2023/01/10
新たな身体のフェーズ
昨年、平日のクラブを利用したグループ展としてContact Tokyoにて開催した「Imaginary Line」にも参加していた鷲見友佑 / YUSUKE WASHIMIによる最新映像作品《CONTENA》のスクリーニングが1月20日~ 22日の3日間で開催される。
–
鷲見友佑は、近作の《bind》やNew Balance「PARALYM ART 9BOX COLLECTION」で制作した装身具、あるいはファッションブランドHATRAのアクセサリーピースの制作など、プラスチック製品を用いた装着可能な作品で知られています。しかし、鷲見の制作には、それらが「身につけられるもの」であるのと同時に、そもそも身体が何かをつけることで別のものに変容するということ、あるいは何かを憑依させることのできる媒体であるということが根底にあります。
インターネットやゲームにおいて自身の分身であるアバターが代替可能なものであるように、現実における私たちの身体についても「装身」を通じて「変身」の可能性を模索することができるでしょう。鷲見の作品は、プラスチックという素材と3DCGに共通する表面性および中空性を手がかりに、此岸(リアル)と彼岸(ヴァーチャル)を行き来することで、「包装」ないし「装飾」というテーマから現代における空虚な身体性を問い直していると言えます。
本作は、今日における儀式の場として、TOPPAN VIRTUAL HUMAN LAB.(凸版印刷株式会社)のサポートのもと、高精度の人体計測(3Dスキャン)が可能な装置「ライトステージ」を舞台に撮影されました。日本伝統音楽を研究する kengoshimiz が音響を担当するのを筆頭に、石垣星児(写真)や 北原成貴(映像)、藤田卓見(演出補助)など、鷲見と同世代の感性も結集。鷲見の活動を研究対象とし、本作における共同研究者でもある山野井千晶によるリサーチの成果も併せて展示します。鷲見友佑が提示する新たな身体のフェーズを是非ともご覧ください。
開催概要
名称:鷲見友佑 スクリーニング展「CONTENA」
会期:2023年1月20日(金)– 1月22日(日)
会場:TAV GALLERY(東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F)[080-1231-1112]
時間:13:00 – 20:00 (有料) ※パンフレット付き/予約不要
入場:¥1200-
category:NEWS
tags:鷲見友佑
2024/02/11
2/12~2/25 FabCafe Tokyo 自らが生きる時代の「変身」の可能性を模索し続ける鷲見友佑による個展「移送の庭先」が開催。初日は、岡山県立美術館学芸員の伊澤文彦と鷲見友佑によるトークイベントも行われる。 – ■開催概要 展示タイトル:鷲見友佑「移送の庭先」 会期:2024年2月12日(月/祝)~2月25日(日) 開場時間:10:00-20:00 会場:FabCafe Tokyo(東京都渋谷区道玄坂1丁目22-7 道玄坂ピア 1F)https://fabcafe.com/jp/tokyo/ 入場料:無料 助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]、FabCafe Tokyo 協力:NZR ステートメント: 鷲見友佑は、「変身」をテーマにプラスチック製品を主な素材とした、装着可能な立体作品を制作・着用し、自らが生きる時代の「変身」の可能性を模索してきました。最近では、姿態が変化するのみならず、「変身」する主体が現実から非現実的ともいえる異なる場や状況へと運び移されることに着目し、制作・執筆の2つの側面から活動を展開しています。本展「移送の庭先」は、鷲見が新たに制作した立体・映像を、カフェの空間内に配置することを通して、「変身」における素材と造形の関係を、日常と地続きの視点から探る試みとなります。 ■トークイベント トークイベント *事前予約不要 登壇者:鷲見友佑×伊澤文彦(岡山県立美術館学芸員) 日時:2024年2月12日(月/祝)19:00~ 会場:FabCafe Tokyo(東京都渋谷区道玄坂1丁目22-7 道玄坂ピア 1F) 入場:ワンドリンク制 鷲見友佑 1996年静岡県生まれ。幼い頃からの強い変身願望を原動力に、立体や映像の制作、テキストの執筆などを行い、自らが生きる時代の「変身」の可能性を模索している。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科ファッションコース卒業。同大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。現在、同大学美学美術史研究室教務補助員。主な展覧会に、「CONTENA」(TAV GALLERY、2023年)など。主なテキストに「着用と梱包ー自作《CONTENA》を起点に」(美史研ジャーナル18号、2023年)、「疾走する変身願望ー仮面ライダーとファッションー」(Fashion Tech News、2023年)など。音楽ジャケットの制作や、ファッションブランドとのコラボレーション、空間設計やワークショップなども行う。公益財団法人クマ財団 5期奨学生(2021年)、ART AWARD TOKY! O MARUNOUCHI 2022 野口玲一賞(2022年)。
2021/09/15
