ウガンダでモジュラーを開発するAfrorackの1stアルバム『The Afrorack』が発表

東アフリカのポリリズムとモジュラー

 

 

「人間が完全に機能するためには、脳が働き、目や耳や腕がなければなりません。オシレーター、VCA、エンベロープがあります。意味のあるものを作るには、すべてが調和して機能しなければならない。」- Brian Bamanya (Afrorack)

 

Bamanyaは、アフリカでは珍しいDIYモジュラーシンセサイザーの製作を行なっている。自作のモジュールを巨大な壁にして、彼はプロジェクトの名前を「Afrorack」と名付けた。彼がプロジェクトに着手した理由は単純で、モジュラーシンセサイザーの世界を調べ始めたとき、ウガンダでその技術を手に入れるのは困難だったから。アフリカ全土でも販売店舗が少なく、そして高価だった。Bamanyaはネットで検索した後、必要な部品を現地で購入できることに気づき、独学で電子回路を学んでいくことになる。

 

「The Afrorack」はBamanyaのデビューアルバムであり、自由な創造性と慌ただしいエネルギーを表現している。彼はこれらのモジュールがヨーロッパとアメリカの音楽スタイルを念頭に置いて開発されたことを十分承知しており、システムを自分のニーズに合うように、独自の方法論と言語を開発した。Bamanyaは東アフリカのリズムと異なるスケールをこれらの構造に組み込み、それらをフラクタルな破片に分割している。「アフリカには独自の伝統音楽があるため、人々が手に入れられなかった新しいツールを手に入れ、それを異なる文脈で実験している地点にいると思う。」と、彼は語っている。

 

この姿勢はアルバム収録曲「African Drum Machine」で最も顕著に表れており、CV信号を多くの東アフリカの音楽形態に存在するポリリズム構造を模倣し、複雑なアルゴリズムパターンに分割した。よく聴かなければ4/4テクノのように聞こえるかもしれないが、注意して聴くと、異なるドラムレイヤーとギザギザのオシレータが互いに跳ね返り、催眠術のようなリズムを作り出しているのがわかる。さらに「Inspired」や「Last Modular」では、メタリックでありながら、猫の鳴き声やビデオゲームの要素を取り入れるなどの実験を行なった。ビートの少ないトラックではモジュラーミュージックの歴史に意識的に言及し、コズミックなムードに移行しながらも、東アフリカの特異なリズムでそれを補強している。それらを踏まえて、『The Afrorack』 は、長い間待たれていた会話の始まりであると称されている。

 

 

Afrorack – The Afrorack

Label : Hakuna Kulala

Release date : 27 May 2022

Pre-order : https://hakunakulala.bandcamp.com/album/the-afrorack

 

Tracklist

1. Osc

2. Last Modular

3. Inspired

4. Bass Plus

5. Rev

6. Why Serious?

7. Cowbell

8. African Drum machine

9. Desert

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