染みがありませんでしたし、ある時点まではブラジリアンファンクを嫌ってました。でもそれを克服して SoundCloud でブラジルのヘヴィベースシーンの人々を見つけたんです。Heavy BaileやMU540などです。それから私はブラジリアンファンクに夢中になり、たくさんのアーティストを聴き始めました。私にとってそれはそれは常軌を逸して魅力的なものだったので自分も作り始めました。 そして狂ったように続けて、今ここにいます。ブラジリアンファンクのおかげで初のツアーをやるんです、最高です!

 

──二人ともTToten、KARAN!という名前で2020年頃活動を始めましたね。 既に素晴らしい実績がありますが、それ以前から音楽活動をしていましたか? その時のあなたの音楽スタイルは何でしたか?

 

TToten僕ら二人ともかなり似た経緯を持ってると思うんです。二人ともダブステップやベースミュージックみたいな曲から作り始めました。2020年からプロデュース活動を始めて、それからずっとTTotenという名前ですが、今のようなファベーラベースを始める前はダブステップをたくさん作っていました。それからバイレファンキをブレンドするということを始めて、もう3年ぐらいかな。そして今までずっとも続けてます。

 

KARAN!私もずっとKARAN!という名前でプロデュースをしています。TTotenが言ったように、完全に自然な流れでダブステップ、リディム、ハイブリッド トラップのようなヘヴィベース ミュージックを作り始めたんですが、2019年頃からブラジルの音楽の要素を取り入れたベースミュージックを作りはじめました。当時は今の感じとは全く違って、Rawtekのようなことをやってました。その頃は自分のスタイルを見つけようと模索してて、そして今はそれがうまくいったという感じ。だからたくさんのアーティストからインスピレーションを受けていているけど今は自分のスタイルで活動をしています。当時とは大きく変わりましたね。

 

──2人はどういう経緯で KARANとTToten として活動を始めたのでしょうか。

 

TToten私がブラジリアンファンキに実験的なベース ミュージックをブレンドしたりするようになって、Shavozoという友達がKARAN! の音楽を紹介してくれたんです。
それで聴き始めて、彼をフォローするようになりました。ブラジルに私たちと同じような音楽をやっている人たちの小さなコミュニティがあって、そこでお互いに話をするようになりました。そしてギグで一緒にB2Bした後、より親密になり、この友情を築き始めたんです。

 

KARAN!TToten が言ったように、私たちは SPEEDTESTとtropa do soundcloudのイベントでB2Bをしたんです。実際に会ったのはそのずっと前でしたが、とても自然にお互いのことを理解しだしました。何故なら私たちは基本的に同じファベーラベースという同じスタイルの音楽をやっているからです。それでお互いに会話を始めて、TTotenが言ったように友情を築き始めてそして今、私たちは一緒に最初の海外ツアーを行う予定です!これはすごいことですね!

 

 

 

──ファンキ以外で好きなジャンル、シーン、アーティストなどはありますか?

 

TTotenさっき話したように、私はブラジリアンファンキをたくさん聴いて育ちましたが、それ以外にヘヴィメタル ミュージックやたくさんのロックン ロールも聴いていました。Slipknot、System of a Down、 Linkin Park、 Foo Fighters…などなどいろいろあります。最近はEPROMやG-Jonesなどのエクスペリメンタルなベースミュージックをよく聴いていて、私の音楽の主なインスピレーションになっています。メロディックな面では、Flumeの音楽、Quiet Bison。そしてKUCKAが大好きです。彼女は素晴らしいです!

 

KARAN!私の場合はちょっと変わった感じなんだけど、私は顔にパンチを与えるような攻撃的なベース ミュージックを作っているけれど、その反面かなりジャズをよく聴いています。Radio Juicy というレーベルは、メロディーなどがとても素晴らしいです。それ以外では本当にかなりヘビーベースミュージックを聴いていますね。ほとんど幼児の頃から今現在まで、とても長い間です。正直に言うと自分でも理解できないほどクレイジーにベースミュージックが大好きなんです。今この音楽をやってるっていうのは、ベースミュージックをそれだけ聴いているからでしょうね。私はベースミュージック育ちなんです。

 

──日本の皆はブラジルで何が起こっているかに興味津々です。 ファンキはどんどん大きくなっているように見えますが、2人から見てブラジルの音楽シーンはどのようなものですか? 魅力的な点、または問題があると思う点はありますか?

 

TTotenブラジルでは地域ごとに独自のスタイルのファンキがあり、サンパウロでも各ゾーンに独自の音楽スタイルがあり、そこで行われているストリートパーティーもそれぞれ独特のサウンドを持っています。問題だと思う点は、DJがファンキをプレイすることを許さないパーティーのオーガナイザーが、一部のDJをボイコットすることだと思います。今では少しマシになりましたが、昔はクラブでファンキをプレイするのは困難でした。ファンキを聴きたい場合、ファベーラのストリートパーティーに行く必要がありました。年齢が高い層のほとんどは、過激な歌詞や実験的なビートのせいでファンキを嫌っています。若い子供たちにとってはとても魅力的なサウンドなのですが。

 

KARAN!私にとってブラジリアンファンクの一番良いところは、90年代と違って今日ではたくさんの音楽的実験が行われていることです。たくさんの異なるスタイルのファンキがあり、リズムはとても豊かで、本当に素晴らしいと思います。ブラジリアンファンクに対するさまざまな視点からの表現が行われています。問題に思う点は、まさに TTotenが言った通りです。ブラジリアンファンクの文化は一般的に悪いものと関連付けられていますが、それは真実ではありません。ブラジリアンファンクは多くの人々の人生を変えました。私たちの生活もです。 アーティストとしてシーンを代表することは私たちにとって非常に重要であり、ブラジリアンファンクは愛であり、音楽であり、ダンスであり、すべて幸福に繋がるものです。ファンキが貧しい人々の文化が由来であるという理由で、悪いことと結び付けるのは本当に良くないことです。

 

──kondzillaなどのメインストリームのファンキと、ファベーラベーなどのクラブミュージックシーンの間には明確な区別がありますか? それとも流動的なのでしょうか?