鑑賞におけるパブリックとプライベートの認識の境界線 2020年12月に千葉・松戸にオープンしたスペース「mcg21xoxo」(エムシージートゥエンティーワンエックスオーエックスオー)にて、VODスクリーニングプロジェクト「sundae」が開催。視聴者は、廃墟のような疑似在宅視聴環境でオリジナルのmcg21xoxoサンデーを食べながら、定期的に更新される映像作品のコレクションから作品を選択・視聴することができる。また、すべての映像作品は同時にオンライン上にアップロードされ、一作品500円でレンタル視聴可能。 1 地下空間 40年前までゲームセンターとして使用されていた、松戸駅前の地下空間で映像作品を展示します。既に空間にあるコンテクストと作品が混ざり合うような感覚を理想とし、空間の雰囲気をそのまま活かしたポストホワイトキューブの鑑賞体験を提供します。 2 サンデーを食べながら映像鑑賞 ビル2Fにある喫茶店ピーチーズがmcg21xoxo sundaeのために作るオリジナルパフェをお召し上がりください。 3 自分で作品を選ぶ自由な鑑賞体験 会期中、鑑賞できる作品はどんどん増えていきます。貸切制ですので、観たい作品をご自身でお選びいただく、自由な鑑賞体験ができます。 4 会場に行けなくても鑑賞できる、オンラインでのレンタル視聴 会期中、オンライン会場にて作品のレンタル視聴が可能です。会場に行くことが難しくても、いつでもどこでも、作品をご鑑賞いただけます。 ———————– 会期:2021年9月10日(金)~2022年2月26日(土)のうち、毎週金・土曜日 開場時間:11:00~17:00(最終入場16:00)(完全予約制) 入場料:2,500円(1名あたり/1枠50分/サンデー付) ※貸切のみ、1グループ10名まで 配信鑑賞料:500円/作品 sundae.mcg21xoxo.com 会場:千葉県松戸市本町4-11 アリタビル2F ピーチーズおよび地下1F 主催:mcg21xoxo 共催:株式会社まちづクリエイティブ、株式会社有田商店 協力:ピーチーズ 参加作家:Anlan Huang (Yasmine), Chen Pin Tao, Deirdre Sargent, Eliška Jahelková, El Pelele, Lou Andreasu, Max Kreis, MIRA 新伝統, Pauline Creuzé, Pedro Gossler, Piotr Bujak, Roxman Gatt, Samson Stilwell, Skene Milne, Thibault Jehanne, Viktor Timofeev, Vunkwan, 他 「sundae」は従来のアート制度や空間が構築してきた映像鑑賞の経験に対し、新たな鑑賞環境の提案を試みます。美術館やギャラリーは「展示」という限られた鑑賞の時間/空間へのアクセスを観客に要求し、むしろ排他的で独占的な印象を形作ってきました。近年のインターネットにおけるコミュニケーション形式や様々なデバイスの発達により、映画やドラマなどを含めた映像鑑賞が一層フレキシブルになり、その経験に慣れ親しんだ私たちの身体的な時間感覚は、ますます個人的なものになりつつあります。そういったテクノロジーの転回を背景にして、鑑賞におけるパブリックとプライベートの認識の境界線が、現在新たに引き直されつつあります。mcg21xoxo sundaeは、その境界線を引き直す実験的な場であり、映像作品と観客の新しい関係性を構築するためのプロジェクトです。
2025/02/19
Sence of Gradation / グラデーションの感覚 アンビエントの可能性を探求する7日間の都市型フェスティバル「MIMINOIMI – Ambient / Week – 」の第3弾が2025年5月5日(月・祝)〜11日(日)の期間に開催。過去2回では、Chihei Hatakeyama、岡田拓郎、Hideki Umezawaらによるライブパフォーマンスに加え、鳥越けい子、小沼純一、柳沢英輔らによるレクチャーや実験的なパフォーマンスなどが行われてきた。 以下、インフォ 今回のフェスティバル第3弾のテーマは「Sence of Gradation / グラデーションの感覚」です。 「グラデーション」は、様々な角度で音の認識や音楽行為への興味深い視座を提供してくれます。例えば、アンビエントとある種の伝統邦楽は、音響的質感や間の感覚において共通する雰囲気を持ち、それぞれ異なる背景を持ちながらも、聴覚的・方法論的な類似性の中でグラデーションとして存在しています。 さらに、一音一音に焦点を当てると、伝統楽器の微細なピッチの揺れやズレは、音の高さがグラデーションの中に位置づけられていることを物語っています。同様に、アナログモジュラーシンセサイザーの段階的なピッチの変化にも、微細な音のグラデーションが確認できます。 また、音楽が発せられる場のことを考えていくと、楽器やスピーカーが発する音、それを取り囲む空間、そして聴取者は、緩やかな音のグラデーションの中で共存していると言えます。このことは、音を単一の存在ではなく環境的に捉える上で興味深い視点をもたらしてくれます。 グラデーションを認識することは、微細な音、状態、情報の連なりを捉えることであり、その状態を受け止め、「グラデーション」に対しての感性を育んでいくことは、既存のカテゴリーや二元論を超え、リスナーがそれぞれの感覚を開いていく上で重要な契機となると主催者は考えます。 本イベントは、音楽のフェスであると共に、音を起点に様々な感覚を体験したり、新たな思考を育んでいく為の実験の場です。アーティストやイベントプログラムは、随時発表されます。 – 【開催概要】 日程:2025年5月5日(月・祝)~5月11日(日) 会場:東京都内各所(予定) チケット情報:後日発表 https://www.miminoimi.me/
人工的な音像と、動植物的世界を結びつけるピュアな視点
2/23 渋谷STUDIO FREEDOM
more
photo by Elsa Kostic more