 

TTotenブラジリアンファンクにはすごく多くのスタイルがありますが、kondzillaや GR6 でプレイされる曲はより商業的なものです。歌詞にメッセージを込めてる曲が多く、ほとんどがラブソングで、サンパウロではそういう曲がよく流れます。音楽のタイプとしてはBPMが低くて90bpmから100bpmくらいです。逆にストリートで流れているものは非常に実験的で、とてもラウドで、ハードスタイルやハードコア ミュージックみたいな感じとも言えます。そのサウンドで踊るのはとても楽しいでしょう。商業的なものは音楽はラジオのようなものです。

 

KARAN!ブラジリアンファンクは非常に多様でニッチですが、ブラジリアンファンクの商業的サイドの音楽ははクラブサイドのファンキとは全く異なります。私たちがプレイするのは通常、激しいパーカッションや強烈なキックやベースなどが特徴のストリート サイドのブラジリアンファンクです。なので商業的なものと私たちがやっている音楽とは大きな違いがあり、全く流動的ではないのです。ただ、それもでも素晴らしいと思っています。Kondzilla、GR6、Love Funkにも素晴らしい曲や、バンガートラックもありますし、ブラジリアンファンクは商業的な側面もストリート音楽の側面も持っている。それがすごいんです。さまざまな異なるスタイルが存在し、誰もがそれを愛し、楽しんでいます。

 

TTotenそうだね、どちらも好きでいいし、ただ違うというだけでどちらもいいのです。

 

──今後挑戦したい計画やこの先の理想はありますか?

 

KARAN!2人の曲もソロでも一緒でもたくさんの曲をリリースする予定です。いくつかの大きなレーベルからリリースするために自分の最初のアルバムとEPを制作中です。それとたくさんのブラジルのアーティストが参加するコンピレーションのリリース予定もあります。ぜひチェックしてください。そして、私たち二人の課題は、ワールドツアーを行うために世界中に行き、世界中のあらゆる人達の前でブラジルの音楽を披露することです。今、私たちは地球の反対側へ行くんです。日本は本当に遠いけど、あらゆる場所でプレイしてブラジル音楽の素晴らしさを伝えたいし、美しいものであることを伝えたい。きっと素晴らしいものになると思います。

 

TToten私はどちらかというとシングル派で、EPやアルバムはあまりリリースしないのですが、来年に向けてミックステープの制作に取り組んでいます。そして私たちは世界を旅するということを本当に楽しんでいます、初めての海外ツアーが日本となるのは本当に最高なことです!そして私たちの音楽やサウンドを高く評価してくれる日本のプロデューサーに会うために、そこでの時間を最大限に活用するつもりです。少なくともEPを作って飛び出すつもりです!KARAN!が言ったように4月にはSlow Roast Recordsのコンピレーションに参加する予定で、また55hzからMEPB Vol.1という別のコンピレーションもリリースする予定です。それには本当に素晴らしいアップカミングなプロデューサーの曲がたくさん収録されるはずです。

 

KARAN!見逃さないでほしい!ブラジルから才能豊かなアーティストが集まっています。皆さんはおそらく私たちの曲を聴いてくれると思いますが、他のプロデューサーの曲も是非聴いてください。ブラジルにはさまざまなスタイルの音楽がたくさんあるので、それをチェックしてください。やりましょう!

 

TTOTEN & KARAN!行こうぜ、日本!

 

 

 

大阪公演

Shampoo -KARAN! +TToten JapanTour!!-

会場 CONPASS OSAKA

日時 5/22(水) START18:00 CLOSE22:30

前売り ¥2000 当日 ¥2500

TICKET : https://forms.gle/4HMPLiA8oNufeJT18

 

DJ:

KARAN! (from Brazil)

TToten (from Brazil)

バイレファンキかけ子

ALTF4

cyber milkちゃん

Junya Hirano(environment 0g/remodel)

 

 

名古屋公演

KARAN! +TToten JapanTour!!

会場 club GOODWEATHER

日時 5/24(金) midnight

https://www.goodweather.org/

 

DJ:

KARAN! (from Brazil)

TToten (from Brazil)

バイレファンキかけ子

and more

 

 

東京公演

KARAN! +TToten JapanTour!!

会場 CIRCUS TOKYO

日時 5/25(土) START23:00

前売り ¥2500 当日 ¥3000 学生¥2000

TICKET : https://circus.zaiko.io/e/karanttoten

 

DJ:

KARAN! (from Brazil)

TToten (from Brazil)

AXELERATOR

バイレファンキかけ子

hirihiri

okadada

pìccolo

坂田律子

 

Live:

2danimeghetto

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